1日目  ワ シ ン ト ン D.C. へ

 

関空にて出発まで
 今回は関空からの米国訪問。関空からの長距離路線の相次ぐ撤退のため、関空発の長距離路線利用は2008年3月にJALのロンドン便を利用してリスボンに行って以来7年ぶり。今回利用するロサンゼルス便は、一足早く2006年から運休している。ロンドン便も自分が利用した半年後に運休となり、JALの関空発の長距離便は完全に姿を消した。

 2015年3月20日、久々に関空発ロサンゼルス行きが再開され、その1週間後にJL60を利用することにした。関空はまだ再開を祝う雰囲気があり、ロサンゼルス便再開のポスターもあった。このポスター、よく見ればわかるがJALのポスターではなく、関空会社のポスターだ。
 また、これまでi-phoneを旅先で利用するために、到着した空港でSIMを購入するのが習慣化していたのだが、今回は初めてレンタルWiFiを利用することにした。

 米国の場合、空港でのSIMの購入が難しい場合が多く、実際、以前ボストンで失敗している。また旅行者向けの安い契約プランが少ないようで、割高になるようだ。しかも、今回泊まるホテルはWiFiが有料なので、着いた日からホテルでもホテル以外のWiFiを使えるようにレンタルWiFiを利用することにしたのだ。

 レンタルWiFiの業者はいくつかあるようだが、関空の出発ロビーで受け取りができるJAL ABCを使うことにした。
  平日の13時ごろとあって、チェックイン、保安検査、出国審査とほとんど待つ必要もなく、ゲートへ到着。JL60の出発までは、まだ2時間ほどある。

 今回の目的地、ワシントンDCへは、ロサンゼルス乗継で向かう。直行便あるいはNYやシカゴで乗り継いでいくよりは遠回りで、時間も長くかかる。今回も当初は、ANAの特典航空券でワシントンDCを往復する予定であった。早くから予約を入れていたのだが、出発予定の1ヶ月ほど前になって、さらに2日出発を早めることが可能になった。しかし、新たな出発希望日では予約ができず、空席待ちとなった。せっかくだから、必ず2日間早目に出発したく思い、特典航空券は払い戻しし、新たに有償で航空券をとった。

 たまたま、JALのロサンゼルス便が運航再開される直後の出発なので、久々となる関空からの長距離便利用ということでJL60でロサンゼルスに向い、ロスでアメリカン航空に乗り継ぐことにした。乗継便は、国内線ではあるがアメリカ大陸を横断する長大路線で、東京からハノイと同じくらいだ。
 ゲートを確認したあとはラウンジへ。関空のサクララウンジは30番ゲートの横にあるので、JL60は特に重要な便としてラウンジ横のゲートをあてたのだろう。

 このラウンジは間もなく改装工事に入るので、改装前のラウンジを使うのは最後になるかもしれない。次回利用時は仮利用の別のラウンジと思われる。
 
 リニューアル後は、ビュッフェを充実すると公表されているので、どのように変わるか楽しみだ。現状では、羽田、成田のサクララウンジとは比較するに値しないような状況なので。

 何度となく利用したラウンジだが、改装前に記録として1枚撮影しておいた。
 上左  関空サクラのカレー。奥のほうに置いてあって、気がつかない人もいるかも。

 上右  羽田、成田のカレーと比べると、肉ゴロゴロではなく、肉はほとんど入っていない。また色は黒っぽくなく、サラサラで水気がある。レトルトのカレーに近い感じだ。

 左  クラムチャウダーと「川上さん家の犬鳴豚メンチカツサンド」もいただいた。

 ネットをしながらくつろいでいたら、JL60の搭乗案内があった。
JL60搭乗記
  JL60はB787で運用されている。B787を運用される便に搭乗するのは、2年あまり前にボストンに行って以来だ。このときはB787が運航を開始して間もない時期で、自分が搭乗した少し後にB787ノトラブルが続出して、半年ほどB787の運航がストップした。

 当時、新型機であるにもかかあらず、JALは再建中で資金難のため、新型シートの投入は見送られた。最近になって、B787にも新型シートが投入されだしたが、ロサンゼルス便は新型シートではない。
  ビジネスクラスのシートはシェルフラットネオ。新型のスカイスィートがどんどん投入される中では、ちょっと古いなって印象もあるが、悪くはない。ただ、完全に”フラット”にはならない。170度程度で少し傾斜ができる。

 B787は照明がLEDで色を変化させることができるとか、シェードも窓の色を変化させる方法なので常に外が見えるとか随所に工夫がある。とはいえ、バッテリーの不具合による故障多発があまりにも印象が強烈で、積極的に利用したいという気にはならない。
 
