1日目 ヤ ン ゴ ン ま で

 

 

バンコクへはラッキーアップグレード
 2005年末から年初に行ったミャンマー。ビザ取得に手間がかかり、行くまでが大変だった。行ってみれば、時代から取り残された面が多くみられる中で徐々に変化している様子も見受けられた。

 あれから11年。ちょうど11年ぶりに再びミャンマーを目指すことになった。11年前は2週間かけてミャンマー各地を廻ったが、今回は5日間でヤンゴンだけに滞在の旅だ。最終日はバンコクで1泊して帰るのは11年前と同じ。

 関西空港からバンコク経由でヤンゴンに向う。バンコクまではJAL利用だ。JALはエコノミークラスの航空券を準備していたのだが、チェックインのさい、「本日はエコノミークラスが満席でビジネスクラスの座席を用意しました。」と言われ、ビジネスクラスの搭乗券が手渡された。久しぶりにラッキーアップグレードに遭遇した。ただ、窓側の席で、出入りがちょっと不便だが、それはやむを得ない。
 
  搭乗まで2時間近くあり、サクララウンジへ。関空サクララウンジ名物になったカレーをいただく。成田名物のカレーとはまた違うカレーで、すっかり関空サクラにやってくると必ずいただくメニューになった。飲物はスペイン産スパークリングワインのCAVA。これまた関空サクラでは名物だ。

 前夜は夜通しで旅行準備をしたため、ほとんど眠らなかったので、食後は眠くなった。居眠りなどをしていたら、またたく間に搭乗時刻が間近であった。
 
 いよいよ搭乗。ビジネスクラスはシェルフラット。フルフラットではなく、少し斜めになるライフラットであるが、バンコクならこれで十分に休める。前夜もほとんど眠っていないので、今回のラッキーアップグレードはとてもうれしい。

 下左  着席した座席。写真左下の紙は朝食のオーダーシートで、洋食を頼んでおく。

 水平飛行になってすぐに飲物サービスがあり、ビールを飲んだが、写真を撮り忘れたようだ。そのあと、しっかり熟睡。よく眠れてよかった。

 下右  目覚め時のブラッドオレンジジュース。普通のオレンジジュースよりも赤っぽい。
 
 朝食。現地時間でまだ3時台、日本時間で4時台。こんな時間にたくさん食べるってのは無理で、半分ほど残した。

 さらに1時間ほど飛行してスワンナブーム空港に到着。ラッキーアップグレードのおかげで、入国審査場でプレミアムレーンを利用できた。入国審査場は早朝だとたいてすいているのだが、今回は早朝にもかかわらず混雑していたので、プレミアムレーンを利用できてよかった。
ドンムアンに移動後ヤンゴンへ
 上左  制限区域外に出てまずSIMを購入。今回はバンコクは乗継だけなのだが、スワンナブーム空港からドンムアン空港に移動し、ドンムアン空港での暇つぶし、それに帰国時にはネット友さんとオフ会を計画しているので、緊急連絡が必要かもしれないので購入。

 上右  3番の出口から出たところに、ドンムアン空港に向うシャトルバス乗場がある。

 左  スワンナブーム空港とドンムアン空港を結ぶシャトルバス。
 上左  オレンジ色のピーク時は12分間隔、水色の時間帯は30分間隔で運行されている。今回は6時発の便に乗車。

 上右  シャトルバスは無料だが、このカウンターでドンムアン空港発の便のEチケット控えなどを見せる必要がある。見せると、星型のスタンプが押された。

 左  車内。全席がほぼうまる程度で発車。途中バンコクの中心部を通り、近くにマッカサン駅の大ドームなどが見られた。またドンムアン空港付近でも高架鉄道の駅がほぼ完成していた。ドンムアン空港へも鉄道でアクセスできるようになるのはとても便利だ。
  45分ほどでドンムアン空港に到着した。ドンムアン空港を最後に利用したのは、2006年8月で、スリランカ旅行のついでに1泊滞在してスコータイなどを訪問したときだ。2006年10月には、スワンナブーム空港を開港3日目に利用し、チェンライを訪れた。だから約10年ぶりのドンムアン空港だ。空港の外観は10年前と変わっていない。

