特11 鈴虫寺、苔寺
鈴 虫 寺
 京都一周トレイルの本コースと特別編は2021年6月にほぼ終えたが、本コース終着点近くにある西芳寺(苔寺)と鈴虫寺には行かなかった。

 それで、9ヶ月、間が開いたが、西芳寺の予約が翌日とれることを発見し、急きょ予約。合わせて、説法を聞く必要があり、時間的なことで避けていた鈴虫寺も行く。

 阪急、松尾大社駅で下車し、まずは鈴虫寺へ。駅前には松尾大社の鳥居があるが、今回は松尾大社へは行かない。
 
 鈴虫寺に着く直前に西芳寺川に沿って歩くのだが、川沿いの桜が満開だった。
 
 鈴虫寺に到着。長い石段を上るのだが、石段の真中あたりまで行列ができていて、石段の上で並んだ。
 
 
 寺に到着したのは10時40分。11時の説法に参加するが、10時50分に受付が開始された。
 
 石段の上にある山門。門から出る人も並んでいるが、門の左側にお地蔵さんがあり、参拝するために並んでいる。
 
 本堂を見ながら、並んだまま進む。
 
 客殿の入口が受付で参観料500円を払い、中に入る。
 
 客殿の中の座敷で法話を聞く。鈴虫の音色が鳴り響いている。左手にはすでにぎっしり客が座っている。その前には、鈴虫の入った飼育箱が置かれてるいるが、鈴虫の箱は撮影禁止。

 法話では、寺が臨済宗で金閣、銀閣、天龍寺と同じだとか、寺は創建300年で本堂などの建て替え工事が始まるなど寺の話があった。

 鈴虫は1箱に500匹で、10箱あり全体で5000匹だとか。鈴虫の音は雄の求愛行動で、1秒間に60回、羽根をこすっている。室温はエアコンで年間通じて一定に保っているとのこと。

 山門のそばに幸福地蔵があり、具体的な願い事をすることも話された。この地蔵はわらじを履いているのが珍しいとのこと。

 最後に「慈、粛、陽、靜」の字にまつわる話があり、「自粛要請」と覚えてくださいとのこと。
 
 席には菓子が置かれている。以前はお茶も出してこの場で食べていたが、コロナ禍のため持ち帰ってくださいとのこと。

 軽妙で楽しい法話のあと、鈴虫を見る。
 
 庭園を歩く。小さな庭園であっという間に回り終えた。
 
 庭園から法話を聞いた客殿を見る。
 
 本堂。外から参拝。
 
 幸福地蔵も参拝。写真ではわからないが、確かにわらじをはいていた。
 
 開山300年の看板。
 
 12時すぎに昼食をとりに上桂駅方面へ向かう。西芳寺は13時30分からなので、寺のそばで昼食にすれば、時間を持て余しそうだったので。

 椋の木の大木の下の部分が松尾谷の交差点の中にたっている。もとは青々とした木だったのが枯れてしまったようだ。
 
 上桂駅前の「宮本カレー」へ。2度目の利用。

 下左   店内。

 下右   ビール。
 
 グリーンカレーとオリジナルカレーのあいがけカレー。ポークとチキンをトッピング。

 ごはんの上にきざみねぎがちりばめてあるのは珍しい。

 下左   きんぴらごぼうや里芋がついているのがこの店のカレーの特徴。もともと、この店は惣菜屋であったそうだ。

 下右   あと口にでてくる、かつおだしスープ。
 
苔  寺
 西芳寺(苔寺)に予約していた13時30分少し前に到着。

 世界遺産京都は17の寺社から構成されているが、このうち西芳寺だけ訪問したことがなかった。

 最大の理由は、往復はがきでかなり前に予約しなければならないことだった。加えて、拝観料が3000円と他寺社に比べて格段に高く、お高くとまっていると、印象がよくなかったからだ。

