1   池 間 島 ・ 狩 俣

 

 

 那覇で乗り継いで、宮古空港に到着。まずは、タクシーで宿泊先の宮古第一ホテルに向かった。   チェックイン時間になっていなかったが、部屋に入れて、しばしの休憩。

 

 

 

 

 

 

 

 宮古島には協栄バスと八千代バスの2つのバス会社がある。八千代バスは池間島方面、協栄バスはそれ以外の方面をカバーしている。ところが、バスターミナルは2社が別々のところにあって離れている。特に協栄バスの方は、市街地の中心から少し離れている。そのうえ、バスの時刻が2社が独自に決めていて、調整もしていないようで、乗継は非常に不便。

 それで、2つのバスを駆使して、いろいろ回ろうとしたが、同じ日に2社のバスを乗り継ぐのはあきらめた。また、協栄バスはいくつかの方面へのバスが出ているが、すべて平良のバスターミナルと島の各地を結ぶのもので、島の各地を相互に回るような路線はなく、各路線の間の乗継も非常に不便だ。
 とはいえ、観光に全く使えないかと言うと、そうでもなく、今回は池間島や大神島に行くのに八千代バスを使ったが、時刻表とにらめっこして、どう回れば便利かとか考えれば、利用できる。でも、何回か乗ったバスはいづれも、もともとわずかな利用者しかなく、ぼぼ全員が地元民で観光客は自分以外には1人見ただけだ。

 ホテルからほど近いところにある八千代バスのターミナル(ってもただの駐車場のような感じなのだが)から、池間島に行くバスに乗車して、まずは終点まで行った。

 終点の池間漁協前で下車。これから歩いて渡る池間大橋がよく見えた。橋を見るとわくわくしてくると同時に、疲れる覚悟も。港の中の海水もきれいで、こんな港は珍しい。

 さて、乗客は6人いたのだが、自分以外の5人はそのままバスに乗ったままだった。そして、折り返しのバスの乗客として出発した。

 あれ? と思ったが、こういうことだ。この路線は、途中に”購買店前”経由と”野田”経由があって、往路と復路で違う経路を通るのだが、経路の違う区間で乗り降りする乗客に便宜的に区間外乗車を認めているのだ。たとえば、”購買店前”から”平良”へ行く客は、”購買店前”で乗車して、終点まで行って、折り返しのバスで”平良”に行けるのだ。

 上の時刻表で、青は池間漁協行き、黒は平良行きだが、よく見れば、青と黒のペアで経由を変えているのがわかるだろう。なかなかうまくやっていると思った。(この時刻表は2011年4月現在のものですので注意してください。)

 池間漁港には人の姿がほとんどなかった。漁協も人の気配なし。池間小中学校のこいのぼりをみながら、最初の目的地である池間大橋の北詰へ。ここにはドライブインのように何軒かの食堂がある。その中の「くろしお市場」がお目当て。

 

 ここでいただいたのは、「島うに丼」。

 うにというと北海道が頭に浮かぶ。北のほうの食べ物というイメージが強く、この食堂の名物が「島うに丼」と知ったときには驚いた。

 4年前にも、大橋の北詰には来たのだが、丼のことは知らず、他のお店で他のものを買って食べた。

 この丼、海ぶどうで表面が覆われているので、海ぶどうを少し横によけて撮影した。

 食後は、池間大橋を歩いて渡ったが、渡る前に、北詰の展望台から橋を眺めて、これから渡るぞ、と気合を入れた。

 この橋は約2km。歩いて渡る人はほとんどいないようで、渡りきるまでの間に歩いている人とは出会わなかった。

 橋の上は日をさえぎるものがないが、幸い、この日は曇りでよかった。

 橋の中央部にて。中央部は橋の下を船が通れるように、少し高くなっている。

 橋のところどころには、小さな展望台が設けられていて休むことができるが、車を止めることはできないので、歩いたり自転車の者の特典だ。

 海はとてもきれいで、海底までよく見える。水深は浅くて、船が通るところは柱がたてられていて航路がわかるようになっている。

 25分ほどで橋を渡り終えた。南詰にも展望台があるのだが、こちらは波打ち際まで降りることができた。海水にも触れることができた。

 このあと宮古島で最北端の集落である狩俣へ。大橋の南詰から1.5kmほど。橋の上を歩くのに比べて単調で長く感じた。

 狩俣集落の北端までやってきて、漁港の近くにある雪塩製塩所を訪問した。平良方面に向かう道と西平安崎に向かう道が分かれているところで、道がもう一本、北に向かう道があり、そこを10分ほど歩いた。

