1 日 目  チ ャ ウ ド ッ ク へ

 

10年ぶりにホーチミンへ
 
  上左  10年ぶりにベトナムに向う。結果的にはチャウドックだけ行く弾丸旅行になったのだが、この時点ではメコンデルタ周遊の旅の予定だった。

 羽田発のJALホーチミン行き深夜便に乗るため、伊丹から羽田に向かう。伊丹ではダイヤモンドプレミアラウンジに入室したが、翌年度は入室資格を失うので、ここに入れるのもあとわずかだ。

  上右  今まで見たことがないカレーパンが出ていたのでいただいた。細長いパンの上にカレールーが塗ってある。

 左  羽田行は最終便の1本前の便。羽田発の国際線深夜便を利用するときは、伊丹の「門限」がらみの欠航を心配して、いつも最終便から1本以上前に出る便を利用している。

羽田行は普通席の最前列を選べた。すぐ前は壁で、その前方はクラスJ。最前列がとれたこともあって、今回はクラスJへのアップグレードは求めなかった。

 都道府県シールをいただいたが、もう配布期間中にJAL国内線を利用することもほとんどないし、全都道府県を制覇することは不可能。

 飲物サービスはコーヒーをいただいた。JALではコーヒーを注文するとお手拭きもいただけるのがいい。ミルクを入れるときに、手にミルクがついたりすることが多いからだ。

 機内WIFIを利用。以前にも利用しているので、簡単に接続できる。伊丹・羽田間だと、利用可能な時間は30分ほどだが、めいっぱい利用した。羽田に着くと、ターミナル間連絡バスで国際線へ向かった。

 
 保安検査場では優先レーンは誰も並んでおらず、すぐに入場できた。優先レーンの入口には看板がたっていて、利用可能な人を示してある。

 ここで看板に間違い発見!

 JALの場合は、ファーストクラス利用者、上級会員として、ダイヤモンド、JGP、JGCサファイアが示されてある。最後のJGCサファイアは、JMBサファイアとJGCの2つのデザインにしないとおかしいのではないか。そうでないとまぎわわしく、平JGCは利用できないことになる。また、JMBサファイアも利用できないことになる。正しくなおしてほしい。

 あと、どの航空会社を利用する場合にも言えるのだが、ノンステータスの人がビジネスクラスを利用する場合は、優先レーンが使えないのだ。このような優先レーンは全世界でも羽田くらいじゃないだろうか。これも改善してほしい。
(その後改善されました)
 出国審査場は顔認証になっていて、アッという間に通過。スタンプは省略。日本では主要空港の羽田、成田、関西は、日本人は出国、入国ともに顔認証になったようだ。スタンプが省略されるので、もう次回のパスポート更新からは、増補はしないことにしよう。今使っているパスポートも増補分がかなり余るだろう。

 JALのファーストクラスラウンジに向い、まずトイレへ行ってからシャワーを利用。シャワーは待たされることもあるが、この日はすぐに使えた。
 
 上左  この日はラウンジもすいていて、人がまばらだった。

 上右  飲物はシャンペンをいただく。

 左  最初に鉄板焼コーナーに向った。月ごとにメニューが変わるのだろうか。「ハンバーグ マデラ&トリュフソース」がメニュー。

 焼きたてのハンバーグなので美味しい。搭乗直前に鉄板焼でアツアツの料理をいただけるのうれしいことだ。
 続いてほかの料理をいただく。これからベトナムへ向かうので生春巻も選んだ。
 お肉ごろごろのビーフカレー。チキンカツがあったので、のせてみた。JALのラウンジにきて、カレーをはずすことはあり得ない。JALはラウンジごとに独自のカレーを出すようになったが、やはり元祖ビーフカレーである成田・羽田のカレーが一番自分好みだ。

 下左  プチケーキをいただく。

 下右  フルーツ。次年度はファーストクラスラウンジを使う資格がなくなる見込みなので、しっかり楽しませてもらった。
 
 搭乗時刻になったので、ゲートに行ってみると、優先搭乗がはじまろうとしていた。

 1時30分出発は、自分が利用した便では、2番目に遅い便だ。1番遅い便は関西空港から2時台のバニラエアで台北に向ったときだ。しかし今ではその便も23時台になっている。

 2018年は、6月マレーシア航空、8月JAL、10月ANAとビジネスクラスでの東南アジア旅行が続いたが、今回はエコノミークラス。シェルフラットのビジネスクラスの中を通ってエコノミークラスのエリアへ。
  旧型のエコノミークラスだ。JALではスカイスィートが導入されて以降はエコノミークラスもシートピッチが長くなったりと快適になっているが、今回は、スカイスィート以前の古いタイプの座席。

