日 目

 

  朝、ホテルの自室から網走川を望む。冷たい空気が入ってきて、目覚めによかった。

 

 

 

 

 

 

  7時からのホテルの朝食は、お盆におかずを盛ったスタイル。

  網走駅前バス停から観光客は乗らないような路線の7時47分発のバスで、台町2丁目へ。降りたところは、何の変哲もない住宅地。

 

 

 

 

 

  下車後すぐに目に入ったのが、釧路地方裁判所網走支部。昨日、博物館で見た建物の改築後のものだ。

  裁判所の隣には網走地方気象台。

  そして、凍った道を300mほど歩いて着いたのは、見晴らしのよい「しおさい公園」。

  雪に埋もれていて、冬場は訪問する人もほとんどいないようだ。

  う〜む、どこから入るのだろうか。少し歩いて、何とか入れるところを発見。そこから展望台へ。

  網走港を見て、びっくりした。港に氷がないのだ。

  昨日、流氷館の展望台から見たときは、まさに白一色だったのに、、

  遠くに目をやると、遠くは白くなっているのがわかる。流氷が陸地から少し離れてしまったようだ。

  ただ、港の東のほうでは、陸地に氷がつながっているところもある。

  港には、このあと乗る予定のおーろら号が停泊していた。2隻停泊している。多客期には2隻が運航されるということだが、今日はどうなのかな。

  それにしても、流氷がきちんと見られるかどうか。少々、心配になってきた。

  このあと、台町1丁目からバスに乗り、モヨロ入口で下車。モヨロ貝塚は、オホーツク文化最大の遺跡だが、その担い手の民俗については、まだはっきりしていない。

  モヨロ貝塚館へ。発掘時の地層を地下室で見られようになっている。

  この後で訪問する郷土博物館の分館という位置づけだった。

 

 

 

 

  周囲には、竪穴住居跡などがある遺跡公園になっているのだが、冬場は雪に閉ざされて何も見えない。

 

  100mほど歩けば海岸に出られるので、出てみた。

  そこは一面、流氷に覆われている。

  だが、それは陸地の近くの一部分。沖合いを見ると、青くなっている。氷がないのだ。

  モヨロ入口からバスで東1丁目下車。1kmもない距離だが、バスがあったので乗車。

  バスを降りるとまもなく永専寺。この山門、もとは網走刑務所の正門なのだ。

  永法専は、網走刑務所の教誨師を務めた後、釈放者を引き取り更正に導いた。彼によって建てられた寺だ。

  この門は網走刑務所の現正門が完成した後、1924年に永専寺の山門として払い下げられたという。

  

 

   10分ほど上り坂を歩いて、網走郷土博物館へ。

   この日は、たまたま、モヨロ貝塚の最近の発掘成果の説明会が催される日で、自分もその参加者かと間違われた。当日参加も可能だったのだが、おーろら号に乗れなくなるので、あきらめた。

 

 

 

  1階は網走周辺の自然、2階は開拓者の歴史って感じの展示が中心であった。

   左は館内風景。捕鯨銃とトドなど。

   博物館を出て、あとはおーろら号に乗船するだけとなった。

  バスターミナルに向かう途中の踏切で、網走発10時1分の列車がやってきたので撮影。

  快速「しれとこ」で2両だ。

  網走市の中心部にあるアーケード街。日曜朝10時過ぎという時間帯のせいもあるが、人通りがほとんどない。

  もともと、網走の人口は、釧路や帯広より少ないだけでなく、網走支庁管内でも北見よりも人口が少ない。 

 

 

 

  網走バスターミナル。ターミナルっても建物の裏手にバスの車庫があるだけで、ターミナルって感じじゃない。

  実際、前夜、オフ会に向かう途中、ターミナルのところを折れ曲がればよいとわかっていて、ターミナルを目標にしていたのに、タイミナルを少し行き過ぎてから、気付いたのだった。

