3 日 目

 

 3日目の朝食は、2日目とは別の小宴会場で食べるようになっていた。

 ここもレトロな雰囲気が残っていた。テーブルごとの番号札は、ヤマトホテル時代のものらしく、年季を感じさせる。壁についていた紋章は何か不明。

 

 朝食後、帰国のため、荷物を整理し、外出から戻ればすぐにチェックアウトできるよう整えた。そして、ホテルから近い瀋陽站まで往復。途中で歴史的建築を見ていくことにした。10時30分にはホテルに戻りたいので、2時間の散策。

 ホテルから中山路を少し瀋陽站のほうに歩くと、すぐに松林公司がある。

 窓の部分に広告が入ってるのが残念。どんな窓の形をしているのか見たかったのだが。

 ライオンの顔の飾りが外壁に取り付けられている。何か意味があるのだろうか。

 

 もと満鉄の社宅だったアパート群。かつては瀋陽站の近くに多数あったらしいのだが、再開発のために今や風前のともしび。

 下の画像の遠方に工事中の様子が見えている。このエリアには数棟のアパートがあったが、いづれ再開発のために姿を消すであろうことは間違いない。

 

 アパートの窓を使って営業している店もあった。

 付近は庶民的な商店街になっていて、その店の一部がアパートの一階を使っているのだ。

 左 アパート内の階段。

 右 アパート内の廊下。

 すでに住人がいない部屋も多いようだ。

 やがて瀋陽站に到着。駅舎は満鉄が建造した赤煉瓦造りである。駅の開業は1899年だが、この駅舎が完成したのは1910年。

 雰囲気が東京駅に似ている。瀋陽駅の設計者、太田毅は、東京駅の設計者、辰野金吾の弟子で、建築様式は辰野式と呼ばれている。それで似ているわけだ。

 現在、地下鉄の工事中で、この駅の周辺でもさかんに工事をしていて、駅舎全体を障害物なしで撮影するのは難しかった。
 

 

 少し時間があったので、站台票(入場券)を買って、中にも入ってみた。

 入場券に写真がついているのは面白いが、どうして土楼なのだろう。あるいは、中国中どこの駅でも土楼の站台票を売っているのだろうか。

 入場して、玄関コンコースや待合室は見ることができた。しかし、適当な時間に出発列車がなかったので、ホームに出ることはできなかった。すぐにホテルに戻れなばならなかったためだ。

 待合室から新しい駅の工事が進められていることがよくわかった。

 完成予想図は駅の外側の工事現場の覆いに描かれていた。現在の駅舎の雰囲気は残すが、全面的に改築するようだ。

 

 1912年にできた瀋陽鉄路賓館。駅前にある満鉄経営だったホテル。現在、営業停止中で、1階部分のテナントも撤去されていたので、改築するのかもしれない。

  

 

 

 

 

 中山路を通ってホテルへの帰路についた。

 もとの奉天郵便局。現在は太原街郵便局。

 ここのそばに繁華街の太原街があるのだが、今回は行けなかったので、またきたときには立ち寄ってみたい。

 最後に中山広場を取り囲む建築群を撮影した。

 横浜正金銀行。現在は、中国工商銀行。

 

 

 

 

 

 奉天警務署。現在は、瀋陽市公安局。

 奉天三井ビル。現在は、招商銀行。

 

 

 

 

 

 

 朝鮮銀行。現在は、華厦銀行。

 

  東洋拓殖奉天支店。満州又マ詞には、関東軍司令部になった。現在は、成京銀行。

 

 

 

 

 

 満州医科大学病院。現在は、中国医科大学病院。 

 

 

  2日目の夜に中山広場に出たみた。すると、建築群のうちで、中国工商銀行がきれいにライトアップしていた。

 ほかの建築はほとんど明かりをつけていなかった。

 

 そして泊った遼寧賓館の全景を撮影。

 まわりの建物に比べて低く、小さいが、風格のある建物だと思う。

 最後に、毛沢東像を写して、ホテルの部屋に戻った。

 13時20分の飛行機なので、11時20分に空港に着きたい。でもすでに10時30分。

 急いでホテルの部屋に戻り、すでに荷造りしていった荷物を持って、すぎに部屋を出て、チェックアウト。

 

 10時45分にホテルを出て、すぐにホテルの前を通りかかったタクシーをとめて、空港に向かった。

 なんと30分で空港着。30分で62元(約800円)。これに高速料金、空港乗り入れ料金が12元(約150円)。あわせて1000円以下だった。瀋陽の空港は市内中心部から30km離れているというから、これはかなり安いといえる。  

 

 

 

 予想外に早く着いたために、11時55分から始まるチェックインまでかなり待たされた。

 

 出発案内を見ると、台北行きもあった。桃園空港で中国行き行きの表示を見るのには慣れたが、中国で台北行きの表示を見るのは初めてで新鮮な感じがする。

 

 

 

 

 

 案内されたラウンジはしょぼくて、ネットも有料だと。仕方なしに。ハルビンビールを飲んで待った。

 

 

 

 

 13時前に搭乗。 

 行きと同じく、長春、ウラジオストック、新潟の上空を経由。

 

 水平飛行に入ってすぐに、機内食。

 ご飯の代わりにマカロニ。行きは赤ワインにしたので、帰りは白ワインにしてみた。

 

 成田では、空港についてもバス連絡。結構時間をかけて、入国、税関。

 そのあと、空港バスで羽田へ。羽田から関西空港行きで帰宅した。

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