PART1

1 日 目  タリンチャン水上マーケット

 

バンコクへ

 

 

 今回は往復夜行便でバンコクには2泊する。バンコクのスワンナブーム空港は乗り継ぎや空港からバスターミナルに即、移動するような利用方法ではかなりの頻度で使っている。でも、バンコクに泊まるとなれば、話はずいぶん違ってくる。バンコクに泊まるのは3年半ぶりだし、2泊するのは何と8年半ぶりなのだ。久しぶりのバンコク探索の旅なのだが、今回は水上マーケットなど水辺を回る旅を楽しもうと思う。

 伊丹からJAL最終便で羽田へ。国内線から国際線へは連絡バスを利用。

 保安検査はあまり待たなかったが、出国審査に少し列ができていたので、自動化ゲートを使って制限区域内へ。

 112番ゲートから搭乗なので、立ち寄ったところ先にサンフランシスコ行きがこのゲートから出発するようだった。そのあとでラウンジへ。

 搭乗まで時間があるので、シャワールームに向かい、予約をした。そのあとで夕食。ここで食事するために、自宅を出て以来4時間ほど、飲物以外は口にしなかった。22時に遅い夕食。

 左左  40分ほどして、ポケットベルでシャワーの呼び出しがあった。仕事を終えてからの出発便の場合、特に夏はシャワーを使えるのはうれしい。

 左右  シャワーか後はデザートをいただいて休憩。

 上左  1時15分に搭乗開始、1時35分発。羽田発のJAL夜行便の最後の便だ。

 上右  中央列に空席がちらほらする程度でかなりの搭乗率。非常口席がとれなかったので、中央ブロックの左側通路側のD列席を確保しておいた。D列席はひじかけが両側使え、満席でない場合は隣が空席である可能性が高いからだ。

 左  水平飛行に入り、飲物と軽食サービス。飲物だけいただき、おつまみは旅先にもっていき、パンは下げてもらった。

 このあと居眠りし続け、気がつけばベトナムが間近にせまっていた。フライトマップ以外はエンタテエイメント設備はまったく利用しなかった。

 やがて機内食。和食にしたら、5月に乗ったときと全く同じ、海苔弁当であった。おかずの箱の中身も同じ。でも美味しかった。

 到着前にトイレで服装を熱帯風のものにかえた。

 6時過ぎにスワンナブーム空港に到着した。

 入国審査、両替、荷物受取を短時間ですませ、税関を通って外に出た後、最初に向かったのはAISのカウンター。

 今回は350MBまでのネットと国際電話ができるSIMが350バーツと紹介され、それを購入。5月には469バーツのものを購入したのだが、一体何が違うのかよくわからないままだ。

 また、空港内で靴からサンダルに履き替え。靴と機内で着替えたズボンなどはホテルで預ける荷物に入れる。

 7時ごろのエアポートリンクの列車に乗車。

 下左  6時前の始発には何度か乗車したが、7時前の列車ははじめて。空港からすでに満席で、1つ目の駅で通勤客がたくさん乗ってきて、混雑しだした。

 下右  今回泊まるホテルの最寄駅はBTSアソークか地下鉄スクンビットだ。そのため、今回はマッカサンで下車して、地下鉄に乗りかえることにした。

 上左  マッカサンはエクスプレスラインのターミナルとして建設された駅なので、とても大きな駅だ。シティエアターミナルの役割をになっているが、駅でチェックインできるのがタイ航空などに限られていて、利用価値が低くあまり利用されていない。BTSに乗り換えられるパヤタイへ向かう客が多く、やがてエクスプレスラインは、マッカサンとパヤタイそれぞれに1時間1本が運転されるようになった。マッカサンは宝の持ち腐れみたいな感じになってしまっている。

 上右  マッカサンで下車して地下鉄に乗り換えるには300mほど逆行する必要がある。それも表示がなければ、どう動けばよいかわからないようなところを歩く。

 左  偶然、地上の国鉄線に列車が通った。本数の少ないアランヤプラテート行きだろうか

 上左  地下鉄ペッチャブリー駅。ここまで来るのに段差のあるところが多々あり、国鉄の踏み切りもあったので、ゴロゴロを引っ張って歩くには難がある。さらに、地下鉄は荷物検査があり、大きな荷物を持っている場合などは、開けさせられる。

 このことは以前、このコースをときにも経験していたので、パヤタイでBTSに乗換えようか迷った。でも、時間的には早いうえ、料金も空港から50バーツと格安(パヤタイ経由だと76バーツ)なのでこの経路をとった。次回はというと、乗換通路の難と荷物検査を考えるとパヤタイ乗継かなとか思う。