 上左  隣席のシート。結局、隣は空席で、ひじ掛けを広く使えたり、荷物を置いたりして、快適に過ごすことができた。

 黒と赤の小物はアメニティキット。以前は、搭乗後にCAさんが歯ブラシとか目隠しとかを配っていたのだが、半年ほど前からポーチ入りのセットとなった。このポーチ、TUMI製のもので、ちょっとこだわっているなって感じ。

 上右  離陸したあと、ウェルカムドリンク。シャンパンをいただく。

 左  食事は洋食で、肉を注文。まずは、おつまみ。左側のは、黒豆なのだが、ちょっと変わった味だと思ったら、十勝ベーコンと炊いたものだという。
 
 オードブルは、魚介のマリネ、春の野菜ということが、かなりの量があった。中には、イカやタコも入っている。

 ワインもいろいろ試すことができ、おつまみのときは赤、オードブルでは白、メインでは赤にしたが、産地もいろいろあって選ぶのも楽しいものだ。
 
 メインは和牛のサーロインステーキ。和風の味付けで、たけのこなどとの盛合せになっている。

 柔らかく、切りやすいのだが、ちょっと焼すぎって感じだったのが残念。
 
 デザートとコーヒー。

 10時間ほどの搭乗時間。食後はビデオを楽しんで過ごした。
 
 ルートは予想よりやや南寄りのコース。最短距離は、このコースとアリューシャン列島の中間くらいであるはずだ。偏西風の追い風を受けるには、このコースのほうがいいのだろう。
 
 コースの中ごろで、アラカルトメニューを注文。東京香味カレーを頼んだ。ビデオを見ながらいただいた。
 
 到着1時間30分前にラストオーダー。サーモンサンドを頼んだ。サラダとフルーツもついてきた。
 
 最後にアイスクリーム。往路ではいつもと同じくディーン&デルーカのものだ。

 定刻より少し早目にロサンゼルス空港に到着した。2年少しぶりに米国だ。
LAXで乗継
 ロサンゼルス空港に到着。米国の航空会社以外の国際線はトム・ブラッドレー国際線ターミナルに発着する。ロサンゼルス空港には9つのターミナルがあるが、メインになるターミナルがトム・ブラッドレー国際線ターミナルなのだ。米国の航空会社は独自のターミナルを持っていて国内線が中心だが、その航空会社の国際線も会社独自のターミナルから発着する。

 到着すると、オバマが出迎えてくれる。以前はこのような写真はなかったように思う。ちょうどほかの到着便がなかった時間帯であったのだろうか、入国審査場では1人待っただけで、あっと言う間に通過。荷物をいったん受け取り、税関でカードを渡して、さらに100mほど移動させてから、再び荷物を預ける。このシステムはこ利用航空会社に関係なく共通なようだ。乗継便が国際線であろうが、米国国際線であろうが、どの航空会社の便でも荷物を預けなおす。
 荷物を預けなおしたあと、ターミナルを移動する。ワシントンD.C.へはアメリカン航空を利用するので、アメリカン航空専用のターミナルである第4ターミナルへ移動する。乗継がデルタなら第5ターミナル、ユナイテッド航空なら第7、8ターミナルだ。

 第4ターミナルは、トム・ブラッドレー国際線ターミナルから100mほどしか離れていないので徒歩で移動できる。写真は、第4ターミナルの前から撮影したトム・ブラッドレー国際線ターミナル。
 
 こちらは、トム・ブラッドレー国際線ターミナルの端から撮影した第4ターミナル。アメリカン航空専用のターミナルだ。

 ワシントンD.C.への搭乗券は関西空港で発券されているので、このターミナルではカウンターに立ち寄る必要はない。JALとアメリカン航空の提携のおかげだ。すぐに保安検査場に向うのが、ここでは30分近く待たされた。米国での保安検査は、靴を脱がねばならない。また全身スキャン方式の検査が多いようだ。
 制限エリア内に入って、搭乗券には書かれていない出発ゲートを探したが、これがわからない。どうしてかというと、米国の空港では出発時刻や出発ゲートが、出発時刻順に表示されるのではなく、目的地のアルルファベット順に表示されるのだ。ところがWashington D.C.は順序が、最後なのだが、電光掲示板からはみ出てしまい、表示されていなのだ。それで、ラウンジの入口で、尋ねたが、搭乗券を発行替えしてくれたので、そこにはゲートが表示されていて助かった。

 まずは、アドミラルズクラブへ。メインのラウンジでとても広いし、天井も高く開放的だ。

 
 以前利用した時は、入口で、飲物引換券を渡された。アルコール飲料は基本有料だが、飲物引換券でワンドリンクだけ無料でもらえるのだ。今回は、別室のフラッグシップラウンジを利用できるので、飲物引換券はなし。1杯だけジュースをいただいた。

