1  リ ス ボ ン へ

 

 

伊丹から成田・・・NH2176搭乗記

  ポルトガルに向かう最初の便はNH2176 伊丹発成田行き成田からの国際線の間合い使用の便である。席は国際線ビジネスクラスの部分の席を予約している。ビジネスクラスの席といっても、通常の運賃で搭乗できる。ただし、予約はビジネスクラスの席から埋まるだろうから早めに予約しておいた。

 発券機で搭乗券を発券。今回は株主優待券を利用して搭乗。プレミアムメンバー向けの保安検査場を通り、ANA LOUNGEに向かった。

 この日は8月4日。8月1日から伊丹のANA LOUNGEがリニューアルしたばかり。5月から閉鎖されて工事しており、リニューアル早々に利用できたのはラッキーだった。リニューアルされたばかりということで、入口で特別なつまみが配られていた。

 リニューアルによって席数が増えただけではなく、全席にコンセントがついたという。また、仕事ができるようなデスクのある席が相当数つくられている。

 「関西空港・大阪(伊丹)空港経営統合記念ビール」なるビールがあったので、記念ビールとつまみをいただいた。なんでも、伊丹市にある小西酒造が特別につくった「ガーネットルージュ」という商品名のビールらしい。ルージュというだけあって、かなり赤っぽい色をしている。

 伊丹と関空の統合は、すでに7月20日に実施されていて、「新関西空港株式会社」により両空港が運営されている。伊丹の利益を関空に回すような統合だが、今後どうなっていくのだろうか。

 さて、伊丹・羽田あるいは成田間は、ここのところずっとJALを利用している。メインの航空会社はJALにしているからだ。長距離の国際線を利用するときはJL3002で成田に向かうことが多い。だが、今回は同時間帯のNH2176にした。

 それは、成田からパリに向かう便がエールフランスだからだ。エールフランスといっても、JALのコードシェアでJAL便名での利用なのだが。で、エールフランスは成田の第1ターミナルから出発するのだが、乗継時間が限られていることもあり、今回は第1ターミナルに到着するANAにしたのだ。

 搭乗時刻が近づいたのでANA LOUNGEのすぐ前の13番ゲートへ。空港の中央部で、ANA側の一番北のゲートで、隣にはJALが駐機している。

 そして搭乗。自分は、プレミアムメンバー(ANAの上級会員)の中でも最低ランクのSFC会員なのだが、優先搭乗できる。この点は、JALでSFCに相当するJGC会員は、国内線では優先搭乗の対象外になっているのと少し違う。

 ANAの国際線ビジネスクラスは座席の改良がJALより進んでいて、JALとの競合路線では全席通路側の新型シートが使われているが(JALも2013年早々から新型シートが投入される)、この便の座席は旧型シート。

 成田到着時に25番ゲートにはったので、25番から出発する国際線を探したらワシントンDC行きであった。これはJALとの競合路線ではないので、旧型シートが使われているようだ。

 飲物サービスがあり、アイスコーヒーをいただいた。ANAの国内線では飲物サービスをサービスダウンさせ、コーヒーは有料にし、お茶などは無料だが客から声をかけるというスタイルがしばらく続いていた。

 このサービスダウンはJALが破綻した少し後に始まったので、JALも追随すると思ってダウンさせたのだろうが、JALは追随しなかった。そして、2年ほど経過した2012年6月から、コーヒー無料化と声をかけなくても飲物をサービスするスタイルに戻した。コーヒーが無料になってからははじめてのANAだったが、はやりこれが日本的サービスなんだなって思った。

 コーヒーをいただいたあとは、ほんの20分ほどだけだったが、座席を最大限倒して、フラットに近い状態にしてくつろいだ。そして、成田空港着。

 

成田で乗継

 成田から出国する場合でも、伊丹からJALを利用し、成田からもJALというのがほとんどなので、普段は伊丹で国際線のチェックインを行うのが通常だ。今回は、仮に伊丹/成田がJAL利用であっても、成田ではエールフランスのカウンターでチェクインしなければならない。

 成田到着後、第1ターミナルの南ウィングから北ウィングへ移動。さほど長い距離ではない。北ウィングのエールフランスのカウンターでチェックイン。搭乗便はAF275。ただ、この便はJALとコードシェアしていて、JL便名はJL5053。自分の場合は、JALで発券しているが、実質はエールフランス利用だ。

