2025.4   姫 路
 姫路城をメインにして、2007年以来、18年ぶりに姫路へ行った。理由は、姫路城に3つある小天守が同時に特別公開されるから。4月12日から25日までで、公開期間も2週間と、そう長くない。小天守3つ全部の同時公開は初めてだという。今回、逃せば、つぎはいつあるかわからない。加えて、今は1000円の入城料が、2026年3月から2500円になるので、特別公開がなくても、値上げまでに行きたい思いもあった。
 
えきそば
 スタートはJR姫路駅。

 城に向かう前に駅ですることがある。姫路駅名物「えきそば」を食べるのだ。「えきそば」食べのも18年ぶり。
 数少なくなった駅ホームの立ち食いそば・うどん店だが、姫路は健在。しかも、各ホームごと設置。 
 
 何にするか迷ったが、最も一般的な感じの、天ぷらえきそばにした。
 天ぷらえきそば。
 
 えきそばの特徴は、中華麺に近い黄色い麺(中華麺より、白っぽい)に和風のだしを使っている点だ。つゆは薄味だが、関西のつゆとしては、やや濃い目の感じ。
 食後は、駅を出て、城に向かう。写真は姫路駅ビル。右の低いところが駅の出入口。
 
 駅前から延びる大手前通りの突き当りに城がある。駅から城まで1km少々。城の敷地に入って、城の入場口まで、さらに500mくらい。
姫路城
 
 上   城のエリアに入り、有料区域までの間、無人の空地があり、天守がよく見えた。

 ほかのどの城よりも大きく、圧倒される。

 左   入城券を買い、有料区域に入る。桜は葉桜になっているが、桜ごしに見える天守もいい。
 
 (案内板の写真を拝借)

 有料区域に入ると、すぐに天守に向かうコースもあるが、西の丸の渡櫓に立ち寄るコースを歩く。

 Aが有料区域入口。Aから右に向かうと、天守への道だが、Bに上る。BからCが渡櫓で、廊下のような感じ。240mあり、途中、展示が各所である。
 
 
 B地点。「ワの櫓」から細長い渡櫓に入る。

 姫路城主は、関ヶ原以降だけで、池田、本多、松平、榊原、松平、本多、榊原、松平、酒井と目まぐるしく変わった。このあたりの説明を読んでいると時間がかかった。

 
 
 内部。

 長い廊下の途中に、階段が2ヶ所あった。狭くて急。最後に、外にでたさい、階段はわずかに下りただけなので、西の丸の土地自体が傾斜しているんだとわかった。
 
 外壁を上がってくる敵がいれば、ここから石を落とすのだろう。
 
 中には入れないので、入口から撮影しているが、前回訪問時は、この部屋に入れ、奥の部屋を柵越しに見た。中は千姫の使った部屋。

 千姫は、秀忠の娘で、秀頼に嫁ぐが、夏の陣で大坂城が焼ける前日に助け出された。家康に秀頼の助命を嘆願するが認められず、秀頼じゃ自刃。その後、本多忠刻に嫁ぎ、本多が姫路城主になり、姫路に移ったが、忠刻が病死し、江戸へ。家光の姉として、大奥で力を持った。

