ウ シ ュ マ ル

 

虫に攻撃されながらの5遺跡制覇

この日はウシュマル遺跡などプウク様式とよばれる5つの遺跡を一挙に訪問。5遺跡を周遊するRuta Puucという特別な路線バスを使う。チケットは前日に購入したが、最後の1枚ということで人気があるらしい。8時出発だが、泊まったエルグランホテルからバスターミナルまでは1km以上あり、7時過ぎにチェックアウト。メリダのバスターミナルは、CAMEと呼ばれる1等ターミナルと2等ターミナルが隣接していて、この特別なバスは2等ターミナルから出る。荷物を預けたあと、パンと飲物で朝食を食べて出発を待った。

やがて出発。5つの遺跡はメリダから80kmくらいの距離のところに、数キロづつ離れて位置している。快適に飛ばしたバスは、1時間ほどで、いきなりウシュマルに到着。半分ほどの客がここで下車する。ガイドブックに、ここで下車する人も多い、との記述があるので落ち着いて座っていたが、知らなかったら間違えて下車したかもしれない。周遊バスとはいっても、ウシュマル行のバスとしても機能しているようだ。だが、半分もウシュマルで下車するとは予想外。バス会社の利益も少なくなるだろうし、周遊バスに乗りたい客がチケットを手にできない可能性も高まる。

ウシュマルで下車する客を降ろしたあとは、次々と5分から10分走るごとにバスは停車していった。まずは、ラブナ遺跡。9時20分着。運転手は何か言っている。発車時間なのだろうか。それで、自分が下車するときに、メモ帳をさしだし、発車時間を書いてもらった。これで安心して見学ができる。各遺跡では、チケットをその都度、購入。ここは、ジャングルの中に、小さな遺跡が点在していて、うす暗い木々の中を歩いていくと、突然、視界が開けて小さな遺跡があらわれる。だが、ジャングルの中では予想外の虫の攻撃にあってしまった。少しでも立ち止まると、すぐに蚊などの虫がとまってかまれてしまう。かゆくてたまらない状態になった。虫除けをもってくるんだったと後悔する。画像は、入口近くにあるアーチで、この奥の森の中に遺跡が点在している。

40分ほどすごしたあとバスに戻り、次のシュラバック遺跡へ。ここは20分しか見学時間がなかったが、入口からすぐのところに建物が1つあって、それ以外には見るところがなかったので、それで十分であった。ここでも、虫の攻撃にあってしまった。下の画像の建物の上のほうには複雑な模様が見えるが、これがプウク様式の特徴らしい。

続いて、サイル遺跡。ここは30分だったのだが、中心部からかなり離れたジャングルの中にも遺跡があって、そこへは行けなかった。それで、中心部の大きな神殿やその近くの崩れかけた遺跡だけを見た。もう覚悟はついていたが、ここでも虫にいっぱいかまれてしまった。

次は、カバー遺跡。ここは40分の見学時間だったが、入口を入る前から巨大な遺跡が目の前に見えている。遺跡の周りの森が切り開かれて、公園のように整備されているのである。目標はわかりやすいが、かなり大きいので見てまわるのに時間がかかる。画像は、コズポープで、外壁に雨神チャックの顔が無数に飾られている。幸いなことに、木が少ないせいか、ここでは虫の攻撃に悩まされずにすんだ。Ruta Puucに乗れなかった場合、現地ツアーを探そうと思っていたが、ツアーの場合、ウシュマル以外にカバーも訪問するようだ。

12時30分に、この日のメーンであるウシュマルに到着。運転手はここでは客に出発時間を書いた紙を見せているので、ここだけは出発時間を聞く必要がなかった。残念なことに、出発は14時40分ということで、見学時間は2時間である。果たして広そうな遺跡を2時間で回りきれるのだろうか。ウシュマルは、入場料金が88ペソで、メキシコの遺跡の中ではチチェンイッツァと並んで、特別に高かった。また、チチェンイッツァと同じく、手首に輪がはめられ、再入場のときに見せるらしい。でも2時間では、いったん外に出て食事とかしている余裕はない。ここは、チチェンイッツァと同じく、入口などがしっかりつくられていた。