 上右  地下鉄ペッチャブリー駅にて。1駅だけ乗車し、スクンビット駅で下りる。

 左  今回泊まるのはジャスミン・エグゼクティブ・スイートホテル。地下鉄スクンビット駅、BTSアソーク駅から5分ほどだ。まだ7時すぎで当然、チェックインできないのだが、荷物を預かってもらった。少しの荷物だけ持ち、この日の目的地タリンチャンに向かった。

タリンチャン水上マーケット

 ホテルで荷物を預け、すぐにBTSアソークへ。BTSで10分ほど、チットロムで下車。

 5月のホアヒン旅行の最終日、少しだけバンコクを楽しんだのだが、そのときにセントラル・ワールド・プラザという巨大なショッピングセンターの前の停留所から、タリンチャン水上マーケットに向かう79系統のバスが出ていることを確認していた。

 10分ほど待っただけで79系統はやってきた。その間に、翌日に向かうつもりのコー・クレットに行くときに使う505系統のバスもやってきたので、翌日もこのバス停から乗ればよいと確認できた。

 バスはエアコン車であった。バンコクのバスも今やエアコン車が半分くらいになった。 運賃は17バーツ。

 車内ではi-phoneでバスの経路を確認しながら乗車。以前、行った国立博物館のところからチャオプラヤ川を渡った。茶色の壁のところで右折するので、そこで下りればよいというネット情報をたよりに下車。同時にかなりの客が下車した。乗車時間は40分であった。

 バス下車のあと、バスは右折するが、客は左折していくので自分もそれに従う。バス停から屋台がすでに並んでいることからも水上マーケットの方向がわかる。
 やがてテントに覆われた中を歩くようになり、歩きやすくなる。
 やがて河畔に出た。ボートは調理場として利用されていて、そばの「はしけ」の上に座席があって、注文したものを食べるような仕組みになっている。
 調理しているボートの向こう側に写っているのは「はしけ」、だから川に浮かんでいるのである。この上に客席があるのだ。

 さらに川沿いに少し歩くと、9時45分発のボートトリップが出発するところであった。次のボートトリップは10時45分だということで、それまでに食事をすることにした。昼には少し早いが、朝食は5時ごろにいただいた機内食なのでちょうどいい。

 ここの名物は、なまずの塩焼のようだ。大なまずに棒が刺され焼かれている。行く前には、食べてみようかとも考えていたが、あまりに大きく、食べ切れなさそうなので取りやめた。

 エビとカニも焼いていたので、エビとカニが食べたくなった。

 エビは5尾で200バーツ、カニは2匹で90バーツ、なまずを含む魚は1匹170バーツ。

 魚に比べて、エビとカニはかなり高いので、迷ったが、食べていけ〜(だと思う)といわれ、やはり食べることにした。ただ、エビは2尾、カニは1匹にしてもらった。どういう計算だかわからないが、150バーツ。まぁ、計算より安いのでいいか。

 焼きたてなので美味しかったのだが、身はそれほど入っておらず、これだけで150バーツはちょっと高い買い物だった。
 食事処になっている「はしけ」の上の様子。
 まったく食べ足らなかったので、屋台街に引き返して、もう少し何か食べることにした。

 バナナを切って、串にさして焼いていた。

 バナナを切らないで、そのまま焼いて食べるのは、カンチャナブリやコラートで食べている。串にさして、しかもタレをつけて食べるようなので、試してみることにした。

 さらに、ここでは串に刺したバナナを、「押し器」で平べったくしている。まな板に見えるのが「押し器」で、2枚の板からできていて、上の板を持ち上げて、串を置き、押して平にしていた。

 できあがったバナナ串。タレは甘酸っぱいものだった。5本で20バーツ。
 ドリアンの屋台。ハリネズミが丸くなっているような感じだ。

 小さいのが250バーツ、大きいのが300バーツ。丸ごと以外に、切って中身を取り出してトレーに乗せたものも売っていた。これなら食べられそうだと思い、はじめてドリアンを食べてみた。

 切っているところ。外側の皮の内側に食べられない部分がとても厚くあって、その中に実があることを初めて知った。大きなドリアンでも食べられる実は4、5個といったところか。
 はじめて食べるドリアン。異臭がするが、耐えられないほどではない。

 味は甘いが、とても濃い感じで、全然フルーティーじゃない。アボガドやクリームチーズのような食感で、ねっとりとしていて、口や手にまとわりつく。芋や栗がねっとりした感じといってもよいか。まぁ、一度食べられただけで満足でもう食べることはないだろうな。

