2日目 シ ア ト ル 散 歩

 

閘門式水門とフィッシュラダー
  朝食は、前夜にウエストレイク駅で乗り換えるときに近くのコンビニで買っておいた。空港駅からホテルに歩いて戻る途中、ガソリンスタンドで飲物やパンを売っているのも見かけたが、品揃えはコンビニには及ばないようだったので、この日もコンビニで翌日の朝食を買って帰ろうと思った。

 下左  この日は終日、シアトルを散歩する予定だ。前日はダウンタウンを歩いたのだが、この日は少し周辺部を回るつもりだ。最初は、ダウンタウンから数km北西のハイラム・M・チッテンゲン水門へ行く。いったん空港駅からライトレールでダウンタウンを目指す。

 下右  電車が空港駅を出てすぐ、進行方向左手にはタコマ空港が広がる。ここはアラスカ航空のハブになっているようだ。
 
 
 上左  ライトレールを終点の1駅手前のユニバーシティ・ストリートで下車。地上にあがったところのバス停へ。

 上右  40番のバスに乗車。前面には自転車を固定するための金具がとりつけられている。実際に自転車を運んで、下すところも見たが利用にはちょっとコツがいるようだ。

 左  バス車内。停留所名は表示されるのだが、その電光表示と、i-phoneの地図を見て、下車する停留所を間違えないように気をつけていた。25分ほど乗車し下車。
 
 上左  バスを下りて2kmほど海側に向って歩き、ハイラム・M・チッテンゲン水門をめざした。途中の並木道はよく紅葉していた。

 上右  水門は植物園の中にあり、植物園の入口らしきところがあったのだが、よくわからず通過してしまった。展望台があり、そこからは可動橋が見えた。列車が通るときだけ橋が下り、普段は上がっているようだ。案内板を見て、やはり行き過ぎていたことを知り、5分ほど戻った。入口から植物園の中を5分ほど歩いた。

 左  水門にやってきた。カヌーの浮かんでいる水面が外側の海の水面だ。ちょうど閘門が閉じられつつある場面だ。さきほど見た可動橋は下りている。間もなく貨物列車が通過した。
  水面はどんどん上がっていった。やがて内側の湖の水面まで上がった。カヌーに乗った人は取っ手を握っている。

 下左  湖の水面まで達すると外側の水門が開いて、カヌーは海へと出て行った。水面差は5mほどあった。

 下右  カヌーと中型ボートが海に出て行ったあと、水門が閉じられた。

 この装置が閘門で、もっと大きな船が通れる閘門も各写真の向って右側にあったのだが、そちらを使う大型船は通らなかった。パナマ運河は閘門が3ヶ所にあるという。閘門の仕組みがよく理解できてよかった。時間が許せば何時間でも見ていたかった場所だ。
 
 シアトル付近では鮭も多く生息するのだが、鮭は、海から内陸の河川を遡上し、また海に下っていく。ところが、ここではチッテンゲン水門ができたために、鮭が遡上できなくなってしまった。

 そこでつくられたのがフィッシュラダー。階段状に少しずつ、鮭がさかのぼれるようにしてある仕組みだ。その様子を見られる水槽もあるのだが、残念ながら産卵期(6月〜9月)を終えたばかりで、遡上する鮭を見ることはできなかった。

 最後に植物園の中にあるビジターセンターへ。閘門の仕組みやフィッシュラダーのことがわかりやすく説明されていた。
生カキとクラムチャウダーを堪能
 
  上左  水門を見たあと、再びバス停に戻り、反対方向のバスでダウンタウンに戻る。途中、大きな橋を渡る。シアトル周辺は海岸線が入り組んだうえ、湖が多く、眺めの良いところも多い。

