緑の多いストックホルム

 

 ノルディック・シー・ホテルの朝食は良かったのだが、変化がほとんどなく、このまま4日間あきずにいられるかと、2日目にして思った。それでも、ニシンの酢漬けは毎日いただいてもいい。デザートもしっかりいただく。

 3日目はユールゴーデン島にあるみどころをメインにして回る。市の中心部から5kmも離れていないところだが、緑が多い島のようだ。

 島へは路面電車で向かう。路面電車の基点になるセルゲイ広場はホテルから歩いて10分ほど。その途中にそびているのがクララ教会。

 セルゲイ広場に到着。ここからもクララ教会の塔はよく見える。

 
 ストックホルムの路面電車はセルゲイ広場とユールゴーデン島を結ぶ路線5kmほどが残るだけ。観光地への輸送はバスより大量輸送に適していると判断されたのだろうか。この日、全区間の乗車を果たした。

 
 最初に向かったのはスカンセン。古い民家などを保存した野外博物館だが、1891年にオープンと非常に歴史がある。

 下左  昔の商店の建築。中には店の再現もして、売り子役の人もいて、なかなか手がこんでいる。

 下右  敷地内は緑が多く、ハイキングコースのような中に建物が点在している。一通りまわるのに2時間ほどかかった。

 
 さらに路面電車に乗って終点まで向かった。レトロな電車も新しい電車に混じって使われている。

 終点からはプリンス・エウシェン美術館に向かった。王子の住んでいた住宅を保存して、北欧の画家の絵画を展示している。

 絵画よりは内部の部屋の様子が興味深かった。花がうまく配置されていて美しい。

 下  入口付近。

 

 再び路面電車に乗って、北方民族博物館へ。宮殿風の建築だが、宮殿としてつくられたのではなく、最初から博物館のためにつくられた。スカンセンの創始者にアイデアによるという。

 下左  内部もとても大きく贅沢な造りになっている。ただ、これだけ大きい割りには展示コーナーが少ない感じがした。

 下右  持ち運びできる椅子が各所にあって、展示品を見ながら休憩できたのはよかった。この椅子はなかなかいい。 

 主な展示は昔の生活を回顧するもので、家具や衣服、農具といったものの展示が中心である。

 どういうわけだか”男性用水着の変遷”という特別展示をしていたがなかなか興味深いものだった。

 次にヴァーサ号博物館へ。北方民族博物館から歩いて向かったのだが、道を間違えてうろうろ。実は路面電車が通っている道路沿いに歩けばすぐだったのだが、別の道を行ってしまった。

 遠回りした挙句、裏口にたどりついたものの、今度は入口を探すのに一苦労。30分くらいロスしてしまった。さらに、ここは人気があって入場するのに30分ほど並ぶ必要があった。

 まず10分の1の模型を見る。これは船尾の部分で装飾がとても多い。

 ヴァーサ号は1628年に完成した軍艦で、処女航海にでるさいに、まだストックホルム湾の中で沈没してしまった。大砲の列が2段になっていて重心が高いうえに、不安定な状態で帆をはって風をうけたのが原因らしい。

 水温が低いので腐食せずに船体が残り、1961年に引き上げられた。引き上げるときの作業は1年がかりでおこなわれた。その説明も興味深かった。そして、この船の価値は、世界で現存する唯一の17世紀の船だということだ。

 ヴァーサ号の実物。船首から撮影。壊れているがかなり原型をとどめていることがわかる。

 

 下から眺めた。背が高く、安定性に欠ける印象はある。

 行列を30分並んだだけの値打ちはあった。ストックホルムの見所では、王宮の衛兵交代とならびここは第一のおすすめポイントだ。

 

  ユールゴーデン島の観光を終えるとすでに15時。このあとバスで市街地の東にある博物館村とカクネスの塔へ。

 下左  博物館村でバスを下車すると広い広場が広がり、少し離れたところにカクネスの塔が見える。

 下右  博物館村には全部で5つの博物館があるのだが、まず海洋博物館へ。

 つぎに、体育スポーツ博物館へ。雪や氷の多い地方ならではのスポーツについての展示が興味深かった。

 下左  このあとバスでカクネスの塔へ。実はティールスカ・ギャラリーに行くつもりだったのだが、バスが違っていて、開館時間内にいけずあきらめた。

 下右  カクネスの塔の上からの展望。ガラスのために画像はよくないが、右上に旧市街が見える。

 カクネスの塔のあと、再び福物館村に戻った。まず警察博物館へ。画像は、犯罪現場の科学捜査についての展示。

 下左  民俗学博物館。アフリカのコンゴ、アラスカのイヌイット、日本の伝統文化などに的をしぼった展示だった。

 下右  科学博物館。宇宙開発の特別展をやっていたが、ストックホルムカードでは通常展しか見られず、わざわざ別料金を払ってまでもと思い、通常展だけを見た。

 博物館村を見たあと、中央駅までバスで戻り、ホテルで少し休憩。

 

 夕食場所を求めて、1日目に夕食をとった付近をまわる。結局、アジア料理のバイキングの店に入った。

 飲物は別料金。ビールを注文したら、ブリックスベリーという銘柄だった。

 アジア料理っても、3分の2ほどは中華、残りがタイ料理とスシという感じだった。これをまとめてアジア料理という言い方ははじめてだ。

 下の6皿のうち、上段の左と中、下段の左は中華。上段の右はタイ料理、下段の中はスシ、下段の右はデザート。ビールを入れて3000円ほどで、ストックホルムにしては安くたくさん食べられた。

 このホテルにはアイスバーがあるので行ってみた。室温マイナス5℃保たれた部屋があり、テーブルもイスもカウンターも氷でできている。イスにはトナカイの毛皮が敷いてあるが。音楽が流され、リズムにあわせて身体をゆり動かしている人がたくさんいる。ただ、50人くらい入っているので踊ったりまではできない。

入るときに防寒服を渡され、それを着て入る。扉が3つあって、室温マイナス5℃が保たれている。1杯目のカクテルは入場料に含まれているのだが、そのグラスも氷でできている。

 
 入場料は190クローネ(約2250円)だが、ホテルの宿泊客なので150クローネで入れた。ここには、ほかのホテルに泊まっている客もたくさんやってきていて、一種の観光地になっている。外部から客が来る関係でセキュリティは厳重で、エレベータで上位階に向かい際やエレベータを下りて客室エリアに入る際にはカードキーで認証させるようになっている。

 

 

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