 10時30分になっていたので、ボートトリップのほうに向かう。

ボートトリップ

  10時45分出発のボートトリップのチケットを買い、乗場で待つ。

 ボート乗場のすぐ上をタイ国鉄南本線の鉄橋が通っている。水上市場に滞在中も2度、列車が通過する音が聞こえていた。そのたびに列車を撮影できないのかと思ったが、位置的に難しく、ここでは列車は撮影できなかった。

 ボート乗場のすぐそばにも調理用のボートと「はしけ」の上の食事場所がある。

 この写真のところはとくになまずが多くいて、エサを投げると大量のなまずが集まってきていた。

 料金は99バーツ。
 定刻にはボートがやってこず、少し遅れ10時55分に出発。
 運河にそって、家の裏口が並び、裏口からはボートに乗れる構造になっている。大きな家の場合は自家用ボートが設置されている。
 なかには湿地帯の中に家が並び、運河と反対側で陸上の行き来ができ ない家もあった。 写真の一角は運河に面して玄関があり、完全に陸地とは離れて建っていた。ボートだけが交通手段だ。もう、これにはびっくりだ。不便なことはないのだろうか。

 運河に沿って電柱が立ててあって、運河は道路代わりのようだ。

  ボートは寺の境内の中にあるパン屋のようなところに横付けされた。下船して寺の見学かと思ったら、売り子が食パンを売りにきた。客は競って食パンを買い求めた。20バーツのようだ。美味しいパン屋さんがあるのかなと一瞬思った。

 ところが、パンを買った客は次々にパンを運河に投げ入れるじゃないか。なまずがパンを求めて集まってくるさまはすさまじかった。なるほど、食パンはなまずのエサだったのだ。

 寺では10分ほど停船しただけで、すぐに出発。

 やがて、食べ物を積載したボートとすれ違った。物売りじゃないボートが横付けされている。水上販売のボートにほかのボートが買い物のために立ち寄っているのだろうか。

 住民向けの食べ物売りのボートははじめて見た。すたれたとはいえ、まだ運河での水上販売は生きていたのだった。

 さらに運河を進むと、とても小さな水上マーケットに着いた。あとで調べたら、ワット・サパーン水上マーケットだった。

 

 運河の入り江にボートがつき、地上の人に食べ物を販売している。

 完全にローカルな水上マーケットで、ボートでやってきた客を除くと地元客専用のような感じだ。

 さつまあげのようなものを売っていた。何かよくわからないが、食べてみることに。
 バナナの葉でつくられた椀にさつまあげとキューリが入れられ唐辛子ソースがかけられている。いゃぁ、辛いのって何って。ソースをよけて、食べてちょうどいいくらいだった。
 さきほど食べたバナナの串焼きとともに、バナナの葉で包んだ何かが焼かれている。

 1つだけ買ってみる。普通は5つで20バーツのようだったが、食べられなかったら困るので、あわてて1つというのをジェスチャーで示し、1つだけ売ってもらった。4バーツ。

 バナナの葉を開けると、中に入っていたのは、ココナツミルクで炊いたようなご飯。餅米ではないが、ねっとりとしている。ご飯の中にはタロイモらしきものが入っていた。
 ワット・サパーン水上マーケットでは30分停船したのち出発。

 幅の広い幹線の運河から狭い運河を通って別の広い運河へ移動。タイでは主要な道路をタノン、タノンに交わる横丁をソイという。運河も同じような構造になっているようだ。

 主要な運河沿いには、ボートの客向けに営業している商店も何軒かあった。商店の前では自家用ボートでやってきた客が買い物をしていた。
 自家用ボートの艇庫をもつ家もある。 
 ボートから何か買っている客だろうか。
 ボートのエンジンなどを修理する店も見かけた。
 ボートトリップのボートと同じくらいのやや大きい目のボートにいろいろなものを載せているボートもあった。これも地元客向けに販売するのだろう。
 タイといえばオーキッド(蘭)。オーキッド・ファームで20分ほど停船。ここで蘭を買っていた客もいたが、自分はちょっと退屈だった。
 タリンチャン水上市場に戻ってきた。13時50分。3時間弱のボートトリップはとてもよかった。3時間乗って99バーツとは、とてもお買い得だ。

 バンコクは”水の都”といわれることがあるが、その様子をはじめて知った。民家の裏口などを見て回れて、ボートに乗ってとてもよかった。

ホテルに戻りターミナル21へ

 タリンチャン水上マーケットをあとにホテルに戻ることにした。バス停に戻る途中、辛そうな鶏肉を焼いていたので味見していく。
 柔らかくて食べやすかった。激辛ではなかったので、唐辛子もたいしたことないかなと思って食べたら口の中が火事になってしまった。10バーツ。
 あっ、と思った。ネット仲間のヒョウちゃんが紹介していたアイスキャンディー製造機だ。さっそく試すことにした。
 赤、茶、緑など5色ほどあったが、緑のを選んだ。あまり甘くない。素朴なアイスキャンディーだった。10バーツ。
 帰りのバスは20分ほど待たされた。待っている途中、逆方向のバスが2台続けてダンゴ運転しているのも目撃したので、約10分間隔なのだろうが、すぐくることもあれば、20分ほど間があくこともあるのだろう。

