1 日 目 前 半

 

  関西地区から網走の玄関になる空港、女満別へは、午後に関空を出発するので、1日目は網走に行くと、もう夕食をとる以外にはすることがないような時間になってしまう。 そこで、今回は、関空発の最終便で羽田に向かい、羽田で1泊。羽田を朝出発して、ほぼ1日、フルに自由に使えるような計画にした。

 女満別行きは、空席なし。流氷観光のお客さんが多いのだろうか。

 

 

 

 

 

   36番ゲートはどこかと行ってみたら、バス連絡だった。

  搭乗機はMD90。今まで乗ったことがない機種だ。

 

 

 

 

 

  クラスJ利用で、茶菓の出る便。今回の菓子は、イカ入りのせんべいだった。

 
  出発が15分ほど遅れ、その影響で到着は予定より5分遅れだった。

  網走へのバスは、バス会社のHPでは到着後10分後に出発ということだったが、20分後だった。

  結局、バスは計算していたより15分遅れで運行。そのため、網走到着も15分遅かった。

 

  「神林宅前」・・・北海道ではたまにあるという、一般の民家の名前から名づけられたバス停だ。

 もっとも、昔は神林さんのお家だけがあったのかもしれないが、ほかにも民家があり、一般の民家の名前しか名づけようのないバス停ではなかった。

 

 

 

  網走湖では、わかさぎ釣りをやっていた。

 

  バスが予定より15分遅れたために、バスを降りてからノロッコ号発車まで20分みていたのが、わずか5分となった。

  しかも網走駅前のバス停から駅まで150mほど離れていて、駅の中でも100mほど歩かねばならず、出発の合図が鳴っている中の乗車だった。

 
  ノロッコ号は機関車と5両の客車がつながっていた。客車のうち4両は、片側の座席が海側を向いて横に一列に並んでいる。

  山側は、普通の向かい合わせシートなのだが、一区画のシートを取り払い、石炭ストーブが設置されていた。網があって、そこでイカを焼いていた人もいた。また、2両には売店もあった。

 

  4両ある特別車両のうち2両が指定席、残り2両と5両中1両だけの普通の車両(塗装だけは特別なデザインだが)の計3両が自由席だ。

  自由席の海を臨む席に座りたかったが、満席だったので、普通の車両の海側に座った。普通の車両はガラガラだった。

 
  ノロッコ号は、流氷期のみ運転の列車で、自分が乗車した日を含む週末で毎日運転期間は終わり、翌週の土日で今期の運転も終わりというきわどい時期の利用だった。

  運転期間、乗車時刻ともぎりぎりだったが、うまく乗ることができてよかった。 

  10時25分網走発で10時56分浜小清水着。ここで下車。

 

  浜小清水駅から150mほど離れたところに展望台があるので上ってみた。ただし雪の積もった中を上るのは結構大変で、たいした高さじゃないけれども、上り下りには少し時間がかかった

  下は、展望台からの流氷と駅付近。もう少し左のほうに目を転じると、一面、流氷に覆われた海が見えた。 

  浜小清水は、以前、降りたような気もするが、そのときはひなびた小駅だった。今は、このあたり一帯の駅の中でも大きく、新しい駅舎。

 
 
  この駅は、裏手に出ることもでき、さらに海岸に出られるようになっている。

  海岸に出てみた。波打ち際にあたるところまで行き、沖を見ると一面、流氷。

 

  駅舎には、土産物屋や食堂が入っており、 食堂「汽車ポッポ」で、「海賊カレーうどん」を食べてみた。小エビ、イカ、あさりなどの入ったカレーうどんだ。小清水町でとれた小麦粉を使っているという地元産のうどんだそうだ。

  このあと北浜駅でも食事したい食堂があるので、あまりにボリュームがあれば、少し残すつもりだったが、その必要もなく、ほどよい量で、おいしくいただけた。

 
  浜小清水駅は、かなり新しい駅舎。大きさも大きい。昔ながらの駅舎を期待していたんで、ちょっと残念な気はした。
 

  50分ほど浜小清水の滞在時間があったが、あっという間にすぎ、網走行きの列車に乗車。

  やってきた網走行きは、11時45分発快速「しれとこ」。もっとも、1両編成のワンマンカー。

 
  車内は、混むというほどじゃないが、2人席に1人づつ座っているという状態だ。

  ずっと、以前は「しれとこ」は急行で2両はあって、車掌も乗っていたように思う。

 

