1 ドバイ経由カイロ

 

おまけでドバイ滞在、カイロでは到着早々バクシーシで歓迎

 

エジプト行きに利用したのは、関西空港発23時15分、エミレーツ航空。閑散とした空港ロビーの一角だけ人が多い。日本航空のカウンターでチェックインし、まもなく搭乗。

まもなく、機内食のメニューが配られる。和食と洋食のチョイス。しばらく食べられない和食にする。イスラム教では禁止のアルコール類のサービスもあり、食事は良好。機内にはアラビア文字の表示などがあり、 これから向かう地域の雰囲気が少々漂う。

各シートにモニターがついていたが、見たいビデオなどはなく、ずっと飛行経路図を表示させていた。面白いことに、行きと帰りで飛行経路が大幅に異なっていた。行きは 、ソウル、北京、ウルムチ、イスラマバード付近を経由。やがて、うつらうつら夢の中へ。 (帰りは、カラチ、ダッカ、昆明、上海付近を経由)

やがて朝食。またもや和食にした。当分、日本のご飯ともお別れなので、、

現地時間早朝5時すぎ(日本時間では10時すぎ)ドバイ着。 ドバイはアラブ首長国連邦(略称UAE)きっての大空港があり、中東の経済の拠点でもあるが、首都ではない。この国の首都はアブダビである。

ターミナル内には長い連絡通路があり、延々と歩かされる。入国審査場はこの時間帯 に到着する便が多いのか混雑している。荷物はカイロまでスルーチェックインなので、受けとらなくてすみよかった。どのくらいお金を使うか不明で15ドル両替。

まだ市内へ出ても、観光個所がオープンしていないので、空港の周辺をぶらぶらして小一時間、暇つぶしをしてから空港バスで市内に向かった。 この間、VISAカードで国際電話ができる電話を探したが、見つからない。カイロに着いてから日本に電話することにした。

空港バスは、ドバイの中心部まで3DH(1DH=約28円 DHはデュルハム)で、約30分だった。街はゴミもあまり落ちておらず美しい。また、飲料水などの自動販売機がいたるところに設置されている。日本以外では、盗難対策などのためか自動販売機は余り見かけないが、ドバイではあちこちにある。治安が保たれている証しであろう。

クリーク(運河)を渡って対岸に向かった。利用したのは「アブラ」と呼ばれる渡し船。乗客は外側に向いて座るのが面白い。料金は、0.5DHで、対岸へ10分ほど。対岸といっても、乗場の対岸に乗場がなく、対岸にあたる場所から500mほど離れているのでやや時間がかかるのである。

何十隻というアブラが行きかっており、市民の重要な足になっているようだ。アブラを降りたところは、オールドスーク。ドバイのスークの多くは、アーケード街になっている。スークというと、ごみごみして人があふれている印象を受けるが、ここは整然としていて、通常の商店街と変わらない。午前中だからなのか、客も多くない。

次に、ドバイ博物館へ行った。18世紀に建てられた要塞である。この要塞の内部と地下が博物館になっている。興味深かったのは、1960〜80年代にかけての、ドバイの驚異的な変化。昔ながらの街が高層ビルの立ち並ぶ街に変化していったのだ。

このあと、歩いてシェーク・サイード邸へ。50年ほど前まで、ドバイの首長がかつて住んでいた住居で、伝統的な建築である。

再び、アブラに乗って、クリークを元の側に渡った。アブラのルートは2つあるのだが、さきほど乗ったのとは別のルートを利用した。アブラを降りたところは、オールドスーク。スパイスを売る店が多く、さまざまな香りが漂っている。画像の奥からアーケード街がはじまっている。正午ごろになって、買い物客も増えてきたのか、かなりにぎやか。

続いて、伝統家屋であるヘリテージハウス、ドバイで最も古い学校であるアル・アマハディア・スクールを見学。さらに、ゴールド・スークへと足を進めた。ゴールド・スークは文字通り、金を取り扱っている店が何十軒も軒を連ねているスークだ。ここもアーケード街になっている。アラブ首長国連邦の豊かさを象徴しているようだ。

カイロ行きは15時50分発なので、13時20分には、空港行きのバスに乗ったほうがいいと思っていたが、すでに13時前。4時間あまりのドバイ散策を終え、朝、バスを下車したところでしばらく空港バスを待ち、乗車し、空港に戻った。

すでに関空でチェックインしているので、すぐに出国審査場から出発ロビーへ。免税店の数がとても多く、一大ショッピングセンターのようになっている。ドバイでは5ドル分しか現地通貨デュルハムを使わなかったので、残りを10ドルに両替。ちょうど10ドル分、残ったので全額がドルに。カイロ行きはすでに搭乗の表示がでていたので、搭乗待合室へ。待合室では店がなかったので、日本から持っていった菓子で昼食代わりにした。

やがてカイロ行きに搭乗。日本人はほんのわずかで10人もいなかったようだ。やはり乗換時間が長すぎ、ツアーでは避けられているのだろう。カイロ行きに乗ってはじめて、外国にやってきたんだという思いをする。離陸後まもなく機内食。アラブ風の食事のみであった。

