4  キ ャ ン デ ィ

 

  この日は、午前中にピンナワラにある、象の孤児園を訪問する予定である。

  泊まったゲストハウスはガイドブックに載っているためか、日本人が多く泊まっているようだ。

  朝食時も相席した日本人旅行者は、2泊して、この日コロンボに向かうという。バスの時刻は前日に調べていて7時45分とわかっていたが、旅行の話がはずんだ勢いで、予定していたバスを1本遅らせることにした。

  キャンディのバスターミナルの外側にある乗場に8時に到着。次のバスは8時15分だがすでに止まっていた。バスはキャーガッラ行きのNo662。1時間ほど乗って、カランドゥパナ・ジャンクションで下車し、乗り換えなければならない。ジャンクションまでの運賃は30ルピー(約34円)。外国人らしき乗客は自分ひとり。それで、ドライバーと車掌の2人に、象の孤児 園へ行くのでジャンクションで伝えてください、と伝えておいた。

  途中に比較的大きな町があり、そこではないかと心配になって、車掌に尋ねたが、違うという。距離は30kmほどだが、50分ほどかかって、ジャンクションに到着。

  小さな集落である。キャンディからやってきた道路から直角に分岐している道路があり、分岐方向のバス乗場で待った。

  10分ほどでランパッカナ行きのNo681のバスがやってきた。このバスはマイクロバス。すでに満席のところ、しばらく立っていたが、屋根が低くて、頭が天井にくっつきそうなくらいだ。こちらの運賃は8ルピー(約9円)。

 

  とても、ローカルなそのバスは満員だったが、わずかな距離だけ座ることができた。外国人が乗れば、象の孤児園に行くのに決まっているようなバスだ。車掌には切符を買うときに、行き先として、象の孤児園と告げたので、降ろしてもらえるだろう。

  15分ほどで孤児園に到着。バス停のすぐそばに入口があった。家族連れの地元客で大賑わいだたっため、入場券を買うのに10分ほど並んだ。入場料は地元客は30ルピーで外国人は500ルピー(約568円)。

 

 

  入口には毎日のスケジュールが書いてあり、9時15分から授乳、10時に川に移動し、12時に川から戻る。13時15分から授乳、14時に川に移動し、16時に川から戻る。

  すでに、9時45分。5分ほど歩くと、屋根のついた授乳のための建物があった。

  バケツに入ったミルクはもうほとんど残っていなかった。哺乳瓶を使ってミルクを与えているところを見たかったが、すでに終わっていた。

 

 

  ここで育てられている象は小象が多い。孤児園という名の通り、親が死んだり、はぐれた小象たちのための施設だ。育てて大きくなれば、ほかへ引き取られる。でも、大人の象も結構たくさんいる。

  やがて、象の行進が始まった。川へ移動するために、象使いにしたがって一列に並んで歩く。とても壮観なものだ。一匹、列からはみ出て、左の画像を撮影してる自分を含めた客の集まっているところに、向かってきてびっくり。すぐに列に戻されたが、瞬間的にパニック状態が起こった。

 

 

  象たちのあとを追って、自分も川に向かった。

  川ではすでに数十頭の象が水浴びをしていて、壮観だった。

  象のなかには背中に土がたくさんたまっているのもいた。せっかく水浴びするなら、背中を洗ってあげたらいいのに、、と思った。できない訳があるのだろう。

  象には、おとなしいのや横着なのがいたり、世話好きのや落ちつきなさそうなのもいて、見ていてとても楽しい。

 

 

  象の中には川の対岸まで連れられていったグループもある。川はそれほど深くはないが、赤ちゃん象には渡れない深さだ。

  赤ちゃん象の動き回る姿などを見ていたら、時間のたつのも忘れてしまいそうである。

  川で遊ぶ象を見る場所は、水際で見るのが一番よく見えてよい。また、川沿いにはカフェがあって、そこからもよく見える。欧米人観光客は多くがカフェから見ていた。欧米人が意外と多いのにびっくり。ツアーコースにも含まれているのだろうか。

