2  ポ ル ト 1日目

 

 

はじめての海外simカード購入

 ホテルからは、離陸する飛行機が見える。

 ホテルは空港に近いが、ターミナルビルからは2kmほど離れている上、ホテルの周囲は工場地帯で空港と行き来するには車が必須である。空港との間にはシャトルと呼ばれるバンが30分ごとに出ていて、8時のシャトルをチェックインのときに予約している。また、タクシーもすぐによんでくれる。

 6時から朝食を食べることができ、6時半ごろにレストランへ。

 ごく普通の朝食であるが、ナタがあるところがポルトガルならではである。

 下左  8時が近づいてきたので玄関でシャトルを待つ。このときにホテルを撮影。

 下右  8時にシャトルで空港へ。5分で第1ターミナルに到着し、下車。

 
 空港内のボーダフォンの店は8時に開店のようで、開店早々の店に入った。

 simフリーのiPhoneで使うsimカードをはじめて購入。データ量によって値段が違うが、どの程度いるのかまったくわからない。最大量の1GBのを買 った。25ユーロだった。iPhoneのカードスロットを開けると、カードを差し込んでくれた。10分ほどで用事は終了。パスポートの提示はしなくてもよかった。この1枚で帰国するまでデータ通信ができた 。街歩きのときに現在位置を確認したりするのに役立った。

 このあと地下鉄赤線で空港駅からオリエンテ駅へ移動。この区間だが、自分の乗車したわずか18日前の7月17日に開業したばかり。この開業の結果、空港が地下鉄で市内中心部やオリエンテ駅はじめ鉄道駅と結ばれたわけでとても意義があることだ。さて、これから鉄道でポルトに向かうのだが、オリエンテ駅から乗車するのが便利だ。オリエンテ駅は2駅目なので10分もかからずに到着。

 このときは地下鉄の駅からCP(ポルトガル鉄道・・民営化されて国鉄ではなくなっている)の駅に直行したので、気づかなかったが、最終日に再度訪れたところ、駅に隣接したショッピングセンターにもボーダフォンの店があったので、そこでSIMカードを買うこともできたと判明した。

リスポンからポルトへ鉄道で移動

  リスボンの北行き列車の始発駅はサンタ・アポローニャ駅だが、地下鉄から乗り継いだり、エヴォラやファーロなど南部からの列車から乗り継いだりする場合はオリエンテ駅が便利である。

 地下鉄ホームから3階分上に上がると切符売場、さらに1階上に上がるとプラットホームなどで便利がいい。

 サンタ・アポローニャ発のポルト・カンパーニュ駅行きのICに乗車。

 長距離列車は最速のAlfaとそれにつぐICがある。オリエンテ駅からポルト。カンパーニュ駅へは、2種類の列車をあわせて、1時間に1本ある程度の本数である。

 Alfaは電車であるが、ICは機関車牽引列車である。どちらも大半はサンタ・アポローニャ発だが、一部はファーロから直通である。

 今回は、オリエンテ発9時39分のICに乗車。ポルトまで2等で24ユーロだった。2等は車両を半々にして集団見合い型の座席であった。

 ポルトガルの鉄道やバスでもっともよく見かける車窓はオリーブ畑。きれいに並べて植えられたオリーブがいたるところで見られた。
 9時39分発でちょうど3時間乗車して12時39分にポルト・カンパーニュ駅に到着。

 この駅はポルトの中心部から少し郊外にあり、長距離列車の発着駅になっている。中心部に向かう場合はこの駅で近郊電車に乗り換えて1駅だけポルト・サンベント駅に向かう。逆に、長距離列車に乗る場合は、一駅区間だけ近郊電車で移動して、乗り換える。

 一駅だけ近郊電車に乗ってポルト・サンベント駅へ。小さいながらも行き止まりのターミナル型の駅である。

 近郊電車は4系統あって、リスボンに向かう途中のアヴェイロ、スペインのヴィーゴに向かう途中のヴィアナ・デ・カステロ、その途中で枝分かれするブラガとギマランイスの行先がある。それぞれが1時間に1本程度の本数だが、全系統が重なるサンベント駅とカンパーニュ駅の間はかなりの本数になる。

 サンベント駅のコンコーズは巨大なアズレージョがあり、ポルトガルらしい雰囲気の駅だ。この左手がホーム、右側が駅の外である。右側の入口の中は切符売場になっている。
 サンベント駅の外側。この駅の内側の壁がアスレージョで覆われているとは想像しにくい。

 この駅の周辺がポルトの街の中心だといえる。

 

ポルト街歩きスタート

 サンベント駅を出て、すぐそばの道を歩いてバターリャ広場にあるホテルに向かった。ガイドブックの地図を見て、300mほどかなとたかをくくっていたのだが、現地を見て唖然。

 かなり急な坂道だったのだ。これが300m続くのだから大変だ。途中で休みながら坂道を上がってバターリャ広場へ。

 バターリャ広場につくと、広場の向こう側に予約していたホテルがあった。

 ホテルB&Bポルト・セントロ。ポルトガルのチェーンホテルのようだった。外装は古い建物を生かして新しくしており、内装はとても新しいものだった。

 玄関を入ると、左手の階段を少し(半階)下りるとフロントがあり、右手も階段を少し(半階)上がると上の階へのエレベータがあるという構造で、ちょっと不便であった。どうして、そんな構造にしたのだろうか。

