ピラミッドと対面

 

流しのタクシーをチャーターしてピラミッドめぐり

 

前日、しっかり休んだおかげで、この日は6時には目覚め、この日の予定の確認、車をチャーターしてピラミッドを回る。また、ホテルを出る際に、荷物をホテルに預け、ホテルにもどってからラムセス駅に向かうので、荷物の整理もしておく。

朝食は7時からなので、7時になってすぐレストランにいったが、まだ準備中でしばらく待たされた。こちらから頼んで用意をさせる。ビュッフェ形式の料理は、昨日と同じメニューで食欲をそがれるが、この日はたくさん移動するので、場合によっては昼食をとる時間がないかもしれないと考え(実際に昼食抜きで観光した)、多い目に食べておいた。

自分が食べ終わって、ようやく次の客がレストランにやってくるありさまで、これじゃあ、時間通り用意ができていないのもやむをえないかもしれない。すぐに部屋に戻って、荷物をもってレセプションに荷物を預かってくれるように頼む。ここにおいておけばよいというので、信用して7時40分出発。

ホテルの玄関を出た途端、タクシーとの呼び声がかかる。ホテルの前のタクシーは高いらしいので、乗るつもりはなかったが、料金がどのくらいか知っておくために、相手になる。ギザ、サッカラに行って150LEという。自分は、ダフシュール、メンフィスにも行きたいので、4箇所に行って80LEでと言ったら、4箇所なら250LEだという。じゃあ、いいよって、スタスタ歩き出す。これで、追いかけてきたら、このタクシーと交渉続けてたもいいと思っていたら、案の定、声がかかり一挙に180LEまで下がった。しかし、150LE以下には下げようとしなかったので交渉決裂。

ホテルから10分ほど歩いて、タフリール広場にやってきた。ここで流しのタクシーを止め、1日貸切を持ちかけてみた。ところが3台続けて、ギザ以外は行けないというではないか。タクシーの縄張りでもあるのか、それとも、ギザ以外は行ったことがないのか。4台目で断られたら、近くのヒルトンホテルにでも行って乗るしかないと思ったが、幸い4台目ではじめてOK。料金は200LEといわれたが、交渉の結果130LEとなった。100LEにしたかったが、この車に逃げられて、また別の車を探すのも面倒なので妥協した。

タクシーに乗ったのが8時20分。ナイル川沿いに南下し、地下鉄のギザ駅付近で渋滞があり、ギザのピラミッドに着いたのが9時。車は、まずスフィンクス側につけさせ、12時にクフ王のピラミッド側に来るように約束した。この間、3時間あるから、カイロ市内で稼いでいたことであろう。運転手は、タクシーのナンバーをアラビア数字と算用数字で書いてくれたが、こういうときもアラビア数字での表示というのは心配だ。

スフィンクス側の入口からピラミッド地区に入ったところで、3つのピラミッドとスフィンクスを一緒に見ることができたので撮影。ピラミッドは、左から、メンカウラー王、カフラー王、クフ王のもの。画像の通り、右のものほど大きい。

各ピラミッドの間は400mぐらい、スフィンクスとこれに一番近いクフ王までの間も400mくらい離れている。また、クフ王、カフラー王は一辺200m、メンカウラー王は一辺100mくらいあったので、歩いて一通り回るだけ(各ピラミッドを一周)で5kmくらい歩いた。ツアーの場合は、ピラミッド地区内の移動もバスで行なっていたようだが、個人で夏に行って、ここを歩くのは苦しいだろうなと思った。

ピラミッド地区の入場料は40LE。このほか、ピラミッド内部に入るのには、別料金が必要。クフ王は100LEもするのだが、1日300人と限定されていて、午前7時からと午後1時からそれぞれ150人づつしか券が発売されない。これは、最初からあきらめていた。そして、カフラー王は閉鎖中だったので、必然的に内部に入るのはメンカウラー王のピラミッドということになる。(自分が訪問した直後に、メンカウラー王が閉鎖になり、カフラー王が公開されるようになった。)