18時定刻にカイロ到着。カイロの空港は第1、第2ターミナルがあるが、エミレーツは第2だった。このあと、入国審査だが、ガイドブックの指示通り、現金の両替時にビザの印紙を購入。本当にガイドブックの通りでいいのだろうか、少々心配になる。なぜなら、ほかに印紙を買っている客などいなかったからだ。しかも、よくいろいろな空港でみかけるVisaArrivalの表示もどこにもない。ほかにも同時刻に便が到着したようで、入国審査場は、長い行列ができていて30分くらいは待った。

19時ごろに空港外に出たが、さあ、タフリール行きのバスはどこからでるのか。到着ロビーの外に出ると、タクシー?、との呼び込みがあちこちからかかるが、全部無視。ひたすら乗場を探した。なんと、到着ロビーを出たところから500mほど離れたところへ、あちこちに立っているポリスに聞き聞きして到着。空港のバス乗場とは思えない閑散とした乗場で、ほんとにここなの?と思った。

それでも、まもなくバスがやってきた。ガイドブックで紹介されていたバスの番号とは違っていたが、運転手にタフリール?と尋ねた。やはり、行かないらしい。30分ほどの間に6台バスがやってきたが、タフリール行きはこなかった。ひょっとして、もう運転が終わった?、タフリール行きは廃止された?、なども想像してしまう。

結局、バスで行くのをあきらめ、500mほど歩いて到着ロビーへ戻る。タクシーに乗るにしても、正規のタクシー乗場から乗りたい。それで、タクシー?と声がかかるのをすべて無視して、あちこち歩き回ったが、どうもきっちりしたタクシー乗場はないようだ。結局、今度、声をかけられたら、ぼられるのを覚悟で乗ることにした。ところが、タクシー勧誘のさかんなところへいっても、今度は誰も声をかけてこない。ずっと無視していたので、タクシーを使わないで、ほかの車を待っている客と思われてしまったのだろう。

自分からさきほど無視していた客引きにタクシーを頼みたくなかった。ところが、タクシーらしき車には全部、客が乗っていて、なかなか空車がつかまらない。しばらく待って、ようやく、出発ロビーの前で客が降りて、その車を使わないとタクシーをつかまえられないんだと悟った。そして、先ほど2回通った出発ロビー へ歩きかけたところ、少し前で車が止まり、客が降りるではないか。

すぐにその車のところへ行った。そこでわかったのだが、降りたのは客ではなく、チケットタクシーの業者だったのだ。タクシーチケットはカイロの中心まで55LEだという。(1LE=18円       LEはポンド) ディスカウントを訴えたが、これは規定料金だと言う。ぼられているのかもしれないが、ガイドブックにも料金がほぼ固定だと書いてあったので、やむを得ずその料金を払った。

ところが、さらに、バクシーシ5LEだという。つまり、チケット販売者はタクシーを紹介したので5LE払えということだ。やむを得ず払う。どうせ、こんなことになるんだったら、はじめからタクシーに乗るべきだったと、到着早々、苦い思いをする。無駄に1時間以上を費やしてしまった。

カイロの中心部近くに道路トンネルがあり、その付近までは順調に走ったが、中心部に入って渋滞があり、結局、宿泊するコスモポリタンホテルについたら、もう21時。少なくとも、最初からタクシーの客引きに従っていれば20時につけていたのに、、と残念に思っていた自分に追い討ちがかけられた。運転手がバクシーシ5LEだという。結局、タクシーに65LE(1170円)使ったことになる。

ホテルにチェックイン後、ボーイが荷物を持って部屋に案内、もうバクシーシは払わざるを得ない。ボーイは電気やシャワーの説明をしたあと、明日、タクシーを使うのかとか、しきりに聞いてくる。悪徳タクシーを紹介して、自分もバクシーシをもらうつもりなんだろう。歩いて観光するからいらないと応じる。それでも、しつこくタクシーの勧誘をするので、今日は疲れているから明日考えると答え、バクシーシ5LEを渡して、引きとらせた。ボーイへのバクシーシは1LEで十分だということがあとでわかるが、このときは、そこまで考えられなかった。

部屋そのものは、広く、天井も高く、調度品もレトロな感じでまあまあだ。しかし、部屋で休んではいられない。夕食をとりたいし、日本へ電話もしなければならない。ということで、外出。このホテルのある一帯はカイロの中心の繁華街で、22時近いがにぎやかだ。

まずは、エジプトの国民食コシャリで夕食。マカロニを細かく刻んだものとライス、それに小さな豆(レンズ豆というらしい)を混ぜたエジプト独特の食べ物である。この上に辛いトマトソースをかけてくれる。コシャリ2.5LE(45円)にコーラ2.5LE、あわせて5LE。量も結構あって、これで十分だった。

このあと、日本に電話をかけるために、一番普及しているメナテルの電話カードを売っているところを探したがなかなか見つからない。ようやく1箇所見つけて、15LEのカードを2枚購入。日本へは1分で3LEずつ減っていき、2枚で4回電話できた。

23時すぎ、ホテルに帰着。日本時間では翌朝6時であり、計算すると自宅出発から36時間をへて、ベッドに横たわることができたのだった。

 

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