 上右  ダウンタウンのすぐ近くにも湖がある。水上飛行機が飛び立っていき、眺めたりもした。

 左  湖岸にある歴史産業博物館。略称は MOHAI という。
 
 
 上左  シアトル周辺は森林資源に恵まれ、米国の中でも木材産業、製紙業がさかんなエリアである。

 上右  水産業、水産加工業もさかんで、缶詰の製造機械などが展示されていた。シアトルといえば、今はボーイング、マイクロソフト、スターバックスで有名だが、古くは、木材産業、水産加工業が重要な産業だったことがよくわかる。

 左  シアトルの人種構成。
白人69.8%、
アジア系13.8%、黒人8%、ヒスパニック6.6%
 などとあり、白人に次いで、 アジア系が、黒人、ヒスパニックよりも多いのが特徴。 
 
  歴史産業博物館を見たあと、ダウンタウンまで路面電車に乗車した。

 シアトルの公共交通として、ライトレール、路面電車、モノレール、バス、あとで乗るフェリーと一通り試すことができた。このうちモノレールを除き、ORCAが利用できて便利だった。交通機関を乗り継ぐ場合(バスとバス、バスとライトレールなど)は割引があり、一見、交通費が高そうなのだが、うまく使えば、2割くらい安くなるようだ。
 路面電車の車内。数分でウエストレイクに到着。
 
 ウエストレイクに到着後、前日にも行ったパイク・プレイス・マーケットへ向かった。

 マーケットの向かいにある魚屋では、魚料理を食べさせているのを前日に確認していたので、この日は、魚屋で昼食にすることにした。
 
 魚も売っているが、魚料理を食べに来る客のほうがずっと多い。陳列ケースが斜めのように見えるが、傾斜地に店があるためだ。
 
 生カキ。大きいのから小さいのまで6個。レモンをギュッとしぼっていただいた。米国では、生カキを、ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコでもいただいているが、どこも美味い。
 
 クラムチャウダー。オイスタークラッカーつきだが、この店ではセルフでとりに行くようになっていて、初めは気づかなかった。
 
 カップとボウルがあるのだが、ボウルといっても、大きいカップに入れて出される。こちらも美味しかった。
航空博物館
 
 上左  ダウンタウンから24番のバスに乗車。i-phoneの地図を見ながら下車する停留所を間違えないようにしていた。30分ほどで到着。

 上右  バス停の真ん前にあるのは別館で宇宙関係の展示をしている。

 左  スペースシャトルの実物大模型。実機をワシントンD.C.などで見たことがあるので、ありがたみは少ない。

 バスの走る道路を渡って、反対側へ。こちらが展示の中心。
 先に屋内展示を見ておく。第2次大戦期のコーナーに隼があった。屋内展示はワシントンD.C.の航空宇宙博物館を小さくしたような感じであった。

 下左  屋外展示ではまずB29があったがシートで覆われていた。そしてコンコルドへ。内部を見ることもできる。

 下右  コンコルドの客室。窓が小さい。幅は狭く。小型機の機体を細長くしたような感じだ。

 
 
 
 コンコルドのコックピット。1969年に開発されただけあって、時代を感じさせる、膨大なアナログ計器類が並んでいる。

 コンコルドは唯一の民間超音速機であったにもかかわらず、燃費の悪さなどのため、就役したのは16機にすぎず、商用としては失敗であったようだ。

 シアトルに着陸する際にコンコルドが見えるという情報もあったが見えなかった。見えたら、航空博物館の展示のことだったが。
 
 以前就役していたアメリカ大統領専用機エアフォースワン。

 機種はB707で、ボーイング社にとっては初の大型ジェット旅客機。またボーイングの社名を有名にした機種でもある。

 下左  エアフォースワンの機内も見学できた。写真は応接室だが、大統領の部屋など一通り見ることができた。

 下右  最新鋭機B787。その第一号機。この中も見ることができた。
 
 
 B787のコックピット。コンコルドのコックピットと比較して、その進化がよくわかる。簡素で使いやすそうな計器類だ。
 
 再び屋内展示を見て回る。ボーイング社の歴史の展示もあった。これは、当初のボーイング社のマーク。手作業で航空機づくりをしていた当時の道具類の展示などがあった。

 ボーイング社は初期には、航空機メーカーであるとともに航空会社でもあったことも知った。のちに、航空会社部門は分離するのだが、その後身が現在のユナイテッド航空だという。
 