 機種はB787だが、2-4-2の座席配置になっている。ほとんどの航空会社ではB787のエコノミークラスは3-3-3なので、わずかだがJALのシートの横幅が広くなっているのはうれしい。
  自席から前の様子。かなり空いていて、60%くらいの搭乗率だろうか。自分の横も空いていたので、圧迫感がなかった。

 下左  離陸後、水平飛行にうつってからの飲物サービス。ビールをいただいた。

 下右  夜行便のエコノミークラスでは、眠ることはほとんど不可能に近いが、やはり眠るというところまではいかなかった。

 機内食配布のために室内が明るくなったのは、到着の1時間30分ほど前。
 
 
 
  機内食が美味しくないって感じることは滅多にないし、特にJALでまずいと感じたことは記憶にないのだが、今回ばかりはちょっと食べる気がぜず、半分ほど残した。

 左下は「スパニッシュオムレツ」、3つの小鉢の真ん中は「ラタトゥイユと蒸し鶏」、右は「バジルのショートパスタ」とのことだが、よくぞここまでまずくできるのかといった味だった。JALには申し訳ないが、今までJALを利用した中での最低の機内食だったし、ほかの航空会社の機内食を含めた中でも最低レベルだった。
寝台バスに乗ったままフェリー乗船
 
  上左  ホーチミン着。荷物受取場でベトナム航空の社員がアオザイ姿だったので撮影。前回、前々回の訪越で、アオザイは高級店などの店員の制服以外ほとんど見かけなかったので撮影しておいた。(実際、短い旅だったこともあり、この旅ではこのとき見ただけだった。)

 上右  国際線の出国出口を出るとすぐにバス停がある。ミエンタイバスターミナルに向う。写真中央のブースで乗車券を買って乗車。「ミエンタイ」と言って買ったのだが、係は「ベンタイ」と思ったらしく、109番の切符を渡され、109番のバスに乗せられた。しかし、事前に調べていたのと違っていたので、調べなおし、もう一度、係に言って切符をとりかえてもらった。どちらも2万ドン(約100円)。

 左  119番のバスに乗車。しかし、ひと騒動あった間に7時発のバスが行ってしまい、乗車したのは7時30分発のバス。
 
 
 上左  ちょうど1時間でミエンタイバスターミナルに到着。メコンデルタ方面に向かうバスはここから出発する。

 上右  メコンデルタ地方で最も便利そうなバスはフーンチャン(PHUONG TRANG)。別名はFUTA BUS。チャウドック行きは1時間ごとにあり、9時発にも乗れたが、食堂で何か食べたかったので10時発のバスにした。運賃は145000ドン(約725円)。

 左  バスターミナルの一角がプーンチャン専用の乗場になっていて、メコンデルタ地方のさまざまな街行きのバスが次々と出発していく。オレンジ色の車体で、ほとんどが寝台バスだ。
 
 FUTA BUS乗場の横に何軒か食堂があり、その1つに入った。メニユーはベトナム語だけだが、少しだけわかる。ブン、フォー、フーは米麺で太さが違っていたはずだ。バイン何々が、いくつかあり、これが何かよくわからなかった。バイン・ミーはパンだし、バイン・セオはお好み焼風だけど。(本稿を書きながら調べたら、タピオカを入れた米麺の意味もあるようだ。)

  バイン・カン(Banh Canh)を注文。きしめんよりも太い、もちもちの米の太麺で、つけ麺のように、タレをつけて食べるものだった。ソーセージ、ネギ、何か不明だが揚げたものがのっていた。45000ドン(約225円)。
 
 ベトナムでは生野菜の大盛りを持ってきてくれて、自由に食べることができることが多い。この食堂ではテーブルの上に置いてあって、自由にとる仕組みだった。ただ、ちょっとしなびたような感じだったので、少しだけとっただけ。あと、ライム、唐辛子がテーブル上にあった。

 下左  きしめんの倍以上の太さの麺だった。

 下右  店内の様子。店の外にオレンジ色のものが見えるが、客が乗車中のFUTA BUS。
 
 
  出発10分前にバスがやってきた。荷物をトランクルームに預ける。荷物には番号入りのシールが貼られ、その番号が切符に記入される。意外と管理がしっかりしている。

 バスに乗車し、ドライバーに切符を渡すと、半券とともに黒のビニール袋が渡される。入口で靴を脱ぎ(自分の場合はサンダルだが)、袋に入れて、裸足で車内に入るのだ。だから通路にはゴミやホコリが少ない。
 