  現在のドンムアン空港はLCC専用空港であるが、国内線はいろいろな会社が入り乱れているようだが、国際線はエアアジアが圧倒的に便数が多く出発便の表示を見てもエアアジアが8割くらいを占めている。

 ヤンゴンへはエアアジアを利用するので、エアアジアのチェックイン。長い列ができていたが、途中で別のカウンターに誘導され、短時間で手続き完了。

  上左  自宅で印刷してきたEチケットの下部が切られ、搭乗券になった。ゲート番号の22が記入され、搭乗時刻とともにマーカーで線が引かれた。星形のスタンプは、空港間シャトルバスの乗車のさいに押された印。

 
 

 上右  制限区域内に入ると、かつてのドンムアン空港の様子がよみがえってきた。ああ、こんな感じだった。変わっていないという印象だ。ただ、店舗は圧倒的に少なく、行きかう客も少なく、寂しい感じだ。

 左  搭乗まで3時間近くある。もう1便早くても、ぎりぎり搭乗できたようだが、万が一の遅れを考えると、待ち時間が長くても確実な便を選ばねばならなかった。国内線だとプライオリティパスで利用できるラウンジがあるが、国際線にはなく、3時間を搭乗口近くですごさねばならなかった。ネットを利用したりして、時間がすぎるのを待った。売店で少しだけ買物。

 下左  ジュース。缶にハラールの証明のシールが貼られていた。

 下右  カオ・トム・マット。もち米を甘く炊いて固め、豆を混ぜてあるお菓子。バナナの葉で巻いてあるのが多いが、今回のはラップで包まれていた。
 ドンムアン空港ターミナルビルとエアアジアFD255ヤンゴン行。

 下左  22ゲートから出発。

 下右  搭乗。座席は、購入時点で指定できた座席の中のうち、最前部の料金の高い席を除いた席で、最も前方の通路側を指定しておいた。

 
 
 
 航空券購入のさいに、食事も事前購入。かなり安いのでどんなものかと思っていた。レジ袋に入ったセットの中身は、サンドイッチとミネラルウォーター、それにビニール製のエアアジアのタグであった。

 ヤンゴンには1時間強で到着。あっという間に着いたという感じだ。11年前に着いたときには古い小さなターミナルで、近くに新しい大きなターミナルを建設していたが、その新ターミナルに到着。ほかの国の新しい空港と変わらない雰囲気だ。
 
   ミャンマーはビザが必要な国で、11年前には詳細な申請書を書いて、旅行代理店に依頼した。当時は国内線航空機の予約も簡単にはできなかったので、ミャンマー専門の旅行代理店に予約してもらったのだが、アライバルビザを取得するために必要な準備ももその代理店を通じて行った。

 ミャンマービザが驚くほど簡略化されたのは2014年。ネットを通じて申請できるeVISAが導入されたのだ。ネットで申請すれば、3日以内にeVISAの控えがメールで届くので、それを印刷して持参すればよいのだ。実際には申請の翌日に届いた。

 類似の国を言えば、米国とオーストラリアだ。米国の場合、ビザ免除の場合にESTAが必要で、ネットを通じて取得しておく必要がある。オーストラリアの場合、ETAというビザが必要で、事前にネットで取得しなければならい。ほとんど、米国やオーストラリアと同じ制度といってよい。ただ、違うのは、1つはミャンマーはオーストラリアと同じくビザであるという点で、米国がESTAによってビザ免除になるというとは違う。もう1つは、ミャンマーは1次ビザである点で、オーストラリアが数次ビザ、米国が期間内なら何度でもビザ免除になるという点が違う。さらに、ミャンマーはメールで送られた控えを印刷して持参しなければならず、オーストラリアのようにメール自体送られなかったり、米国のように送られてきた控えは入国に際に要求されないのとは違う。