 バスの向こうには、下車するときの目印になる茶色の壁がある。バスは行きと同じくエアコンバスであった。

 乗車時にはイセタンの中にある書店に行こうと思っていた。それでイセタンと言って切符を購入。行きと同じく17バーツ。

 79系統のバスは起点部分ではループで運行していて、イセタンに着く前にBTSサヤームに停車した。15時30分、バスは行きと同じく40分かかった。駅前なので、少し歩く必要のあるイセタンの書店は翌日回しにして、この日はBTSでホテルに直行することにした。

 16時にホテルに戻り、しばらく休憩することにした。チェックインし、指定されたのは23階の部屋に向かう。

 かなり大きな部屋で、パソコンを利用するのに便利そうなデスクやソファなどがある。円安のため日本円では少し値上がりしてしまったっが、それでも朝食付きで約6800円。バンコクでは部屋やホテルの位置にこだわらねば、この半額でも泊まれるが、この部屋で6800円なら、BTSと地下鉄の両方を利用できることもあわせて、ここを定宿にしてもいいかなと思った。

 利用することはないが、簡単な調理もできるようだ。冷蔵庫も大型なのがよい。

 バンコクではサービスアパートが多く、この旅ではサービスアパートに泊まろうと思っていたが、この部屋ならサービスアパートとかわりない。

 窓からの眺望。東向きの部屋であった。都心とは逆方向なのだが、高層ビルが多いことがわかる。

 少しネットを楽しんだあと、1時間ほど眠る。

 19時に部屋をでて、BTSアソークに直結している新しいショッピングセンター「ターミナル21」へ行ってみた。夕食もここの最上階にあるフードコートでとることにする。

 ここの特徴は、ビル全体では空港のターミナルをテーマにしていて、さらに各階ごとに世界のいくつかの都市をイメージしたつくりにしていることだ。

 都市は、駅から直結している1階がパリ、2階が東京、3階がロンドン、4階がイスタンブル、5、6階はサンフランシスコ。また、地上階であるG階がローマとなっていた。

 各階ともその都市の雰囲気をかもしだしていたが、東京は一番、その雰囲気を伝えていたのじゃないだろうか。少し時代遅れしていて、力士のはりぼてや鎧や巨大招き猫があったりと、外国人が東京に対してもつステレオタイプ的な感じはしたが。

 ちょうちんがたくさんぶら下げられていたが、どうして「しあわせ」「嬉嬉として」なのだろう。

 「奇想天外」「完全無欠」「共存共栄」ばかりが並んでいたエリアもあった。意味をわかってぶらさげているのだろうか。

 山手線の駅名がここかしこに書かれているエリアもあった。「原宿」「日暮里」「駒込」「大崎」、、、駅名がカラフルな色彩を伴って書かれている。

 販売している品物は言えば、東京の階に関して言えば、大部分の店舗は女性用の洋服を販売していた。日本語のパネルと洋服、何ともアンバランスな感じがした。

 フードコートで食事をするため、最上階に上がった。大きな金門橋の模型が置かれていて、サンフランシスコの雰囲気を出していた。

 6階には大きなフードコートがあるが、PIER21という店名であった。これもサンフランスコの軽食ラストラン街であるPIER21から名づけられたものだ。

 利用者はプリペイド式のカードに希望金額をチャージしてもらい、各ブースで食べものを買ったさいにカードを渡すと、消費した金額を支払えるという仕組みだ。この方式はほかの街でも経験しているが、どこだったか急には思い出せない。
 バッタイ。
 トムヤンクン味のカオ・パット。激辛だったので、要注意。

 100バーツをチャージしてもらってていたが、2種類の皿で80バーツで、20バーツあまる。この分はカードを返せば返金された。

 ターミナル21を各階とも見て歩くと結構時間がかかった。

 フードコートではビールが飲めない。タイでは他のフードコートでもアルコール類の販売はしていない。そこにビールなどを持ち込むのは注意されるような行為なのか、あるいはかなわないけれども恥ずかしい行為なのかもしれない。

 ホテルへ戻ったあと、今回のホテルプランには、タイビール2本がついていることを思い出した。冷蔵庫にはシンハービールが入っていて、それが無料なのか。フロントに電話して確かめたら、その通りだという。そこで1本とりだして飲んだ。

 長い1日だった。おやすみなさい。

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