1  カ ン ク ン 到 着

 

自宅からホテルまで24時間の旅路

海外への出発地は、いつもは関西空港であるが、きょうは伊丹空港。成田空港乗り継ぎでアメリカン航空を利用するためである。カンクンへ行くのは、アメリカン航空が便利なのである。国内線がやや遅れたのだが、国内線が第2ターミナルであり、アメリカン航空は第1ターミナル。この間はバスで移動であり、荷物を持っての移動は結構たいへんだ。国内線が遅れたので、チェックイン、両替、出国手続と進むと、ほとんど休む間もなく、ダラスフォートワース行の搭乗がはじまった。

運悪く、通路側の席も窓側の席もとれず、間の席になってしまった。米国系航空会社の機内食はイマイチとの話はよく聞いていたが、確かに、今までに利用した航空会社の中では簡素な食事である。11時間以上の飛行で、昼食と朝食が供された。飲み物もアルコール類は5ドルということで、無料のコカコーラやジュース類ですませた。

しかし、機内のビデオシステムは今までに利用した航空機のなかでは、一番よくできていて、前の席の背もたれについているモニターで、何本かのビデオのうち自分の好きなものを選んで見ることができるようになっていた。結局、3本のビデオを見たり、飛行位置のマップを見たりして、退屈することもなく機内で過ごすことができた。

予定より10分ほど遅れてダラスフォートワース空港に到着。乗継時間は1時間32分なのだが、すでに1時間20分、成田で発券された搭乗券に書かれた、乗継便の搭乗時刻までは35分しかない。なのに、到着してから降りるまでに時間を要したりして、入国手続のところについたときには、あと20分に迫っていた。にもかかわらず、入国手続の列は少しづつしか進まない。しばらくして、カンクン行の客だけは、専用のゲートに案内されてそこで入国手続がおこなわれたが、ようやく入国手続が終わったとき、すでに搭乗時刻であった。

それから、荷物の受け取り、税関、荷物の再引渡しとやって、搭乗口にたどりついたら、座席の変更とかの手続きが行なわれて、結局、カンクン行に乗り込んだのは、出発時刻の15分前。単なるトランジットであれば余裕の乗継だが、米国入国という無駄な手順があって、トイレに行く間もない忙しい乗継を強いられた。結局、自分以外の乗継客を待って、15分ほど遅れてダラスフォートワースを出発した。

2時間30分ほどで、カンクン到着。カンクンではなぜか、荷物をうけとったあと、いったん出発便の客が待つエリアの中を通り抜けて入国手続の場所へ向かう。入国手続の列はしばらく並び、続いて税関。ボタンを押して、緑なら進み、赤なら検査があるようだ。自分は緑でそのまま進む。両替を行なったが、カンクン空港でのレートは、ほかの場所でするよりかなり悪い。必要最低限だけ両替して、あとはセントロに着いてから両替店などで両替するほうが賢明であろう。

カンクンのセントロまでバスで向かうが、ターミナルの一方の端が国際線の到着客の出口になっていて、もう一方の端に、セントロへ向かうバスの乗場がある。そのため500mくらい歩いて移動。バスのチケットを購入して、リビエラ社のバスでセントロにあるバスターミナルまで向かった。これからはじまる、メキシコ横断バスの旅の第一ランナーである。

30分ほどでセントロにあるバスターミナルに到着。少々、雨が降っていたが、バスターミナル近くで宿探し。バスターミナルの正面にもホテルがあったが、少し高そうだったんで、100mくらい離れた「カンクン・ロサ」というホテルにした。外観も内装もイマイチだったが、カンクンという場所柄かやや高め。メキシコ旅行を通じて、カンクンはホテル代が一番高いエリアだと感じた。それでも、クレジットカードが通用するんで、カード払いにした。

部屋に入ったのが、16時。日本とは14時間の時差があるので、日本では翌日の朝6時である。自宅を出発したのも朝6時だったので、自宅をでてからホテルの部屋に入るまでちょうど24時間かかったことになる。シャワーを浴び、しばらく休憩をとった。18時に食事に外出。途中、両替店に立ち寄った。大体1ドルが、11ペソになる。日本円で考えるときは、1ペソが10円と考えてよい。

行ったのはホテルから10分ほどの店。メキシコ旅行中、ほとんどの食事のたびに対面する、唐辛子ソースを初めて使ってみる。赤いほうはやや甘いめで、緑のほうはかなり辛い。メキシコでは、パン代わりにトルティージャが出てくると聞いていたが、ユカタン地方では、トルティージャではなく、トルティージャを揚げて切ったせんべい風のものがでてきた。料理がでてくるまで、これに唐辛子をつけて食べていた。ビール(セルベッサ)は、ソル。グラスがでてこず、忘れ られているのかと一瞬思ったが、まわりを見てラッパ飲みするのだと納得。

料理はどんなものかよくわからないまま注文し、出てきたものは、ソース状に煮込んだもの。こちらにはトルティージャ(とうもろこしの粉からつくった薄いパン)がついていた。ソース状の煮込み料理は、このあとも食べる機会があったが、自分にはどうもあわないようだった。

ビールを飲んだあと、メキシコ特産の酒であるテキーラを注文。竜舌蘭からつくった蒸留酒であるが、かなり度がきつい。わずかな量であったが、全部を飲み干すことはできなかった。メキシコで最初にして、最後のテキーラであった。

このあと、バスターミナルで明日のバスの出発時間を確認し、付近のネットカフェに入り、インターネットを楽しんだ。日本語は読めるけど、書くことはできない。そして、ホテルに戻り、歩いてでた汗を洗い落とし、そのあとすぐに就寝。

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