1 日 目  はるばるチュンポンへ

 

伊丹から羽田乗継でバンコクへ

  今回は、久々のタイを中心にした長期旅行。タイはよく行くが、いつも3〜4日程度。短期間だとどうしても、行先はバンコク周辺か航空路の発達しているチェンマイ、チェンライなど北部に限られてしまいがち。今回は、はじめてタイ南部に長期で、そのままマレーシアにぬける。

 また、タイへの足は、従来は関空発のタイ航空深夜便が多かったのだが、今回初めて、羽田発のJAL深夜便を利用する。そのため、まずは伊丹から羽田に飛ぶ。

 

  伊丹の国内線カウンターでバンコクまでチェックインと荷物預けをおこなった。伊丹では、従来から成田行き専用のカウンターではこうした手続きをしていたが、通常の国内線カウンターでおこなうのは初めてだ。

  チェックインのさい、羽田での国際線ターミナル行きの乗継バスの乗車票が渡された。

 でも、羽田に到着後、失敗をやらかしてしまった。

 乗継バスは羽田の国内線ターミナルの制限区域内から出発する。しかし、人の流れに沿って歩いてしまい、外に出てしまったのだ。せっかくの専用の乗継バスに乗車する機会を逸してしまって残念。やむを得ず、公共の無料の連絡バスで国際線ターミナルに向かった。

 乗ること10分で国際線ターミナルに到着。深夜の出発便の並ぶ表示を見て、やや興奮する。

 まずは国際線ターミナル内を見て回った。

 話題の江戸小路という飲食店街。これはとても立派で、本当に空港内なのかと思うくらいだ。旅行者じゃない見学客も多くきている。

 関空にも町屋小路という飲食店街があるが、雰囲気が全然違っていて、比べものにならない。もっとも、各店舗のメニューを見るとかなり高いものが多く、世界共通の空港価格。

 次に展望デッキに出てみた。夜の空港を展望するのは初めての経験。関空で深夜便を利用するときなど、閑散として寂しく感じることが多いが、ここはに賑やかでいい。この展望を無料で楽しめるのはいいことだ。

 とはいえ、あまりの寒さにへこたれて、すぐに中に入った。にぎわってはいたが、すぐに中に入る人も多いようだ。

 続いて、JALのラウンジへ。自宅を出発したのは16時過ぎ。以後、ここで夕食をとるために、何も食べずにすごしてきた。

 期待を裏切らないメニューで、しっかりといただいた。画像の左端に写っているのはビーフシチュー。最初、カレーにかえてビーフシチューがおいているのかなと思った。あとでおかわりにいったときにカレーもあることを発見し、カレーもいただいた。

 羽田発の深夜便にはじめて搭乗。深夜便の場合は、エコノミークラスでも、簡易スリッパが用意されているのはうれしい。

 水平飛行になってすぐに飲物とおにぎりが配られたが、おにぎりはとっておき、朝食のときにいただいた。

 バンコク到着の1時間半ほど前に朝食。こちらがメインの機内食のようだ。和、洋選べるのだが、自分としては珍しく洋食を選んだ。パンは食べずにさきほどのおにぎりをいただいた。

エアポートリンク初乗車とバンコクからチュンポン

 定刻よりやや早く5時30分ごろにスワンナブーム空港に到着。いつもは預け荷物がないのだが、今回は長期の旅行ゆえ、大きな荷物がある。荷物が出てくるまでの時間はイライラさせられたが、プライオリティパッケージサービスのおかげで出始めると数個以内にでてきて、すぐに移動。

 前回のタイ旅行の残金をある程度持参したがとても足らないので、ATMでキャッシング。ところが、手数料が150バーツ(約430円)必要だとの表示。かなりの高額だ。それで、手数料は両替額に無関係だとわかり、10000バーツを両替した。 タイは現金の両替の方がお得だ。