スフィンクスといえば、顔の部分が有名だが、実は、とても細長いものだ。顔がファラオで(ひげもあったが、ひげは切り取られて大英博物館にあるという)、胴体はライオンというが、ダックスフントのような長い胴体のライオンのようだ。

スフィンクスの目線の先に、ケンタッキーフライドチキンがあるといういうことが話題になったことがあるが、実際に200mほど離れて向き合っている。

スフィンクスからクフ王のピラミッドへは上り道。ピラミッドのそばに行くと、その大きさに圧倒される。ピラミッドの表面は、凸凹のないきれいな側面を想像するが、実際には、カフラー王のピラミッドの最上部を除いて、そうしたきれいな側面はとれてしまって、階段状に巨石が積まれているのを目にする。

坂道を上りきったところで、クフ王のピラミッドの全景が目前に広がった。とてつもなく巨大である。画像の左下に見えるのは、太陽の船博物館であるが、ピラミッドの景観を壊している。右下にある小さなピラミッドがあるが、王妃のピラミッド。

すぐそばに寄ってみると、ピラミッドを形作っている一つ一つがとても大きな石であることがよくわかる。どこから運んできたのだろうか。

クフ王のピラミッドの中に入るときは、この穴から入るようだ。入口には警官が立っているが、エジプトの観光地ではどこも警官が配備されている。

続いて、カフラー王のピラミッド。ここは、表面を覆っていた岩石(ガイドブックでは化粧板と書いてある)がそのまま上部に残されている。

クフ王のピラミッドの近くは人が多く、メンカウラー王も人数制限なしに中に入れるためか、人が多い、しかし、カフラー王の近くは閑散としている、ツアーの場合、カフラー王のピラミッドの近くは車窓から の見学が一般的なのかも知れない。

メンカウラー王のピラミッドの近くへ行くと、小屋が建っていて、長い行列ができていた。内部に入るための入場券売場であるのだろう。15LE。

内部への入場のため10分ほど並んだ。入口で、カメラを持っていないか検査があり、カメラを持っている場合は、そこで預けなければならない。内部には、壁画などはなく、長い階段を下りると、墓のあった部屋だろうか、小さな部屋があるだけである。それほど長時間、中にいたわけではないが、蒸し暑く汗がにじむ。そのせいか内部は汗臭い。

外に出てくると、ちゃっかり、カメラ預りのバクシーシを請求されて5LE渡す。ツアー客などは、カメラをバスにおいてくるように、ガイドが案内していた。

クフ王のピラミッドまで戻り、太陽の船博物館に入場。クフ王が使うためのものらしく、バラバラの状態で発見されたのを復元したものだという。ここに入場すると、靴のカバーを渡され靴の上から履く。

ここまでで11時30分。約束の12時まで少し間があるので、しばらく休憩する。クフ王のピラミッド内部の入場券を売っているところへくると、まだ誰も並んでいない。食指を動かされたが、運転手と約束していたし、内部に入ってたのでは、他のピラミッドの見学もできなくなるので、約束の時間に、入口の方へ行った。すぐに車は見つかった。

続いて、サッカラのピラミッドへ向かう。ギザから車で30分ほどであった。車は途中から、運河に沿って、田園地帯を走る。ビザのピラミッドは、市街地のすぐそばにあるのだが、サッカラの場合は、サッカラの村から離れており、ピラミッドなどの遺跡だけが一帯に広がっている。入場券と車の乗入れ券?を購入し、さらに2kmほど進む。

サッカラのピラミッドの代表は、ジョセル王の階段ピラミッド。画像の反対側にはセルタブという小部屋があり、王の像の複製がおかれている。このピラミッドに付属して、柱廊や祭殿がある。(下の画像は柱廊)