 パリからリスボンもエールフランスなので、成田でリスボンまでスルーチェックイン。荷物もリスボンまでのタグをつけてくれて、パリでピックアップする必要はない。また、パリまではビジネスクラスなので、緑色のプライオリティタグをつけてくれた。また、マイルはパリまでをJALに、パリ/リスボンはDL(デルタ)につけてもらった。

 このあと、プレミアム・パセンジャー・レーンへ。スカイチームのエリート会員とビジネスクラス以上の利用客が使える専用の保安検査場である。今回はビジネスクラスなので、このレーンを使える。

 さらに出国審査を経て、制限区域内へ。向かった先は、エールフランスのラウンジ。今回、搭乗する15番ゲートのそばからエレベータで上に上がって、ラウンジへ。

 航空会社のラウンジは各社の拠点空港のラウンジは立派であっても、アウェーにあたる空港では、さほど立派ではない。それで、あまり期待していなかったし、実際、予想していたものだった。でも、1時間ほどゆっくりできてよかった。

 すでに10時を回っていたが、遅い朝食をいただいた。ここでいただくために、朝5時に自宅を出てから何も食べずにやってきた。ただ、搭乗後しばらくすると機内食があるので、ここではあまり食べないでおいた。

 もし、エールフランスのエコノミークラスにJAL便名で搭乗するとしても、JALの上級会員はこのラウンジを使えることになっている。でも、プレミアム・パセンジャー・レーンやプライオリティタグは無理だろうなと思う。

 1時間ほどラウンジに滞在してから搭乗口へ。北ウィングのサテライトなのだが、7年ぶりの利用だ。2005年にアメリカン航空を利用したのだが、そのときこのサテライトから出発だった。

 その後、2006年に北ウィングはスカイチーム中心のターミナルに再編された。同時に南ウィングがスターアライアンス中心、第2ターミナルがワンワールド中心のターミナルとなった。だから、主にJAL、一部ANAを利用している自分の場合、北ウィングから出発することはなかったのだ。

 AF275と帰りに利用するAF276はA380で運航されている。A380 は全体が2階建ての飛行機で、世界最大の飛行機である。ジャンボB747は前の方だけが2階建てになっているが、こちらは後ろまで2階建てだ。

 A380には一度だけ搭乗したことがある。カンタス航空でシンガポールからメルボルンまで1階のエコノミークラスに搭乗している。今回は往復とも2階のビジネスクラスに搭乗だ。

 搭乗ゲートにあったシートマップ。上が2階で、オレンジ色がブジネスクラス、青はプレミアム・エコノミー、水色がエコノミークラスだ。下が1階で、赤はファーストクラスで、それ以外は水色のエコノミークラス。

 搭乗予定時刻をすぎても搭乗がはじまらず、10分ほど遅れての搭乗だった。成田にはA380 用のブリッジがあって、2階席にも階段を使わずに入れるようになっている。

成田からパリ・・・AF275搭乗記

  AF275、予定時刻から10分ほど遅れて搭乗開始。そして、出発は35分ほど遅れた。

 下左  モニターはかなり大きく、モニターの下には足置きがある。これは、席を倒していき、最もフラットに近い状態のときに座席の延長部分になる。

 下右  座席を最もフラットにさせたが、完全なフラットではなく傾斜がある。JALの欧米線のビジネスクラスと同じくらい(JALは2013年早々から完全フラットのシートになる予定)。また、JALだと、前後、上下に微調整できるのだが、その機能はなく、JALのほうが優れている。 

 

 まだ駐機している間にウェルカムドリンクが運ばれてきた。シャンパンをいただく。JALでは離陸してからウェルカムドリンクなので、新鮮な印象を受けた。

 離陸後、ビデオを見はじめたが、あたり前だが、日本映画は少なく1本だけ。日本語吹き替えのものはたくさんあるが、内容的に興味がわかないものがほとんど。モニターはリモコン、タッチパネルとも操作できるようになっているが、はじめてだし、使い方の説明もごく簡単にしか書いていないので、JALのモニターになれている自分には使いづらかった。

 離陸1時間を経過し、新潟付近から日本海上空に入った。このころから、1回目の機内食がはじまった。

 まず、おつまみ。飲物はボルドーの赤ワイン。ワインは赤、白ともJALと同じく複数の中から選べる。とはいっても、自分はワインの知識がないから、どれがいいのかよくわからず、適当に頼む。JALの場合は、渋み、辛みの度合いがメニューに書かれているが、そういった説明はないので。

