1   リ  マ  へ

 

 ペルーは、地球の裏側に近い。したがって、飛行機で24時間以上かかる。時間がかかるということで、これまで南米は旅行対象の枠外だった。そんな意識が変わったのは、前年にメキシコに行ってからだ。メキシコからもう少し時間をかければ南米、ということで、にわかに、南米も旅先にあがってきた。南米といっても、大変広いわけだが、まずは、インカ文明の本拠地ペルーへ旅立つことを決めた。

 日本からペルーへいく場合、米国系の航空会社を利用するのが一般的だが、昨年のメキシコ旅行で経由したダラスでの乗継が短時間のうちに面倒なことの連続だったし、おまけに昨年の旅行後、指紋と顔写真までとられることになったので、できれば米国系は避けようと、当初はエア・カナダを利用してリマ入りを予定していた。

 だが、エア・カナダで早朝4時台にリマに到着後、クスコに移動するのだが、できるだけ早くクスコに着きたい。でも、4時台の到着で5時50分発の始発便に乗り継ぐのは、遅れがでた場合を考えるとちょっと危険である。しかし、始発便に乗りたい。なぜなら、ペルー初日の午前中はホテルで休みたかったからだ。

 24時間以上の旅の疲れを取りたいわけだが、ペルーの場合、疲れをとることが、ほかの国の場合にもまして重要なのだ。これから旅行するクスコやプーノなどアンデス山脈地方は3000〜4000mの標高があり、高山病を避けたかった。着いた日の午前中は、観光などはせず、ホテルで休みたい。そんなわけで、始発便に必ず乗るために、エア・カナダは避け、深夜に到着するアメリカン航空を使うことにした。深夜に着いても、ホテルはとらず、空港で夜明かしすることにしたので、それはそれで多少の不安はあったが、、

 伊丹から成田まではANA便だったので、アメリカン航空にはスルーチェックインができない。成田での乗継時間は2時間あまりあったが、この時間にチェックインして、通路席が確保できるか不安だった。12時間ほどの搭乗時間で、通路席にしたかった。結局、通路席はすでに埋まっていたが、通路席ではないが、エコノミー席の一番前方の席があいていたので、そこをとってもらう。通路席じゃないが、席の前がやや広いので、自由に通路に出ることができる。ダラスからの乗継便は、ダラスでブロックしているとかで、こちらも通路席はとれなかったのだが、リクエストしておくから搭乗口で変更を申し出るようにとのこと。

 

 上の画像は、エコノミー最前列の前にあった壁から前方を望んだもの。飛行中は壁の隙間は閉じられる。

 離陸後、まもなく機内食。前年、メキシコ行きの際とまったく同じ便だったのだが、この1年のうちに、アルコール類が無料になっていた。前年は有料で驚いたのだが、、きっと苦情がたくさんあったのだろう。

 食事の後は、ビデオを見たりしてすごす。個人用モニタで2種類のビデオを見たが、それが終われば、することがない。モニタは飛行コースをあらわす画面にして、できるだけ眠ろうとするがほとんど寝られない。やがて、2回目の機内食。

 成田からダラスまでのルートは、アラスカの南岸をかすめたものだ。アリューシャン列島の北側を通り、アンカレジ、ジュノーなどの近くを通過する。そして、プリンスルパートあたりから北米大陸の内陸に入っていく。普通の地図を見ていても、このルートが最短ルートに近いものだとはわからない。下の地図は一般的な地図に飛行ルートをあらわしたものである。

 下の地図は最短ルートがほぼ直線であらわされる地図である。(注:厳密には直線で表せません。)これを見ると、東京からダラスへの最短ルートがアラスカの少し南を通ることがわかる。

 12時間ほどの飛行でダラス着。メキシコ行きのときには、1時間半の乗り継ぎなのに、成田発の便が遅れたりして、大忙しの乗継だった。今回は、7時間半の乗継時間がある。いったん入国させられるが、その際、指紋と顔写真をとられるのは知っていたが、気持ちのいいものではない。さらに、荷物受け取り、税関、再び荷物預け、乗継便に乗るためのセキュリティチェックで1時間半を要した。それでもまだ6時間ある。

 この6時間を利用して、ダラスのダウンタウンに行って、J・Fケネディの暗殺現場を訪問することも考えたが、片道40km、タクシー代$40ということで、時間的に心配で、お金もかかりそうだし、空港でおとなしく待つことにしたのだ。

 上の画像は、ダラス空港のセキュリティエリア内。かなり人が多いのであるが、大部分の乗客は国内線の利用客だ。A19というのが見えるが、ダラス空港はA〜Eのターミナルがあり、このうちAとCがアメリカン航空専用だ。またBが他社との兼用である。ダラスはアメリカン航空のハブ空港になっている。ターミナルAは国際線もでているが大部分は国内線。でも、モニターに表示されている飛行時間を見ていると、国内線でも3時間、4時間飛行する便がたくさんあり、米国が大陸国家であることを感じた。

 

 さらに、時間を持て余したので、エアポートレインで空港を一回りしてみた。一回りするのに30分ほどかかった。成田空港の2つのターミナル程度の大きさターミナルが5つあるような感じで、たいへん大規模な空港であることがわかる。ターミナルは動く歩道でも結ばれているらしいが、歩いての移動だととても時間がかかるだろう。画像は、ターミナルAにあるエアポートトレインの駅。

 2時間前にようやく搭乗口のカウンターに係員が立ち、リマ行きの搭乗券を示して、通路席への変更を申し出た。すぐに変更できた。

 時間つぶしを終え、リマ行きにようやく搭乗。通路を挟んで3列づつのやや小さい飛行機である。離陸時に1時間ばかり遅れが出る。どうせリマでは空港での夜明かしだから遅れてくれたほうがありがたい。

 離陸後しばらくして機内食。料理のチョイスはなく、全員がパスタとサラダ。個人用のモニターなどはなく、リマまでの7時間は日米間よりも退屈だった。

 元々、余裕時間がとってあったのだろう。1時間遅れての出発だったが、到着は30分遅れ。現地時間で日付が変わる。一応、ここで1日目が終わりということだが、日本とペルーでは14時間の時差がある。 家を出たのが6時だったので、32時間かかったことになる。入国審査は長蛇の列で、税関、両替を終えて、いったん空港外に出たのが1時。ご苦労様でした、といいたいが、このあと空港内に戻って夜明かしし、早朝の便でクスコに飛んで、ようやく往路の長旅が終わるのだ。 (ホテルに着いたのは8時。結局、6時に家を出て、翌日の8時にホテルだが、14時間の時差があるので40時間かかったことになる。)

 

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