2 日 目

 

  この日は春川(チュンチョン)へ行く予定にしている。以前から行きたいと思っていたが、なかなか機会がなかった。1年ほど前にソウルと春川を結ぶ京春線の鉄道が複線電化され、首都圏電鉄に組み込まれ、スピードアップと本数の大幅増加がはかられ、その様子をみがてら、今回こそ行ってみようということになった。

 まずはホテルの朝食。いつもながらのおにぎりだが、この日はおかずがやけに貧相に思えた。

 京春線が複線電化された際にソウル市内の部分では大きくルートが変わったのだが、うかつにもそのことに気づかなかった。従来は、京春線の列車は清涼里(チョンニャンニ)駅から出ていた。そのことが頭にあって、複線電化によってルートも代わり上鳳(サンポン)駅から出ることになった。旅行の数日前に気づいてびっくりした。

 ホテル最寄の東大門歴史文化公園から地下鉄4号線で東大門へ、東大門から地下鉄1号線で清涼里へ、清涼里から国鉄中央線の電車で上鳳に向かった。これだけ乗り継ぐのはなかなか面倒だ。画像は中央線電車が上鳳に着いたところ。

 上鳳から乗車した電車。9時過ぎの急行に乗車することができた。

 ホテルを出てから上鳳まで来るだけでも思っていたより時間がかかった。これだけ乗継があるとは意識していなかった。それでも、清涼里駅は以前来たときは、地下鉄と国鉄の駅が分離していて乗換えが面倒だったのが、地下通路を利用して簡単に乗り継げるようになっていた。その代わり、清涼里駅の国鉄駅部分は風情があったのだが、今回は国鉄の電鉄駅の利用になり、まったく風情はない。

 京春線の車内は座席が埋まり、立ち客が少しいた。

 途中駅で物売りが乗ってきて、手袋の説明をしだし、そのあと売り始めた。何人もの客が買っていた。しばらくすると、今度は腰に巻くサポーターを売りにやってきた。売れなかったのですぐ別の車両に移っていった。地下鉄では時々見る光景だが、近郊電車でもやっていたとは驚き。

 かなり長く立ち客があったが、あと20分くらいの駅でようやくで空席ができた。

 急行は73分は春川駅に到着した。普通なら83分。KTXの駅と同じような新しい駅だ。

 駅前にはかつての米軍基地の跡が広がっていたが、新しい建築物はなく、空き地ばかりである。駅前からは、基地があった時代にはなかった通りが春川の中心部に向けて伸びている。中心部にはタッカルビ横丁もあり、あとで行ってみるつもりだ。

春川駅に着いたのは10時20分ごろ。このあと、駅前のバス停から10時40分ごの12-1系統のバスで昭陽(ソヤン)ダムに向かった。ダムが終点で25分ほどの乗車。

 左  ダムに着いたバス。

 下左  バスを降りると目の前には記念塔。

 下右  塔を越えると昭陽湖(ソヤンホ)が広がる。

 左  バス停はダムの端にある。ダムの上は立入禁止。

 下左  ダムは土と石でできているダムでコンクリートではなかったのが意外な感じ。ダムの湖側。このダム湖はアジア1の人口湖だという。

 下右  ダムの下流側。かなりの高度がある。ダムの堰の下流側の斜面には道路がつくられている。

 左  湖岸に沿って歩いた。魚のオブジェ。 このほか湖岸(ってもかなり水面より上なのだが)の通りには、観光地の写真の展示などがあって楽しく歩けるよう工夫されている。

 下左  湖岸に降りると遊覧船の乗場があった。清平寺(チョンピョンサ)に行く船に乗った。ただし、1時間に1本で、少し待たされた。

 下右  15分ほど湖を奥に進み寺の最寄の船着場に到着。

 「地球の歩き方」の何年か前の版を持っていったのだが、それによると清平寺へは500mほどと書いてあった。船着場から500mで川魚などを食べさせるレストランが集まる集落があるのだが、寺はさらに2kmほど山道を歩かねばならなかった。

