1日目

 

  杭州へは全日空を利用。今回はマイレージを使ったので、かなり安上がりに旅ができる。通路側の席はとれなかったのだが、代案として非常口の前の窓側の席を提示され、そこをとってもらった。離着陸時には客室乗務員と向かい合わせになる席で、足を思う存分伸ばせて快適な席だ。

  「こうしゅう」では、杭州か広州かわからないので、「ハンジョウ」と中国式にアナウンスしている。連休の前日だが、用務風の客がかなり多そうな感じだ。また、観光客風の客の平均年齢はかなり高め。中国旅行の場合は、いつもこの傾向が強いことが、何度か訪中しているとわかってきた。 

  10時35分定刻に出発。水平飛行になるとすぐに機内食。早めの昼食になる。軽い和食だったが、平均以上のできだ。

  食事後は、入国に必要な書類を書いておく。中国の出入国には、税関申告書の記入が2005年の7月から必要になった。前回、前々回の訪中では、15日以内ならビザ不要になって間もない時期で、出入国カードの記入(入国時は健康申告書も必要)だけになったものだから、ずいぶん中国旅行が楽になったと思ったが、また少し面倒になった。

  12時ちょうどに杭州着。時差があるから2時間少々だ。機内放送では雨と伝えていたが、傘なしでも歩ける程度の雨。むしろ、涼しくてよかったと思った。

  小規模だが新しい空港だ。入国手続をおえ、さて両替は、、という段になって困惑。到着ロビーに出たところに、中国銀行のブースがあるのだが、何と閉鎖されているのだ。で、ほかに銀行がないか探し回った。小さな空港とはいえ、端から端まで歩くとかなりの距離だ。結局、銀行は1箇所だけで、そこが閉まっているのだ。さぁ、どうしよう、、

  もう一度、中国銀行のブースへ行ってみると、英語で小さく、2階へ、、なんて書いてあるじゃないか。2階は出発ロビー。すぐに銀行があるだろうと思っていたら、見つからない。案内板を見ると、両替が書いてあるが、何と、その場所は、出国客が税関申告書を提出してから行くエリアにあるじゃないか、、どうしろって言うんだ、と思いながら、税関の入口で、銀行はどこかと尋ねたら、「工作人員通道」を通してくれて、両替窓口にやっとたどりつけた。ところが、普段、両替する客はほとんどないのか、窓口でもやたらと時間がかかる。杭州へ行く人、ご用心を、、

  何とか両替をすませて、ふたたび1階へ。そして、空港バスで杭州市内に向かう。切符を買おうとしていたら、その間にバスが行ってしまい、次のバスまで30分まちかと思っていたら、臨時便がでていて助かった。下の画像で、バスの左側に、茶色い小屋が写っているが、それが切符売場。市内まで15元(約210円)。一緒に杭州の地図も購入。5元(約70円)。

  杭州駅まで30分少々。巨大な駅ビルがそびえている。そのあと、中山大酒店にも停車して、武林路の民航航空券売場までは1時間弱。宿泊する華僑飯店は、中山大酒店からの方が近そうなのだが、帰国日には民航航空券売場にこなくてはならないので、土地勘をつけるために、終点まで乗った。

  空港バスを降りてからは、繁華街を歩いて、西湖の湖岸にある華僑飯店に向かった。町の印象としては、上海に似て、かなり進んでいると思った。西湖の湖岸までやってくると、ホテルが並んでいる。

  華僑飯店では、背湖、つまり西湖の見えない部屋を予約してある。安めだったから。部屋は広くて、古いけれどもきれいだ。12時に空港についたというのに、もう15時前だ。両替で苦労したのが痛い。少し疲れていたので、30分ほど休憩してから、西湖に出かけた。