 部屋にはキーはなく、パスワードの番号を打ち込む仕組み。このやり方はほとんど経験がなかった。パスワードを書いた紙をなくさないように注意には気をつけていた。キーを部屋の中に置いたまま、外出してロックされてしまうような心配がないのはいいが。

 ネットは無料で利用できたのだが、残念なことに、無線LANに接続はできても、そのあと、ホテルの認証のページがうまく表示されず、パスワードの認証がうなくいかず、ネットがつかえなかった。それで、iphoneでネットを利用したのだが、発信は面倒で、あまり使わなかった。

 1時間ほど休んでから、街歩きに出発。まずは、先ほど上がってきたサンベント駅からの坂道を下っていった。さすがに下りは快適だ。
 坂道を下りきったところにサンベント駅があり、さらに少し離れてリベルダーデ広場がある。

 広場の入口にはドン・ペドロ4世の像が建ち、広場に面して古そうな建物が並んでいる。そして広場の一番奥に市庁舎がある。

 さらにグレリゴス教会のほうに向けて歩いていったのだが、これがまたもや坂道の上がり。つまりサンベント駅やリベルダーデ広場の付近が鍋底のようになっていて、東のバターリャ広場も西のグレリゴス教会も鍋底から坂道を上がるのだ。ついでに言うと、北の市場や南のカテドラルに行くにも坂道を上がるのだ。

 ポルトにも路面電車が走っている。でも、リスボンの路面電車と比べ本数がかなり少ないのが難点。ちょっとした坂道を上がるには楽ではあるのだが、歩いたほうが早い。

 
 上左  グレリゴス教会の塔。

 上右  塔に上がってみた。ドウロ川の方向を見る。真ん中左に見えるのがカテドラル。塔のあとで礼拝堂も見学。

 左  次に向かったのはカテドラル。グレリゴス教会から坂道を下り、また丘を上がった。丘の一番上に建っている。もとは要塞だったので、武骨な外観をしている。

 カテドラルの内部。細長く、幅の割りに奥行きがある。天井がとても高いのも特徴だ。

 カテドラルを出たあと、ドウロ川の流れるところまで下ったのだが、これまた急な坂道や階段の連続であった。坂道や階段の両側にはぎっしり古い住宅がぎっしりと並んでいる。こういうところで暮らすとなると、毎日の坂道や階段の上り下りがとても大変で、自分には住めそうにもない。

 ドウロ川の流れのそばまで下った。すぐそばにはポルトを代表する鉄橋であるドン・ルイス1世橋が見える。

 川岸には観光客向けの屋台風の店や観光船の切符売場が並んでいる。観光客の密度もとても高くなっている。

引き続き街歩き&夕食はバカリャウ

 ドウロ川の近くにエンリケ航海王子が生まれたとされる家があるので行ってみた。

 建物の基盤と壁の一部がエンリケの時代のもので、修復された中でエンリケの時代のものはどこかがわかるように展示されていた。

 

 次にポルサ宮へ。ポルト商業組合が建てたもので、最近まで証券取引所として使われていた。

 見学はガイドツアーによるもので、少し待てばスペイン語ツアーがあったが、英語ツアーは1時間ほど先。それで、何もわからないのは承知でスペイン語ツアーを使った。ここは写真撮影禁止で内部の画像はなし。

 
 そのとなりのサンフランシスコ教会に。これまた巨大な教会。金箔がふんだんに使われている。

 教会付属の博物館が隣接してある。その地下は巨大な墓場になっている。
 かなり疲れてきたので、この日はここまでにして、ホテルに戻ることにした。いったんドン・ルイす1世橋へ。何度見ても美しい橋である。

 下左  橋のたもとにケーブル乗場がある。

 下右  ケーブルの上の駅。

 
 ホテルのすぐ近くにあるレストラン、ア・プラザ。

 いったんホテルに戻って休んだのだが、気づけば22時。かなり遅くなったのだが、このレストランはホテルから1分、部屋からは5分でいけるところなので行ってみた。

 飲物はハウスワインの赤にした。350mlが陶器の容器に入ってでてきた。

 ポルトガルではオリーブなどの前菜やパンはたべなかったら費用はいらないのだが、混乱しないうちに下げてもらった。ホテルで寝ていて、目覚めてすぐだったため、食欲があまりなかったからだが、手持ち無沙汰になってしまい、やはりあったほうがよかったかなと。

 注文したのは、バカリャウ・ア・ブラス。

 バカリャウは干しダラで、これとタマネギを炒め、じゃがいもを付け合せにしてあるもの。

 量はメイア・ドーセで注文した。メイア・ドーセは半人前ということだが、実際にはこれが1人前として機能している。1人前はドーセで事実上は2人前だ。ほとんどの料理にはこの2種類の料金があるが、1種類しかないこともある。

 ところで、ここで料理が出てくるまでに時間がかかてしまった。それはいいのだが、客がいるというのに、閉店間際になったら、テーブルや椅子を片付け始めたので、せかされて食事どころじゃなかった。この店はこりごりだということで、ホテルのすぐ近くなのだが、もう行かなかった。
 食事のあとで、橋の夜景を見たくなって、ケーブルでドン・ルイ ス1世橋を往復した。

 気温は昼間も涼しかったのだが、夜は15度で半袖では寒くてふるえていた。