ウブドの休日(3)

 12月25日 バリ北部ツアー その1

 昨日、インフォメーションで申し込んだツアーは8時30分出発なので、ちょっと早めの朝食を頼もうと7時50分くらいに、従業員のいるところへ。すると、アニャンが、何かやっている。昨日は見なかったけど、やっぱり宿の従業員なのだろう。しばらくすると、アニャンが、食事をあづまやに運んでくれた。宿の朝食は、洋風ではあるが毎日、工夫がされていて、毎回違っているのがよかった。

 出発10分前に、インフォメーションに到着。この日のプドゥグル、ロビナ方面のツアーは、自分のほかは、日本人の女性2人組だけのようだ。バン型の車に乗りこむ。2人がけのところに自分が、後ろの3人がけのところに女性2人がすわっていたが、まだ客があるので、自分も後ろに座るようにいわれる。発車してしばらく行ったところのホテルで、これまた日本人女性2人組と、日本人の若いカップルをピックアップ。

 40分くらい走って、メングウィにあるタマン・アユン寺院に到着。このツアーでは、運転手は運転するだけでガイドはしない。各自が入場券を買って、寺などに入るようになっていた。経路の決まっている乗合タクシーと考えてもよい。

     
       タマン・アユン寺院。お祭りかな?

 旅行に行く前、ガイドブックを読んでいると、いろいろな寺院で観光客は境内に入れないと書いてあった。それでは面白くないと思っていたのだが、それで別に支障はなかった。自分は、日本の寺を想像していたのだ。日本の寺は境内は高い土塀で囲まれていることが多い。これでは境内に入れないということは、見学ができないということと同じことだ。でも、バリのヒンドゥー教寺院は違う。境内を囲む壁は自分の胸から首くらいの高さなので、十分に中がわかる。中の建物も日本の寺のように大きな本堂があったりするいわけではない。

     
       壁は低くて、中がラクラク見れらる。

 続いて、ツアーが訪れたのは、プドゥグルにあるウルン・ダヌ・プラタン寺院。ここは、塔が湖の岸辺から数メートルだけ湖の中に入ったところにたっているのが特徴だ。

      
        ウルン・ダヌ・ブラタン寺院。

 そのあと、数分だけ車に乗って、バリ植物園。地元のグループがたくさん円陣をつくって集まっていたりしたが、これといって見るものはない。しかし、ここは50分も時間がある。だいぶひまを持て余してしまった。

 その後、車は山間部を走り、途中、棚田を見たり、コーヒーの木を見たりしながら、ロビナに向かう。本当はその途中に、温泉に立ち寄ることになっているのだが、今日は休日なので、温泉が休みで立ち寄らないという。

     
       棚田(ライステラス)。日本的な風景だ。

 本当なのかな、と思ってガイドブックを開けると、確かに、クリスマスの12月25日はインドネシアの休日となっている。そういえば、インドネシアといえば、イスラム教を信仰する人が多数を占めているが、国民の融和を図るために、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教も国定宗教になっているという。

  2時近くになってロビナのレストランで休憩。昼食後、ビーチに出てみるが、たちまち物売りに囲まれてしまう。人形あり、ペンダントあり、時計ありで、いらないものを持って数人がやってくる。 逃げるようにして、別のところへ行って腰を下ろす。

  ゴミが多い。思っていたようなきれいな海岸ではなかった。でも、景色はきれいだし、空も澄んでいる。ここでも時間があまり気味であるので、ただ、ぼぉーっとして、しばらく時間のたつのを待つ。

     
       ロビナビーチ。バリ北部の代表的な海岸。

   ようやく時間がきて車が出発。やがて、シガラジャの町を通過。この町は、デンパサールにつぎ、バリでは二番目に大きな町である。また、オランダ統治時代には、この町が植民者の根拠地になったという。そんなわけで、この町はゆっくりと見学してみたいのだが、残念ながらこのツアーでは通過するだけだ。日をあらためて個人で やってきたい。

 そして、ギギッの滝に到着。駐車場から山道をしばらく歩かなければならない。入場料を払うところから500mは歩いた。どんな滝かと期待していたのが、見事に期待は外れてしまった。日本の華厳の滝や那智の滝の5分の1くらいの大きさ、高さである。華厳や那智の滝は近くで見ると恐ろしくすらあるのだが、ギギッの滝はそんなことはまったくない。

       ギギッの滝。

  あとは、ウブドに戻るだけだ。ところがどうも車のスピードが遅い。何かトラブルがあったらしい。山の中の営業しているのかなと思うような整備工場に入る。しばらく、修理のために止まるという。何とか直ったのだが、これで、1時間ロスしてしまった。 ウブド到着は18時30分。一緒だった人たちと別れる。

  間に合った。この踊りは、いろいろな歌舞団のなかでも最も人気のあるティルタ・サリのレゴンダンスを鑑賞する。この会場が、インフォメーションから2キロほど離れた、プリ・プリアタンで行われるのだ。

     
        ティルタ・サリのレゴンダンス。

  19時30分から始まるのだが、18時45分に連絡の車が出るのだ。もしこのバスに間にあわなかっても、19時までに戻ってきたら歩いていけると思っていたのだが、なんとか間に合って歩く必要がなくなった。まで続いた公演はあっという間にすんだ。時間がすぎるのを忘れて踊りに見入っていた。女性が踊るレゴンダンスが中心だったが、いろいろな踊り方がある。また、日本の獅子舞を連想させるようなバロンダンスなども行われた。公演終了後、連絡の車で再びインフォメーションに戻る。

 インフォメーションの前のプリ・サレン・アグンをのぞくと、お葬式のための催事をしていたので、ちょっとだけ見る。子供が喜劇風の出し物を演じていた。食事をして、暗い夜道を宿に戻った。