1日目  東 九 陵

 

 

ソウルへ


 ソウル1泊の旅。海外発券のループを維持するのが主目的の旅だ。

 2014年になって、海外発券のループを変更した。新しく始めたループはJALのソウル発大阪、東京経由のバンコク行きのビジネスクラス。

 最近は海外発券の値段上のメリットがほぼ失われたのだが、この航空券に限っては、日本発のアップグレード可能なエコノミークラスの航空券より若干安いので、ビジネスクラス利用を前提で考えればかなり安いといえる。

 今回はループの最終区間の大阪/ソウルを利用して訪韓し、復路は新たな航空券を使い始め、ソウル/大阪を利用したあと、大阪でストップオーバーし、次回のバンコク旅行で主要部分を利用するつもりにしている。

 出発2時間前にチェックイン。制限区域に入った後、サクララウンジへ。関空のサクララウンジも最近はいろいろ工夫していて、以前よりは充実している。今回も、すっかりおなじみになった「大阪もん」の犬鳴豚カツサンド、出しまき卵、野菜スティックをいただく。
 
 そして、カレー。前回、関西空港のサクララウンジに入ったのは5か月前。そのときはカレーはなかった。

 成田や羽田のサクララウンジのカレーは人気メニューだが、関西にはなかった。ついに関西にも登場。成田や羽田のカレーとは違い、肉がゴロゴロ入っていない(笑)。また色が黄色っぽい感じ。家庭でのカレーのようだ。でも、美味しかった。このあと機内食があるので、これだけにしておいたが、おかわりしたくなるものだった。成田や羽田は早朝にはカレーはないが、関西では早朝から出ている。
 
 
 上左  JL971に搭乗。26番ゲートは国内線エリアに一番近いところ。

 上右  年代もののスカイラックスシート。もっとも食事を終えると、もうシートを倒している時間はほとんどなかったのだが。

 左  弁当風の機内食。飲物は白ワインをいただく。

 
 海鮮飯におかずといった感じ。なかなか美味しかった。もっともこれだけ食べると、現地に着いてから昼食を食べられないのが難点なのだが。

 食事を終えて、15分ほどシートを倒していたが、早くも着陸態勢に入るというアナウンス。あっという間に金浦空港に到着。
 両替は以前、円高だった2008年ころ大量に両替したものがまだ残っているので両替はしない。10万円が150万ウォンであった。ところが、両替ブースを見ると何と920。久々に1000をきったのを見た。円高の前には800台を見たことがあるので、ほぼ最安値になっている。10万円替えても92万ウォンにしかならない。5年前、1万ウォンが667円であったのが、今は1万ウォンが1087円となり、約1.6倍になった計算だ。

 入国審査は先頭で通過。外に出て、まず行ったのは、出発エリアにあるコンビニ。ここ2、3回のソウル旅行と同じく、KTのプリペイドWIFIを購入した。3300ウォンで、24時間利用できる。すぐに横のベンチで設定。慣れたものですぐに通信できるようになった。

 このあと、地下の地下鉄9号線乗場(空港鉄道と同じ乗場)に向った。改札横のコンビニでプリペイドSIMの広告を見かけた。韓国では今までプリペイドSIMがなく、そのためKTのプリペイドWIFIを利用していたのだ。KTのプリペイドWIFIは便利なので、これより便利なら、次回の訪韓で使ってみたい。 
九里へ
 到着日の午後は東九陵(トングルン)を訪れることにした。朝鮮王陵の中では最大のもので、2009年に世界遺産になった直後に西五陵(シーウルン)は訪問し、ソウル市中心部にある宣陵・靖陵もその後に訪問している。しかし東九陵はなかなか機会がなく、機会をうかがっていた。ここは朝鮮王朝の初代である李成桂の墓があるので見ておきたかった。

 金浦空港から東九陵のある九里へは、どうしても2回の乗継が必要。行き方は何種類か考えられたが、乗換が一番楽そうなルートを考え、まず9号線で高速バスターミナルまで行き、3号線に乗り換え。
 
 3号線は漢江を渡るところが地上区間になっていて、久しぶりに漢江を見た。すぐに玉水(オクス)に到着。
 
 ここで国鉄中央線に乗り換え。中央線はかつては、ソウル市中心部の龍山~清凉里だけが電化されていて、乗車したことがあった。漢江に沿って地上を走る路線で眺めもよかった覚えがある。2005年に清凉里から先も電化され、次第に電鉄区間が伸びていった。現在は龍門までだが、将来は堤川まで電鉄区間になるらしい。画像は玉水の中央線ホーム。ソウルでもホームドアが一般的になってきている。
 
 
 
 上左  30分ほど乗車し、九里(クリ)で下車。金浦空港からは80分ほどかかった。

 上右  九里は4線あって、両端にホームがある。中央の2線は通過用。中央線の電鉄には朝のみ急行があるが、九里は急行停車駅だ。中央線の長距離列車が通る線路なのだろうか。

 左  九里の駅名標。九里などこの付近のいくつかの駅は、電化前は駅がなく、電化時に路線が変更になって駅が設置された。電化によってかなり便利になったようだ。
 
 
 九里駅近くの市街地。九里市の中心部だが、この付近を除くと住宅地で、ソウル市東隣のベッドタウンだ。

 東九陵までは2kmあまりあるようだ。バスもあるのだが、系統もわからず歩くことにした。
 ソウル近郊ならいたるところで見かける高層住宅の林立する地区をしばらく歩いた。歩いたおかげで、近郊都市の様子も垣間見ることができてよかった。

