1 日 目

 

 今回、利尻・礼文への旅の玄関としたのは、稚内。関西空港発の便もあるのだが、 関空発を使うと稚内に泊まり、翌日にいづれかの島に渡ることになる。そのため、運賃は余計にかかるのだが、羽田経由として、初日のうちに、利尻島に入れるような日程をくんだ。

 伊丹発8時の羽田行きは、ビジネス客でほぼ満席。観光客は肩身が狭い感じだ。

 

 途中、富士山の頂上を見ることができた。1時間ほどで、羽田到着。

 羽田空港は初めてだ。今まで国内線は、沖縄旅行のほかは国際線乗り継ぎのために成田行きを利用しただけだから。羽田での乗り継ぎは35分だったが、ゲート間を歩くのに10分ほどかかり、少し遅延したこともあって、あせらされた。

 待つこと10分ほどで搭乗。稚内までは、1時間30分ほど。乗客は先ほどとは違って、ほとんどが観光客だ。

 さて、北海道は久しぶりだ。海外旅行をはじめて以来、国内旅行はほとんどしなくなったためだ。最近、国内旅行を見直す気持ちになり、今回の旅になったわけだ。

 

 

 空港前からはフェリーターミナル行きのバスが、各便にあわせて出発する。

 空港リムジンではなく、通常の路線バスである。羽田からの便からの客は多くて、少しだけ立つ客もでた。30分ほどで到着したのは、北防波堤ドームのすぐ前だった。

 奇妙な形をしたドーム、昭和11年に完成したもので、この中にかつては線路も敷かれていて、ドームの柱の建っている部分には稚内港駅のホームと桟橋があったという。

 列車で駅に着いた乗客は風雨にさらされることなく、稚泊連絡船に乗り継ぐことができるようになっていた。

 稚泊連絡船は、大泊(現・コルサコフ)への連絡船で、8時間ほどかけての運航だったという。

 右はドーム内。かつて線路のあった部分は舗装道路、ホームのあった部分は歩道のようになっている。

 このようになったのは、昭和53年に修復されているので、そのときであろう。

 

 

 

 左は、稚泊航路記念碑。碑文によると、宗谷本線が開通した翌年の大正12年から連絡船は運航されていた。当初はドームがなく、最後の10年間がドーム使用だったのだ。

 ドームを見たあと、フェリーターミナルで船の時間や切符の買い方などを確かめておいてから、昼食へ。

 稚内駅の裏手にある、北市場という土産物店の2階にある夢広場という店に行った。

 選んだのは、たこしゃぶ定食。画像で、刺身の左側にあるのが、冷凍のたこの切り身。これをしゃぶしゃぶにして食べるのだ。

   稚内駅の裏手。ホームの上屋は、前に来たときと変わっていない。

 

 

 

 

 

 昔もあった最北端の駅の標識。ただし、今はJRと書いてある。昔のことを思い出したが、当時はあった天北線や夜行急行「利尻」は今はない。どちらも、かつて利用したのだが、、

 駅のすぐそばにあるバスターミナルへ向かった。駅の裏手とはいえ、駅の表側に行くには、ぐるっと遠回りしなければならない。

 次は、日本最北端の温泉である稚内温泉「童夢」に向かう。12時56分発のバスに間にあうようにターミナルへ。すぐにバスがきて乗車。

 20分弱で温泉に到着。荒々しく波がうちつける殺風景な海岸に突如、左のような巨大建造物が現れた。これが温泉だ。

 温泉の玄関がバス停になっていてとても便利だ。自分と一緒に、大勢のお年寄りが下車して、温泉に入った。一般の入浴料は600円。 

 

 

 

 

 

 

 

  玄関の様子。玄関を入り、チケットを買って受付で渡して中に入る。黄色い円形のところで靴を脱ぎ、靴箱に入れる。これは、浴場などがある2階から撮影したもの。

 2階にあがると右のようになっている。画像の左のほうに浴室への入口があり、そこのロッカーにかばんなどを入れた。旅行者など荷物のある人はここを利用するが、あまり大きな荷物は入らない。

 靴箱、このロッカー、それに脱衣場の中のロッカー、いづれも100円入れて、あとで戻ってくる仕組みだ。


 脱衣場の入口に掲示してある注意書きは、ロシア語でも書いてある。男湯、女湯の説明もしてあった。

 ロシア人もやってくるのだろうが、行った日にはロシア人はきていなかった。

 下は、トイレ内の表示。ここにもロシア語があった。

 脱衣場内の注意書きにもロシア語が使われている。ロシア人、日本人とも、マナーの悪い人がいて困ったのだろう。また、ロシア人の場合は、悪気はなくても、日本のマナーを知らないこともあるだろうし。

 帰りのバス時刻は、14時52分。行く前にネットで確認していたが、バス停でもしっかり見ておいたが、脱衣場の中にもわかりやすく書いてある。

 稚内の路線バスは、市内の南稚内とノッシャップ岬を結ぶ路線は15分間隔くらいで結構走っているのだが、その区間以外は、たいへん少ない本数だ。稚内温泉に行くバスも本数が少なく、事前に時刻表をしっかり検討して、乗るバスを決めていた。

 温泉では1時間20分ほど時間があり、ゆっくりと入浴できた。ジャグジー風呂、打たせ湯、寝湯、薬湯、露天風呂、サウナなどいろいろな風呂があり、一通り入った。

 帰りのバスは、ターミナルまで乗らずに、港に近そうな公園前で下車。5分ほどでフェリーターミナルに到着。

 

 

 

  

  

  余裕で間に合い、15時30分発の利尻島の鴛泊行きの船に乗船。

 かなり大きな船で、乗船は船腹の入口からする。

 

 

 

 

  

 船室は、和室風になっていて、大部分の人が横になっていた。

  1時間40分ほどで、利尻島へ。この日は天気がよく、翌日の悪天候など予想もできなかった。

 

 

 

 

 右は、鴛泊のターミナル内。翌日に乗る予定の観光バスの切符売場などを確かめておいた。

 港へは、旅館の人が迎えにきてくれていて、すぐに旅館へ。泊まったのは「旅館雪国」。

 

 

 

 

 和室で泊まるのは、家族旅行以外では何年ぶりだろうか。

 部屋からは、鴛泊港がよく見えた。港からは1kmほどで、歩けないわけではないが、暗くなってから歩く人などなさそうな感じのところだ。

 よって、12時間、この旅館の中ですごすことにした。

 風呂は、利尻富士温泉から湯を引いているとのことで、思いがけなく温泉に入れてよかった。

 19時から夕食。かにの足、刺身、うに、たこの焼き物、もずくと海の幸がメインの食事はとてもおいしかった。

 食事のあとは、部屋ですごした。海外旅行の場合、外の夕食からホテルに戻るのは、21時以降であることが多い。そのことを考えると、旅館で決まった夕食を食べるというスタイルも楽でいいものだ。

 久しぶりにのんびりとした夜をおくった。

 

 

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