7  エ ッ サ ウ ィ ラ

 

 

 この日は、エッサウィラに日帰りだ。本来なら一泊したかったのだが、なんとも、あわただしい日程になったしまった。それでも、どうしても見たい海辺の街だ。

 お決まりのパンとコーヒーの簡単な朝食をとって、すぐにバスターミナルへ。朝日の赤と街の建物の茶色がマッチしている。バスターミナルもそうだ。

 8時にエッサウィラ行きがあり、ちょうどよかった。表示にしたがってバスを待っていた。なかなかこなかったが、やがてバスがやってきたので、乗車しようとしたが、、、

 どこへ行くのか、他の客から尋ねられた。エッサウィラだというと、バスが違うといっているようだ。だが、こちらは、言葉がわからない。結局、エッサウィラ行きのバスのところまで、連れて行ってくれた。いや、大感謝。

 念のために、ドライバーに行き先を確認。確かにエッサウィラ行きだ。

 危ないところだった。かろうじて空いていた席にすわるとすぐに発車かと思ったのだが、、、まだしばらく乗車したまま。満席になるまで動かさないようだ。客はみな耐えている。

 ようやく8時20分ごろに発車。まもなく郊外に出て、ほとんど一直線の道路を走る。眠くなりそうで、スピードも出やすい危険な道路だ。帰国後、この道路で大事故が発生したニュースがあった。

 半分ほど行ったあと、少し離れた子供がゲロを吐いた。親は吐いたあとに新聞紙をかぶせるが、臭いは充満。まもなく休憩で、休憩後、子供は席を変わったのだが、その少し汚れた座席には、事情を知らない新しい客が座った。 

 なんとか耐えて、11時すぎにエッサウィラ着。先に、17時のマラケシュ行きの切符を確保しておいた。

 エッサウィラの旧市街とバスターミナルとは1kmほど離れていた。ガイドブックにはバスターミナルが書かれていなかったので、大勢の人が歩いていくのについていった。

 やがて、ドゥガラ門に到着。この門をくぐると、突然、繁華街がはじまっていてびっくりした。

 城壁に囲まれた旧市街地はすごい人出。城壁外と、すごい違いがある。

 

 

  

 モロッコ人に混じって、外国人観光客も結構歩いている。
 

 路地に入って海岸のほうに向かって歩き始めた。とたに人通りが少なくなり、古い民家に挟まれて歩く。

 この街は、民家の壁は白いのだが、扉と窓は青いのが特徴だ。

 すでに、シャウエンで街中が青い壁というのを見てしまっているから、扉と窓が青いというだけでは、あまり強い印象は受けなかった。

 それでも、青は海の街らしい雰囲気がでていていいものだ。

 

 やがて海岸に達した。だが、城壁のために海岸は見えない。

 北稜堡の展望台にあがる。この展望台は、城壁の一部を使っている。

 城壁にあがるさい、土産物屋があったのだが、キャンバスに描かれた絵も売っていた。芸術家が集まると言われている街だけのことはある。

 展望台に限らず、城壁の上からは、海がよく見えた。

 

 海岸は岩石海岸になっている。打ち寄せる波は、岩石によって砕かれて、大きな波しぶきをたてている。

 でも、遠くに目をやると静かな海が広がっている。このはるか彼方にポルトガルがある、などと思いにふける。

 この城壁だが18世紀のスルタンによって作られたたものらしい。

 城壁の上には大砲が並んでいる。この大砲は使われたのだろうか。

 

 城壁のすぐ下の岩場にはかもめがたくさいいた。一部のかもめは、城壁の上までやってくる。

 このかもめ達、人間を全然怖がらない。近くで写真を撮るのも簡単だった。
 

 かもめ達とかなり長く過ごしたが、そろそろ昼食にしたい。

 城壁を降りたあたりのレストランに入り、メニューに書いてあったいわしのタジンを注文するが、今日はやってないと断られた。

 別の店に入ったのだが、今日は船が出ていないからいわしのメニューはないと言われた。

 結局、時計台近くの、オープンエアのカフェに入った。いわしの塩やきがメニューに書いてあり、今日もやっていることを確認した。冷凍ものなのだろうが、別にかまわない。

 まずは、サラダ。きれいに盛り付けてあるのは、モロッコでははじめてだ。
 

 そして、メインのいわしの塩焼き。味は、日本で食べるいわしの塩焼きと同じだ。単純な料理だが、これが美味しいのだ。

 丁寧に骨をとっていると、かなり時間がかかった。

 
 オレンジ。
 

 ムーレー・エル・ハッサン広場。ヨーロッパの雰囲気のある大きな広場だ。

 海の門。ここを抜けると港であった。
 

 港には、たくさんの船が留まっていた。さきほど、船が出ていないと聞いたが、なるほど、船はつながれたままだ。

 魚の水揚げをやっていると賑やかでいいのだが、観光客以外は、人がいない。

 活気のない港という印象が残った。

 だが、ここでかもめは健在だ。港の中を飛び回っている。

 右の旗は、船にとりつける旗なのだろうか。日本の大漁旗のようなものなのかもしれない。

港を囲む城壁の上から港を望んだもの。
 

 港の一角に、シーフードの屋台街があった。最初からわかっていれば、ここで昼食にしたんだけどなぁ。

 

エッサウィラは、また来たい街だ。今度は一泊して、この屋台で魚を思いっきり食べようっと。
 

 屋台街の南側には、砂浜が広がっていた。北側の荒々しい岩石海岸のすぐ近くとは思えない静かなビーチだ。

 
 再び、市街地に戻り、街歩き。この街は、旧市街地も碁盤の目のようになっていて、道に迷うことはない。

 次に博物館に行った。工芸品が展示してあるのだが、その特徴のわからない自分には珍しいものが並んでいると思うだけ。

 だが、建物自体は、興味のあるものだ。明かりをうまく取りいれた吹き抜けなったロビーに、きれいな階段。

 

 

 皮製品の店。

 

 この民族楽器は何というのだろう。

 土産物用のタジン鍋。小さなのを買おうか迷ったが、結局、壊れたら困るので買わなかった。
 

 レストランの看板も、この街では、タジンとともに魚も描かれている。

  

 土産物用のティーポット。
 
 17時発のバスは30分ほど遅れて発車。行きと同じところで途中休憩。
 

 マラケシュに戻ったのは21時前。エッサウィラ、すばらしいかったけど、日帰りでは苦しい。

 海鮮もののフライ屋にて。
 

 いわしのフライのセット。

 
 少し空腹だったので、さらに、卵サンドも食べた。ホテルに戻ると23時を過ぎていた。

 

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