1 日 目  

  

  中国の江南シリーズ。上海、蘇州、杭州と、続いて訪問してきたが、4回目の今回は南京を選んだ。

  今回は、マイレージで得た無料航空券での旅だ。前年に南米に行き、1往復で中国へ行けるマイルが獲得できたので、それを利用した。

  上海へ関西空港から10時45分発のJAL便で2時間あまり。ソウルよりは長いが、台北よりは短い。機内食を食べたりしていると、あっという間に上海の浦東空港に到着だ。12時10分着。

  入国検査、両替を終えると12時40分。まず、長距離バス乗場に直行。南京行きのバスは、一年前の蘇州旅行のさいに調査した時刻表によると、14時20分発で、この時刻だったら、列車で南京に向かうが、時刻が変わり、あまり待たずに南京行きのバスが出発するなら、それを利用することにした。

  しかし、時刻は変わっておらず、上海駅から列車を利用することにした。上海駅行きの空港5線のバス乗場に急いだ。12時53分発のバスがちょうどあり乗車。運賃は18元(約270円)。

 

  列車の利用は、賭けであった。空港バスは以前の上海訪問の際に利用していて、上海駅まで80分ほどかかると予想。到着時間は14時10分ごろだと考えていた。そのあと、すぐに出発する列車の切符が買えるかどうかがわからなかった。場合によっては、夜の列車まで切符がないということも考えられる。それなら、浦東空港を14時20分に出発するバスのほうが南京に早く着けるはずだ。

  

 最初は快調に走ったバスも、渋滞に巻き込まれ、次第にノロノロ運転。東方明珠塔のあたりで1時間経過。その後、浦東江の下をトンネルでくぐり、前に下車したことのある人民広場の西南を通り、上海駅着。予想通り80分かかった。

 

  上海駅に到着すると、すぐに切符売場に直行した。右下の駅ビルの画像で右手の1階に売場がある。

  

 

 

   左の画像の人々が眺めているのは、各列車の切符の有無を示す電光掲示板だ。  南京へ行ける列車で、席の残っている一番最初の列車は、1時間50分後の南京行きであった。すぐに16時05分発の切符を抑えた。 これより早い列車は「售完」(完売)ばかりだったのだが、バスで行くよりは少し早く着けそうである。ラッキーであった。

  硬座で47元(約705円)。距離は303kmなので、かなり安い。JRの場合は、5250円プラス特急券の距離だ。303kmというのは、東京-豊橋 、大阪-浜松より少し長い距離だ。  

   時間がたくさんあったので、飲み物や時刻表を購入したりして時間つぶし。そのあと、駅の中へ。駅舎にるときに切符を見せる必要があった。さらに、中に入ると、荷物のX線検査。

  待合室は、列車別に分かれていて、いくつもある。そのひとつひとつが右の画像のような感じで、人々がひしめいていた。  

 

  乗車したT718次は、時刻表を見ると、蘇州にだけ停車し、18時54分南京着 。最も早い列車は、2時間20分弱で走るが、この列車はそれについで早い2時間50分弱で走るものだ。

  改札開始。乗車券に3車下26号と書いてあったので、2階建ての下と思っていたが、ホームへ行ってみると、その通りであった。 車両ごとに、車両の入口でも切符が点検されるようだ。3号車まで歩いていく。客が並ばないから、団子状態になっている。

  

 

  車内に入ると、皆が座席を探してごったがえしている。片側2列、片側3列で、固定座席が向かい合っていた。

  切符は、車両の端から順番に売っているようで、グループの場合でも、向かい合った席ではなく、通路を挟んで横並びになったりしやすいようだ。そういう場合は、座席の交換が個人交渉で行われている。

 

 時刻表で見ると、硬座といっても、4種類の料金がある。「普快」「快速」「新空調普快」「新空調快速」で、上海-南京の場合、順に、21、24、43、47元。軟座も同じく、4種類の料金があり、順に、40、44、66、72元。