 入国審査場では、eVISAの控えを見せれば、ほかはビザ免除の国での入国手続きと全く違いはない。審査場の手前にアライバルビザのブースがあるが、これも立ち寄る必要はない。eVISAが認められていない国籍者用だ。パスポートにはeVISAというスタンプが押されるのが特徴的だ。入国審査場では20分ほど待たされたが、列が長くなったのを見て、審査ブースを増やす対応もしていて印象はよかった。
 
 両替はATMを利用してクレジットカードでのキャッシング。最近はどの国へ行っても、ほぼキャシングですませている。ミャンマーでも、11年前にはなかったATMを見かけるようになり、空港にもあったので利用した。

 キャシング額は悩むが、手数料が1回につきいくらってことと、公共機関が利用しにくそうなだけにタクシーを多用しそうだったこととで、ちょっと多めの金額をキャッシング。タクシーはよく利用したが、安い上に、ぼられることもなく、また食費なども安あがりだったので、使い切れず次回の訪問時に持ち越した。
 
 続いてSIMの購入。telenorとooredooという会社のブースがならんでいたが、客のいなかったooredooの方へ。

 海外のSIMの価格は、従量制の場合と日数制の場合があり、従量制の場合は、どの程度使うのかはっきりせず悩むことが多い。ooredooの場合は、SIM本体が1500Kで、通信料は1GBが
3000Kで、1GBを4500Kで購入した。400円くらいだから激安だ。

 通貨単位は「チャット」で「K」と表記する。旅行時には100K=8.8円くらいだったが、概算では、0を1個取れば円になる。

  11年前は、日本の携帯電話で音声通話ができず、電話局から日本へ通話したのとはものすごい違いだ。10年前の渡航のさらに2年前までは携帯電話の持ち込み自体が禁止されていていて、空港で預けねばならなかったらしいから同じ国とは思えない変化ぶりだ。
 
  ミャンマーのタクシーは交渉制なので面倒だが、ネット情報で空港からダウンタウンへは、最初10000Kと言われてもすぐに8000Kにしてくれるらしいと調べていた。タクシー乗場に出るとすぐにドライバーがやってくる。まさにネット情報通りの展開で、10000Kがすぐに8000Kになった。ただ、7000Kには下がらなかった。空港から少し離れた大通りに出て流しのタクシーを拾うと7000Kも可能らしいが。

 ダウンタウンにあるホテルのそばまで50分かかった。距離は20kmほどだが、ところどころで多少の渋滞があり、距離の割には時間がかかるなという印象だ。急激に車が増えたのに、道路の整備が追いついていないのだろう。
ヤンゴン1日目
 泊まったのは、11年前にも泊まった「ビューティーランドホテル2」。ホテルと名乗っているが、実質はゲストハウスだ。11年前の印象が良く、どう変わっているか気にもなったので、今回もここに4泊する。

 ヤンゴンのダウンタウンでは、細い道路が一方通行になっていているのだが、ここもそうした路地に面しているので、大通りでタクシーを降ろされ、100mほど歩いた。

 ヤンゴンのほぼど真ん中にあり、とても便利な立地だ。看板の奥に写っている高層ビルがサクラタワー。日系企業のオフィスなどが多く入居している。

 左右  真ん中と左側の建物がホテル。泊まった部屋は、この路地とは反対の側。
 
 玄関の様子は11年前のままだ。手動の扉を開けて、中に入るとすぐにフロントがある。チェックインの手続きを行ったが、11年前と同じくホスピタリティーにあふれた感じは変わっていない。従業員は変われども、雰囲気は受け継がれているようだ。日本語がわかる従業員もいて、便利だし、心がなごむ。

 パスポートは少しの時間預かるそうだ。あとで外出する際に返してもらうことにする。朝食はミャンマースタイルの麺2種類も選べるとのことだが予約制ということで、2泊目と3泊目の朝食は麺類を予約しておいた。11年前は車のチャーターも頼んだのだが、今回はタクシーがあふれているので、流しのタクシーを使う。
 
 11年前に泊まった部屋とは違うが、雰囲気はそのままだ。以前のことを思い出せた。

 毎日の部屋の整頓はしっかりやってくれ、シーツをかえたり、ミネラルウォーターを補給したりするのはきちんとできていた。シャワーの湯も問題なかった。

 設備的には、古くなりすぎている感じはぬぐえなかった。電源は配電盤のようなスイッチを上げ下げして入れたり、切ったりするのだが、そのときに、パッチンと大きな音が鳴る。この音に最初はびっくりしてしまった。

