2023.12 吉 野 |
奥千本 |
橿原神宮前まで乗車した京都線・橿原線の特急は「吉野連絡」の表示がある。橿原神宮前でほどよく接続するダイヤになっているのだ。また、特急料金は、橿原神宮前までと、橿原神宮前から吉野までの通算の距離で計算されるので、割安感がある。 |
橿原神宮前駅は、京都線・橿原線のホームと南大阪線。吉野線のホームが少し離れている。南大阪線・吉野線ホームへ移動。 |
わずか2両の特急とは珍しい。 |
吉野は約45年ぶり。どんなところか、すっかり忘れている。初訪問のようなものだ。 吉野に到着。乗車した2両編成の特急。ヘッドマークは行先じゃなく「特急」となっているのも珍しい。 |
吉野駅の駅舎。200mほど離れたロープウェイ乗場へ。 |
ロープウェイの下の乗場。 |
小さなロープウェイ。昭和3年にできたそうで、現存する日本最古のロープウェイ。 |
上の駅でおりると、バス停がある。 ロープウェイもバスも、桜と紅葉シーズン以外は土日だけ運行なので、土曜日にやってきた。もっとも11月18日から訪問2日前の30日まではバスは毎日運行だったようだ。平日はロープウェイは運休なので、吉野駅からバスに乗車できるようだった。 |
バスはマイクロバスだった。 |
終点の奥千本口で下車すると、金峯神社の鳥居があり、坂道を上っていく。 |
数分で金峯神社に到着。石段を上がると、あったのは拝殿。奥の石段の上に本殿があるようだが、下からは見えない。 |
神社から急な下り道をおりると義経隠れ塔がある。義経が隠れていたといわれ、その後、修験道場として使われている。 |
吉野杉の森の中を歩く。奥千本では紅葉はほとんどない。 |
西行庵。歌人の西行はもとは武士で、法師になって3年間、ここで暮らしたという。 ここから少し歩いたところに西行が詠んだ和歌にある苔清水があるのだが、断念した。10時18分にバスを下車、1時間後の11時18分発のバスに乗りたかったので、行かなかったのだ。 |
少しだけ、黄色くなっているもみじがあった。 |
遠くの山を見ると、紅葉が見られた。 |
奥千本口バス停に戻り、バスに乗車。下車した客は十人以上いたが、乗車したのは自分だけだった。1時間前に下車したとき、一緒だった客は苔清水などに行って、さらに1時間後のバスに乗るのだろうか。 |
中千本 |
バスを竹林院前で下車。 案内板で回り方を考えていたら、熊出没の掲示があった。奥千本では青根ヶ峯は少し遠いのでもともと予定がなかったが、付近の道は参詣道として世界遺産になっているので、行く人もいるだろう。気をつけねば。 |
中千本エリアの観光開始。まずは、竹林院へ。 寺と旅館が一体となった施設になっていて、旅館は「竹林院群芳園」という名。門のうしろに渡り廊下が見えるが、旅館の渡り廊下。 |
門を入り、庭園の入口へ。400円を箱に入れるようだが、あいにくないので、真ん中の青い機械で両替する。 でてきたのが1000円よりも明らかに少なく、400円差し引いた600円がでてくるのかと思ったが、よくみると700円あった。単なる両替機なのか、400円差し引いて返金する機械なのかどちらかわからないのだが、どちらにしてもおかしい。寺や旅館の人はおらず、100円を箱に入れて、中に入った。 |
寺の本堂だろうか。寺は聖徳太子によって創建された古い寺。この建物はいつの時代の建築かは不明だが、かなり古そう。 |
回遊式庭園で、庭園内に丘があり、丘の上下に庭園がわかれる広大な庭園だった。 下の部分では、紅葉はほぼ散って、地面がもみじで埋まっているのがきれいだった。 |
上の部分では、紅葉がまだ残っていて、きれいだった。 上の部分へ移動する小径が長くて、外に出てしまったのかなって思ったくらいだった。 |
上の部分から旅館部分がよく見えた。右端には渡り廊下も見えている。上の部分には、旅館の別棟があり、渡り廊下で本館と結ばれていた。 |
桜本坊、膳福寺と門から少し入って見た回った。中へは入っていない。 そして、昼食。矢的庵(やまとあん)という古民家を利用したそば屋。 |
中は和の空間。座敷でいただいたが、板の間もある。 下 「田舎ざるそば」と「季節の天ぷら」をいただく。 「田舎ざるそば」はそば粉9割で、8割が多いとされる普通のそばよりは、切れやすく、ざらざらした感じ。 「季節の天ぷら」は、銀杏が季節感をだしている。銀杏は塩味がついていりるので、つゆはつけないとのこと。 |
そば湯もだされた。 関西では、そばを食べてもそば湯は出されないのが普通なので、そば湯がでてきたのが意外だった。きっちりいただいて、そば湯も楽しんだ。 |
喜蔵院に門から少し入ってみたあと、急な坂を下って、バス道に出た。 そこに勝手神社があったのだが、本殿はどこだろうと思った。 |
理由はすぐにわかった。平成13年に不審火で焼失したとのこと。 |
桜の描かれたポストを発見。 |