 ここが化粧櫓でC地点。
 
 C地点で外に出て、天守へ向かう。

 下   狭間(さま)。鉄炮を撃つための〇□△の穴。ここは〇□△が規則的に並んでいるが、ほかはたいてい不規則だった。
 
 天守にかなり近くなったが、折れ曲がると頃が多く、なかなか行きつかない。

 大天守の下に。乾小天守と西小天守が見えるが、ここと東小天守が特別公開で見られるのだ。
 
 キリシタン由来といわれる十字紋の鬼瓦。由来ははっきりしない。
 
 小天守のすぐ下までやってきたが、まだ複雑な経路をたどる。
 
 油壁とよばれる特殊な作り方をした壁。秀吉時代のもの。

 右下から上ってきて、左で抜けると、大天守の入口。
 
 大天守に入る。地階なので暗い。

 四角い灯りのところは、文字は見えないが、「西大柱」「東大柱」と書いてある。

 この階には。厠(かわや)もあるのだが、閉鎖されていて見られなかった。前回のとき、見られたか見られなかったっか、思い出せない。
 
 1階、2階、、、と最上階の6階まで上っていく。

 途中の階には、展示物はほとんどなく、ただ上るだけ。

 階段は狭くて、急。戦で使われたことはないが、もし戦のときなど、階段は危なかっただろうな。
 
 上の階に行くにつれて、階段が混雑し、列ができていた。
 最上階(6階)には神社があった。

 下   最上階から見た大手前通り。突き当りはJR姫路駅ビル。
 
 
 大天守の出口に向かう途中に、特別公開の見学入口があった。今回はこれが見たくて、姫路城にやってきたようなものだ。

 写真の真中に東小天守、左下に乾小天守、下真中に西小天守が写っている。
 
 東小天守の3階。

 階段は、大天守の階段以上に狭くて急。階段の上と下に係員がいて、下がる、上ると声をかけあっていた。
 
 東小天守から乾小天守に向かう「ロの渡櫓」。かなり長くて、幅も広い。
 乾小天守の4階。3つの小天守の中で一番大きい。
 
 大天守と左下に東小天守が見える。

 下左   火灯窓(かとうまど)。

 下右   外から見た火灯窓。

 火灯窓は、乾小天守に4つ、西小天守に2つ、菱の門に2つある。昭和60年に修復され、金箔が新しくなった。
 
 
 
 あげは蝶の鬼瓦。
 
 小天守の見学を終え、最後は大天守だけ見学の場合と同じところから外に出た。

 以前、訪問したときには見学できた腹切丸は行けなくなっていた。
 
 お菊井戸を見て、出口の手前でもう一度、大天守と左下の乾小天守、西小天守を見て、退出。

 近年、いろいろな城に行くようになったが、他の城に比べて、姫路城が大きく、すばらしい点が多々あることを実感した。

 城内には2時間30分滞在した。
あなご定食
 昼食のため、いったん駅に近いエリアに戻った。

 大手前通りの東側にはみゆき通り、おみぞ筋の2つのアーケード街がある。どちらも駅から城まで続く。みゆき通りの方が幅は広い。2つとも歩いたが、駅の近くではおみぞ筋に飲食店が多い。

 昼食は、おみぞ筋にある、あなご料理店「やま義」に行ってみた。
 
 店内。小さな店で、入れるのは20人ほど。大衆食堂の雰囲気。
 
 姫路の地ビール。「姫路鳩屋麦酒」の「PALE ALE」。
 
 上あなご定食の全体。
 
 あなご飯を拡大。あなごのうち、上が焼あなご、下が蒸しあなご。

 ひつまぶしと似た食べ方が壁に書いてあった。まず、そのまま食べる。次に、わさびをつけて食べる。3番目に、吸物をかけて、お茶漬け模様にして食べる。その通りやってみた。
 
 焼あなご。あなご飯で使った部分と合わせ1尾のようだ。
 
 あなご以外のおかずなど。左上は「ひねぽん」。

 「ひねぽん」は姫路名物の鶏料理。老いた雄鶏を焼き。細かく刻んで、ぽん酢をかけたもの。ちょっと固いが、細かいので食べられる。予定外の名物がいただけてよかった。
動物園
 
 上   食後は城のエリアに戻り、城の東側にある動物園、美術館、歴史博物館を回る。

 右側の水色の看板のところが動物園。

 左   動物園に入園。
 小さな動物園だ。レッサーパンダ舎へ。

 ここはレッサーパンダが1頭だけなのだが、以前はもう1頭いて、なくなったとことが案内板でわかった。
 
 "よく丸まって寝ています"という場所でお休み中。しばらく待ったけど、なかなか動かないので、休憩がてら、近くのベンチで座って、動くのを待った。
 
 動く気配がないので、あきらめかけたところ、動きだしたので、見に行った。
 
 しばらく別の遊び場に移動していたが、5分もたたないうちにお休み場所に戻り寝てしまったので退園。
美術館と歴史博物館
 続いて、動物園の北、城の北東にある姫路市立美術館へ。

