4 カウナス その2

ネムナス川にかかる橋。この橋の人道の横の柵には、ソ連時代の紋章があった。ソ連時代の数少ない痕跡のひとつである。

旧市街を見渡せる丘へと上るケーブルカー。たまたま行ったときは、整備をしていたのか止まっていたが、ケーブルの線路伝いに横の道を丘の上まで上ると、運転が再開されたので、丘を降りるときだけケーブルカーに乗ってみた。
丘の上から見た旧市街の様子。旧市街は余大きくはないが、その背後に近代的な高層住宅地が広がっていて、市の規模はかなり大きい。

ロシアから独立し、ソ連に併合するまでの22年間の独立時代、リトアニアの首都はカウナスだったのだ。ビリニュスはというと、この時代はポーランド領に編入されていたのであった。

ビタウタス教会。ネムナス川沿いにある。こじんまりとしているが、古城のようなムードがかもしだされている教会である。15世紀の建築。
ビリニャウス通り。旧市街のメインストリートである。昔ながらの家々が並んでいる。建物の色がさまざまであることや、通りが石畳になっていて感じが良い。歩行者天国にもなっている。
ライスベス通り。新市街のメインストリートで、カウナス一の繁華街になっている。幅の広い通りの中心部分に並木と歩行者天国があって、とても気分がよい。
ビタウタス大公戦争博物館。ライスベス通りから少し離れたところにある。中世から近代までの武器の展示がメインになっている。ちょっと退屈であった。

この博物館のすぐそばに、悪魔の博物館というのがあって、悪魔の仮面とか衣装とかが集められていた。個人的にはこちらのほうが面白かった。

戦争博物館の前の広場が、ビエニベス広場。ここにはいろいろな記念碑が集まっている。

写真は、リトアニア独立のために犠牲になった英雄たちをたたえる記念碑である。ロシアからの独立時に建てられたが、ソ連併合後になくなり、1989年に復活したという。中には無名戦士の灰がおさめられている。

かつての日本領事館。杉原千畝がユダヤ人にビザを発行したのはここである。私が写真を撮影したこの場所にかつて、たくさんのユダヤ人がビザを求めて集まっていた。

現在は、何家族かが入居するアパートになっていて、中を見学することはできない。外観は杉原千畝がいたころと変わっていないという。

門のそばに残されているプレートがここが日本領事館であったことを示している。このプレートがとりつけられたのは1994年で、そのときには当時のリトアニアの首相も出席していたという。

 

旧日本領事館のあるのは小高い丘の上にある静かな住宅街。バスターミナルの近くなのだが、急な階段をのぼって行く。案内の看板などはなく、ガイドブックの写真と同じ建物ということで、旧日本領事館であると確認した。

(現在、旧日本領事館は、杉原記念館として公開されています。)

 

カウナスから帰りのバスは普通のバスであった。約1時間半でビリニュスに帰着。

ビリニュス旧市街にある前日にも訪れたレストランで夕食。リトアニア風のカツレツとビールを楽しんだ。

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