 京都一周トレイルの終着点近くにあり、行ってみようと、3,40年ぶりに往復はがきを買ったのだが、先の予定の見極めがつきにくくなかなか予約はがきが出せなかった。2021年6月、画期的なことがおこった。ネット予約が可能になったのだ。でも、ネット予約の場合は4000円になり、行く気をなくしてしまった。

 でも、今回、一度行っておこうという気持ちが高まった。ネット予約も重点措置の解除後はとりにくくなっているが、たまたま翌日の午後に空きが少しあるという表示が出たので、思い切って、翌日に参拝することにして、ネット予約。
 
 門を入った内側が受付で、4000円を払って入場。ネット予約に場合は、写経に使う筆ペンが授与される。往復はがきの場合は、筆ペン等を持参するか借りるかだ。考えようによっては、1000円の筆ペンともいえる。

 すぐに大佛次郎の「苔寺にて」という一文を川端康成が揮毫した石碑がたっていた。

 川端康成が他の作家の一文を揮毫したのはどうしてだろうとか、川端が苔寺を訪問したときに揮毫したのだろうかとか思った。川端の書は楷書で見やすいものだった。ただ、石碑は文学碑というには巨大すぎて変な感じ。
 
 上   しだれ桜を見ながら本堂に向かう。

 左   本堂。扁額には「西来堂」とある。本堂の前の廊下にテーブルが置かれ写経中の人がいる。

 さらに進んだ本堂の横の建物から本堂の廊下へ。写経用紙を受け取りテーブルで写経。本堂内で着座しての写経をしている人もいる。
 
 写経は薄く印刷された文字の上をなぞるもので、文字数も計50字ほど。

 20分ほどで書き終わった。以前、三千院で写経したときは、ずっと字数が多く時間もっかったことを思い出した。
 
 受付でもらった西芳寺の寺名入りの筆ペンを使った。
 書き終わった写経を本堂内の置場において奉納し、参拝。堂本印象の描いた襖絵も見てきた。本堂内の撮影は禁止。
 
 庭園に入る手前の休憩所へ。

 下左   手洗い用の水が出るドラム缶型の設備があった。

 下右   その設備のにはスマートフォンの消毒器がついていた。
 
 
 「史跡及名勝 西芳寺庭園」の碑。

 苔寺の参拝者が目的にするのは、庭園よりも苔だろう。庭園としてはきわだった特徴が感じられなかったけど、庭一面が苔だったのは驚き。
 
 庭園には心地池がある。池が「心」の字の形だというのだが、見ていてよくわからなかった。
 
 湘南亭茶室。西芳寺の千利休の千少庵が建てたもので、西芳寺の建物では一番古い。
 
 「岩倉具視公旧跡」の碑。

 岩倉具視は一時期、京を追われ、岩倉の旧宅に入ったのだが、その前に西芳寺や他の寺を移り住んだ。西芳寺にいたときには、この茶室にいたともこと。
 
 苔から木が生えているような感じ。池の中の島に渡る橋もあり、昔の遊歩道であったのかな。
 
 苔を拡大撮影してみた。120種類の苔が自生しているとのこと。
 
 池には鴨もやってきていた。
 木の切り株も苔むして、いい感じ
 
 ここから石段を上ると上には枯山水の庭園があるが、そちらは公開されていなかった。
 
 庭園を見終わり、休憩所で一休み。

 鈴虫寺でいただいた菓子をいただく。紫蘇味のする落雁だった。

 鈴虫寺の法話で、菓子には鈴虫の亡骸をすりつぶして混ぜているという話もあるが、そんなことはありませんと言って、笑っていたが、確かに紫蘇の粒が入っている。
 寺を出たのは15時少し前。写経と合わせて1時間30分という時間制限はちょうどだなって感じ。

 寺を出る際、土産として絵葉書をいただいた。

 上桂駅へ。桜咲く中を電車が通る。この日の予定も終えて帰宅。



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