  空港の地下に、エアポートリンクの駅があるので、地下へ向かう。エアポートリンクは予定の開業時期がたびたび変えられながら、一向に開業しないありさまだったが、 当初の予定より3年ほど遅れて、2010年8月ようやく開業した。

 本来の運賃は、各駅停車のシティラインが45バーツ、マッカサンまでノンストップのエクスプレスラインが150バーツだが、2011年1月3日までは開業価格で、シティラインは15バーツ、エクスプレスラインは100バーツだった。シティラインは45バーツでも安いが、15バーツの激安価格には驚いた。 空港アクセスとしては、シティラインで十分というのが感想。むしろ、BTSとの乗継はシティラインのほうが便利だし。

 シティラインは空港輸送だけでなく、沿線の住民の輸送 もになっていて、途中駅での乗り降りは結構多かった。シティラインの車内は通勤電車風の座席で、BTS車内に似ている。荷物置場も網棚もない。終着はパヤータイ駅。

 マッカサン駅に到着。ここで下車する。車体には大きく、CITY LINEとある。

 EXPRESS LINEが駆け抜けていった。 EXPRESS LINEはマッカサン駅が終点、ただし、ホームは CITY LINEとは違う場所にある。

 マッカサンで下車したのは、MRT(地下鉄)に乗り換えるため。そうじゃなかったら、終点のパヤータイでBTSに乗換えられるから、パヤータイまで行くほうが便利そうだ。

 この乗継ぎ、とんでもなく歩かされる。約500mあり、しかもわかりにくい。でも、一応、写真のように張り紙があって、何とか移動できた。

 途中には、国鉄の駅。アランヤプラテートに向かう線の駅だろう。しかし、すごい駅だ。

 やっと、MRTの駅に到着して、ほっとした。

 洪水のときのためか、地下の駅に下りるところは、いったん階段を数段あがってから降りるようになっている。降りたところで、ボディチェックを受けた。そして、切符を自動券売機で買う。

 日曜日の朝とあって、MRTはガラガラ。

 行先はMRTの終点でもあるホアランポン駅。8時5分発の昼行の特急でチュンポンまで行く予定にしている。南方面の国鉄はほとんどが夜行列車で、昼間の列車はほとんどないが、そのほ とんどない列車でチュンポンに向かうのだ。

 地上に出て、久しぶりにホアランポン駅のカマボコ型の駅舎を見た。はじめて見た時は巨大だと感じたのだが、今回は大きくは感じない。

 さて、切符売場で、チュンポンまで切符を買おうとしたのだが、売ってくれない。8時にもう一度こいと。出発時刻表や到着時刻表を見ると7時過ぎなのに5時台の列車が表示されている。ダイヤがめちゃくちゃになっているのだろう。8時にきても出発がいつになるかわからないし、場合によっては運休かもしれないと思い、列車はあきらめバスで行くことにした。

 ホアランポン駅の外に出て、北方面のバスが通る通りへ。サイタイ(南バスターミナル)に向かう40系統のバスがたまたまやってきた。車掌に、サイタイ? とこえかけしてしてから乗車。運賃は10バーツで少しおつりがあった。

 サイタイまで45分。混んでいたバスもすいてきて、あるところで突然下ろされた。バスターミナルはどっちの方角かとか言われて、その方角に進んだ。バスは違う方向へ。500mほどまた歩いて、バスターミナルに到着した。

 バスターミナルに着いても切符売場を見つけるのにひと苦労。建物の3階に売場があった。

 何とか9時出発のバスに乗れた。これも危ないところで、自分が切符を買った直後に、次のバスの表示が10時15分に変わった。9時のバスの最後の1席だったのだろう。 347バーツ(約1000円)。1000円で500kmは安い!

