2  ストックホルム旧市街

 

 ストックホルム2日目。この日は旧市街のガムラ・スタンを1日かけて、じっくりと街歩きするつもり。

 7時からバイキング式の朝食をしっかりいただく。平凡に見えて、実はとてもスウェーデンらしい食事だ。

 スウェーデンらしいのは、まず、ニシンの酢漬け。日本のニシンの押し寿司のニシンとよく似た味で気に入った。

 そして、小さなキュウリのピクルス。

 ミートボールとポテトも朝からいただけてよかった。

 ヨーグルトに入れるフルーツにはリンゴンもあった。改めて書くが、リンゴじゃなくってリンゴン。紫色の小さな丸いもの。

 とても美味しかったのだが、毎日ほぼ同じメニューで4泊すると、飽きてきてしまったのが残念だった。

 

 
 街歩きの前に、インフォメーションに立ち寄ってストックホルムカード3日券を購入。ストックホルムの観光地の多くが入場無料になり、市内の地下鉄・路面電車・バス、近郊電車の市内部分が無料になる。3日券は650クローネ(約7300円)するが、結局、1500クローネ程度を利用していたので、かなり役に立った。

 注意しなければならないことは、入場が無料っても、このカードを見せて入場券をもらう場合がほとんどだということ。なかには、カード自体が入場券になっていた場合もあったが少数。乗り物の場合も自動改札機には入れることができず、有人改札でカードを見せて通過する。

 旧市街のガムラ・スタンに行く前に、ストックホルム市庁舎に行った。高い塔があり、遠くからでも場所がよくわかった。

 
 入場券売場でストックホルムカードを見せてガイドツアーの券をもらう。着いたのが10時であったが、10時のツアーはすでに券が売り切れていて、10時30分のツアーにまわされた。それで、中庭などをぶらぶらして時間つぶし。

 ガイドツアーの言語は英語のほか、いくつかの言語があったが、注目すべきは中国語が日に3回あった一方、日本語のツアーはなかったこと。もっとも、日本語のパンフレットはあったので、不自由はなかったが。

 
 入口を入ったところのブルーホールでガイドツアーの言語別に集合する。壁のれんがを青く塗る予定だったのでブルーホールというが、結局塗られずじまいになったという。

 そして、ブルーホールでは毎年、ノーベル賞受賞者の祝賀晩餐会が開かれる。受賞者の人たちがここにいたと考えると楽しいものがある。市庁舎地下のレストランでは1901年以降の晩餐会のメニューを味わえるらしい。 

 市議会の会議場。天井には木材が多用されている。

 黄金の間。壁には一面、金箔を貼ったモザイクがほどこされている。豪華で荘厳な感じの部屋である。

 奥の壁には、メーラレンの女王が描かれている。市庁舎が面している湖がメーラレン湖なのでそう呼ばれるようだ。

 ここでノーベル賞受賞者の祝賀会のダンスパーティーが行われるという。

 見学終了。メーラレン湖を隔てて対岸のガムラ・スタンに歩いていくことにする。

 塔もあがろうと思ったが、安全上の理由なのか人数制限をしていて、30分ごとに入場できる人数が限られている。そして、2時間くらい先でないと入場できないうえ、その日の最後の17時の入場も整理券が売り切れ。あらかじめ整理券を買うのはやめて、ガムラ・スタンの観光が終わり次第やってくることにした。

 ガムラ・スタンへ橋を渡ってやってきた。渡ったところからは、市庁舎の全景がうまく眺められる。

 歩いて渡った橋に平行して鉄道橋もあった。

 橋を渡ったところはガムラ・スタンのはずれ。リッダーホルム教会があり、行ってみた。

 スウェーデン王室ゆかりの教会のようで、王族の多くがここに埋葬されている。

 

 次に王宮に向かった。王宮の近くまでやってくると、何やら音楽が聞こえてきて、さらに近づくと人だかりがしていた。

 何をやっているのか、よくわからなかったが、衛兵交代の式典であった。あとでガイドブックを見ると、ちょうど衛兵交代の時間帯に王宮に行ったことがわかった。ガイドブックをよく見ていなかったので、偶然、式典を見ることができたわけで、ラッキーであった。

 衛兵が広場から出て行く直前、前のほうに出ていた見物客に対して、女性兵士が「アカン」と言って、後ろに下げさせていたのが面白かった。目に出るのが”アカン”と関西弁のようだったから。

 後で調べたら、スウェーデン語で、”開ける”という意味で”アペッ”という語があった。女性兵士は”アペッ”と言って、衛兵の通路を開けるように言ったのだろうが、自分には”(前に出るのは)アカン”と聞こえたのだろう。