 下左  今回は、フラッグシップラウンジに入室するためのカードをもらった。フラッグシップラウンジは、国内線ファーストクラスなどを利用する客などに限定したラウンジのようだ。
 
 上右  カードをフラッグシップラウンジの入口で、ホテルのカード式のキーと同じような感じで差し込むとドアが開くしくみだ。入ったところで、カードは渡す。

 左  フラッグシップラウンジの内部。とてもすいていて、さきほどのアドミラルズクラブとは大きく異なる。静かな空間である。
 
 こちらはアルコール飲料も無料なのだが、今回はコーラをいただいた。ちょっとした食事ができるのも、アドミラルズクラブとの違いだ。

 そうこうしている間にワシントンD.C.行きの搭乗時刻が近づいてきたのでゲートに向った。
アメリカ大陸を横断
 搭乗時刻が近づいたのでゲートへと向かった。ターミナル先端にある大待合室。米国系航空会社のターミナルでは、国内線に混じって、国際線のフライトも出発しているのが日本では考えられないことなので、ちょっと異様な感じがする。

 で、自分の搭乗ゲートに行ったのだが、便名、行先とも表示されていない。全便表示のはずの電光掲示板は、WashingtonD.C.ははみでてしまって表示されていないのは、さきほどと同じ。仕方がないので、しばらく座って待った。
 
 搭乗時刻になっても、ゲートには便名行先とも表示されないのでおかしいなって思っていたら、何と、JFK行きが表示された。これはおかしいと思い、大待合室の全ゲートを見て回ったが、どこにもWashingtonD.C.行きは表示されていない。ゲート変更のアナウンスもなかった(ラウンジにいる間にあったかもしれないが)。

 大待合室から少し離れたところにあるインフォメーションで尋ねると、やはりゲート変更だった。そこも見て回っていたのだが、ゲート変更されたためか、出発便の表示はなかったのだ。気をつけなくっちゃと思いながらゲートに向う途中で、「とんび様、至急に何番ゲートに来てください」というアナウンスがあった。急いで、かけつけたが、やはり、そのゲートには出発便の表示はなかった。ヤレヤレ、何とか飛び乗ったって感じ。ブリッジの中には行列があって並んだ。自分が行列の最後だった。搭乗直前に機体を撮影。
 
 ワシントンD.C.行きはファーストクラスでの搭乗。離陸前に水のサービスがあった。

 米国国内線は、エコノミークラスとファーストクラスの2クラス編成が多い。ただ、ファーストクラスと言っても、日本で言えば、JALの国内線ファーストクラスやANAのプレミアムクラスに相当する位置づけだ。座席は、国際線のプレミアムエコノミー程度って感じだ。そして、機内食のサービスがある。アメリカ大陸横断フライトで5時間ほど搭乗するので、少しでも楽な座席を利用できてよかった。
 
 離陸後、いったん太平洋上に出てから東に向った。写真は、ロングビーチ。ロサンゼルスの最南部だ。ロスのダウンタウンも肉眼ではわかったのだが、写真ではわからない。
 
 まずはおつまみ。飲物はハイネケンにした。次にピーナッツが出てきたのだが、これが温められていたのだ。ピーナッツを温めたのは初めていただいたのだが、こんなに美味しいとは思わなかった。
 
 砂漠地帯を飛行していると、長大なダム湖らしきものが見えてきた。フーバーダムによってできたミード湖だろう。ミード湖は全長180kmもあるらしい。フーバーダムそのものは、反対側の窓から見えていたかもしれない。
 
 食事はパスタとサラダの選択だったが、パスタを選んだ。サラダの選択があるところが面白い。パスタはクリームソースかけで、サラダと焼豚?がついていた。

 白ワインと赤ワインのボトルを持って、ワインサービスがあったので赤をいただいた。ファーストクラスは12席あって、満席だったのだが、1人の男性アテンダントがサービスしていた。なかなか大変だと思う。
 
 デザート。アイスクリームではないのだが、よく冷やされていて美味しかった。
 
 ロッキー山脈は、南のほうではあまり険しくないためか、気づかぬうちに通過した。

 やがて延々と続く円形の畑が目立つ。センターピボット方式の畑だ。

 そのあとはしばらく熟睡。日本時間では、出発日の翌日の朝から昼にあたる時間だった。
ワシントンD.C.のホテル到着
 2時間ほど眠って、起きてみるとすでに真っ暗だった。定刻より少し遅れて13時に出発して5時間ほどの飛行だったが、米国では国内の時差があり、西海岸と東海岸では3時間違う。よって到着はロス時刻では18時だが、ワシントンDCでは21時。

