7   ク チ ン

 

 一夜明けて、クチンの街並みが、ホテルの部屋の窓から明らかになった。

 川はサラワク川。クチンは海に近いように見えて海に面していない。サラワク川が流れていて、ホテル、レストラン、ミュージアムなど観光客にかかわりのあるところの大部分は川の南側にある。でも、北側にも行きたいところがいくつかある。

 川のすぐ北側で巨大モスクが建設中だ。また行く機会があればできているだろう。

 ホテルで朝食。ハーバービューホテルは市内中心部で一番安いホテルを、、ということで旅行社でとってもらった。国内客のほうが多そうだ。欧米系外国人は少ない。日本人は見かけなかった。

 この日は正午過ぎまで、クチン市内を徒歩、ボート、タクシーで回り、午後は、サラワク・カルチュラル・ビレッジへ行く。

 カルチュラル・ビレッジへのシャトルバスの申し込みをフロントでしておく。14時15分発だ。

 市内見学に出発。いま7時30分。13時30分にはホテルに戻りたいので、6時間の勝負だ。

 大きな建物2つのうち、左はハーバービューホテル。ホテルの手前に写っているのは、大伯公(トゥア・ベッ・コン)という道教の寺院。

 右は不明。でも、この配色のド派手さにはびっくり。

 撮影している自分の背後にはサラワク川が流れている。  

 サラワク川。ゆったりした流れ。対岸に渡るには、屋根つきのボートを使う。川幅は100mくらいか。対岸には、いくつか行ってみたいところがあるので、あとで渡ってみることにする。

 その前に、市内に3カ所あるという、猫の像を見に行く。クチンとは、マレー語で「猫」の意味であるそうだが、その名がなぜついたのかは、諸説があって不明。

 まずは、猫の像めぐり。

 市内の3箇所の交差点に猫の像がある。

 左は一番有名なもので、泊まったホテルからも5分以内。

 下は、裏側から撮影。

 さらに、5分ほど歩くごとに2つの猫の像がある。

 上は、猫の柱といってもいいもの。4匹の白猫が周囲に配されている。

 右は、白猫像。夜になると周囲の電球が灯され、簡易ライトアップされる。

 猫の像探し、苦労するかなぁと思ったが、簡単に見つけることができた。

 左は、北クチン、右は南クチンのそれぞれの市章。

 サラワク川を境に、クチン市は、南北にわかれている。

 北クチンはマレー系、南クチンは中国系が多い上、サラワク川にかかる橋が2つだけのため、両者の交流が限られているため、クチン市は南北2つあるようだ。

 南クチンは、中国系が多いためか、中国南部や台湾でよく見かけるような、ひさしつきの歩道がついている。このひさしの部分は、それぞれの家の負担でつくるため、歩道の段差があるのも、中国などと同じ。

 ホテルの近くまで歩いて戻った。

 川の北側に渡るサンパンと呼ばれるボートに乗った。0.6RM(約21円)。

 12人くらい乗れ、屋根がついているのが特徴。雨よけ、日よけになる。

 右は、北側の乗場から南側を見たもの。

 下は、イスタナ。19世紀に、白人王が建てたもので、今は、サラワク州元首の公邸。

 実は、ここから、タクシーに乗って、キャットミュージアムに行こうと考えていたのだ。

 何せ、ボートの乗場は、それなりに交通の要所だろうし、タクシーもきているだろうって思ってだ。

 しかし、残念ながら、タクシーはきていない。バス乗場や売店などもない、ただの乗場で、ここからタクシーに乗車することはあきらめた。

 代わりに、この近くにあるマルゲリータ砦に立ち寄ってから南側に戻ろう。

 しかし、その計画もボツに。右のように、巨大モスクが建設中。ドームやまわりのデザインからモスクだとわかる。この工事のために、本来なら、マルゲリータ砦に通じている道路が通行不能になっているのだ。

 やむを得ず、南側にボートで戻り、南側の見物を一通り行ってから、タクシーでキャットミュージアムに行くことにした。

 南側に戻り、コロニアル建築物めぐり。外観を見て歩くだけだが、、

 上左は、スクエア・タワー。川沿いにある。

 上右は、旧裁判所。今は観光案内所。

 左は、中央郵便局。

 下左は、ラウンドタワー。

 下右は、パビリオン。

 このあと、博物館をいくつか見学。

 右は、サラワク博物館。ざっと見学した。

 下左は、ガイドブックではサラワク博物館新館となっているが、恐竜の展示施設。ところがここは有料なのに大ハズレ。子供向けの展示で大人が見て楽しめるものではなかった。

 下右は、サラワク・イスラム博物館。ここもざっと見学した。

 クチン・モスク。中に入ることができるようだが、時間の関係でパスした。

 このあと、キャットミュージアムに行くために、タクシーのたむろしている、タクシースタンドに向かった。KKでも、そうだったが、流しのタクシーは少なく、タクシースタンドかホテルからタクシーに乗車するのが普通らしい。