 上左  川沿いに歩く。

 上右  途中に九松瀑布という滝があった。

 左  40分ほど歩いてやっと清平寺に到着。

 ダムから船に乗って奥に入りさらに40分歩くような辺鄙な場所とは思えない極彩色のお寺が突然現れてもうびっくり。境内はかなり広い。

 10月ごろに来たら紅葉が美しいのだろうけれども、今は枯れた木ばかり。

 大雄殿の中はあっというきびやかさであった。

 回廊には色とりどりのちょうちんがぶらさがっているが、これがまた美しい。ひとつひとつのちょうちんにもかわいらしい絵が描かれている。

 

 

 

 清平寺は思っていたよりも山奥にあるにもかわらず大きな寺だった。来た道を引き返して、船着場へ。ちょうど14時30分に船が出るのだが果たして間に合うかどうか心配だった。船着場に自分を含めて一団が歩いていたのを見てか船の出港は待っていてくれた。そればかりか自分たちのあとにも集団がやってきて、一度は出港しかかっていた船が客を待った。ソヤンダムの船着場には15時前に戻った。

 そのあと、12-1系統のバスで春川駅を通り過ぎて、次の春川ロータリーまで乗車。

 まずは春川明洞へ。春川一の繁華街であるとともに「冬のソナタ」のロケ地として名高い。数年前のブームのときほどのことはないが、今も明洞のあちらこちらに冬ソナロケ地の表示や冬ソナオブジェがあった。

 明洞を往復したあとは、お待ちかねのタッカルビ横丁に向かった。

 上左  春川は鶏の焼肉であるタッカルビが名物で、街の中心にはタッカルビ横丁がある。ガラガラの店あり、満員の店ありと差が激しいのにびっくり。

 上右  その中でも一番人気のミョンドン1タッカルビに行った。店名に1が入っているのですぐにわかった。

 左  盛況の店内。調理は店員が面倒を見てくれる。

 まずは、鉄板に鶏肉、トッポッキ、キャベツ、ネギなどを混ぜたものが載せられた。これだけで1人前。10000ウォン(約750円)。ほかに、ビール3000ウォン。
 強力な火力であっという間に焼き上げられ、タッカルビのできあがり。 

 ビールによくあう。サンチェなどの葉野菜に巻いて食べられるようになっている。


 

 1人前でもかなりの量があったのだが大丈夫。タッカルビを少し残して、ポックンパプ(チャーハン)を注文した。2000ウォン。これも手際よく焼かれた。

 具をある程度残しておくのがよい。野菜などはご飯と一緒に加えられる。

 いゃぁ満腹。1人前でも結構な量があった。でも安くて、うまい。ソウルでも食べられるが、本場にやってきて食べることができてよかった。食べたのが遅かったので夕食は食べないことにする。
 

 タッカルビで満腹になったあとはソウルに戻るだけ。腹ごなしをかねて、春川ロータリーから春川駅まで歩いて戻った。20分ほど。

 昔は米軍基地があったところに、春川駅に向かう道路があるので歩いた。両側の米軍基地跡はトタン板に覆われていて、まだ再開発がすすんでいない様子だ。

 春川駅に戻ったところ、次の電車は普通。16時20分の電車に乗車し、上鳳には18時前の到着。

 行きは乗換で時間を長く要したので、帰りは1回の乗継でよいルートを選んだ。地下鉄7号線と地下鉄5号線を君子で乗り継ぐルートだ。朝の行きのルートよりかなり遠回りだが、乗り継ぎの回数が少なく、地下鉄は国鉄中央線より本数が多いのでスムーズに戻ることができた。

 地下鉄に乗ってから気づいたのだが、国鉄中央線で往十里まで行き地下鉄4号線に乗り換えればよかったと。行きもそうそうすればよかったのだ。行きは以前の京春線が清涼里から出ていたころの印象に引きづられて無駄の多い行き方にしてしまったことも理解できた。

 ホテル最寄駅まで戻ると19時30分。充実した日帰り旅行だった。このあとかつて東大門球場があった周辺を1時間ほどぶらついた。

 途中でホットクの屋台があったので、久しぶりに食べてみた。1000ウォン。

 ホテルに戻りこの日は終了。

 

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