少し離れたところには、ウナス王のピラミッドがあるが、崩れかかっていて、ピラミッドと言われなければ、ピラミッドではなく小山に思える。

このあと、サッカラの遺跡エリア内だが、階段ピラミッドなどがあるところからは、1kmほど離れているセラペウムに向かった。ここは墓なのだが、内部に壁画が残されていて、見ごたえがあった。内部の撮影は禁止であった。

この時点で14時。あと、ダフシュールとメンフィスに向かうのだが、どちらも冬季は、16時まで閉まる。急がなければならない。

まずはダフシュールへ。再び田園地帯を走ること30分。ここも、遺跡の入口からピラミッドまでが離れている。入場券と車の乗入れ券を買ってからも、車をかなり進める。

計算外だったのは、ダフシュールには、赤のピラミッドと屈折ピラミッドがあるのだが、この両者が数km離れていたことと、赤のピラミッドは内部に入れるということ。メンフィスへ行くためには、ダフシュールを15時に出発しなければならない。そのためには、赤の内部に入るか、屈折をあきらめるかしなければならない。あるいは、メンフィスをあきらめるということも考えられる。結局、赤のピラミッドの内部に入り、屈折を捨てることにした。

赤のピラミッドと呼ばれるのは、赤っぽい岩石で作られているからだ。傾斜はギザのピラミッドに比べてなだらかである。内部に入るのは、ピラミッドの中腹からで、そこまでは上らなければならない。そして、内部に入る階段が、何と子供の背丈くらいの高さしかないのだ。だから、頭を下げて、身をかがめた状態で、長い階段を降りなければならなかった。

階段はメンカウラー王の内部の階段の倍くらいはあった。それに、こちらでは明かりがついておらず、自分で懐中電灯をもって行ったから何とか足元がわかったが、なければ暗黒であった。階段を降りきったところにある部屋も、メンカウラー王のピラミッドよりもずっと大きかった。

そして、今度は、身をかがめて階段を上る。このことのため、翌日から数日間、足に身がいって、階段の上り下りになどで支障をきたすことになった。

すでに、時刻は15時をまわっている。遠くに見える屈折ピラミッドは、確かに、上部は傾斜が緩やかで、下部は傾斜が急になっている。そのことだけ確かめて、メンフィスに向かった。

メンフィス着は15時30分。急いで遺跡公園のようになっている遺跡を見て回った。メンフィスは、古王国時代にエジプトの首都であったところである。しかし、一部の遺跡を除いては、あまり痕跡が残っていない。

ここには、ピラミッドはなく、建物の中に保管されているラムセス2世の巨像、屋外にありアラバスター製のスフィンクスなどが見られる。一通り見終わると、16時の閉鎖時間になった。

このあとは、カイロに帰るだけ。カイロに戻ると17時であった。約束の130LEに、バクシーシ10LEをあわせて渡した。バクシーシは言われるに違いないし、昼食代とか考えるとこの程度渡すのが妥当だろうと考えた。

昼食は抜いたので、さっそく夕食へ。魚料理の店へ行き、小エビのフライ、イカのフライ、海産物のスープを注文。このほかに、アエーシと呼ばれるパンがついている。飲物として、コーラも注文し、合計46.25LE(約830円)。

このあと、20時ごろまでネットを楽しんだ後、ホテルへ。荷物を受け取り、地下鉄でラムセス駅に向かった。

22時のアスワン行きに乗り込む。乗車した1等車はガラガラだったのだが、ギザから外国人団体が大勢乗り込んできて満席になる。日本のエジプトツアーでは列車を利用するものはほとんどないが、ヨーロッパ諸国のツアーの場合は、列車を利用するものもあるのかと思った。

1等車は、片側2席、片側1席でゆったりとしている。リクライニングもかなりできた。自分は1席独立している側でよかった。ただ、車端の席だったので、人が通ると、何度もドアを閉めなければならなかった。

 

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