 人生初の寝台バスで興味津々だ。座席は3列になっていて、両サイドと中央に席が並んでいる。どの列も1階席と2階席があり、2階席はハシゴで上がるようになっている。

 通路は2つあるのだが、かなり狭くて、リュックを背負っていると、リュックの横幅が通路の幅ぎりぎりで、歩きつらい。自分の席は、バスの入口から見て右側の通路を進まねばならなかったのに、左側の通路に入ってしまい、後続の人がいて、通路を変えるのが大変だった。
 
 写真の右側の窓際の席が自席。かなりリクライニングした状態で、飛行機でいうと、ライフラットと呼ばれるシート並みだ。ただ、足元までの長さが短く、自分の場合で、ぎりぎりだった。それに荷物を置く場所がなくて困った。リクライニングは倒された状態がデフォルトなのだが、背もたれを少し戻すことは可能。

 下左  席に着いた状態で、前方を撮影。ハシゴや足を入れるところの様子がわかる。

 下右  10時に出発。発車すると間もなく、ミネラルウォーターと紙おしぼりが配られた。 
 
 
 ホーチミンを出発して2時間ほど、ヴィンロンの少し手前(カイベーの近く)にあるFUTA BUS専用のドライブインで休憩。FUTA BUSだけが20台ほど停車している。色もデザインも同じバスが並ぶので、ドアに貼ってある行先(ホーチミン行きの場合は出発地)と番号をよく覚えておかないといけない。

 下左  バスを降りる際にはゾウリが置かれ、自分は履かなかったが、ドライブインにいる人のうち、8割がたはこのゾウリを履いている。

 下右  ドライブインの中。
 
 
 
 上左  ドライブインの停車時間がよくわからなかったので、バスのそばでバインミーを食べることにした。もっとも、停車は30分間で、麺なども食べることは可能だったのだが、着いたときには停車時間はわからなかったので。

 食券売場で食券を買わねばならず、ハードルが高い。バインミー・ヘオクアイというと通じた。20000ドン(約100円)払う。

 上右  ベトナムはフランスパンが美味しいが、ここも例外じゃなく、美味しいパンだった。

 左  バインミー・ヘオクアイの中味。バインミーはサンドイッチ、ヘオクアイは焼豚。具がたくさん入っていて、美味しい。
 
 休憩後まもなく、メコン川にかかる斜張橋を渡った。この橋を渡るとヴィンロンだ。

 メコン川はベトナムでは、ティエンザン(前江)とハウザン(後江)に分かれていて、これはティエンザンだ。幅は2kmほどだ。

 かつては、ここを渡るのはフェリーで、バスに乗車したままフェリーに乗ったらしい。2000年に、このミートゥアン橋が完成し、フェリーはなくなった。歩道もついていて、わずかだが歩く人もいる。今度は歩いてみたいものだ。
 
 
 上左  ロンスエンの少し南で、バスは客を乗せたままフェリーで、メコン川のハウザン(後江)を渡る。

 フェリー乗場の手前では、車が列をなしていて、フェリーに乗るまでには10分ほど要した。

 その間に、バスには物売りが数人、乗車してきた。お菓子、飲物、そして宝くじ。

 上右  お菓子の売り子。この売り子から、菓子を1個買った。5000ドン(約25円)。

 左  クレープ状の皮の上に紫のモチ米がのせられ、その上に、ココヤシの実を削ったものがまぶしてある。
 
 
  ココヤシの実を削ったものを食べ終わり、紫のモチ米を食べようかという状態。ほんのり甘いが、激甘ではなかった。

 下左  フェリーに乗る前の渋滞状態。

 下右  フェリー乗場に突入。このころに、売り子たちは下車していった。
 
 
 
 
 上左  フェリーに突入。埠頭には、3隻のフェリーが発着できるようになっていた。

 上右  自分のバスが積載される直前の車両までが乗せられた先発のフェリー。

 左  バスがフェリーの中に入っていく瞬間。
 
 上左  フェリー内の売店。

 上右  乗車したバスは先頭でフェリーに入ったので、一番前まで行った。

 ドライバーと車掌は下車したので、客も何人か下車した。自分も下車してみた。

 左  フェリーの先頭部分。右のバスが乗車していたバス。

 川幅は1kmほどで、10分ほどの乗船だった。
 
 
 上左  船の側面には売店や休憩所のスペースがある。このスペースとバスの間の隙間にはバイクがたくさん並んでいた。

 上右  すれ違ったフェリー。

 左  フェリーの航路の1kmほど下流には、斜張橋がほぼ完成していた。この橋が運用開始されると、このフェリーも廃止されるだろう。廃止される前にフェリーに乗船できてよかった。
 
