1  タ ヒ チ (パペーテ街歩き)
 
 今回は成田発なのだが、伊丹から成田の便がとれず、伊丹・羽田・成田と移動しなればならなかった。

 JALの伊丹発羽田行きはエコジェットだった。翼の緑が新鮮だ。この機体だけがエコ化されたというのではなく、JALのエコ推進活動の推進の象徴として緑の塗色になっているようだ。

 羽田到着後、成田へのバスは直近のバスが満席で乗れず、20分ほど待ち、65分ほどの乗車。
 成田到着は出発の1時間30分ほど前、大急ぎで搭乗手続、保安検査、出国審査(このとき自動化ゲート登録も済ませた)を終え、出発のゲートに到着したら、出発30分前。

 写真をとったり、携帯を使ったりしているうちに搭乗時刻になった。今回は、はじめて利用するエア・タヒチ・ヌイのパペーテ行き(パペーテはフレンチポリネシアの首都でタヒチ島最大の町)。なお、マイルの関係で、コードシェアしているJAL便としての利用だ。
 この機体、ほぼ青一色でまとめられていて、爽快感がある。このデザインは気に入った。

 水平飛行にうつり飲み物サービス。続いて、機内食。サーモンフライだが、卵とじ風になっていた。前菜にもサーモンがあるのはどうかと思ったが、味は標準。

 飲み物は赤ワインを頼んだら、ほかにもいらないか言われ、それならと白ワインもいただいた。

 
 太平洋の真中へ向ってのフライトは初めて。いつもは、画面で左下や左上、右上方向なので、右下向きってのは新鮮だ。

 地図上では、パペーテまではそう遠くなさそうに見える。これは地図の魔術で、5882マイルでロサンゼルスよりも遠く、ロンドンよりはわずか300マイルほど短いだけだ。

 飛行時間もヨーロッパや米国中東部なみの12時間弱。
 時差は19時間で、離陸直後に土曜日の12時を金曜日の19時に時計を直しておいた。これだけ違うと変な感覚だ。

 到着前に2回目の機内食。朝食だ。

 日本時間なら到着は土曜日の23時台なのだが、時差のため、現地時間では何と土曜日の4時台になるのだ。ほとんど1日遅れって感じで、土曜日が2回あるような気分になる。
 土曜日の4時、パペーテ、ファアア空港到着。徒歩でターミナルに向かう。

 ターミナルは南国風の壁なしの構造になっている。とはいえ、朝方は、夏の日本よりもうんと涼しく、長袖を着こんだ。

 ほぼ満席だったためか、入国審査は長い列。税関は通過するだけ。キャッシングの予定だったがATMは稼働しておらず、両替機で両替。手数料が高い(1回500CFP=約750円)ので、2万円両替し、これを3日間でちょうど使い切ることにする。
 ターミナルを出ると、旅行社のバスがたくさんやってきている。ほとんどの乗客は、ツアーか現地旅行社に送迎を依頼してるのでごったがえしている。

 さて、自分はといえば、ターミナルを出て駐車場と空港前の道路を突っ切り、エアポートモーテルへ。ところが、空港から徒歩5分とはいえ、徒歩の場合は裏口から入らねばならず、深夜に初めて来た客にはわかりづらく、ちょっと迷ってしまった。モーテル内でも迷い、やっとの思いで部屋へ。部屋に入ると、冷房をつけ、すぐにバタンキュー。
 目覚めると、土曜日の12時。ということは成田出発が土曜日12時だったから、19時間が経過していることになる。また、日本時間では日曜日の7時だ。日本にいるとしたら正常な睡眠パターンだ。

 まずは、シャワー。そして外出の準備。部屋の窓からは、ファアア空港、その向こうに海が見える。部屋は北向きなのでとても暑く(南半球だから太陽は北にある)、冷房が故障したら大変だ。
 13時すぎに外出。まず昼食をとり、翌日と帰国前日の現地発ツアーを予約したあと、パペーテ市内を街歩きするつもり。

