1 日 目  高 雄 へ

 

スクートで高雄へ
 台湾南部の旅となると美味しいものが豊富にある台南がメインになってきた。でも、出入口と考えていた高雄もグルメな街であることがわかってきた。それで、高雄に泊まる旅を計画し、以前から乗りたいと思っていた台鉄の南廻線、屏東・台東間の普快車にも乗ろうと考えた。台鉄の普通列車は今や、冷房のついた区間車がほぼすべてで、非冷房の普通列車である普快車は1往復が残るだけなのだ。

 関空・高雄の往復には、1年ほど前から運行しだしたスクートを初利用することにした。スクートはシンガポールのLCCで、高雄は経由地であって、最終目的地はシンガポールという便を利用する。
  スクートはLCCながら、利用機種を大型で最新のB787に統一している。中距離の路線をメインにしているためだ。それで、一度は利用してみたいと思い、スクートを選んだ。

 とはいえ時間帯がよくない。17時すぎの出発で、高雄には19時台の到着だ。何とか、夜市には行けるが、あまりウロウロする時間はない。一方、復路は高雄発が昼頃であるので、帰国日は朝食を外食すれば、あとは帰るのみという感じだ。そのために、スクート利用は今回限りと初めから考えての利用だ。おそらく2度目はないだろう。
 関空には14時30分ごろに到着して、スクートのチェックインを行った。少し列ができていたが、10分ほど並んでチェックインできた。

 このあと、すぐにでも、プライオリティパスで入場できる大韓航空ラウンジへ行きたいところだが、残念ながら14時から15時30分までは閉鎖なので、しばらく空港3階にある書店で暇つぶしした。いつのまにか、この書店も規模が半分くらいになっていた。

 5分前にラウンジへやってくると、すでに数人が待っていた。15時30分になるとともに扉があけられ、入場。
 16時まで30分ほど休憩。カップヌードルにおにぎり、パンといつも同じメニューだが、しっかりいただいておく。ビールもいただく。高雄に到着後、夜市に向うつもりだが、それまで何も口にできないと思われるからだ。

 スクートの機内販売で売られる機内食やビールが異常に高いのだ。LCC各社の中では一番高く、缶ビールが700円ほどだ。(スクートビズという、ビジネスクラス的なシートなら、機内食や飲物が無料) 値段が高いのと、高雄に到着後、夜市で食べ歩きしたいという理由で機内販売は利用しないと考えたのだ。
 
 ラウンジでゆっくりしたいところだが、大韓航空のラウンジは制限区域外にあって、まだこれから保安検査、出国審査が待っている。そのうえ、LCCならではの現象で搭乗時刻が早めに設定されているため、16時になるとともにラウンジを退出。

 保安検査場で少し待たされたものの、指定された搭乗時刻の16時20分を5分オーバーしただけで搭乗ゲートに到着。予想はしていたが、5分オーバーでも搭乗はまだ始まっていなかった。さらに5分ほどしてから搭乗開始。
  初利用のスクート。他のLCCよりは大きいことがわかる。

 下左  機内も通路が2ヶ所あり、LCCとしては初めてだ。

 下右  シート間の幅はほかのLCCと同じ位かな。

 通路側で予約していた席につき、隣席の客が内側に入るのを待っていた。客がやってきて、すぐに席を代わってほしいとの依頼をされた。前方に席がない、非常口席と代わってくれないかというkとだ。非常口席には友人が座っているようだ。ありがたく席の交換に応じた。
 非常口席。台湾人にこの通路側の席と代わってほしいと言われ、交換に応じて、この通路側に代わった。この席は、一般席より少し料金が高くなっている。喜んで交代した。
 
 前の席がないので、足を伸ばせるのがいい。

 最前列席のうち、左右のドア側は足元に何もないのだが、中央のブロックでは最前列席のすぐ前は壁になっている。ちょっと難だと思ったのは、中央ブロックの最前列の前は、客がよく通り、半ば通路化しているのだ。左右にある通路を連絡するための通路が、この非常口のところにはないのだ。だから、トイレに行くために、最前列の客のすぐ前を通る客が絶えない。これだは、最前列の客はたまったものじゃない。ここには、通路をつけるべきだろう。席を増やすために、通路を設けなかったのだろう。LCCとしては、高評価したいスクートだが、この点だけはいただけない。
さっそく自強夜市で食べ歩き
 スクート機内では台湾の入国カードが配られなかった。いつ配るのかと思いながらすごしたら、シートベルト着用サインがでて、尋ね逃してしまった。いつもそうなのか、利用時にたまたまだったのかは不明。

 19時31分に到着。到着便の便数は桃園空港に比べてずっと少ないが、それでも20分くらい待たされそうな行列ができていた。入国審査場で入国カードを書き、常客証のゲートへ。こちらは誰も並んでおらず、すぐに入国できた。

 
 
 
 
 上左  到着ロビーに出るとすぐ目の前に携帯会社のブースがある。以前は2階の出発ロビーに上がらなければならず、わかりにくかったのだが、ずいぶん便利になった。中華電信のブースを目指したが、接客中で、隣の台湾大哥大から手招きされ、台湾大哥大の3日用SIMを購入。今回は4日間の旅だが、台湾の場合は3日用とは72時間有効なので問題ない。