桜花壇という旅館。 下左 ここは天皇陛下がお泊りになったようだ。どの天皇なのだろう。 下右 作家の定宿としても利用された旅館のようだ。 |
温泉谷という深い谷をはさんで対岸の同じくらいの高さのところに、これから向かう如意輪寺が見える。 |
坂をどんどん下り、今度は上っていく。途中、今回の吉野訪問では一番たくさんの紅葉を楽しめた。 |
如意輪寺に到着。対岸のバス道から往復1時間ほどかかるとは思わなかった。時間的なことがあり、多宝塔など有料区域に入るのはとりやめ。 下 この寺では招き猫の容器に入れたおみくじがあり、その容器が手水鉢の回りに置かれていた。 |
上 この寺の境内を通って、後醍醐天皇領に向かうようになっている。 この寺は後醍醐天皇の発願によってできた寺だ。 左 階段を少し上がった丘の上に後醍醐天皇陵がある。 |
下千本 |
如意輪寺から谷を下り、再び上がって元の集落へ向かう。 寺に向かうときには気づかなかったが、戻るとき、集落は斜面の上にあって、土砂崩れ防止の補強がしてあることがわかった。確かに、危なそうな斜面の上に集落がある。 |
古い家屋もあるバス道を歩いて下千本に向かう。 |
吉水神社へ。門前の紅葉が美しかった。 |
吉水神社の中で、特に歴史的に重要なのがこの書院。 1 日本最古の書院 2 義経が隠れた 3 南朝の皇居だった 4 秀吉が花見で宿泊 |
義経潜居の間。 義経は5日間滞在したが、頼朝が発した追手が迫ってきて、弁慶とともに山伏姿になって大峰山へ向かった。靜御殿とはここで別れた。 写真の右手前には、一畳ほどの「弁慶思案の間」があった。 |
後醍醐天皇は、吉野に行幸し、そのままここを皇居に定めた。 ここが後醍醐天皇の玉座。吉野では大きな建築とはいえ、京の皇居とは比較にならない場所を皇居とした後醍醐天皇の思いはどんなものだったのだろうか。 秀吉が花見のさいに宿泊したのもこの部屋で、その際、改造が施され、現在の部屋は秀吉時代のものだ。 |
資料室は予想以上に充実していた。 これは秀吉が宿泊したときに寺に贈った壺。 ほかに、後醍醐天皇自筆の手紙や色紙、すずりなどの御物。義経が着用していた鎧などがあった。 |
本殿は大きくない。祭神は後醍醐天皇。参拝の仕方が独特で「二礼 十七拍手 一拝」だった。この仕方で参拝した。 |
次に東南院へ。二階部分が丸い多宝塔が独特だ。 |
和風カフェ「弁慶」で一休み。 |
「くずきり」をいただく。葛でつくった"きしめん"状のものを黒蜜でいただく。 |
上 金峯山寺に入るところの紅葉がとてもきれいだった。 左 階段を上ると本堂の蔵王堂があった。蔵王堂を参拝。 |
仁王門は保存修理工事中。平成10年までかかるという。 工事中、仁王像は奈良国立博物館で展示されていて、奈良で博物館に行ったさい、見たのだが迫力がある像だった。 |
銅の鳥居。18世紀のもので、現存する銅製の鳥居としては日本最古。 |
ロープウェイの上の駅に戻ってきた。駅前で屋台が出ていた。 下 鮎の塩焼きをいただいた。 |
ロープウェイで下山。 |
近鉄特急「青の交響曲(シンフォニー)」 |
吉野駅に戻ってきた。 下 吉野から橿原神宮前までは特急「青の交響曲」阿部野橋行きに乗車する。("交響曲"は"シンフォニー"と読ませるようだ) 指定券は前日にネットで買ったが、最後の1席だった。 |
吉野駅の駅名標。 |
車両は濃い青色。 前面のデザインを見ると、特急車両じゃなく通勤車両を改造した車両だとわかる。 |
ヘッドマークは車両に直接とりつけられている。 下 側面。これはラウンジカー。3両編成で、中間の1両がラウンジカーで売店で買ったものを食べられるようになっている。あとの2両が座席車。 |
乗車。 下 車内。一般の特急よりも格段にいい座席だ。 乗車券、特急券のほかに特別車両券が必要だが、210円でこの手の料金としては安い。 |
自席。最後に残った1席だったのだが、ラッキーなことに1人席だった。 出発までの間、クラシック音楽のBGMが流され、優雅な雰囲気をかもしだしている。 |
ラウンジカーへ。対面型の席が5つほど、その向うに4人席のテーブルが2つ、その向うに売店がある。 |
売店。 下 「7周年季節のケーキセット」をいただいた。大阪マリオット都ホテル製だが、車内販売限定とのこと。 |
自席に持っていきいただいた。 ケーキの上には、マロンとコーヒー混ぜたクリーム、ケーキ本体はマロンムースでスポンジをつつみ、スポンジの中にはマロンをすりつぶしたものを入れてあった。 |
持ち帰り用に特製ビールを購入。 「はじまりの旅 SAISON」で奈良市の大和酒造製。 下 売店で購入すると乗車証明書が渡される。 |
橿原神宮前着。乗車時間はわずか30分。阿部野橋まで乗りたい気分だったが、そんなわけにもいかず、橿原線・京都線の特急に乗換え帰宅。 |
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