  ターミナルから、施設めぐりバスでおーろらターミナルへ。冬季限定の運転区間で、2kmほどノンストップだった。

  さて、バス停についてみてびっくり、大型観光バスが10台以上止まっている。さらに、建物内に入ってまたびっくり。船を待つ人たちの長〜ぃ行列。

  まず、切符を購入。あぁ、予約しておいてよかった。次に、乗船の列へ。10分は並びながら前に進んだ。

  かずのりパパさんの乗船された前日の夕方16時30分発の便は、がらがらだったというから大違いだ。自分の乗った11時発の便の客の大半は、ツアー客のようだ。

  ツアー客の場合、網走には泊まらないので、夕方便が利用できない。でも、11時の便だと、川湯温泉あたりに泊まっていて、乗船するのにとても便利だ。

  自分の少し前で、前の船は満員になり、自分は後ろに止まっていたおーろら2に乗船となった。

  後ろの船に限れば、最初の内に乗船できたので、上の甲板のサイドに陣どることができた。比較的暖かい日なので、風に吹かれることもなさそうで、外を選んだ。

  陸地のほうをよく見ると、すぐ近くの高台にさきほど行った「しおさい公園」があった。なんだ、こんなに近かったのか。

   一方、海のほうは、まったく氷がない。海面近くなので、どのあたりまで行けば流氷があるのかもはっきりしない。

  15分ほど沖合いに進むと、ようやく流氷のかけらがポツポツと見られるようになってきた。

  氷の上を波が洗うと、氷が青白く見え、それがとてもきれいだった。

  徐々に、流氷の密度が高まり、20分ほど経過後に完全に流氷の中に船が入っていった。

  陸地から見た流氷もよかったが、海上で見ると、周りが全部流氷で、やはり見ごたえがある。

  氷が割れているのは、もともと氷が薄いためと、船が割ったからだ。ところどころに海水が見えているのは、一面が氷よりも美しい。

  氷が薄いせいか、船が氷を割るときの揺れはほとんどない。揺れないのはいいことだけれども、ちょっと物足らない感じもする。

 

  船が通過した跡は、川のようになっているのもよくわかる。

 

 

 

 

 

 

  流氷の上で休んでいる水鳥もちらほら見かけた。

  船に止まりにやってきた水鳥もいて、人気の的になっていた。

 

 

 

 

 

  20分ほどで流氷帯は終わり。あとは、中に入って、船内だけで売っているというアイスクリームを食べてみた。

  12時に港に戻った。あたりを少々、ぶらぶらしたあと、12時30分発の空港行きバスに乗った。

  本来は、自分の乗る便に接続しているのは12時45分発のバスなのだが、15分前にもあったので、そちらに乗車。このバスだと、空港で55分の待ち時間があってよい。

  このバス、網走駅前のバス停で、満席になり、駅前から乗る予定だった人のうち十数人は、続行のバスを5分後に出すのでそちらに乗車くださいとの案内があった。

  さて、空港で55分の待ち合わせ時間があるといっても、保安検査を15分前に通過しなければならない。この日は混雑気味だったので、実質、30分で土産物を買ったり、昼食をとったりすることになる。

  大急ぎで土産を買い、レストランへ。注文は、ホワイトカレーにした。北海道発祥のカレーとして有名だが、まだ食べたことはなかった。見た目はホワートシチューだが、味は確かに、甘みのあるカレーだ。ホワイトを目立たせるためか、ご飯はサフランライス。

  昼食を食べ終わり、保安検査へ。検査のため並んでいる間に、最終案内があり、ちょっとあせってしまった。

  出発ロビーに入ると、すでに搭乗のための行列ができていた。並ぶと、1、2分後にはもう搭乗。右は、搭乗直前に見た空港ターミナル。

  帰路は、14時5分発の関西空港行きだ。関空からは、女満別は那覇とほぼ同じ距離でちょっと時間がかかる。予定通り、関空に着き、無事に旅を終えた。

 

 

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