 クーラーはスイッチを入れてから3分くらいしないと作動しない。そのためなのか扇風機も置いてあった。扇風機は、その左側にあるハンガーかけに洗濯物をかけて乾かすのにも役立った。

 難点は、冷蔵庫がなかったのと、WIFIが遅すぎたことだった。暑い国で冷蔵庫がないとがっかりする。WIFIは特に多くの客が利用する夜や朝に使い物にならなかったのが残念だった。あと、4階に泊まったのだがエレベーターがなかった。WIFI、冷蔵庫、エレベーターのことを除くと値段の割にしっかりしていて、親切な感じで、自分の評価は高い。ただWIFIはいただけない。SIMを購入していたので、何とかなったが、次回ヤンゴンに泊まるときには別のホテルを使おうと思う。
 
 上左  部屋で少し休んでから出かけようと思っていたら、寝込んでしまった。気づくと19時。まだ明るいが、初日も少し街歩きしようという計画は失敗。

 夕食のために外出。向う先はアウン・ミンガラー・シャンヌードルという店。ボージョー・アウンサン・マーケットから北へ国鉄の線路を越えて少し歩いたとおろのようだ。

 上右  ボージョー・アウンサン・マーケットはすでに店じまいされ、ひっそりしていて、気味悪いくらいだ。

 左  国鉄の線路を越える橋の上にも店ががでていた。ここまで歩いて11年前との違いに気づいた。ミャンマーといえばロンジー。男性の多くはロンジーをはいているのだが、11年前は9割以上がロンジーだったのだが、今回はロンジーが3分の2くらいだ。ズボン姿の男性がかなり目立つようになっていた。
 
  目指す店に到着。アウン・ミンガラー・シャンヌードル。シャン料理の店だ。店は交差点の角にあって、西側と北側が道路に面している。

 下左  ビール大瓶を注文。銘柄はミャンマービールのみ。

 下右  トーフジョーを注文したら、別のものがやってきた。違うとわかれば、すぐに取り換えてもらったのだが、トーフジョーがどんな料理かわからなかったので、言い出せなかった。あとで、調べたら、揚げ豆腐みたいなものなので、全然違う。これは米の麺をタレをつけて、混ぜたものだった。

  トーフヌエという料理があるのだが、ひょっとしたらトーフヌエかもしれない。ただ、ネットで見られる写真では、もっと具とスープが多いし、豆腐とのかかわりがよくわからないし、不明。
 
 
 
  この店での一番人気は焼餃子ということで、焼餃子を注文。羽根つきということだが、裏返しにしてくれていたら、見事な羽根が見られたかもしれない。全部で20個あり、大きさに大小の違いがあって手作り感がある。

 しょうがの入ったたれをつけていただく。日本で食べる餃子と比べると、脂っぽくないし、水分も少ない。
 
  最後に、サンスィー。もち米でつくった麺。スープありとスープなしがあり、スープなしにした。あっさりした麺で、油ギトギト系のカレーなどの多いミャンマー料理とはちょっと違ったシャン料理だ。

 メニューには値段が書いておらず、個々の値段は不明だが全部で12000チャットで、旅行時のレートでは1000円少しという感じ。
 
 店の北側にはフルーツの屋台が出ていた。部屋に冷蔵庫がないので、冷やさないと美味しくなさそうな果物は避けて、みかんのような果物を買った。

 下左  宿に帰る途中、ビールとポテトチップらしきつまみを買った。ダゴンビールがあり、ミャンマービールより安かった。800チャットだから70円。ダゴンとはヤンゴンの古い名前らしい。

 下右  部屋でみかんも食べてみた。みかんは2000チャット、180円ほどで20個ほどあったので、毎日少しずつ食べていった。

  日本のみかんに比べると、甘くないのが特徴。酸味と渋味が強く、日本のみかんとは外見は同じだが、味は違う。