 30分ほどで衛兵交代が終わり、王宮の入場券を求めに売場に行ったら、ストックホルムカードを入口で見せればいいとのこと。施設によって扱いが違うのが、ちょっと厄介だ。

 先ほどまで式典をやっていた王宮前の広場から、王宮の中庭へ、さらに王宮の内部に入った。現在の王様、カール16世グスタフ国王が住んでいらっしゃる王宮が開放されているとはとても開放的だ。ただし内部は撮影禁止。

 王宮の一部分は、王家武儀博物館になっていて、別の入口から入る。

 18世紀末にオペラ座の仮面舞踏会で暗殺されたグスタフ3世の血のついた服や、暗殺者の貴族が使ったピストルや仮面なども展示されていた。

   続いて王宮のそばにある大聖堂へ。ストックホルム最古の教会ということだ。

 国王の戴冠式や結婚式はここで行われてきており、王室との関係も深い。

 

 

 

  ガムラ・スタンの中心にある大広場。かつては市があったという。今は、日向ぼっこする人でにぎわっている。

 この広場に面してノーベル博物館がある。建物はかつては証券取引所だったもので、ノーベル賞100周年を記念して、2001年に開館したという。今もノーベル文学賞の選考はこの建物で行われている。

 この画像の右手にノーベル博物館がある。

 博物館の正面。大広場に面している。伝統的な建物だが、中は新しく、展示もいろいろ工夫がされていて、専門的なことを知らなくても、受賞者の業績がつかめるようになっている。また受賞者のエピソードにもスペースがさかれていて、興味深く見ることができる。

 館内のカフェではノーベル賞受賞の記念の晩餐会ででるアイスクリームが食べられるというので試してみようと思っていたのだが、カフェが小さく座る場所も見つからずとりやめ。

  ドイツ教会。ハンザ同盟の商人によって建てられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

上 ガムラ・スタンの路地。

 上右 ガムラ・スタンで一番狭い道路、モーテン・トローツィグ・グレン。階段になっている。狭さはわかるかな。

 左 鉄の広場にある計量器。どのようにして使ったのだろう。右についている取っ手は動いたのだけれども。

  ガムラ・スタンの商店やレストランの天井には、装飾されガラス板が使われているところが多いそうで、店内をのぞいて歩いた。ガラスなのかプラスチックなのかよくわからなかった。   

  夕食のときにやってこようと思うレストランの場所を確かめてから、郵便博物館へ。子供だましじゃないかと思っていたが、小型飛行機の時代の航空路線図の入ったポスターだとか、昔の郵便自動車兼乗り合いバスだとか興味深いものがあった。 

  

 

 国会議事堂。湖の中に島のようにある。見学はガイドツアー方式でできるのだが、最終回が15時で、間に合わなかった。それで議事堂がある島に渡らずに。向かい合った橋の上から撮影。

 次に運河めぐりのボート乗場に行った。19時の最終便までチケットは完売で運がめぐりもあきらめ、市庁舎の塔へ。

 朝は買える入場券では中途半端な時刻しかなかったので、戻ってきて入れるようなら入ろうと思っていた市庁舎の塔。16時の入場で中に入った。

 下半分はエレベータもあるのだが、エレベータに乗れる人数には限りがあり、エレベータを待つよりは、上ってしまおうと全部歩いて上った。ぐるぐる坂道、一部は階段を回りながら上っていった。

 15分ぐらいかかっただろうか。やっと塔の上に到着。

 左  ストックホルム中央駅。

 下左  ガムラ・スタン。

 下右  下からのぞむ塔。

 ストックホルム中央駅の正面。工事をしていて見通しがよくない。

 前日に空港から乗ってきたアーランダエクスプレスは、この駅舎のずっと右手のほうのホームに到着し、そのそばにノルディック・シー・ホテルがある。

 スウェーデン国鉄はSJABあるいはSJと略されるようだ。この駅からはヨーテボリなどへの高速列車とストックホルム周辺の近郊電車の両方が発着している。

 

 駅舎の中を通ってホテルに戻った。

 ホテルに戻ると17時。そのまま2時間半ほど、休憩した。

 地下鉄で再びガムラ・スタンへ。先ほど場所を確認していたレストランに向かった。

 下左  レストラン「モーヴィッツ」の入口。地下に下りていく。

 下右  店内。カマボコ型の地下倉庫を改装した店である。

 飲物はハウスワインの白ワイン。

 前菜に、シーフードと野菜のトースト。トーストはほんの小さなもので、事実上はシーフードと野菜のサラダだ。

 メインにはパンではなく、じゃがいもがついているのが、スウェーデンらしいところ。

 メインのシーフードメロディー。サーモン、白身魚、カキ、小エビ、そしてザリガニ?

 これらを蒸して、オリーブ油の入ったソースに浮かべてあるような感じ。どの具も味がよくなじんで美味しくいただけた。

 問題は値段。これだけで5000円近くになったこと。マルタでも高いと思った食事だが、ストックホルムはさらに直前に行ったマルタの1.5倍くらい。でも、数年前のユーロ高のころより、日本円では安くなったのだが。

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