 上右  空港直下にあるMRT(地下鉄)の高雄国際機場站に行き、市内に向う。MRTで市内に直結しているのが高雄のいい点だ。15分ほど乗車して、中央公園站で下車。20時半になり、ホテルに行く前に夜市で食べ歩きしようというわけだ。中央公園站は地上に出ると、出入口付近がテント風の屋根で覆われている。ここから自強夜市に向う。

 左  駅を出て公園の南側を15分ほど歩くと、大立百貨のビルがある。LEDライトでの動きのある照明が美しい。
 
 自強三路を南下。この道の両側に店が並ぶのが自強夜市である。別名は苓雅夜市。屋台もところどころに出ているのだが、常設の店が中心になった小さな夜市だ。

 この中で最初に目指したのが、潮州手工餛飩麺。店頭に調理場があるワンタンの店だ。
 
 店内の様子。
 
 餛飩乾麺、餛飩湯麺、丸子乾麺、丸子湯麺、蔬菜乾麺、蔬菜湯麺とあり、本当は麺を食べてみたいのだが、他の店でも何か食べたいので、麺はやめ、餛飩湯にした。30元。

 スープに味はあまりついていないが、餛飩の餡には濃い味がついている。
 
 引き続いて向ったのは南豊魯肉飯。餛飩の店から少し南に行ったところだ。高雄で魯肉飯と言えば、っていう有名店なので行ってみたかったのだ。

 店頭が調理場なのだが、調理場のスペースがかなり広い。
 
 食べるスペースは調理場のそばの屋外にもあるが、別棟の建物の中にもあり、テーブルが置かれている。かなりきれいで、最近できたのかもしれない。注文票に食べたいものに皿数を書くのは、台湾では標準だが、書いたのを調理場まで持っていくようだ。

 ところが、注文票を渡すと、何やら言われてしまった。どうやら、テーブルの番号も書かないとダメなようだ。そりゃ、調理場から運んできたときにどのテーブルなのかがわからないな。テーブル番号を書いて渡すと受けとってもらえた。
 魯肉飯。大きな豚の角煮がのっかっている。魯肉飯といえば、豚肉のそぼろがかけてあることが多いが、ここの店では、そぼろも少しかけてあって、その上に大きな角煮なのだ。つけものものっている。角煮は柔らかく味がしみて美味しかった。

 この店にも、豚肉のそぼろご飯はあるのだが、そちらは肉燥飯としている。魯肉飯と肉燥飯は、同じような意味で使われる場合もあるが、この店では明確に区別されている。(別の店では、どちらもそぼろご飯で、味付けで区別している場合
もあるようだ。) 

  魯肉飯は45元、肉燥飯は30元と妥当な値段差がある。なお、この店は、持ち帰りは5元高いようで、持ち帰りだと魯肉飯は50元、肉燥飯は35元だ。
 
 苦瓜封湯30元と魯蛋10元。

 苦瓜はゴーヤと同じ。苦瓜封は、ゴーヤの種の部分をくりぬいて、その中に魚のつみれを詰めたもの。苦瓜封湯は、そのスープだ。あっさり味で魯肉飯によくあった。

 魯蛋は煮卵。長時間煮込まれているため、味がしみ込んでいて、白味の部分の全体が外側と同じように茶色くなっているのが特徴だ。
 自強夜市から15分ほど離れたところにあるのが、興中夜市。こちらも、道路の両側の飲食店が夜でも営業しているのが中心の夜市で、屋台は多くない。小規模な夜市だ。人出は自強夜市よりも少ないかな。

 
 台北米粉湯という屋台で食べることにした。米粉は米で作った麺、ビーフンのこと。米粉湯は、麺がビーフンであるスープ麺ということだが、店で出しているのはビーフンだけではなく小麦の麺も出していた。
 
 陽春麺というのがメニューにあって、どのような麺なのか気になったので注文してみた。米粉もそのほかの麺類も湯麺と乾麺があるのだが、もうかなりお腹がいっぱいになってきているので陽春麺の乾麺を注文。

 帰国後に調べたら、具の入っていない安い麺のことらしい。確かにほとんど具がなかったが、わずかに細く切った焼豚が3きれと、もやしが少々申し訳のように入っていた。これは小で30元。大だと45元。
 
 油豆腐湯20元。油豆腐は揚げ豆腐のことのようだが、スープに入っていたのは普通の揚げてない豆腐だった。スープもまったく油っぽくないスープだった。

 下左  最後に生ジュース屋へ。成功哲学という店名もなかなかいい。

 下右  フルーツのぶつ切りがジュースの中に浮かんでいる。
 
 
 
 上左  三多商圏站から再びMRTに乗車してホテルに向う。このとき、すでに23時半ごろで、乗車したMRTは終電の2本前の電車だった。

 上右  後駅站で下車。後駅とは、後站と同じ意味だろう。台鉄の高雄車站は、陸橋で前站と後站が結ばれ、裏口にあたる小さな駅舎が後站である。とはいっても、MRTの後駅站は、高雄車站の裏口から500mくらい離れているので、イメージ的に後駅という名はしっくりこない。近い将来、高雄車站は地下化で、後站もなくなるが、MRTの後駅はそのまま残るのかな。

 左  後駅站から5分ほどで、徳立荘酒店 高雄博愛館に到着。チェックインをすませて部屋に入ると同時に日付がかわった。今回はこのホテルで3泊する。(ホテルの写真は翌朝撮影し、部屋の写真は撮影に失敗したのか、残っていない。残念。)

 

 

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