 ボーイング社の歴史展示をしている建物は、昔のボーイング社の事務所の位置に昔と同じ姿で建てられているようだ。

 このあと、この建物の前からバスに乗ってダウンタウンに戻った。
シアトルの地下ツアーとフェリー乗船
 シアトルのアンダーグラウンドツアーがあるというので、利用してみることにした。

 今から100年以上前、シアトルでは満潮のときに下水が逆流し、一方で、干潮のときには海水を使った消火栓が役に立たず大火を招いたという。

 大火で街が壊滅状態になったのだが、街の再建にあたって、道路を以前より高くすることになった。それで、古くからあった1階部分が地下になったらしい。

 最初は地下も利用されていたが、そのうちに忘れ去られてしまったという。その地下部分をめぐるツアーがあるというので、行ってみることにした。

 写真は地下をめぐるアンダーグラウンドツアーの出発点。ここで申し込んで、この左手にある部屋でレクチャーを受けた後、地下散歩となる。

  地下で回るのは3ヶ所。それぞれ、かっては地上だったところだ。そういえば、地上の家のように見える。

 下左  地下通路を歩いたが、カビ臭いにおいが充満し、環境はよくなかった。

 下右  昔のコンプレッサーのうな機器が放置されているエリア。このほか、昔のトイレだと昔のベッドだとか、ここで生活が営まれてたとわかり楽しかった。
 
 
 
 上左  続いてピアからフェリーに乗船。かなり大きなフェリーだ。行先はペインブリッジ島。ワシントン州営のフェリーだが、ORCAが使用できる。

 上右  フェリーの客室。かなり奥行きがある写真だが、かなり船の幅があることがわかる。

 左  フェリーからシアトル市街を眺める。
 
 35分でペインブリッジ島に到着する。フェリー乗船が目的であったので、フェリーターミナルを出た後は、とんぼ帰りでシアトルに引き返す。

 帰りの運賃は無料だ。行きは7.5ドルだったが、帰りは無料。
片道乗った人は必ず引き返すだろうから一方でまとめて徴収すればよいという考え方だろう。マレージアのペナンでも同じだが、シアトルでも片道無料とは思わなかった。

 下左  フェリーターミナルから長い通路を歩いて乗船。

 下右  帰りは最上部の甲板で過ごした。眺めはよかったが、かなり寒かった。
 
レストランを間違える
 夕食は、クラブポットでとろうと思っていた。シーフードをバケツに入れて出す店のようで、なかなか面白そうなので。

 フェリーを下りたあと、少し歩いて、クラブポットの看板を発見して、その店に入店。
 
 どうも印象が違う。バケツに入れたシーフードを食べている客などいないし、そもそもカウンターで料理を買って食べるファーストフード的な店だった。でも、ここもまぁ美味しそうであったので、この店で食べていくことにした。

 下左  ビールはアダムス。ビールサーバーから入れるタイプだった。結構、色が濃い。
 
 
 上右  カニのカクテル。カニの足をほぐして、カップに入れたもの。

 左  エビフライ。分厚い衣におおわれ、量も多い。衣に味がついている。下にフライドポテトが敷いていあるのだが、フラドポテトがとても大きくきざんだものだった。

 この店で食べ終えたあと、この店が入居している建物を見て回って、クラブポットは同じ建物の中にあることがわかった。翌日にもう一度やってこようと、出直しを決めた。それにしても、ネオンの出し方、間違えやすいものだと思う。
 
  ウエストレイクまで戻り、ライトレールで空港へ、そしてホテルへ戻った。

 

 

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