 その途中に、かつて駅があった跡の広場を通った。ここにも、鉄道があったことを博物館で知って、探した。今はなき鉄道。保存は考えられなかたのかなぁ。  

 キャットミュージアムは、北クチン市の市役所内にある。

 15分ほどで到着。高台の上にあって、独特な形をした建築なので、よく目立つ。午後に、カルチュラル・ビレッジに行ったときにも良く見えた。

 ただし、タクシー以外で来るのは難しそうだ。さぁ、帰りはどうするか。 

 キャットミュージアムの入口。

 どこから入るの?って思ってしまうような状況だった。入口の上に飾るはりぼてを作る作業中で、はりぼての作業をしている中を通って、入場できた。

 でも、それがわかるまでに数分。ほかの人が入っていくのを見てから。工事用の足場があって、その下をくぐって入って行くとは、思いつかないでしょ。

 ここには、世界中(ってもアジアのものが大半なのだが)から、ネコグッズを集めて展示されている。

 メインになるのは、世界各地でつくられた猫の人形や置物など。

 日本の猫もたくさん展示されていて、右は、日本の各地でつくられた招き猫。

 招き猫と一口に言っても、いろいろなものがあるんだなぁって感じ。

 古代エジプトの猫。一瞬、遺跡から発掘されたものと錯覚したが、ここは土産品など収集していることを思い出した。

 

 

  

 マレーシアのとぼけた顔の猫。
 
 中国の猫と紹介されているが、ドラえもんの模造品。あまり似ていないような気もするけど。

 

 

 

  

  日光の眠り猫。
 
 ここには、1時間強、滞在した。猫好きの人にとってはとても楽しめるところだ。

 帰りには、猫のはりぼても完成したようで、入場口もきちんとついていることがわかる。

  て、帰りの足をどうするか。市役所なのだから、タクシーは待っているかもしれないとの期待は間違っていた。

 しばらく待ってもダメだったので、案内の人にタクシーを呼んでもらった。

 タクシーのドアにも猫の絵が書いてあって徹底している。

 次の行き先は、マルゲリータ砦を指定。ところが、クローズだという。本当なのか、モスクの工事の関係で行くにくいので勘違いしているのかよくわからなかった。

 だが、行き先は、川の南側の福海茶室に変更。

 小さな大衆食堂であったが、ドライバーはして知っていた。ガイドブックで、肉まんが昼過ぎに売り切れると書いてあったくらいなので、よく知られた店なのだろう。

 で、肉まんを注文したら売り切れ。次に注文したのも売り切れ。で、あるのはというと、画像下右の、しゅうまいと鶏おこわ。しゅうまいは、餃子の形をしていた。

 これだけでは足りないので、店頭の麺類を注文しようとしたら、こちらも売り切れが多く、できるものの中からワンタンを注文。

 食事後、サンパン乗場へ。先ほど乗った乗場とは別の乗場から乗船。マルゲリータ砦に行くのはこちらと書いてあるため。

 川向いに着いたあと、砦への行き方が書いてあったので、それにしたがって歩いた。

 10分ほど歩いて、ゲートらしきところに着いたが、そこには、立入禁止の看板がたっていた。ここに入らねば、砦にはいけないから、入ろうかとも思ったが、トラブルになっても困るので、結局、来た道を引き返した。

 再び、サンパンで引き返した。

 あとで、ガイドブックを見たら、この砦は、警察の敷地内にあって、入口でパスポートの提示を求められることもある、と書いてあったのだが、もう遅い。もう少し、早く気付いていれば、ゲートの中に入ったのだが、、

 それにしても、入ってよいなら、立入禁止の看板なんて立てるなよ。

 まだ13時すぎだったので、中国歴史博物館へ。華人の移民についての展示。クチンの市街地だけをとってみれば、華人の街であるといえる。

 そのあと、大伯公(トゥア・ベッ・コン)も見て、ホテルへ。部屋で少し休んだあと、14時すぎからロビーで待機する。

 ところが、シャトルバスはなかなかやってこない。14時30分すぎにようやくやってきて、一路、カルチュラル・ビレッジに向かう。

 15時30分にカルチュラル・ビレッジに到着。

 池の周囲に、いろいろな民族の家屋が建てられているのを順に見学。

 下左は、ロングハウスの内部。

 下右は、木琴を楽しむ親子。

 高床式の家屋。下は、別の家の内部。

 

 16時から舞踊ショーがあった。ショーの行われるホールは、外観は伝統建築風だったが、冷房が入り快適。

 民族舞踊が何種類か演じられたあと、吹き矢の演技が行われた。ホールの天井からぶら下げられた風船をめがけて吹き矢が放たれる。しかし、失敗。失敗すると、男は身にまとっているいるものを脱ぐという寸法。何度か失敗して、右のような姿になってやっと風船に矢が命中。わざと、失敗していたのだろう。大いに盛り上がった演技だった。

 最後には、観客を舞台にあげてのダンス。地元客が多いことをよくあらわしているので、画像をあげた。

 終了は16時45分。シャトルバスは17時15分にくるというので、それまで、レストランで飲み物を飲んだり、売店で土産を買ったりしてすごした。

 帰りのシャトルバスは18時過ぎにホテル着。途中、ほとんど睡眠タイムだった。

 ホテルに戻った後、少し部屋で休み、タクシーで、バンコク・タイ・シーフードという店へ向かった。

 店の名前が、一般的な名前だったので、別の店に連れていかれそうになったが、無事に到着。

 タイガービールでのどを潤しながら、しばし料理を待つ。

 下左は、えびの炒め物。

 下右は、焼きそば。

 最下段は、シーフードサラダ。  

 どれも、小を注文したのだが、それでも、分量が多くてびっくり。タイ料理の店だと思っていたが、どちらかというと中華料理店という感じで、どの料理も分量が多い。

 全部は食べられないので、シーフードサラダだけは、店でほとんど食べたのだが、えびの炒め物と焼きそばは、半分ほどでギブアップ。残りは、外帯にしてもらった。

 タクシーを呼んでもらってホテルに戻り、1日が終了。

 

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