 雪塩は、さらさらさらした細かい塩で、宮古島のみならず沖縄の名産品になっている。その製塩所が狩俣の北にあるとは、この地域のことを調べるまで知らなかった。観光コースにも入っているようで、大型バスも止まっていた。

 

 雪塩は地下海水をくみ上げて利用しているが、左上がそのくみ出し口。その海水を加工する機械も見た。あまり大掛かりな施設ではなかった。塩田での製塩が何日もかけて海水を濃くしていって最後に塩にするのだが、雪塩は一瞬で塩になるのだという。

 売店は大入りで、観光バスでやってきた客でにぎわっていた。塩の試食もしたが、確かにいい塩だと思う。

 雪塩ソフトもいただいた。塩が含まれているのかどうか感じとれなかったが、いろいろな塩をふりかけて食べるようになっていたので、試してみた。

 ソフトを食べている間に観光バスが出発して、客は自分だけになり、静かなときがやってきた。

 雪塩製塩所は海岸べりにあり、海岸に沿って西平安崎(にしへんなざき)へ向かおうとした。

 ところが漁港があり、関係者以外立ち入り禁止とか書いてあって、一般人が入れないようになっていた。漁港の中を通って西平安名崎に向かう近道があるのかもしれないが、いったん逆方向に引き返さざるを得なかった。

 漁港付近から見た風車。一番右の風車の向こうが西平安名崎である。また、漁港付近からは池間大橋も全体がよく見えた。

 遠回りして西平安名崎に向かう途中に宮古馬の牧場があって、近くの子供が遊びにきていた。

 風車のすぐ下を歩いて岬に向かった。風車と風車の間隔は遠くから見ているとすぐそばのように見えるが、そばを歩くとかなり離れていると思った。

 西平安名崎の展望台から岬をのぞむ。東平安名崎に比べると雄大さにかけて、おとなしい感じの景色だ。東平安名崎は灯台や崖があり、もっと見ごたえがあった。

 展望台から降りて、岬の先端部にも行ってみたが、面白みには欠け、すぐに引き返した。

 狩俣集落にある「すむばり食堂」に向かった。

 

 行きにバスの車中からこのお店が見え、入口に張り紙がしてあったので、もしやして休業かと思った。そして、お店の前まで行って、やはり人の気配がないので、やはり休業だったかと思ったが、張り紙は別の内容だった。入店時は客は自分ひとりだったが、食べているうちに他の客もやってきた。

 たこ料理が有名で、いただいたのは「たこ丼」。やわらかいたこがふんだんに入っていた。「たこ飯」もあり、こちらも気になったが、また来ればいただいてみることにする。

 食後は、狩俣のバス停からバスで平良に戻った。往路のバスは小型のバスだったが、今度のバスは大型バスで、観光バスのお古のような感じだった。そして、乗客は自分だけ。平良に近づいてから2人くらい乗車したが。

 平良についた後、まだ17時前だったので、ホテルにはすぐに帰らず、海岸に出てみた。途中にバナナケーキで有名な「モンテドール」のお店があり、海岸からホテルに戻るときにお土産を買った。

 向かった海岸は、宮古島を代表するビーチであるパイナガマビーチ。しかし、平良港がそばにあり、平良の市街地に面していて、もはやきれいなビーチとはいえなくなっている。

 それでも、観光客や市民が歩いて手軽に訪問できるビーチだけあって、割りと人出があった。

 このあと、「モンテドール」でお土産を買い、ホテルに戻ってしばらく休憩。

 この日は昼食を2回食べたというか、早めの夕食を食べたというか、そういう感じだったので、20時を回ってから夕食に出かけた。

 平良の最大の繁華街は西原通り。ホテルから5分ほどのところだ。行ったのは「さんご家」という居酒屋。

 この日は料理は3種類いただいた。あまりいろいろいただくことはできなかった。

 飲み物は生ビールのあとで、「ティーダ」というカクテル。

 ティーダとは、地元の方言で太陽ということ。泡盛にマンゴージュースを混ぜたカクテルであった。

 ホテルに戻り、1日目を終了。

 

 

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