2 日 目

ボストン茶会事件の船

 ミルナーホテルでは簡単な朝食がついた。ただし、毎日同じメニューであったが。

 この中でボストンらしいものはといえば、真ん中上部のクランベリージュース。

 クランベリーは米国を代表するフルーツだが、州別生産量No1はマサチューセッツ州で、ボストンの名物になっている。クランベリーは畑じゃなく、湿地で栽培されていて、”湿地のルビー”といわれる。

 上左  朝食後すぐにホテルを出発。まずはJFKライブラリーに向かった。Boylstonからグリーンラインの地下路面電車に乗車。

 上右  Park Stでレッドラインに乗換え。こちらは普通の地下鉄。4つ目の駅のJFK/Umassで下車。Umassとはマサチューセッツ大学。

 左  JFKライブラリーとマサチューセッツ大学を回る無料バスがあるので乗車。ただ、この日は土曜だったので本数が少なかった。

 上左  JFKライブラリー。

 上右  9時20分からの初回のビデオ上映に間に合った。JFKの生涯を短くまとめてある。このあと、大統領候補になった民主党大会、選挙戦でのテレビ討論、就任式、キューバ危機などの模様の展示をじっくり見学した。写真は大統領執務室の再現された部屋。

 左  建物の外からはボストン中心部の高層ビル街を湾を隔てて眺められる。夏はこの海岸にJFKのヨットも置かれているのだが、冬は撤去されている。

 左  駅に戻ってレッドラインで3つ目のサウスボストンで下車。川に浮かべられているボストン茶会事件の船に向かった。船はすぐにわかった。当時の船と同じ船を再現したものである。

 下左  事件のさい、市民はインディアンに扮装したが、この船を訪問する観光客には、インディアンの冠についている鳥の羽を渡され、体につけるよう求められる。そして、まず小部屋で事件の指導者サミュエル・アダムスに扮したガイドが演説。

 下右  ついで船に乗り移り、ガイドが音頭をとって客が一斉に叫ぶ。”イギリスは出て行け” ”われらに自由を”

 左  客の代表として立候補した子供が茶箱に見立てた軽い箱を川に投げ込んだ。この箱にはロープがついていて、引き上げたあとまた投げ込むことができ、自分も投げ込んで、歴史の瞬間を少し体験してみた。

 下左  このあと船内と博物館をガイドに連れられて見学。茶のサービスもあり、クランベリーティーをいただた。

 下右  最後に売店を通って外に出る。大きなスペースをとっていたのは、ティーパーティーのラベルのついた茶。

ユニオンオイスターハウス

 地下鉄レッドラインとオレンジラインを乗り継いで、Haymarket駅へ。下りてすぐにヘイマーケットはわかった。金、土のみ開かれるのだが、この日は土曜日。ボストンの人気青空市だ。

 なすびが巨大だったのでびっくり。20cm近くある太いなすびがごろごろ。でも何か水っぽいんじゃないかと疑ってしまう。きゅうりも短くて太いのが多い。手前には、小さなすいかもある。これは温室栽培なのだろう。

 ヘイマーケットのすぐ近くに「ユニオンオイスターハウス」はあった。レンガつくりのいかにも古い建物だ。

 ここは1826年に開業で、営業を続けているレストランとしてはアメリカ最古のレストランなのだ。

 National Historic Landmarkにも指定されていて、その銘板も店頭につけられていた。

 上左  半円形のカウンター席に座る。ここではカウンター席以外の注文も受けて2階へはリフトで運んでいた。天井やボックス席も木造で味わいがある。JFKが愛用していた席もあるのだが、見るのを忘れてしまった。

 上右  飲物はブルームーン少し薄い色で酸味がある。美味しいことは美味しいけど、サミュエル・アダムスの方がいいな。

 左  生オイスター。銘柄はわからないので、オイスターとだけ言うと3種類2個づつつけてくれた。ゆっくり味わっていただく。

 クラム・チャウダー。カップで注文したら、こすこす一杯、あふれかえる状態で出てきた。クラムも多く入っていた。もう一品、注文づるつもりだったのだが、これで打ち止めにした。

ビーコンヒルとバックベイ街歩き

 

  ユニオンオイスターハウスで食事を終えるとすでに14時すぎ。そのあとはビーコンヒルの散策をすることに。

 ビーコンヒルまで1kmほど歩く。最初にアフリカン・アメリカン歴史博物館に向かった。アフリカ系のための教会として建設された建物で、その後、黒人社会の集会場として使われた。