 現実には、快速(T,K,Nなどのつく列車、Tが一番早く、特快と呼ばれている)は、ほとんどが空調つき、普通の場合は、空調つきは少ない。そして、上海-南京のような主要区間では、ほとんどの列車が快速。だから、一番高い料金が適用されることが多そうだ。

  中国の列車に日本人が乗って、いろいろ質問を受け、交流をはかったという話をよく聞く。それを期待していたのだが、今回はそういうこともなく、3時間弱が過ぎていった。

  3列席の真中だったのだが、左隣の客は頻繁に携帯電話で通話し迷惑であった。右隣の客はずっと眠っていた。この2人はビジネスマン風であった。向かい側の席の左側の客は若い女子学生風でずっと景色を見ていた。真中と右側の客は、中年女性2人連れで、ずっと2人でおしゃべりしていた。

  車内は満席で、ドア付近には立っている客もいる。「無座」という切符も販売されているからだ。ただし、「無座」といっても無制限に販売されず、上海駅の電光掲示板では、「無座」でも時間の押し迫っている列車は、軒並み「售完 」であった。驚いたことに、夜行列車でも「無座」があり、つらいだろうなと思った。

  蘇州で停車。一部の客が下車した後、蘇州まで「無座」だった客の一部や蘇州から乗車した客がすわり、満席状態は変わらなかった。

  その後も、広大な大地を列車は走る。農村の住宅も新しく建てられたものがほとんどで、豊かな地域だと思った。

  定刻に南京に到着。南京駅は、モダンなつくりになっていて、すでに日没後なのだが、構内は明るく照らされていた。

  出口では、切符の点検はあるが、回収はされない。南京駅の出口は地下にあって、地下鉄への連絡通路があったので、地上には出ずに、直接に、地下鉄駅のほうに向かった。

  地下鉄の切符は自動券売機で買うようになっていて、まず、買っているいる人のそばで使い方をながめた。すぐにわかり、簡単に購入できた。ホテルの近くの駅までは、最低運賃の2元 (約30円)で行ける。

  実は、切符っても普通の切符じゃない。コインと同じくらいの大きさの丸いチップがでてきて、それを改札機の指定部分にあてて入り、降りるときは投入口に入れると扉が開くシステムになっている。今までに、バンコクと光州の地下鉄で体験したスタイルだ。

   地下鉄はとても新しかった。それもそのはず。帰国後調べてみたら、開通は2005年9月ということだった。

  1号線は43kmあるのだが、現在開業しているのはそのうち21kmだ。このほか、交通案内図を見ると、2号線も描かれている。1号線は南北、2号線は東西に走り、新街口で交差する。この日の下車も、新街口だ。

  1号線の終着駅は奥体中心。英語名の表示はOlympic centerで、オリンピックのことを中国語では奥体ということを知った。

 

 

  車内もとてもきれいで気持ちいい。10分ほどで、下車駅の新街口に到着。まずは、ホテルに直行。

  新街口は、地下鉄の乗換駅に予定されているだけのことあって、とても賑やか。南京の代表的な繁華街のひとつなのだろう。

  

   ホテル到着後は、荷物を置くとすぐに夕食に出た。なにしろ、昼前に食べた機内食以後、何も食べていないのだから。

  鉄鍋三鮮と炒麺を注文。三鮮とは何なのだろう。鍋の具として主だったものは、鶏肉、ウズラ卵、野菜だったので、そのことかなと思うが、、

 

  しばらく繁華街をブラブラ歩いたが、屋台などが出る庶民的な繁華街ではなく、ビジネス街の中の飲食店やデパートなどが集中しているエリアといった感じだった。

  ホテルに戻り、翌日の回り方を地図を見て検討した。特にこの旅の目標のひとつに、路線バスをできるだけ使い、タクシーになるべく乗らないということを考えている。バスの系統の書かれている地図を見ながら、何番のバスでどこまで行き、そこからは何番のバスで、というようなことを考えていた。

 

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