入口をはいるとすぐに目に入ってくるのが、魔法使いのピラミッド。とてつもなく急な階段がついているのだが、上ることはできないようになっている。あまりの急な階段なんで、上れないことにホッとする。アンコールワットの中央祠堂と同じくらいの傾斜で、しかも高さが倍くらいある恐ろしい階段である。また、このピラミッド、断面が小判型をしているのである。下の画像は、一番下部が写ってなくて、もう少し高い。階段が急傾斜であることが、よくわかるのでこの写真を掲載。

魔法使いのピラミッドのすぐ下に広がるのが、尼僧院とその中庭。中庭を取り囲んで建物がある。建物の上部には、いろいろな装飾が施されている。

時間が限られているので休憩もほとんどとらず、球戯場へ。生贄を決めるために行なわれた残酷な競技がおこなわれたのは、チチェンイッツァと同じ。違うのは、チチェンイッツァと比べて、競技場の大きさが半分くらいであることと、ゴールである石の輪がついている位置が、チチェンイッツァと比べて半分くらいの高さであること。人間の背よりも少し高い程度の高さであった。画像の中央に見えるのは、総督の宮殿。

ウシュマルで一番美しいといわれる建物が総督の宮殿。たいへん細長い建物であり、上部の彫刻がきれいである。小高い丘の上にあり、球戯場からは丘を上がらねばならず、また、グランピラミッドへ行くには、丘をいったん下りてピラミッドの下部にいきつくようになっている。ウシュマルはチチェンイッツァよりも広さは半分くらいだが、上下の移動が必要で、2時間で見学するには、休憩をとっている間がない。

続いてグランピラミッドへ。ウシュマル遺跡の中では一番高く、魔法使いのピラミッドに上れないため、遺跡観光のメインとなるのがこのピラミッド。さいわい、魔法使いのピラミッドはもちろん、チチェンイッツァと比べても傾斜は緩やかで、階段の段の幅も歩くのに支障がない。

グランピラミッドの最上部からは、ウシュマル遺跡の全体がよく見渡せる。遺跡の入口からグランピラミッドまで、ほとんど木陰のない中を歩いてきたが、最上部から見ると、遺跡がジャングルの海に浮かんでいることがよくわかる。いったん、休憩するとなかなか立ち上がることができなかった。画像は、グランピラミッドからの魔法使いのピラミッドと尼僧院、そしてそのまわりにひろがるジャングル。

このあと、急いで、鳩の家、亀の家と見学したが、すでにバス出発まで20分となってしまった。残念ながら、墓のグループ、北のグループといった遺跡の北のほうにある小遺跡は訪問することができなかった。あと1時間あれば、行けたのであるが。

さて、バス乗場には発車5分前に到着。ところがバスの雰囲気が違う。乗ってきたバスとは違うバスで、しかも、座席がほぼうまっている。ここからの帰りは、ウシュマルへ単純往復の客との混乗なのだ。一瞬、メリダへ帰る料金を別払いしていいから、見られなかった遺跡を見るために、再入場しようかなという考えがよぎったが、2,3席まだあいていた座席を見て、座りたい思いがまさり、そのまま席にすわり帰路についた。自分よりあとからも、客は増え、立ち客も出た。

メリダには16時ごろ帰着。パレンケ行のバスは22時発なので、まずはメリダ市内を回り、ゆっくり食事することにした。はじめに、ユカタン人類学博物館へ。ウシュマルなどで発掘されたものが展示されている。冷房がよくきいていて、ウシュマルで熱くなった体を冷やすことができた。画像は、メリダの町。

博物館のあと、ソカロ付近に戻り、カテドラルへ。カテドラルはソカロに面している。そのあと、ソカロのそばの屋台風の店で食事。この日は昼食抜きだったので、食がすすむ。カメラのモードが勝手に切り替わっていて、料理の写真などがとれていなかったのが残念。

食事後はネットカフェでネットを楽しむ。ここでは、メキシコで唯一、日本語で発信ができた。このあと、CAME(1等バスターミナル)に向かおうとすると、土砂降りの雨。歩くつもりをしていたが、タクシーを利用。途中、道路の一部は洪水のようになっていたりしていた。荷物を受け取り、待合室で出発を待った。

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