ウブドの休日(2)

 12月24日 ウブド村を歩く 

 朝、5時過ぎに目がさめる。雨が降っているようだ。予想していたよりも涼しいのはラッキーだ。ウブドの宿は、中級の上クラスでないとエアコンはついていない。泊まっている宿ももちろんついていない。そのかわり、窓には網戸と竹製の格子がついているだけで、ガラスは入っていない。建物自体が、竹を編んで造ってあるようで、泊まっているのはその2階だ。1階、2階にひと部屋づつあるだけだ。風通しは抜群にいい。出発前は、暑さがちょと心配だったが、夜については、その心配は無用だ。

     
       宿泊した宿。2階だてで、森に囲まれる。

     
       泊まった部屋。壁がなく、竹格子だけなので、
       風通しがたいへん良い。

 雨はやみ、日が照り始める。8時から朝食ということで、屋外のあづまやのような食事場所へ行くと、日本人の女性が先にきていた。バリへは、商売用の品物の買いつけのためにきているとのこと。そして、大きなお葬式が29日に行われるということを教えてもらう。大きなお葬式は、年に一回あるかないかで、しかもいつ行われるか直前にならないとわからないとのことで、初めてバリに来て、お葬式を見られるとはラッキーなことだ。

 今日は、一日かけてウブドの村を一通り散歩して、3つある美術館を見学する。ウブドは村といっても、観光地のために結構、車が多い。それで、歩道を歩かないと危ないのだが、これが歩きにくい。歩道の部分は、下が溝になっていて、そのふたにあたる部分が歩道を兼ねているわけだが、ところどころ歩道がなくなって溝になっているところがあるのだ。そのうえ、店の前の部分が、歩道が車道と同じ高さになっていて、歩道を歩いても、あがったりさがったりすることが頻繁にあるのだ。

 まずは、村の南はずれにあるアルマという美術館。田んぼの真中にたっているのだが、玄関に行く途中の細い道に犬が2匹。かなり手ごわそうな犬で、こっちをにらんでいる。おまえなんか関係ないよ。眼中にないようなふりをして、そのそばを切り抜ける。広い敷地に展示館が2棟。バリ絵画にはじめての対面だ。
 
     
      ウブド南部の風景。

 そのあと、モンキーフォレストへ。猿がたくさんいるらしく、食べものを持っているととられるらしいのだが、あまりいないので中を通るだけだ。次に、APAという主として日本人向けのインフォメーションに立ち寄る。ここが主催して、27日にヌガラの海岸でジェゴグのコンサートがおこなわれるのだが、その申し込みをするためである。

 ウブドの中では一番、店が たくさん並んでいる通りを歩く。何度、タクシー?と呼ばれたことか、全部、白タクである。この呼びこみには閉口した。この日の午前中は、ノーサンキューで断っていたが、午後にはノーになり、翌日は首を振るだけになり、その次の日からは、完全無視をするようになった。

 でも、目は、店の前に置いてある両替用の看板にいっている。でも、足元も気をつけないととんでもないことになる。どの両替屋も¥1=Rp63〜64.5だ。それで、64.5の店で1万円を替える。Rp645,000になるのだが、Rp20,000札でくれたものだから、分厚い札束に変化。こういうときにごまかされやすいらしいので、きっちりチェック。


 つぎに寄ったのは、ビナ・ウイサタというインフォメーション。ここではやることが2つある。資料収集と明日、明後日のツアーの申し込みだ。毎日の踊りのスケジュール表とツアーの一覧表をまず入手。踊りの鑑賞の予定は昼食時にたてることにして、とりあえずツアーの一覧表を分析。

 ガイドブックにのっている以外にもあって、8種類ある。結局、明日25日は北のほうのロビナ方面に向かうツアー、明後日26日は東のほうのブサキ、チャンディダサ方面に向かうツアーを申し込んだ。これらは、安くておすすめだ。どちらも Rp45,000。8時30分に出発して、いろいろ回って17時ごろにもどってきて、700円だ。入場料などは含まれていないが、たいした額ではない。

 また、このインフォメーションでお葬式が12時から始まること、今日から夜にお葬式のための踊りが夜に行われることも知った。

 ビナ・ウィサタの前は、プリ・サレン・アグンと呼ばれる王宮だ。お葬式はここで行われる。すでに、準備が進んでいて、火葬のときに棺を入れて燃やす牛ができていた。いろいろな小物類を作っている人たちもいる。

 そのあと、プリ・ルキサン美術館、昼食をはさんで、ネカ美術館でバリ絵画を鑑賞。とくにネカは大きくて、一通り見るだけでもかなり時間がかかる。2時間くらいかけて鑑賞。ネカはウブドの村の中心から2キロほどはなれているうえ、登り坂を歩かなければならないので、ちょっとしたハイキングになった。

 17時ごろ、いったん宿にもどってシャワーを浴びて休憩。今日、鑑賞する踊りは、19時30分から王宮でおこなわれるので、19時前にでれば十分だろう。

 今日は、Rp15,000を間違わずにはらって入場。王宮がお葬式の準備をしているので、道を隔てた寺でおこなわれた。今日鑑賞する踊りは、パンチャ・アルタという歌舞団によるガボールダンスということだが、レゴンダンスとどんな違いがあるのだろうか。結局のところ、レゴンダンスをまだ見ていないこともあって、その違いはよくわからなかった。

 踊りは21時ごろに終わり、近くの観光客向けレストランで食事して宿に戻る。観光客向けのレストラン以外は店を閉めているうえ、街灯があまりないので、暗い。歩道を歩いて、溝にはまればたまったものではない。