 そして、1皿目。生ハム、ゆでエビ、ホタテなどのオードブルと野菜サラダ。ドレッシングではなく、オリーブ油をかけていただくようになっている。このときの飲物はラングドックの白ワインにした。
 そしてメインディッシュ。この日のスペシャルが和風のチキン照り焼きだったので、それを選んだ。JALだと、大体、日本発では洋風の肉料理を選ぶのだけれども。メインディッシュは4つ(和風、タイ風、洋風の肉と魚)の中かな選べるようになっているので、どれにするか結構迷う。

 今回の旅行は現地で魚料理ばかりオーダーしていたので、この食事が唯一の肉料理になった。あと、味噌汁が美味しかった。具は入っていなし、容器もイマイチなのだが、コクがあって、最近JALが必ずつけるようになった味噌汁より上だ。

 JALならこのあとデザートになるところだが、エールフランスの場合は、チーズが運ばれてくる。カマンベールチーズとプロセスチーズであったが、どちらもかなり大きくきってある。メインディッシュとデザートの間にチーズがあるのがフランス料理の特徴だが、その順序に従っている。正式なマナーでは、チーズはパンと一緒にいただくものなので、パンもすすめられたが、満腹に近づいていて、デザートが食べられなくなると困るので、パンはパスした。
 そしてデザートとコーヒー。デザートは、シャーベット、マカロン、シャーベットがのったアイスクリリーム、普通のケーキと盛りだくさん。やはりマカロンがフランスらしい雰囲気を出している。

 おつまみにはじまってデザートを食べ終わるまで1時間30分。唯一見られた日本映画を見ながら、ゆっくりと食べることができてよかった。

 食後はお休みタイム。前夜は準備のために徹夜に近かったこともあり、ゆっくり休んだ。

 3、4時間眠ったあと、起きてきてビュッフェコーナーへ。定時の機内食以外に飲物や食べ物がほしい場合はビュッフェコーナーへ行って、持ってくる仕組みになっている。この点はほしいものをオーダーして運んでもらうJALとは大きく違っている。

 下左  ビュッフェから運んだサンドイッチ。おにぎりもあったが、パスした。飲物はリンゴジュース。

 下右  カップヌードル・ミニ。お湯は給湯器から自分で入れる。ただ、普通は客が給湯器がどれかまでは知らないだろうし、お湯の入れ方を案内しないのはいただけない。

 

 到着の2時間ほど前に2回目の機内食。

 肉、魚から選ぶようになっていて、魚にしたのだが、シーフード・カネロンという料理であった。白身魚をほぐしたものに、貝やイカ、海草を混ぜて練り物にして、カマボコのようなものをつくり、それを一枚もののパスタで巻いたもので、それにチーズソースがかけてあった。初めて食べた料理だ。

 ほかに、シーフードサラダとムースなど。到着も近いので、30分ほどで食べ終った。

 2回目の機内食の仕組みはオーソドックスなスタイルで、JALのように好きなものを好きな時間にオーダーするというのとは違っている。

 JALと比べると、機内食についてはエールフランス、接客サービスと座席・モニターなどはJALのほうが好みだ。総合的には、エールフランスも捨てがたいけど、どちらか一方選ぶとなるとJALかなって感じだ。

 そしてパリ、シャルル・ド・ゴール空港に定時に到着。ここではじめて、A380 の全体を見ることができた。

パリからリスボン & ホテル到着

 AF725はシャルル・ド・ゴール空港の2EターミナルのMゲートに到着。ド・ゴール空港のターミナルは1、2、3に分かれているが、2はさらにA〜Gの小ターミナルに分かれている。A〜GのうちではEが特に大きくて、ターミナル本館にあたるKゲートとシャトルで移動するL、Mゲートがある。初めての人にはターミナルの構造を把握するのは難しい。

 画像は、2EのMゲートから出発するシャトル。これでKゲートのある2Eゲートの本館に向かった。ここで、入国審査。自分の場合は、プライオリティゲートを使えたので余り並ばなくてすんだが、A380 は乗客が多いから、一機だけでも入国審査が混雑する上、同時間帯に到着した便が多く、入国審査場は長蛇の列だった。