 レトロ風の建物だが、1905年に陸軍の倉庫として建てられ、戦後はここは姫路市役所だった。市役所が移転し、1983年に美術館としてオープン。登録有形文化財になっている。
 
 高田賢三展をやっていた。事前には、美術館の位置や開館日・時間などしか調べておらず、現地で高田賢三の特別展ということでびっくり。

 ファッションデザイナーとして著名で、KENZOというブランドも有名だが、近年亡くなっている。

 年表を見て、なぜ高田展なのかわかった。高田賢三は姫路出身だったのだ。初めて知った。そして、姫路市の名誉市民でもある。
 
 ファッションデザインは関心ないので、歩いて通過しただけだが、全体的に派手な感じのものが多いことがわかる。
 
 興味深かったのは、パリの自宅の写真や模型。古いアパートに取り囲まれた中庭にある低層の住宅。和風の斬新な住宅だと思っていたら、設計は隈研吾だということで納得。
 
 常設展も同料金で入れた。作品は多くなかったが、寄贈されたフランス絵画が中心。

 モネのもあった。最近見たモネ展で、睡蓮以外の作品に、暗い感じのものが多いと感じていたが、その系統の作品。
 
 つぎに、美術館の北にある兵庫県立歴史博物館へ。特別展はやっていない時期で、常設展だけ見る。すでに16時をすぎていて、17時の閉館時間まで駆け足見学。
 
 姫路城の模型。現地では、この日に訪問した3つの小天守のうち、乾小天守と西小天守は外部から見やすかったが、東小天守と長い「ロの渡櫓」は見える場所がなかった。この模型で、「ロの渡櫓」がかなり長いことがよくわかる。
 
 兵庫県は、江戸時代には、数多くの藩に分割されていて、しかも薄紫色の幕府直轄領がかなり多いのが特徴。興味深く見ていた。摂津国が大阪と兵庫にわかれたのも不思議。
 
 近代の文化のコーナーでは、手塚治虫の展示もあり、見入っていた。

 この時、閉館アナウンスがあり、まだ見てないところもあったが退館。
姫路おでん
 
 上左   歴史博物館を退館し、美術館、動物園の横を通り、大手前通りの突き当りに戻ると、何やらパフォーマンス中。

 上右  イベントがあって、大手前通りの一番、城に近い付近は歩行者天国になっていた。

 左   おみぞ筋を歩いて、夕食場所へ。
 
 「灘菊」という銘柄の蔵元の直営のおでん店「かっぱ亭」へ。黒おでんと白おでんが書いてあり、迷うなぁ。
 17時30分ごろ入店。すいているように見えたが、テーブルやカウンターに予約の札が各所に置いてある。

 空いているのは、そこだけということで、カウンターの1席に着席。自分のあとにやってきた予約なしの客は皆さん断られていたので、ギリギリ助かったようだ。
 
 清酒「灘菊」。姫路市の「灘菊酒造」製。
 
 白おでん大串。

 すじ肉、玉子、厚揚げ、こんにゃく、ごぼ天。

 玉子、厚揚げ、こんにゃくの部分が、〇△□になっていて、昔、漫画でよくでてきたおでんに似ていて面白かった。

 白いのは、酒粕を使っているため。出汁も美味しくいただいた。
 
 姫路おでんは、しょうが醤油味だという。この店では黒おでんと言っている。

 黒おでんの「春のおでん 3種盛り」をいただく。

 さわら、菜の花、大根。

 こちらも美味しくいただいた。しょうが味は思ったよりも強くはなかった。
 
 JR姫路駅より帰宅。



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