2020.8     京都 宇治 

 ネット仲間のkimcafeさんが京都に長期滞在して関西旅行をされていて、その1日、京都宇治でオフ会を行った。

 JR宇治駅で落ち合った。kimcafeさんとは、2012年に台北でオフ会をした以後、バンコク、台南、ぺナンとお会いしていて、ここ2、3年は関西旅行をされるときにオフ会を重ねている。
 
 最初に向かったのは、駅から2、3分でやってこれるお肉屋さん「はりよし」。

 入口にも書いてあるように抹茶コロッケが名物だ。写真を処理していて気づいたのだが、中華民国(台湾)の旗が掲げてある。何か関係があるのかな。
 
 店内に入って抹茶コロッケを注文。注文を受けてから揚げはじめ、3分ほどで揚げあがった。

 揚げあがった抹茶コロッケ。162円。
 
 ジャガイモにタマネギが混じり、その甘みが抹茶の苦みと合わさった独特の味。皮が厚めなので、持っていても崩れにくい。

 店内に椅子が用意されていて、座っていただいた。有名人の来店写真や色紙も掲げられている。
 
 宇治橋通り商店街が宇治橋まで続くが、人出はわずかだ。観光客向けの店はそう多くはなく、地元客向けの商店や食事処が中心だ。
 お茶の販売店が多いのだが、手持無沙汰の様子。

 ただ、この店は内部にカフェがあって、客がかなり入っていた。この日の終盤にも立ち寄ったのだが、100分待ちとかで入店をあきらめた。まだこの時に入っておくほうがよかった。
 
 歴史を感じさせる建築もところどころにある。廃業した風呂屋とか、昔ながらの地元スーパーだとかもあって、街歩きが楽しい。
 
 宇治橋にやってきた。宇治市の中心にあり、右手に京阪宇治駅、左手には500mほど離れたところにJR宇治駅がある。

 橋のたもとには近年作られた紫式部像がある。紫式部の肖像などは残っていないなので、まったくの想像だけの彫刻なのだろう。
 
 宇治川に沿って平等院に至る平等院表参道商店街に入る。こちらは地元客向けではなく、観光客向けの商店や食事処が目立つ。こちらも閑散としていた。
 平等院の表門。撮影している自分の右手に入場券売場がある。

 平等院入場は600円だが、この参道の先にある鳳凰堂に入るには、この先にある鳳凰堂専用の入場券売場で再び券を買わねばならいない。こちらは300円。
 鳳凰堂入場は1時間待ちだった。5分前の11時45分に集合ということで、その前に鳳凰堂の外観とミュージアムを見学することにした。
 
 上  鳳凰堂を正面から池こしに見る。10円硬貨の裏面には、この位置からの鳳凰堂が描かれている。

 左  斜めから見た鳳凰堂。日本を代表する神殿造りの建築。
 
 鳳凰堂の名は屋根の両端に置かれた黄金色の鳳凰の彫像からつけられた。

 ミュージアムの鳳翔館を見学。猛暑の中を歩いてきたので、涼しい内部は天国のようだった。

 国宝の梵鐘、鳳凰、雲中菩薩像(全52体のうち半分)はここに置かれている。見ごたえがあったが、撮影は不可で、写真なし。
 
 さらにしばらく休憩して入場時間を待った。5分前に集合して、諸注意を受けて、この写真の渡り橋から入場。靴を脱いでの入場だ。

 内部には大きな仏像。壁には雲中菩薩像の半分。本堂の扉には絵画が描かれていることも知った。今も内部な修復作業が続いていて、足場が組まれていた。写真撮影不可で写真はなし。
  平等院を出て、宇治川沿いの遊歩道を歩く。この付近には中洲の塔の島があり、写真に写っているいる川の幅は狭いが、島の向こう側の川幅は広い。
 