 7時間ほどかかりそうなので、車内で食べる昼食や飲物を切符売場のそばのコンビニで調達しておいた。

 そして、バスへ。ところが荷物を荷物室に入れてくれない。どういうわけだかわからないが、足元に置かねばならなかった。おかげで乗車中、不自由きわまりないものだった。

 座席は3列目の通路側。そこからの前方の様子。前方の窓はカーテンが閉まっていて、前方の風景は見えない。側面の窓の大部分も閉まっていて、風景はわずかにあいた隙間から見えるだけだ。だから7時間の間、退屈で、のっているのが苦行に近かった。それでも、何とかいねむりをしてしのいだったって感じだった。

 バスは冷房がきいていたものの、寒いと感じるほどではなかった。前方の左には毛布が置いてあって、使うことができるが、利用していた客はそう多くなかった。

 昼食はバスターミナルで買っていたサンドイッチ。1つが10バーツ(約28円)。

 ところが食べ終わって間もなく、バスがドライブインに入った。はじめからわかっていれば、ここで何か食べたのだが。もっとも、足元に大きな荷物があって窮屈な思いをしていたので、外に出られるのはよかった。バスのトイレは使用不可だったようなので、まずはトイレヘ。トイレは3バーツ(約9円)が相場。ドライブインではお土産を売るスペースも多くとられているのは、日本と同じ。

  昼食休憩のあとしばらくして、スポンジのような菓子とミネラルウォーターが配られた。長距離バスの場合はこういうサービスがあるのかって思った。

 昼食休憩のあとということもあって、多くの客は菓子をかばんなどに入れて、その場で食べている人はみかけなかった。自分もこれを食べたのは翌朝。

  16時にチュンポンに到着。ちょうど7時間の旅だった。これだけの長距離となると夜行のほうが時間の利用上、便利なことが多いのだが、今回の旅行の場合は夜行を利用すると、とんでもなく早い時間に到着してしまうような状況だったので、ほかの区間も含めて、夜行バスは避けた。

 チュンポンのバスターミナルは繁華街の中にある。目星をつけていたホテルも歩いている位置にあり便利であった。

チュンポンでシーフード

 チュンポンの中心の繁華街を歩いてホテルに向かった。この街は、翌日向かうラノーンのほかタオ島などへのゲートウェイだ。マレー半島が一番狭くなっているのは、この付近でクラ地峡とよばれ、その幅は64km。

 10分ほど歩いてシーチュンポンホテルに到着。飛び込みで、420バーツ(約1200円)。

 部屋は簡素だが、結構広くて、清掃も行きとどいているようだ。ネットも無料。

 夜行便の飛行機のあとでの長距離バスで疲れたいたこともあり、特に見るべきところもないので、暗くなってから夕食をとりに外出するまで休憩。

 ホテルのフロントの横には、クリスマスツリーと新年の飾りが並べて置かれていた。その後ろには、在位65年になるプミポン国王とシキリット王妃の写真がかかっている。

 

 10分ほどチュンポン駅に到着。この駅は、夜中にバンコク発も、バンコク行きも多くが出発する。とはいえ、遅れが常態化しているタイの鉄道であるだけに、数時間待って乗るとか、なかなか大変そうだ。

 ホームには多くの人が待っていたので、数少ない列車がまもなくやってくるのだろう。犬も「うろうろしている。

 ホームに屋台がいろいろ出ているのもタイならではだ。

 

   夕食は、駅前にあるパパシーフードという店でとった。

 まず、チャーンビールでのどをうるおしながら、料理を選んだ。1本 75バーツ(約215円)。

 スパーシーローシュリンプサラダ 100バーツ(約290円)。

 これ、生のえびでおいしかった。ちょっと辛い目だが。

 シーフードホットプレート 120バーツ(約350円)。
 ベークトライスインアースポット 50バーツ(約145円)。

 土鍋で焼いているのかと思ったけど、普通の器ででてきた。

 これだけで1100円ほどで、お腹一杯になった。(合計金額に10%の税がある、ほかに店によってはサービス料。)

 屋台街もあって、一通り歩いたが、すでに満腹になっていて、屋台では何も食べなかった。

 ホテルに戻り、1日目が終わった。

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