 モーテルを出て、空港との間にある道路から、モーテルを撮影したのが左。この画像を見ると、道路からモーテルへは簡単に行けそうだが、深夜だとこれが難しかったのだ。

 この撮影場所から、ル・トラックと呼ばれる乗合バスでパペーテ中心部に向かう。空港前から5km、15分ほどだ。終点まで乗ればいいから、安心して乗れる。 
 ル・トラックは、トラックの荷台を改造して座席を取り付けたもの。助手席の人にお金を払い、その横の出入口から乗降する。バスの後ろは閉鎖されていて使えない。だが鍵がかかっていて、非常時にも使えないのはちょっと怖い。

 空港から市内までタクシーなら1500CFP(約2250円)なので、130CFP(約195円)はありがたい。それでも、アジアの同種のバスよりもかなり高い。また18時以降は、タクシーは2500CFP(約3750円)、ル・トラックは200CFP(約300円)となる。
 下車したところの近くの「スター・スタジオ」で昼食。飲み物は、ヒナノ。タヒチ産のビールだ。そして、食事は、マグロのステーキ。マグロをステーキで食べるのは初めて。おいしかった。ただ、タヒチは物価が異常に高い。ビールと料理で税込2360CFP(約3540円)。
 食事後は、旅行代理店へ。ところが、2、3軒あたってみたが、軒並みに土曜の午後はシャッターがおりていた。そこで、あまり利用したくなかったが開いていた日系代理店へ。

 日本語ツアーは高いうえ、日本発のツアー客と混載となると思ったから。でも、やむを得ない。翌日は日本語のタヒチ島一周ツアーを予約。約1万6千円。帰国前日は、モーレア島一周にインターコンチネンタルホテルでのドルフィンタッチを組み合せたツアーのつもりだったが、約5万円に驚き、インターコンチでは食事だけのツアーに。それでも約2万5千円。
 
 上は、18世紀にタヒチにやってきた、キャプテン・ブーゲンビルの像。同時期に英国のキャプテン・クックもやってきたが、最終的にはこのエリアはフランスが確保した。手前の大砲は何なのか不明。

 右は、政府庁舎。フランス国旗とフレンチポリネシアの旗が掲げられている。旗の下の像は、第1次世界大戦のときの戦没者の慰霊碑。また11月11日は第1次大戦戦勝記念日で祝日になっている。どちらも第2次じゃなく、第1次というのが意外であった。
 左は、パペーテ中心部の繁華街。ほとんどシャッターが下りているのは、土曜の午後は休業というのが基本だからだ。ただし、飲食店は夜になると開くようだ。日曜も同じで、ほとんどの店は休業。

 看板にTattooの文字が見えるが、アジアの刺青がタヒチに入り、全身に刺青をするのがタヒチ人にとって普通になったという。そして、タヒチからヨーロッパに広まっていったということだ。だが、20世紀に入り一時、刺青禁止になり、その後、ファッションとして復活したようだ。
 次に、カテドラルへ。明るい黄色い教会だ。たまたま結婚式をやっていて、見ることができた。




 よく見かけるカトリックの結婚式。島ではプロテスタントが多く、次いでカトリック。両者で人口のほとんどだ。

 次に、マルシェ(市場)へ。土曜午後はほとんどの店舗は閉まっていたが、一部のみ営業していた。




  
 17時ごろに港へ。大型の船も停泊しているし、すぐそばにはフランス海軍の基地もある。

 1時間ほど、港のあたりで、腰かけて待ったり、ウロウロしたり。18時ごろからルロットという、トラックを改造した屋台が店をだすから、開店を待っていたわけだ。

 ルロットはほかの場所でもあるのだが、ここがタヒチで最大のルロットの集まる場だ。
 この日は、マヒマヒと野菜の炒め物。これにはフランスパンの切ったものがついている。マヒマヒは、日本ではシイラと呼ばれ、体長が2mくらいになる大きな魚だ。

 値段は1500CFP(約2250円)。屋台としてはとても高いが、屋外レストランと考えれば、普通のレストランよりはかなり安い。
 
 食事後、ル・トラックでモーテルに戻った。乗り場はマルシェのそばにあり、そこまでの人通りがなく、ちょっと不気味だった。

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