 遊歩道沿いの「鮎宗」へ。名物「鰻いいむし」をいただくのだ。

 左側が店舗で、右側に食事場所がある。店舗の前には「鰻いいむし」を蒸す器具がある。
 
 蒸し器。寂しい感じだが、注文を受けてからその数だけ蒸すので、このようになる。
 
 蒸し器の横に置いてあった販売用の「鰻いいむし」。ここで蒸してもらっていただいていくことにした。
 
 店舗の向かい側の川沿いにある食事場所。屋形船の形を模した感じの細長い小屋だ。この中には調理場所はなく、向かいの店舗から料理を運ぶようだ。
 
 靴を脱いで中に入り、座敷に座ると、塔の島がよく見える。ちょうど十三重の塔が眼前にある。
 
 アツアツの「鰻いいむし」が運ばれてきた。「いい」は「飯」のことだろう。
 
 竹皮の包みをほどき、中を開けた状態。鰻の切り身の下に、タレで味付けされたおこわ。山椒がきいている。量が少なめなので何度かにわけてしっかりと味わった。1個450円。
 
 食事場所の隣は鵜飼の申し込み場所だった。経営は「鰻いいむし」をいただいた「鮎宗」10人乗りの貸切で27500円。
 
 塔の島へ渡る。橋の上から撮影。川沿いの一番左の建物が鵜飼の申し込み場所、つぎが「鰻いいむし」をいただいた場所。皮には鵜飼の屋形船が係留されている。
 
 塔の島へ渡ると、すぐに建っているのが十三重の塔。

 塔が建造されたのは13世紀で鎌倉時代。十三重の塔として、日本最古ではないが、かなり古いのは確か。高さは15mで、日本最大ではないが、最も大きな部類ではある。

 この塔があることから、この中洲が「塔の島」と呼ばれるようになった。江戸時代の後期に、氾濫のさいに倒れて、埋もれてしまったが、20世紀初めに発掘され、再び建てられた。
 
 塔の島の向こう側が宇治川の本流。山が迫っていて、嵐山あたりの風景に似ている。
 
 鵜飼に使われる鵜のゲージがあった。写真中に白いプレートが写っているが、プレートの左側が自然の中で捕獲された鵜で、右側が人工ふ化した鵜。手前には鵜飼のさいに、鵜を船に乗せるときに使うかごがある。
 
 宇治川を渡り、川の北側へ。
 宇治川を渡るとすぐに宇治神社への入口がある。隣接する宇治上神社とペアになっているが、世界遺産は平等院と宇治上神社で、宇治神社は世界遺産ではない。もとは1社だったが、明治時代に2社に分かれた。
 
 宇治神社のマスコット的な存在なのが「見返りうさぎ」。写真は置物だが、石像もある。絵馬やおみくじにも「見返りうさぎ」。
 
 宇治神社の本殿。本殿の中に白いものが見えるが、これも「見返りうさぎ」の置物。
 続いて宇治上神社へ。うっそうとした森の中にある。ここから100mほど参道を歩く。
 
 本殿に向かう途中に「桐原水」があった。宇治七名水の1つだが、ほかは枯れてしまい、ここだけが残っている。しかし、飲用にはしないようにという注意書きがあり、飲むのは控え、手を清めるだけにした。
 
 本殿。神社建築しては日本最古で11世紀の創建。国宝である。

 細長い形をしているのは、祭神が3つあり、左・中・右と別々に祀られているから。左が仁徳天皇、中が応神天皇、右が菟道稚郎子命(うじのわきいらつのみこと)。

 なお、菟道は宇治の別名で、宇治市内の地名や施設名に残る。菟道稚郎子命は応神天皇の子の1人。
 
 本殿の中を見ると、左・中・右のそれぞれ中に社が置かれている。写真は右の菟道稚郎子命を祀る社。真ん中には鏡が置かれ、鏡が神を具現しているようだ。
 
  しめ縄を張った大きな石がある。かつてここに本殿があったことを示すらしい。上に小石がたくさんあるが、小石を積むと願いがかなうとか言われて置かれた。
 
 続いて、さわらびの道を散歩しながら「源氏物語ミュージアム」へ。宇治市立の施設で、源氏物語の世界を展示している。
 
 内部。左側のビデオ上映に時間をとった。

 通常展示のほかに、たまたま企画展として「源氏ワンダーランド」をやっていて、平安時代の貴族の生活をわかりやすく面白く紹介していた。現在の生活からするとかけ離れた常識があったようだ。こちらは撮影不可だった。
 