 右 展示は写真とポスター、新聞などが中心だ。ゆっくり見ていると時間がかかる。

 次にビーコンヒルを街歩き。植民地時代にアフリカ系のエリアであったが、やがてWASPの居住地区になったという。

 歩くのは、主にブラック・ヘリテージ・トレイルに沿って歩いた。植民地時代から南北戦争期にかけて活躍した黒人にかかわる史跡を回るルートだ。ただ、史跡がわかる地図を持っていなかったので、ルートに沿って歩いただけなのだが。

 古そうな町並みなのだが、よく見ると、レンガつくりの昔の建物の外観を保ったままで修復した建物が並んでいる。

 トレイルからははずれるのだが、このエリアでは一番有名なエーコン通りも歩いてみた。

 短い路地なのだが、雰囲気はよく出ている。道は石畳になっている。

 ビーコンヒルを歩き始めたことから雪が降り始めたのだが、このころになるとかなりきつく降っていた。

 ビーコンヒルとボストン・コモンは隣接している。地下鉄に乗るためにボストン・コモンのそばを歩いたのだが、芝生がうっすらと雪が積もっていた。

 雪を逃れて、地下鉄の駅に急ぎ、グリーンラインでバックベイ地区に向かった。

 下左  コープリーで下車すると、目の前にトリニティ教会があった。

 

 

 

 

 

 上  すでに見学時間は終わっていて、中には入れなかったのだが、聖堂内をのぞくことはできた。

 

 トリニティ教会の前に広がるコープリースクエア。前方はボストン公共図書館の旧館。

 このとき、雪は激しく降ってきて、歩く人の多くは傘をさしはじめていた。バックベイ地区を歩いてプルデンシャルセンターに向かうつもりだったが、雪のため、地下道など雪に降られないですむルートはないか探しながら歩いた。

 やがて、屋根のついた歩道橋を発見。この歩道橋を歩いていけば、プルデンシャルセンターに行けるに違いない。あとでわかったのだが、この歩道橋はプルデンシャルセンターとコープリープレイスの2大ショッピングモールを結ぶものだった。

 下左  プルデンシャルセンターの下部は巨大なショッピングモールになっている。 プルデンシャルセンターの50階はスカイウォークという展望台になっていて、行くつもりをしていたのだが、吹雪のため眺望もよくないだろうと考え、展望台はとりやめた。

 下右  ショッピングモール内を散策。外の雪と関係なく快適に歩いた。

フライドオイスターとクラブケーキ

 上左  この日の夕食を狙っていた店はターナーフィッシュリーズであった。ところが、吹雪の中、いったん外に出なければならないかもしれなし、外に出なくてもいいにしても、かなり歩かねばならず、ショッピングモール内で済ませることにした。それで、いい店はないかと探して、見つけたのがリーガルシーフード。ここはチェーン店で、ボストン市内にいくつも支店を出しているようだ。ガイドブックでは別のエリアの支店が紹介されていたのだが、たまたま見つけた支店に入ることにした。

 上右  すでに夕食タイムでかなり混んでいたが、またされることはなく、席に案内された。

 左  飲物は、サミュエル・アダムスのウインター・ラガーを注文。冬限定のビールで黒ビール系。

 

 

 

 

 

 左  毎回のクラムチャウダーに変えてフィッシュチャウダーがあったので、注文してみた。味はほとんど同じ。

 上  パンは温められて出されたのがよかった。

 フライドオイスター。

 日本でよくあるカキフライとちょっと違っていて、衣がフライドチキン風。カキは、揚げられているのが、生カキのようなみずみずしさが残されていて、汁がたくさん出てくる。なかなか日本ではお目にかかれない調理法で興味深い一品であった。

 クラブケーキ。

 メニューを見ていて、えっつ、カニのケーキって何って思って注文してみた。カニコロッケのようなものを想像していたのが違っていた。カニの身を固めて、丸く形を整えて揚げたものだった。だから、ほとんどカニといってよい。結構ボリュームがあり、個数を1個か2個か選べたので、1個にしていてよかった。

 食後はモール内を歩いてグリーンラインのプルデンシャル駅から地下路面電車に乗ってホテルに戻り、2日目終了。

 

 

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