 搭乗してきた便。窓の反射でわかりにくいが、アメリカン航空の新しい塗装の機体だった。アメリカン航空とUSエアウエィズがアライアンスを越えた合併をした後、塗装を変えているようで、古いなじみのある塗装の機体は少なくなっている。
 
 ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港のコンコース。天井や側面のデザインはレトロな感じがする。かなり歴史がある空港なのだろう。国内線専用の空港だ。

 ワシントンD.C.の空港は、都心近くにあるロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港と都心から50kmほど離れたダレス空港がある。

 ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港は、レーガン空港またはナショナル空港が通称のようだ。レーガンも首都の空港に名前を残しているところを見ると、歴史上重要な大統領であったと改めて思う。ケネディはNYのJFK空港に名を残し、ブッシュはヒューストンの空港に名を残すが、それよりも格上のようだ。ただ有名度ではJFK空港のほうがずっと有名だが。
 
 預け荷物を受け取ったあと、空港に隣接する地下鉄駅へ向った。地下鉄だが、空港駅は高架駅だ。

 券売機は3種類あって、左側から現金専用、クレジットカード兼用、スマートリップ販売用のものだ。まず、右側の機械でスマートリップを購入。スマートリップは$10で、$2がカードの料金で、$8の乗車ができるのだが、とても足らないので、真ん中の機械で$20をチャージ。使い方は難しく、ガイドブックを読んでいたのでなんとかわかったが、初見ならうまく使えたかどうか不明。
 
 
 
 上左  スマートリップ。ICカードで、ワシントンD.C.とその近郊で、地下鉄とバスに使える。

 上右  空港駅の自動改札。

 左  ホームから見た、レーガン空港。1階が到着フロア、2階が出発フロアになっている。駅は2階と連絡通路でつながっている。
 
 ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港の駅名標。
 
 やってきたブルーラインの電車でホテル最寄りのロザリンまで10分強。途中、ペンタゴン・シティ、ペンタゴンに停車。両駅とも後日、下車した。次は国立墓地で有名なアーリントン駅なのだが、夜間は通過。そして、ロザリンだ。

 下左  地下鉄の車内。

 下右  車内や車両の前面や側面にBLUEとかYELLOWとか表示されている。これは乗車するときに非常に重要だ。というのはワシントンDCの地下鉄は、複数の路線が並行する区間では、複数の路線が同一の線路を走るのだ。しかも、路線名にはBLUEとかYELLOWとかついているが、車体は色分けされていないのだ。だから、色の名がついた路線名の表示はよく注意しないといけないのだ。
 
 
  ロザリンに到着。地上に出るのに長大なエスカレータがあった。ワシントンDCの地下鉄は一部が核シェルター兼用になっていると聞いていたが、この駅もそうなのだろう。

 地上に出ると、オフィス街であり、夜の人通りは少ない。傘はささなかったが、小雨も降っている。ホテルの位置がわかりにくかったので、レンタルWiFiを利用してi-phoneを表示させ、ホテルに向った。ホテルまで5分ほどなのだが、WiFiがなければ苦労したかもしれない。
 
 ワシントンD.C.には5泊したのだが、最初の4泊は、「ハイアット・アーリントン」に泊まった。ハイアットは、日本では「ハイアット・リージェンシー」の名で、高級ホテルチェーンの印象があるが、米国では「ハイアット・リージェンシー」もあるが、別にビジネスホテル的な「ハイアット」もあるようだ。ワシントンD.C.には、「ハイアット」が何軒かあるようだが、そのうちの1つだ。

 ワシントンD.C.はポトマック川の東側がその範囲で、川の西側は実質的にはワシントンD.C.で、地下鉄もワシントンD.C.と一体なのだが、行政的にはバージニア州になってる。そして、税金もワシントンD.C.より安いとかで、ホテルも都心部より少し安い。加えて、レーガン空港から近いので、ポトマック川の西側でホテルを探し、駅からの近さと料金面を考えあわせて、「ハイアット・アーリントン」を選んだ。

 写真は翌朝撮影したものだが、ホテルの前が急な坂道になっているのがわかる。実は、ホテルに向う途中、雨が降ってすべりやすくなっていて、すべりかかったのだ。その時に、カバンを倒してしまった。
 
  チェックインし、6階の部屋に入った。ちょっと広めのビジネスホテルといった感じだ。

 そして、カバンを開けたのだが、カバンの取っ手が入らなくなってしまっていた。コロコロのついたハードケースのもので、引っ張るときだけ取っ手を出すのだが、その取っ手が中に戻らない。ホテルの前の坂道で倒してしまったからだろう。なんとかしようと、試みたけれども無理だった。結局、直すことをあきらめ、翌日、観光が終わってから、ショッピングセンターに立寄って、新しいカバンを買うことにした。

 シャワーを使って、一休み。長い1日が終了。

 

 

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