 菟道稚郎子命の墓があるというので、行ってみた。炎天下、住宅地の中を歩いて、突然、天皇陵のようなところがあらわれた。
 
 宇治陵といわれる菟道稚郎子命の墓。天皇陵を小さくしたような感じ。

 宇治上神社の3祭神の1神の墓だが、あとの2神に比べると小さい墓だ。なにしろ、堺市の仁徳天皇陵は天皇陵では最大だし、羽曳野市の応神天皇陵もそれに近い規模なので。
 
 宇治橋を渡る。宇治橋は源氏物語にも登場する古い橋だが、何度もかけかえられ、現在の橋は1996年のもので新しい。

 幹線道路が通り、幅は25mある。橋の反対側のたもとからはじまる平等院表参道商店街に戻った。
 
 ネットで調べていた「蛸Q」にやってきた。ここで抹茶餃子などをいただこうと思っていたのだが、テイクアウト専門のようだ。

 同じ建物ででラーメン店「田中九商店」をやっていて、こちらでも抹茶餃子などがいただけることがわかり入店。こちらでゆっくりとkimcafeさんと歓談した。
 
 飲物は抹茶ビールにした。平等院を出て「鮎宗」に向かう途中に抹茶ビールを出している店があったので、あとでその店に行甲と思っていたのだが、この店でもいただけることがわかったので、ここで飲んでいく。

 グラスのビールは黒く見えるが、実際には緑色。ジュースのグリーンティーと同じ色をしている。見た目はビールではない。

 飲んでみてビールだということがわかる。苦みがあるが、普通のビールの苦みではなく、抹茶の苦みのほうが強く感じる。

 この店で出している抹茶ビールは、伏見の清酒メーカー「黄桜」製のものだったが、ほかの会社製の抹茶ビールもあるようだ。750円。
 
 抹茶タコ焼き。

 抹茶マヨネーズがかけてあるだけじゃなく、中の生地にも抹茶が混ぜられていて、生地も緑がかった色をいていた。抹茶の味は強烈ではないが、普通に食べていて感じられる。380円。
 
 抹茶餃子。

 餃子の皮に抹茶が練りこまれていた。ただ、中身の方は普通の餃子と同じだった。また、写真右上の抹茶パウダーをつけていただく。抹茶味はパウダーはかなりしていたが、皮は色が鮮やかな緑をしていたわりにあまり感じなかった。450円。

 この店は抹茶ラーメンもあるので、機会があれば試したい。
 
 続いてやってきたのは「六条庵」。抹茶ソフトクリームや抹茶氷などを出していたのでいただいていくことにした。

 店の外側に置かれたテーブルでいただくようになっていた。kimcafeさんとはここでも長く談笑。旅の話などを思う存分したほか、年齢がら、親の介護や自身の健康についても時間を忘れて話した。
 
  宇治雪花宿木。500円。

 宇治雪花が抹茶氷で、宇治雪花宿木になると、小倉あんと白玉団子がつくようだ。kimcafeさんは抹茶ソフトクリームにされた。
 
 kimcafeさんとは宇治橋で別れ、京阪の宇治駅へ。kimcafeさんはJR宇治駅に向かわれた。10時から17時までの1日オフ会も終了。

 写真に写っているが、京阪の宇治線はワンマン運転になっていた。
 

 

 

ユーラシア紀行のトップページ