  少し雨が降っているが、傘はささずに歩いた。ホテルの前の西湖の湖岸は公園になっていて、地元の人たちの散策の場となっている。

  この日は、あと2時間ほどだけの行動時間しかないので、西湖に浮かぶ孤山にだけ歩いていくことにする。

  小雨が降るような天気なので、西湖の対岸は見えにくい。下の画像は、華僑飯店の前のあたりから、西湖北岸の宝石山を望んだもの。塔がたっているが、保俶塔。このエリアは結局、訪問できなかった。その下のほうに、西湖の中を歩くようになっている白堤が写っているのだが、見えにくい。そして、その左に孤山がある。

  西湖周辺の名所のうち、古来からよく知られている見所を「西湖十景」とよんでいる。今回、十景のすべてをまわることにした。

  まずは、「断橋残雪」(十景1つ目の訪問)。白堤のはじまりのところにかかる橋が断橋。冬には雪が積もり、その雪が真ん中から溶け始め、橋が2つにわかれているように見えるので、断橋残雪と言われる。

  白堤は、思っていたよりも幅が広い。広い部分では30mくらい、橋など狭い部分でも15mくらいある。唐代の詩人、白楽天が杭州刺史だったときにこの堤が作られたので白堤とよばれる。

  白堤によって、西湖の北端のエリアが区切られているが、このエリアは北里湖と呼ばれる。ほぼ1kmの白堤を歩くのは、とても気持ちよかった。

  白堤を歩き終わると孤山のある島。この島に「平湖秋月」(十景2つ目の訪問)がある。ここから、満月の夜の月を見ると、湖面に月が映りきれいだという。ここの高さが、湖面と同じ高さなので、平湖というらしい。でも、ここの場所も、湖面よりも高いのだけれどもなぁ。

  このあと浙江省博物館に行ったのだが、16時で入場打ち切り。ほんの少しのところで、入館できなかった。最終日にまた訪問することにしよう。

  続いて、博物館のすぐそばの西印冷社へ。篆刻の研究施設で、さまざまな碑文が展示されているが、庭園もきれいである。

 

  次に、岳廟へ。北宋の岳飛の墓がある。岳飛は、北方から攻めてきた金に対して徹底抗戦を主張したが、和平を考えていた秦檜に投獄されたうえ殺されてしまった。下は岳飛を祭る廟。また、記念館があり、岳飛に関する展示を行っていた。それによると、現代の中国で、岳飛は高く評価されているようだった。

  敷地内で最後に岳飛の墓を見た。

  興味深かったのは、岳飛の墓に対面するようにして、岳飛を陥れた秦檜など4人の鉄像があったことだ。これら4人は裸で後手に縛られていた。

  さらに、「曲院風荷」(十景3つ目の訪問)。岳廟の南側の西湖岸。ここは湖面の一帯に蓮が覆っている。曲院とは、南宋時代の酒をつくった醸造所のこと。夏になると、その一帯は、ゆったりと吹く風によって、蓮の香りと酒の香りが漂ったというところから、名づけられた。

  曲院風荷の付近をうろうろしていたら日没。このあと、西湖の東の繁華街へ夕食に出かけた。この日、利用したのは知味観というチケット制の店。食券を何元分か買い、カウンターで食べたいものをオーダーして、チケットを出すという形式。上海でも見かけた形式だ。余ったチケットはあとで返金してくれる。

野菜と小エビの鍋物
   

籠包

   
蓮の葉ご飯
   

蓮の葉ご飯 葉を開いたところ

 食後は付近を散策。西湖岸近くのこの観光客の多いエリアは、ここが中国?って感じになっている。下の画像の赤い明かりは、青、緑、黄などに変化して美しかった。

  スターバックスの店も日本と同じような感じだ。その入口付近では、竹がライトアップされていてとてもきれいだ。

  西湖岸の公園は、夜になっても人出が多い。観光客より涼みにやってきた地元の人たちが中心になっているようだ。

  ホテルに戻って入浴。バスがついていて、ゆっくり湯につかることができた。翌日は、西湖周辺の名所を1日中回るつもりなので、その作戦を練っているうちに、眠ったようだ。

 

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