 

  さて、1時間ほど象を見ていたが、そろそろ撤退。このあと川から孤児園に戻るのを見て、さらに午後の授乳も見ようかなとも思ったが、ほとんど1日がかりになって、キャンディの町歩きができなくなるので、後ろ髪を引かれる思いで孤児園を去った。

  行きとは逆に、孤児園の前から、バスを乗り継いでキャンディに戻った。キャンディに戻ると13時前。右は、キャンディを降りたところ。バスはジャンクションからキャンディまで乗ったバス。

 

 

  昼食は、料理を指定して盛ってもらうスタイルのレストランでとった。

  赤米の上に、魚、野菜のカレーを載せてもらい、ほかにフレッシュジュースを注文して170ルピー(約193円)。赤米をじっくり味わいたかったのだが、カレーの味の陰に隠れてしまい、よくわからなかった。カレーはスリランカで食べたカレーの中では、一番辛い感じだった。

 

  食後は、まずキャンディ湖を眺められるビューポイントに上った。雨模様だったので、傘をさしての町歩きとなった。もともと涼しいキャンディだが、半袖では少し涼しいかなという感じであった。

  キャンディ湖岸から、10分ほど急な坂道をあがったところからは、キャンディ市街とキャンディ湖を一望できた。ツアーバスもやってくる場所のようだ。

  前夜に行った仏歯寺の全体もよく見えた。

 

 

 

  キャンディ湖は、19世紀にシンハラ王朝最後の王によってつくられた人造湖である。だから湖岸が直線的になっていたりする。

  この湖があることで、キャンディの町はとても落ち着いたものになっているようだ。

  湖岸には英国風の建物が見られる。また、盆地上になった中心に町が広がり、回りの山の中腹まで建物が建っている。

 

 

  このあとは、キャンディ湖を一周した。湖の北半分は、人里離れた静かな山中で、のんびりと散歩した。

  途中、土砂崩れになっているところがあり、土砂の上を数m歩いたら近道になるところがあったが、無理をせず遠回りをした。小雨の中、1時間あまりで、湖を一周した。

 

 

 

  湖岸で見つけた郵便ポスト。昔の日本の郵便ポストとそっくりだ。

 

  

 

 

  仏歯寺のそばも通ったので、そばにある国立博物館に行こうとしたが、兵隊が関門をつくっていて、行きにくそうな感じだったので、行く気をなくしてしまい行かずじまい。

  右は、英国風のクィーンズホテル。

 

  古い長屋風の商店。この日は日曜日だったが、日曜は休みが多いのだろうか。

 

 

 

 

 

  右は、トゥクトゥクの列。

 

 

  モスク。スリランカのイスラム教徒はそう多くないが、キャンディ周辺は比較的多いらしい。

 

 

 

  

   夕刻からは、キャンディ湖畔のキャンディ芸術協会で上演されるキャンディアン・ダンスの鑑賞。300ルピー(約341円)。

 

 

  スリランカ各地のダンスを織り交ぜたものだが、余興的なものとして、上の画像のような皿回しのようなものもあった。

  フィナーレには、ファイヤー・ウォーキングがあった。石の上に油をまいて火をつけて、その上を裸足で歩く演技だ。大丈夫なのか見ているほうがハラハラさせられた。

 

  ダンスのあと夕食。ポークチョプスイを注文。

  肉と野菜の炒め物である。食材だけを考えると八宝菜とほぼ同じ。どろっとしているところも八宝菜と同じ。違うのは、かなり辛口。ご飯と一緒に食べるものだろう。

  少し物たらなかったので、下のヌードルスープも注文。ラーメンのようなものを想像していたら、麺はわずかに入っているだけの卵とじスープだった。

 

 

 

  2品で税込み332ルピー(約377円)。

  ホテルに戻ったあと、翌日の予定を確認して、シャワーを浴びて休んだ。

 

 

 

  

 

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