6  ヤ ー ラ 国 立 公 園

 

  早朝4時には起きていた。強い雨が降っている。ワールズエンドには安全に行けるのだろうか。途中の道は大丈夫なのか。現地では1時間ほど歩くらしいのだが、きちんと歩けるのだろうか。歩けても傘をさして歩いたら、足元はぬれるだろうな。いろいろと思いながら時間が過ぎていった。

  5時前にロビーに出て待った。真っ暗な中、手探りで歩いていたら、宿直の人がロビーの明かりをつけてくれた。まだ、車は来ていないので、ロビーで待つことにした。相変わらず、雨が降っている。

  5時30分になっても、まだ車はやってこない。でも、幸い、雨はほとんど降っていない。足元は悪いだろうが、なんとか行けそうだ。雨が降っていたので、出発を遅らせていたのかもしれないと考えて、6時まで待ったが、まだ来ないので、心配になってきた。本当に、車は来るのだろうかと。

  6時30分。まだ、来ないので、もはや、考えられるのは2つの場合だろうと思った。
1つは、最初から騙すつもりで、来るつもりはなかった、という場合。車がやってくるはずはない。もう1つは、雨のために、行くのは無理だと判断して、やってこなかった、という場合。  この場合は、さらに後のガイドの対応は2つ考えれらる。1つは、雨で行けなかったから、もう宿には来ないという場合。この場合は、結果的に、騙されたことになる。もう1つは、もう少しあと、9時ごろにでも、宿にやってきて、雨で無理だったと伝えるとともに、お金を返すか、代案を提示するだろう。

  どの場合なのか判断できない。気持ちとしては、一番最後のケースであってほしいという思いがあるのだが、一番最後のケースの場合であっても、この日一日を無駄に過ごすことになりかねない。

  それで、7時まで待って、来なかったら、バスターミナルへ行き、本当なら翌日に行くはずのティッサマハーラーマに向かうことにした。このバスは7時30分の1便しかないことを確かめてある。  

  結局、7時になっても、来なかったので、チェックアウト。この日も泊まることや5時に出かけることを伝えてあったので、不思議な顔をされた。それで、事情を話すと、びっくりされたが、知らないガイドだったという。騙されたのだろうか。

  車が来なかった本当の理由はわからなかったし、もう少し待てば、お金は戻ったかもしれないが、後の予定がうまくいくことを優先して、宿を出た。2000ルピー(約2272円)で、ティーファクトリーだけ行ったようなものだ。

  バスターミナルに向かう道は気持ちよかった。1kmほど高原を散策したようなものだ。

 

  どのバスがティッサマハーラーマに行くのかわからなかったので、聞いてみた。教えてもらったマータラ行きのバスに乗ると、座席はほとん埋まっていて、最後列に空席がかろうじてあり、そこに座った。荷物置き場はないので、ひざの前に押し込んだら、身動きが取れないような状態になった。運賃は130ルピー(約148円)。

  スリランカでは、中学生の制服は白一色が多いようだが、ヌワラエリアでは、制服の上から、水色や赤のセーターを着用している。多くの生徒が、同じ色のを着ているので、これも制服なのかもしれない。

 

 

  しばらくの間は高原地帯を走った。途中、何度か停車して、そのたびに客は増え、立ち客も多くなっていった。大きな町では、物売りがバスに乗り込んでくる。

  3時間くらい走ると、低地に降りてきた。この間、1時間ごとくらいに、3重に着ていた服を1枚づつ脱いでいき、最後にはTシャツ姿になった。

 

 

 

  

  4時間ほど走ったところで、トイレ休憩があった。バスの表示はシンハラ語。何が書いてあるのか、まったく不明で、自分にはデザインにしか見えない。

 

 

 

 

  12時30分すぎにティッサマハーラーマに到着。降りるところを教えてくれるよう車掌に伝えていたら、教えてくれたのだ。

  ところがそこは、バスターミナルではなく、幹線道路の道端だった。一体どこなのだろうかと、ガイドブックの地図で調べようとするが、まったく自分の居場所がわからなかった。
周囲を見ると、標識がたっていて、何とティッサマハーラーマ6kmという表示があるではないか。

  バスはティサマハーラーマの中心にあるバスターミナルには立ち寄らないで、郊外のバイパスを通って、目的地のマータラに向かうのだった。そういえば、バスに乗り込むときに、シンハラ語で何やら説明してくれ、マータラと聞き取れただけで、あとは何のことかわからなかったのだが、このことだったのかと納得。

  さて、6kmも歩くことはできない。あたりを見渡すと、トゥクトゥクが何台か止まっているので、そちらに向かった。

  だが、選ぶべきトゥクトゥクを間違えてしまった。もう少し、様子を観察すればよかったのだが、、、1台のトゥクトゥクに声をかけ、ガイドブックに載っているサクラゲストハウスに行くように伝えた。

  ドライバーは若者で、その仲間の数人がトゥクトゥクを取り囲み、1人が自分の横に乗り込んできたのだ。もちろん警戒を強めた。サクラまで300ルピー(約341円)。

  20分ほど走って、どうも違う方向に向かっているのではないかと疑い始めたら、まもなくトゥクトゥクをとめ、何ルピーだとか言っている。違うゲストハウスに連れてこられたようだ。
それで、改めて、サクラゲストハウスに行くように言った。で、来た道を引き返したので、ヤレヤレと思ったが、まだ甘かった。

