3 日 目

 

 根室も早朝は霧が立ち込めていて、旅館の自室から根室駅が見渡せるはずだけれども、かすかに見える程度だ。

 

 

 

 

 

 7時から朝食。最近はどこで泊ってもビュフェ式が多いが、小さな旅館だとセットされた朝食もある。たまにはこういう朝食もいいものだ。

 駅前から825分発の根室交通の観光バスAコースに乗車。納沙布岬と金比羅宮に立ち寄るが、定期バスで納沙布岬を往復するよりも安い。駅まで戻ったバスは引き続きBコースになるのだが、釧路に戻る時間の関係でBコースには乗れないのが残念だ。機会があれば利用してみたい。なお、この観光バスは夏季のみの運行だ。

  

 

  出発して間もなく明治公園のサイロを見ることができた。明治時代のサイロが残されていて、その周辺を整備して公園になっている。

 このサイロ、お化けサイロと言われていて、見る位置から本数が違って見える。実は、右のサイロの向こうにもう一本のサイロがあるが、隠れて見えなくなっているのだ。

 40分ほどで納沙布岬到着。案内された北方館などがあるエリアと納沙布灯台とは小さな湾を挟んで300mほど離れている。しかし灯台はまったく見えない。灯台の方向に歩いて行くと100mくらい離れたところでようやく灯台を確認できた。昔、納沙布岬にやってきたとも霧で岬から北方領土の島々を確認することはできなかったが、またしても霧にやられてしまった。 

 

 

 

 納沙布灯台は北海道では2番目に古い灯台だ。現在の灯台は昭和初期に建てられたものだ。高さはそう高くないので、あまり灯台らしくない灯台だ。

 
 歯舞群島は小さな島々からなり、納沙布岬からごく近いところに貝殻島などがある。しかし霧のためにまったく何も見えない。

 

 

 

 

  岬へ行ったあと、北方館などの見学。画像右の建物は、右側が北方館、左側が望郷の家。別々に玄関があるので、別の建物かと思って、北方館の2階を見た後、いったん外に出て望郷の家に入りなおした。で2階まで行くと、2階がつながっていたことを知ったのだ。 

 
 これは北方館の2階部分。でも、2階は望郷の家と知らず知らずのうちに行き来できりようになていて、望郷の家の2階だともいえる。

 

 

 

 

  「四島(しま)のかけ橋」は、「わが国固有の領土であるにも拘らずロシアが不当占拠を続けている北方領土」の返還を祈念するために作られたアーチ。(四島とは、国後、択捉、色丹、歯舞(歯舞は小島の集まった群島)のこと)

 
 もう少し見学したかったが、時間になって、駅に戻る。

 その途中で金刀比羅神社に立ち寄った。

 金刀比羅神社の駐車場の展望台からの根室市街の眺め。

 
 高田屋嘉兵衛の像。高田屋嘉兵衛は、国後、択捉との交易をはじめたほか、函館からの北洋漁業の基礎を築いた。そして、金刀比羅神社を創建した。彼の像は函館にもあるのだが、その顔立ちなどはずいぶん違うらしい。 

 

 
 8月の祭りではかつがれる神輿。ここの祭りは北海道3大祭りの1つだという。

 

 

 

 

 

 神社を出て駅前に戻る途中、碓氷勝三郎商店のそばを通った。「北の勝」を作っている酒造所だ。

 
 駅前に戻ったのが10時40分。乗車する釧路行きの出発は12時25分。11時すぎに釧路行きの快速「ノサップ」があるが、観光バスの乗客の中にも、この快速を利用する客が何人かいたし、1両だけなので、ちょっと混雑気味。

 自分も快速に乗って、厚岸や浜中あたりで下車、その後に釧路に行くのもいいなとも思ったが、昼食でどうしても食べたいグルメがあるので、根室発を1本遅い列車にした。

 しかし、まだ昼食には早すぎるので、駅前の近くをうろうろして時間つぶしをした。市役所の隣の公園でラックスマンの来航の碑を見つけた。

 11時30分ごろになって、いよいよ昼食のため、駅前の喫茶「ニュー・モンブラン」に行った。ここで、エスカロップを食べるためだ。 

 

 
 エスカロップは、筍入りのバターライスの上にトンカツをのせデミグラスソースをかけてある根室のご当地メニュー。

 このお店が元祖だというので行ってみた。 

 
 12時15分くらいに改札がはじまり、列車に乗り込む。客は自分を入れて5人。さきほどの快速とはえらい違いだ。

 

 

 

 

 

 切符はクレジットで購入したが、「C制」という表示がなく、スタンプが押されるところが、JR西日本や東日本と違うところだ。

 

 日本最東端の駅、東根室。

 ラッキーだったのは、自分が座っていた座席の窓から、駅名板と最東端の柱がよく見えたこと。

 なぜ、根室が最東端じゃないのか。根室を出た列車は、東南方向に進み、1.6km地点に東根室がある。さらに、西南方向に列車は進むのだが、東根室は根室よりも東に位置しているのだ。(だから東根室という駅名なのだ)

 
 15時前に釧路到着。1本前の空港バスに乗りたかったので、駅の東側にあるバスターミナルへと急いだ。

 

 

 

 

 

 釧路空港には少し早めに着いた。

 
 保安検査を済ませて出発ロビーへ。ここで発見を1つ。出国審査、税関、検疫の移動式カウンターが いくつかあった。国際線のチャーター便があるのだろう。

 
 17時25分発、北海道エアコミューターの千歳行きに乗り込んだ。

 あっという間に、山岳地帯をこえて石狩平野へ。そして千歳に到着。

 この日は、千歳から関西空港行きに搭乗。今回の旅も無事に終了。

 

 

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