 30分ほど歩くと、東九陵の入口が見えてきた。そこを左折して100mほど歩くと入場券売場と門があった。
東九陵散策
 東九陵に到着。2000ウォンで入場券を買って、さっそく中に入った。14時50分。
 
 門を入るとすぐに歴史文化館(ヨクサムヌヮグァン)があり入ってみた。墓の作り方とか、朝鮮王朝の王の紹介とかが簡単に展示されていた。ビデオ上映もやっていたが、滞在時間の関係で見なかった。
 
 門の外側にあった案内図。図の下に門が書いてあり、右端に一番奥の穆陵(モンヌン)が書いてある。入場する前には距離感がつかめなかったが、実際に歩いてみると、この間は1.5kmほどだった。

 9つの陵墓すべてを回ったのだが、遊歩道だけで4kmほど、各陵墓の中で歩いた部分も含め5km程度歩いたと思う。かなりの広さで、以前訪問した西五陵の倍の広さがある。
 
 最大のみどころは、朝鮮王朝の創始者である太祖・李成桂の陵墓である健元陵 (コウォンヌン)だ。ここに来る途中にある2つの陵墓もちらっと見て、やってきた。

 朝鮮王陵の基本スタイルは、鳥居のようなホンサル門を入ると、王の道があり丁字閣がある。(上から見ると「丁」の字に見えるかららしい。)その背後に丘があって、丘の最上部に陵墓がある。

 下左  陵墓のある丘は穆陵(モンヌン)を除いて、柵がしてあって上れない。
 
 








 上  健元陵以外の陵墓は芝でおおわれているが、健元陵だけはススキでおおわれている。太祖は出身地の北朝鮮の咸興(ハムフン)での埋葬を希望したが、それがかなわず、かわりに出身地のススキを持ってきて陵墓に移植したとのこと。

 
 
 上左  穆陵(モンヌン)。14代の宣祖と王妃の陵墓だ。普通ならホンサル門に正対して丁字閣があるのだが、ここは少し左に曲がったところにある。

 上右  穆陵(モンヌン)は丘の上まで上れるので、上がってみた。

 左  丘の下から見ているだけではわからなかったが、陵墓は土台が石で造られていることや、周囲には護衛?などの石像が置かれていることがよくわかった。
 
 王妃の陵墓。王の陵墓と同じスタイルで、王の陵墓も丘の上部で同じように配置されていた。

 この画像は王の陵墓から撮影したもの。王妃の陵墓へも上がることができたのだが、いったん丘を下りて、また上がらねばならなかったので上がらなかった。
 
 丘の上から見た丁字閣。上がることができたのが、東九陵訪問の最大の成果だった。

  下左   さらにいくつかの陵墓を見た。元陵 (ウォンヌン)は、遊歩道が陵墓や碑閣の横を通っている。そのため、簡単に碑閣に入れる。元陵は21代英祖と王妃の陵墓なのだが、碑閣には22代の正祖、別称イサンの筆による碑文が残っている。イサンは韓国歴史ドラマで放映され、少しだが見たことがあるので身近に感じられた。なお、正祖の陵墓は水原市にあるようだ。
 
 
 上右  元陵 (ウォンヌン)。右手に写っているのが碑閣。

 左  このあと、いくつかの陵墓を見た回った。陵墓の間の道は森の中が多く、気持ちよかった。全部の陵墓を見終わり、門を出たのは16時50分。ちょうど2時間、東九陵を歩き続けたことになる。
夕食とって宿へ
 30分かけて九里駅へ。ソウルに戻り、どこで夕食をとろうかと考えていたが、かなりお腹がすいていたので九里で食べて帰ることにした。機内食のあと、何も食べていないまま、東九陵を歩き回ったのでお腹もすくはずだ。

 駅と専用通路でつながっているロッテデパートへ。フードコートでもあるだろうと予想してだ。
 
 料理名はよくわからないが、焼飯の上に、焼豚のようなものを載せたものをサンプルの指さしで注文。9000ウォンだったが、街中の食堂で韓国料理を食べるより割高な感じだ。

 洋風の料理だが、このようなものにもタクアンがついてくるのが韓国らしいところだ。でも、なぜキムチではないのだろうか。タクアンもすっかり韓国になじんでいるのだろうが、キムチにはかなわないはずだが。
 
 九里から中央線で25分ほど。回基(フェギ)で1号線に乗り換える。中央線と1号線は清凉里(チョンニャンニ)でも乗り換えられるのだが、清凉里だと地上ホームと地下ホームに分かれ移動時間がかかるので回基で乗換にした。

 画像は回基の1号線ホーム。このときはまだ明るかったが、地下を走る1号線に15分ほど乗り、宿の最寄りの鍾路3街(チョンノサムガ)で下車したときには暗くなっていた。
 
 夕食時にビールを飲めなかったので、コンビニでビールなどを買って宿に向った。

 今回は前回のソウル旅行に引き続き、セファホステル。
 
 前回と同じ305号室だった。前回泊まった時にはサービスが良くて好印象だったので、今回も泊まった。ただ、ここは古いので不便なこともあり、本当は別のところに泊まりたかったのだが、希望する宿が空いていなくて、という事情もあったのだが。
 
 シャワーを使ったあとで、コンビニで買ってきたビールとキンパプでリフレッシュ。

 

 

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