  しばらくすると仲間らしきバイクに乗った若者がやってきて、トゥクトゥクを降りて、バイクの後ろに乗れと言っている。もちろん拒否し、サクラに行くように伝える。ところが、ドライバーはバイクの後ろを追って、民家の少ない方向に進んで行くではないか。これは危ないと思い、ストップ!リターン!ゴーサクラ!と大声で叫ぶ。

  トゥクトゥクを止めさせることはできたものの、バイクで先に行った仲間が引き返してくるのを待っていたのだろう。なかなか出発しない。バイクの若者が戻ってきて、ようやく逆方向に向かった。今度はバイクのほうがついてきた。横にいた若者は、今の道は近道だったのだ、とか言い訳をしている。

  目に入る風景とガイドブックの地図を見比べていたら、やっと自分の位置がわかった。
やっと、サクラゲストハウスに向かっているようだ。横の若者は、自分はジープのドライバーだから、サファリに連れて行くとか言っている。誰が、お前に頼むものか、と心の中で叫び、無視しておく。若者は必死でサファリに誘おうとしている。

  サクラに到着。運賃をきっちり払い、中に入るが、まだ安心できない。

  サクラという看板がないのだ。ガイドブックの地図どおりの位置ではあるのだが、、

  建物の中に入り、主人らしき人に、ここは何というゲストハウスかと聞くと、サクラだという。

  ようやく安心して、部屋の中を見せてもらう。このとき、若者グループは、ゲストハウスの敷地内に入り込んでいた。

 

  部屋の中に入ってから、扉を閉めて、主人に、トゥクトゥクに乗ってから、サクラにやってくるまでの、一連の話を伝えた。このときは、英語が通じて本当によかった。

  話を聞くと、若者たちに、敷地から出て行くように言ってくれた。一人の若者は、自分に、騙していないだろう、ウソは言っていないだろう、とか言ってきたが無視。

  左の画像で、扉や窓の上部が明るいが、そこにはガラスはなし。よって夜は蚊が入り放題だったのだ。

  若者たちが敷地外に出てから、やっと、宿泊とサファリの交渉。1泊2食付で1210ルピー(約1375円)。サファリはジープ貸切で3000ルピー(約3409円)。ほかに入場料など2600ルピー(約2955円)がいるとのこと。若者を追い払ってくれたこともあり、言い値通りでOKする。

  サファリは、朝にするものとばかり思っていて、この日の午後はカタラガマに向かうつもりをしていた。ヤーラ国立公園は、あと2,3日もすれば、1ヵ月半、閉鎖されるところだったという。ぎりぎりセーフだ。朝は7時、夕方は15時30分からそれぞれ2時間、ヤーラ国立公園内を回るらしい。朝か夕方かどちらがベストか聞いたら、この日は天気がいいが、明日はどうなるかわからないので、この日の夕方に行くのがよいって言われた。それで、この日の夕方に行くことにした。出発は14時30分。

  出発まで1時間ばかりあるので、シャワーで汗を流し、昼食として菓子を食べたりして待った。

  14時30分少し前にジープがやってきた。かなり大きなジープで、荷台にとりつけられた長椅子には10人ほど座れそうだ。

  ヤーラ国立公園までは30kmほど。途中の道端でイグアナを発見。

 

 

  国立公園の入口に到着。15時30分からのサファリにやってきたジープがすでにたくさん並んでいた。ここで、入場料などを支払う。しばらく時間があったので、展示室や売店を見るが、たいしたことはない。

  時間になり、ジープが隊列を組んで出発。20数台あるようだ。これだけ連なると、壮観だ。
 

 

 

 

 

  自分の乗ったジープ

 

 

 

 

 

 

  公園事務所

 

  公園ゲート

 

 

 

 

 

  シカ

 

 

  クジャク

 

 

 

 

 

  ゾウ

 

  ツル

 

 

 

 

 

  スイギュウ

 

  ゾウの群れ

 

 

 

 

 

 

 

 

  

  ウサギ

 

 

 

 

 

  オナガザル

 

  津波の爪あとの残る海岸

  2時間のサファリは思っていたよりも楽しかった。動物にはたいして興味はなかったので、最初は計画に入れていなくて、シーギリヤに行った日に車をチャーターしたため、1日余裕ができたので、サファリでもしようか、といった程度だったのだが、行ってみてその楽しさがわかった。
 

 

 

  宿に戻る途中、バスターミナルに立ち寄ってくれるようドライバーに頼んだが、まったく英語がわからないとみえて、バスターミナルを通り過ぎてしまった。翌日のバスの時刻が知りたかったのだが、やむを得ない。

  夕食は、カレーのみだが、メインの選択はできたので、チキンカレーにした。

  この日は、早くに起きた上、大きなトラブルが、2度も発生したので、精神的に疲れた1日だった。

  キャンディ、ヌワラエリアと涼しい夜を3泊ばかり続けたので、低地ティッサマハーラーマの暑さはこたえる。蚊がいるので蚊帳の中に入っていたので、風通しが悪く、余計に暑い。蚊が多いのは、部屋の風通しをよくするために、扉の上に、小さな開口部が設けられているためだ。明かりをつけていると、蚊がどんどん部屋に入ってくるので、蚊帳からでることができなくて、暑さをがまんした。

 

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