 
 
 
  上左  対岸の埠頭が近づいてきた。

  上右  バスに戻り、バスごとフェリーを下りる。間もなく、ロンスエンの街中を通過。

  左  チャウドックのバスターミナルに到着。6時間20分ほどの旅だった。

 荷物を持っていると、たちまちバイクタクシーのドライバーが集まってきた。スーツケースを持っているので、バイクタクシーは危険だ。それで、写真右端に写っている緑のバスに乗車。
 
 
 
 
 上左  バスターミナルの建物。

  上右  4番のローカルバスに乗車して、街の中心に向かった。発車するまで15分ほど待った。6000ドン(約30円)。

  左  2kmほど、10分乗車して、街の中心の公園の横に着いた。ここからホテルまでは、わずかの距離だった。
チャウドック街歩き
 
  上左  バスを降りて100mほどで、チェングエンホテルに到着。チェックインのさいにパスポートを預けさせられた。

 上右  部屋はまずまずの広さで、冷蔵庫もあってよかった。ただ、4階にもかかわらず、エレベータがなかったのが難。

 左  部屋にはベランダがあり、チャウドック市場がすぐ眼下に見えた。好位置に立地するホテルだ。
 
 30分ほど休憩のあと、外出。外出のさい、パスポートの返還を申し出ると、宿泊費を払うように言われた。パスポートは手続的な理由じゃなく、宿泊費未払いを防ぐために預かっていたのだろう。宿泊費を払い、パスポートをトを返してもらった。

 向ったのは、ホテルのそばの市場。うす暗い建物の中は雑貨や衣類の店が並び、食料品は建物の外側の壁に沿って店が並んでいた。
 
 食料品の中でも、この市場を特徴づけるのは「マム・カー」。

 「マム」は、魚を発酵させた、塩辛く、旨みの効いた調味料や食べ物のこと。一番有名なのは「ヌク・マム」と呼ばれる魚醤だろう。「ヌク」は水のことで、魚を発酵させた水が「ヌク・マム」。

 チャウドックで有名な「マム・カー」は、魚を塩漬けして、発酵させたものだ。ボウルに「マム・カー」を入れて並べてある店が延々と続いている。
 
 市場を抜けて、メコン川のハウザン(後江)沿いの遊歩道に出た。

 川幅は500mほどだろうか。対岸の様子が肉眼でもなんとか見える。

 
 
 対岸にあった川沿いのガソリンスタンド。船に給油するスタンドとはなかなか珍しい。
 
 対岸の水上家屋。川に張り出したところに、各家庭ごとのボート乗り場がある。
 
 羽子板の羽根のようなものを足の甲やかかとで蹴って、打ち返す遊び「ダーカウ」をしているグループがたくさんあった。
 
 いったんホテルに戻り、1時間ほど休んで、再び夕食のために外出。

 公園の近くに屋台が並んでいて、そのうちの1軒へ。
 
 「ブン・カー」を注文。ブンは細い米麺で、春雨のような感じ。フォーは、もう少し太くて平麺であることが多いので違う。45000ドン(約225円)。

 スープは黄色で、具のメインは黄色い魚の身。メコンで捕れる魚なのだろうが、何なのだろう。黄色いのが気になる。「カー」は魚なので、魚入りの細い米麺といえる。スープと照明の関係からか麺も黄色く見えるのだが、よく見ると白。

 下左  もやしなどの野菜が一皿ついてくるのはうれしい。麺の中に入れていただく。

 下右  テーブルの上には茶のボトルが置かれていた。茶は無料だったが、氷代として2000ドン(約10円)必要だった。 
 
 
 ホテルへ帰る途中でビールを買った。でも、ビールを買うのが、結構難しかった。ベトナムでもホーチミンなど大都市ではコンビニが増えているらしいが、チャウドックにはコンビニは見当たらなかった。

 雑貨店で、本来その店が扱うような商品に加えて、ビールや清涼飲料水を売っている店は、あちこちにあった。でも、問題は売り方。6本組にしたパッケージ単位の販売で、しかも冷えていない。

 冷えたビールを1本売りしてる店を探して、ホテル近辺の道を歩き回った。やっと冷えたサイゴンビールを売っている店を見つけ、翌日に飲むための分も買っておこうと、2本買った。なぜか銘柄の選択はできず、その店にはサイゴンビールしか置いていなかった。1本が15000ドン(約75円)。タイもビールは安いが、もっと安いといえる。

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