日 目   台  東  へ

高雄から知本へ

 宿を6時15分に出発して高雄車站に向かった。途中、コンビニで朝食の握り飯などを買っていった。

 6時40分発の台東行きの莒光に乗車。このあと7時10分発の自強があるのだが、出発前にネットで切符を購入したときにはすでに満席になっていたのだ。30分後に出発する自強のほうが26分早く知本には着くので、1時間近く乗車時間が違う。

  下左・下右  高雄・台東の往復切符。ネットで購入し、前日に引換えたもの。往・復は「去・回」、ネット購入は「訂刷網」、発・着は「開・到」などがわかる。

 高雄車站にはとても長い跨線橋がある。駅の裏口にあたる後站に近い側にホームがあるので、かなり歩かされる。でも、地下化すると、この跨線橋も歩けなくなる。

 下左  ディーゼル機関車に牽引された莒光が入線。

 下右  乗車した列車。

 莒光の車内。高雄出発時点ではガラガラであったが、停車駅ごとに乗車があり、いつのまにか満席になっていた。

 枋寮・台東間は南廻線で、開業は1992年と台湾一周の鉄道の中では最後まで残っていた区間である。台湾山脈を横断したり、山地が海岸に迫る区間が続くので、トンネルが非常に多く、人口希薄地帯なので駅は少ない。また自強、莒光はそこそこ本数があるが、各駅停車の区間車はわずかしかない。

 コンビニで買って車内で食べた握り飯。
 大武站で後発の自強が追い越すため15分ほど停車した。大武站は東海岸に出たところで、山地が海に落ちているような感じのところに位置する駅だ。やがて自強が猛スピードで追い越して行った。
 ところどころで川を渡る鉄橋があるのだが、どの川も河原が非常に広い割に水が少ない。大雨のあとなどは、水量がかなり多くなるのだろう。
 9時47分に知本着なのだが、5分ほど延着。温泉に行く客だろうか、ほかの駅よりは下車した客が多い。

 下左  知本站。

 下右  20分ほど待って、駅前から知本温泉行の鼎東客運のバスに乗車。

知本温泉に入湯

 バスに乗って10分、知本温泉の温泉街に入ってきた。知本温泉は川沿いに細長く温泉街が続いているが、川の下流と上流に主な温泉街が分かれている。

 この画像は下流の温泉街で外温泉ともいわれる。こちらは大型の温泉ホテルが並んでいる。大部分の宿泊者はこちらの温泉街で泊まるのだろう。

 バスの客も大部分が外温泉に行くのだろうか、乗客は自分を入れて3人になってしまった。さらに10分ほどバスは川沿いに上流に向かった。

 突然、バスは空地に入り、そこが終点の内温泉であった。内温泉は、小規模な宿がならぶひなびた温泉街である。今回はこちらの温泉街の宿で入浴するつもりでやってきた。

 バス停のすぐそばに、森林遊楽区があり、入浴の前に少し散歩してみるつもりだ。

 ところが何と、バス停のそばに「観林吊橋毀損禁止遊客進入」との表示があった。森林遊楽区の出口がここなのだが、吊橋がこわれていて、ここに出てくることはできないということだ。森林遊楽区は散歩のあと、入ったところから出なければならないのだろう。

 下左  バス停から5分ほど歩くと森林遊楽区の入口。

 上右  森林遊楽区の中は歩道が整備されていて歩きやすい。吊橋が渡れないので、散策コースを途中で引き返し、入口から出た。

 左  入浴のために最初に向かった宿の露天風呂。最初はここで入浴するつもりにしていて、水着と帽子も持参していた。ところが、森林遊楽区を出たころから雨が降り出したのだ。傘があったほうがいいくらいの雨脚で、露天風呂に雨の中で入るのも嫌だなって思い、ここで入浴するのはとりやめた。

 雨の中、バス停まで引き返し、さらに下流側に向かって歩くと、5分ほどで龍泉山荘という宿があったので、ここで入浴してみることにした。
 さきほどの露天風呂は100元だったが、この宿での入浴は600元とかなりの値段差がある。

 しかし、宿泊客と同じように個室に案内してくれたし、何よりかなりの雨になっていたので、ここで入浴してよかった。

 水も出しながら適温でお湯をはるのに10分ほどかかった。色は透明だが、ほんのわずかに硫黄のにおいがして、温泉の気分が出る。なめてみるとわずかに苦味と塩味を感じた。また、少しヌルヌル感もする湯であった。

 浴槽の中には、寝ころぶことができるように傾斜がついていて、思い切り体を延ばすことができた。

 足を延ばしてホントいい気分にひたれた。お湯に浸かって少し疲れたかと思えば客室のほうで休んだりして、1時間余りをすごした。

 台東に向かうバスの出発時間が近づいてきて、山荘を退去したが、もう少し温泉に浸かっていたかった。

 さきほどのバス停に戻り、12時50分発のバスに乗車。知本站を経由して台東まで40分ほどかかった。

台東街歩き

 鼎東客運のターミナルに到着したが、あいにく小雨。傘をさしての街歩き開始。

 本来なら1泊してゆっくり歩き回りたいのだが、17時10分発の列車に乗って高雄に帰れなばならないのだが残念。駆け足での街歩きに出発。

 もともと旧正月で人通りが少ないうえに雨となって、歩いている人が少ない。台東の中心部なのだが。
 昼食をまだ食べていなかったので、数少ない開いていた食堂で昼食。

 看板やメニューにはいろいろな料理が書いてあるのだが、メニューを指さして注文していくとほとんどの料理はできないことがわかった。それならそれで、出せるメニューを書いておけばいいのに。

 下左  魯肉飯。

 下右  燙[湯のしたに火]青菜。茹でた青菜ってことか。

 上左  旧台東駅舎へ。1992年の南廻線開業までは、この駅まで列車が入っていたが、南廻線ができるとともに郊外の新站に台東站が移転した。

 その後も、鉄道芸術村としてかつての台東站が保存されている。

 上右  かつてのプラットホーム。

 左  かつての駅名標と車両。

 続いて向ったのは海浜公園。公園というよりは、太平洋に面したただの海岸。
 天后宮。正月のためか参拝者でにぎわっていた。

 16時30分近くになり、タクシーで郊外の台東新站に向かった。台東はまた来た時にゆっくり街歩きしてみようと思う。 また、台東の近くには知本温泉以外にも温泉がいろいろあるようだし、秘湯めぐりもしてみたいし、沖合の島の緑島も行ってみたい。

台東から高雄へ

 台東新站。かなり大きな駅だ。街の中心から5km以上離れていて不便だ。どうして旧台東站を使うのをやめてしまったのだろう。

 下左  少数民族の多い地区で、木像や玄関上の絵が特徴的である。

 下右  池上弁当の店があり車内で食べるために買った。

 乗車する莒光を牽引するディーゼル機関車。

 下左  乗車した列車。

 下右  17時10分発の莒光。この列車は定期列車ではなく、旧正月の3日間だけ運転の臨時列車だ。

 上左  乗車時はガラガラだたったが、ほかの駅からも乗車があり、次第に満席になっていった。

 上右  駅で買った池上弁当。

 左  列車が発車後すぐに食べ始めた。

 左左  乗車した車両には給湯器がついていた。今まで給湯器がついている車両があるとは気づかなかった。

 左右  給湯器の上についている紙コップ。

 20時40分、高雄着。宿に戻り、早朝から夜までかかって台東を日帰りした一日を終えた。

 

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