2  2日目後半  リスボン市内(その2)

 

  路面電車をカモンイス広場の手前で下車した。電車は坂道をかけ上げってきて、一息入れたあたりで、周りはシアードの繁華街。

  向かったのはリスボンでも歴史のあるカフェ、ア・ブラジレイラ。ここの地下はレストランになっている。

    うまい具合に空席があった。あと、2、3分遅ければ、大勢の客がきて、待たねばならなくなるところだった。

  注文したのは、アレンテージョ地方の名物、カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ。今では、ポルトガルを代表する料理のようだ。

  それに、ヴィーノ・ティント。銘柄はウェイターに任せる。

  カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ。豚肉のアレンテージョ風ということだが、豚肉とともにあさりを混ぜて炒めてあるのが特徴だ。

 

  オリーブや香草も混じる。そして、豚肉とあさりの下にサイコロ状のフライドポテト。これにレモンをしぼっていただく。

  とても美味しかった。豚肉とあさりを組み合わせた料理は、今まで食べた記憶がない。それが、こんなに美味しい組み合わせだったとは知らなかった。

  ただ、量が多く、フライドポテトを少し残した。ポルトガルでは前菜やパンも有料なので、前菜やパンをやめておけばよかったなんてけちくさいことを思った。スープも頼もうと思ってやめておいたのだが、それで正解。この後の食事とあわせ、ポルトガル料理は量が多いと結論した。

  食後は、10分ほど歩いたところから、ビッカ線のケーブルカーに乗って丘を下った。

  ビッカ線のケーブルカーは、馬づらではない。階段タイプの車両で、車内は上中下の3室に分れ、それぞれに入口がついている。

  丘の下には駅があり、改札口で料金を払うか、そこの機械でピッと鳴らす。

  ケーブルは営業している3線のすべてに乗車したのだが、眺めは、ビッカ線が一番よかった。なぜなら、海のように広いテージョ川が見えるからだ。上の画像でも一応写っているだが、わかるだろうか。

 

 

 

  ビッカ線の上半分には、線路に沿って商店が並んでいる。この「線はほぼ直線だ。他と同じく長さは300m〜400mほどで、乗ればすぐに、すれ違いエリアになり、そして終点とあっけない感じだ。

  丘の下には駅があるのだが、外観はほかの建物と同じで、はじめに丘の下から上がろうとしていたら、乗場がわかったかどうか。

  ケーブルを下りてから、ベレン地区へ15系統の路面電車で行った。その途中に、リベイラ市場があった。

  もともとは、市民向けの市場であったのだが、今は観光客向けに性格を変えてきているようだ。

  この日は、復活祭のために休みで、中を見ることはできなかった。

  3両でワンセットになった編成で走っている。とても新しい車両だ。ベレン地区はやや郊外にあたり、車の少ないところではスピードも速い。

                                                          

 

 

 

  左は車内風景。かなり混んでいた。旧型1両だと乗れないくらいの人数だ。  

  ベレンで下車。この路線では、車内に路線図があり、電停にも停留所名が書かれているので、外を注意深く見ておれば、降りる停留所はわかる。

  下車すると、すぐに長蛇の列が目に入った。パシティス・デ・ベレンのナタをテイクアウチしようと並ぶ人たちだ。

  自分はカフェの店内に入る。途中、壁にメニューが貼ってあるのを見て注文を決めておいた。

  左は、ナタを作っているところ。

  ナタ(パステル・デ・ナタ)は、パイ生地で作った小さな皿にカスタードクリームを乗せて焼いた菓子。


 

 

  右はカフェの店内。ナタは、ジェロニモス修道院で発明されたらしく、修道院外では、そのそばにあるパスティス・デ・ベレンという菓子屋で初めて販売されたという。その店は、今に至るまで、ナタの美味しい店として有名だ。  

  ナタを2つとエスプレッソを注文。 メニューは壁に貼ってあるだけなので、ちょっと注文しにくかった。

  ナタは、熱々でふーふーしながらいただいた。パリパリの表面にどろっとしたクリームが包まれている。

  テーブルには、日本のラーメン屋で良く見かけるコショーの容器のようなものがある。砂糖とシナモンがはいているのだ。お好みでそれをかけていただく。

  リスボン一の観光地であるのがジェロニモス修道院。

  とはいえ、復活祭のため、ここも休みだった。

  次に、線路をトンネルでくぐって、テージョ川のほとりに向かった。

  発見のモニュメントを見るためだ。復活祭のこの日は、入場するタイプのみどころは軒並み閉まっているんpだが、発見のモニュメントだけは開いていた。

  この屋上は展望台になっている。ここから、テージョ川の対岸や4月25日橋がよく見えた。

  内部には、展示コーナーもあるのだが、何も使われていないフロアもあったりと、興ざめな感じもした。

  続いて、ベレンの塔へ。ここも閉まっていて、内部はまたの機会まわしだ。

 

 

 

  線路を陸橋で越えて、路面電車乗場へ。ベレンに別れを告げる。

  路面電車をカイス・ド・ソドレまで乗車し、フェリー乗場へ.。

  テージョ川の対岸の街であるカシーリャスに向かうのだ。

 

 

 

  10分ほどの乗船時間で、対岸に到着。

  

  20分後のフェリーで戻るので、ほとんど散歩する時間はなかったが、少しだけ大通りを歩いてみた。

  テージョ川をはさんで、リスボン市街を見ると、夕日に照らされていた。

  河口に近いせいか、川には波がかなりたっていた。フェリーはほとんど揺れがなかったのだが。

  ビッカ線のケーブルカー乗場まで歩く。歩いているうちに、あたりは真っ暗になってきた。

  先ほど来ているので、ケーブルの乗場へは間違えずに来れた。

  10分ばかり車内で待った。よく考えれば、歩いて上ったほうが早いのだが。

  バイロ・アルトの狭い道を歩き、ア・バイウカへ。バカリャウ料理で有名な店だ。

  バカリャウは、干しタラのことで、魚料理の中でもよく用いられる食材だ。

  前菜にハムとコロッケがあって、それも食べたのだが、何とコロッケもバカリャウのコロッケ。パステイシュ・デ・バカリャウだった。日本だったら、シーチキン缶詰を使ったコロッケのような味だ。2個でていて、いただいたのだが、もっと食べたかった。

  ヴィーニョ・ティントは、小瓶だけ指定し、銘柄はおまかせにした。

  バカリャウ・ア・ブラスは、バカリャウとタマネギ、ジャガイモの細切りを卵でとじたもので、代表的なポルトガル料理。画像で見る感じよりも量は多かった。どことなく日本の卵とじに似た味がするのだ。あぁ美味しかった。

  このときは、バカリャウ料理には、バカリャウ・コン・ナタスもメニューにあり、隣の客が食べているのを美味しそうだなと見ていた。

  

   右は、ア・バイウカの店内。

 

 

 

 

 グロリア線のケーブルで丘を下り、地下鉄でホテルに戻り、2日目終了。