  ところで、このときの入国印は、自分の旅行史上で最悪の押し方であった。

 画像で目立っているのは、22 MAY 2010のオーストラリアの入国印だが、その下に04 08 12と赤字で押されているのがわかるだろうか。押すときにまともに最初のデータページも見ていないような感じだったので、きっちり手続をしていなくて、あとでトラブルにならなければいいのだがと思っていた。パッとスタンプを押してポイと投げるような感じで返されたのだが、この有様だった。先のオーストラリアのスタンプをまともに見ていなかったのだろう。

 実は、このオーストラリアのスタンプも困ったものだったのだ。順番につめて押してくれればいいものを、いきなり10ページ以上飛ばして押したのだ。それから2年、ようやくそのページまで到達したかと思えば、このさまだった。いやはやあきれる押し方だ。

 入国のあとリスボン行きに搭乗するため2Dターミナルに行く必要がある。2A〜2Gは歩いて移動できる。乗継時間は3時間弱ある。それで、プライオリティパスで利用できるラウンジがある2Aに行き、少しだけラウンジを使ってみることにした。ターミナル1にも利用できるラウンジがあるが、これはバス連絡になるので避けた。

 2Eから2Aは歩いていけるが500mくらい歩かねばならない。で、2Aまで行ったのだが、どうも制限区域内にラウンジがあるようで、発見できなった。それで、2Aから2Eをへて2Dまで700mくらい歩いて移動。2Dの保安検査場に入った。

 成田で発券されたリスボン行きの搭乗券はバーコードがない。そのため搭乗口でバーコードつきのものに代えてもらうようにとのことだった。ところが、保安検査場を通るときに搭乗券を見せなければならないが、搭乗券と思われなかったので説明に苦労。搭乗口ではなくトランジットカウンターでも代えてもらえるだろうから、そうしておけばよかったとあとで思った。

 保安検査場を通過して、搭乗口に行ったが係員はまだ出てきておらず、サービスカウンターに行って、バーコードつきの搭乗券に代えてもらった。その後は、30分少々、搭乗口近くのベンチで腰掛けて待った。

 搭乗時刻になったが、ゲートから直接乗るのではなく、バス連絡。で、2Dターミナルから2Eの本館の横を通り、さらに2Gターミナルまで連れて行かれた。

 そして、バスを下車したあと、階段で2Gターミナルのひとつのゲートに接続されているブリッジで機内に入るという形で乗り込んだ。

 下左  バスを下りて、階段でブリッジにあがるときに撮影したリスボン行きの搭乗機。

 下右  リスボン行きの機内。

 
 機内で配られた軽食。卵サンドであった。これとコーヒーをいただいた。

 機内アナウンスはフランス語、ポルトガル語、英語で行われ、いよいよポルトガルにやってきたんだという気分になった。

 今回の旅行は、出発の2ヶ月ほど前に大雑把な計画だけたて、それにしたがってホテルは予約していた。でも、その後、旅行の計画をたてることもなく出発当日を迎えた。そして、毎日、翌日のコースを考えるというありさまだった。それで、この機内は、翌日の予定を考える時間となった。

 リスボンではタラップから下りて、バス連絡。

 リスボンは4年半ぶり。空港ターミナルに入ると、前回来たときのことを思い出した。前回は英国からブリテッシュ・エアウェイズでやってきたので、リスボンで入国審査があったが、今回はそれがないのでスムーズだ。でも、預け荷物がなかなかでてこない。プライオリティタグがつけられたいたが、効果はなかったようで、かなり待って荷物をピックアップ。

 荷物を確保したあとは、タクシーでホテルに向かうのだが、その前にsimロックフリーのiPhoneで使うためのsimカードを売っているボーダフォンの店へ行ってみた。でも夜も遅く、閉店した後だった。それで、翌朝、空港にもう一度やってきて、simカードを買うことにした。

 ホテルは、「ホリディ・イン・エクスプレス」。

  空港の近くにあるホテルでタクシーで5分ほどだった。

 部屋に入ったのは22時30分。日本時間だと出発翌日の6時30分。24時間以上かけて、一泊目のホテルに到着してやれやれ。

 このホテルはただ寝るだけのためのホテルで、チェックインのとき、に翌朝8時の空港行きのシャトル・バスを申しこんでおいた。このバス、無料だと思っていたら有料で5ユーロ必要だった。タクシーは深夜料金とチップとした端数を入れて8ユーロだったので、ちょっと高いなって感じた。ネットは1時間以内が無料で、あとは1時間ごとに1ユーロだった。結局、無料範囲内の利用で収まった。