  11時53分、北浜に到着。ここは、海岸にへばりつくようにある駅だ。流氷期には、駅のすぐそばまで流氷が覆っている。

   この駅は古いままの木造の建物だ。昔は有人駅で、駅長室であった部分が、「停車場」という食堂になっている。

  ホームには小さな展望台があったので、上ってみた。下は、列車を降りた後、すぐに展望台に上って、去っていく列車を撮影したもの。

 
 
  駅舎の内部には、側面も天井も一面、名刺で覆い尽くされている。旧広尾線の幸福駅は定期券で覆われているのは有名だが、北浜は名刺だ。

 扉は、「停車場」の入口。

 

  さて、まずは、「停車場」で食事。内部も鉄道に関係した装飾が施されていて、座席はかつての客車のシートを使っているし、上を見てみると、網棚があって昔風のかばんが置いてある。

 

 

 

 

  窓の外を見ると、すぐそばに流氷が見えた。さぁ、流氷を見ながら食事だ。

  

 

  メニューには書いてなかったのだが、入口の黒板に本日のおすすめとして、「オムライス デミグラスソース添え」が書いてあったので、それを注文した。

  運ばれてきたオムライスを食べてみると、小エビ、イカ、あさりの入った“海鮮オムライス”だった。なかなかの味で、普通の食堂では食べられない一品だと思った。先ほどの浜小清水とあわせてグルメ路線の旅をしている感覚になる。

 
    ホームから線路に降りて、さらに海岸側に行けば、すぐそこに流氷があるのだが、線路内立ち入り禁止の表示があり、ホームから直接に海岸に行くことはできない。

    駅から、浜小清水の方へ300mほど歩くと、海岸に出る道があり、線路を踏み切りで越えて海岸に出られるようになっている。

 

  このあたりまでくると、線路と海岸が少し離れている。踏み切りを越えたあと、100mほど、砂浜を歩くと波打ち際だと思われる場所に出る。もっとも、どこが波打ち際なのかはっきりしない。なにしろ、氷と土が混じっているので。

  ここでも、海のほうの風景は圧巻だ。どこまでも続く流氷はすごい。

 

 

 しばらく、流氷を眺めていたら、踏み切りの警告音が鳴り出した。

 列車の写真を撮ろうと線路のほうに向かっていくと、線路の近くに行き着くまでに列車がやってきた。

 ノロッコ号だった。先ほど浜小清水で下車した後、終着の知床斜里まで走り、そして逆向きの列車として戻ってきたのだ。

 

  踏み切りから駅まで300mほど離れているのだが、ズームを10倍にして、駅方向を撮ってみた。

  ノロッコ号が停車しているのがよくわかる。

  かなりの人が下車しているが、おそらく北浜駅前で待っている観光バスに乗車して次の観光地に向かうのだろう。

 
  このあと、道路を浜小清水方向へさらに300mほど歩くと、白鳥展望公園の案内があったので、その案内に沿って進んだ。

  白鳥展望公園は、ちょっとした高台にあり、雪の積もった中の上がり下りにちょっと苦労した。(高台に上る道が見えるのがわかるだろうか)

  

 

 

  そして、上がったところに展望台があったのだが、そこには白鳥は来ていない。下のトーフツ湖の白鳥を見るだけなのだろうか。ここは期待はずれだった。

 
  展望台を下りて、また200mほど歩いて、白鳥のたくさんいるトーフツ湖岸の白鳥公園に行った。

  たくさんの白鳥がやってきていて、羽を休めていた。エサをやる人が多く、たくさん集まってきているようだ。

  白鳥もこれだけ集まると壮観だ。しばらく群れに見とれていた。

 

 

  網走行きの列車の時刻が近づいてきたので、駅に戻った。

  13時10分発の普通列車の網走行きに乗車。網走着13時22分。

  3時間かけての浜小清水・北浜への流氷を求めての旅は大成功だった。

 

 

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