日目 前半

  

  7時から朝食。前日と同じような内容。食後は、華僑飯店の前に止まっていたタクシーに、東バスターミナルまで頼む。すると、西のほうしか行かないと言われて乗車拒否される。だが運転手は、道に出て、流しのタクシーを止めて、その運転手に、行き先を告げてくれた。親切なんだか、不親切なんだか、、、たぶん、観光地を専門に回ろうとしている運転手で、観光地は西のほうに固まっているけど、東のほうには観光地がないからだろう。あわよくば、1日とか半日とかチャーターをねらっているのだろう。

  杭州は大きな街だ。東バスターミナルまで17元。7.5kmということになるが、ターミナルまでの間はずっと市街地。ただ、観光地はなく、ところどころに商業地区や大きなビルがある以外は、住宅地が中心だ。ターミナルが近づいてくると、かなりの混雑。結局、20分かかり、8時に到着。

  出発時間の電光掲示板を見ると、8時25分に烏鎮行きがある。窓口では、「ウーチェン イーガ」と中国風に言ってみるが、通じない。やむを得ず、手帳を出して「烏鎮」 と書いて見せると、わかったようで、切符を入手。25元(約355円)。

  待合室に入ると、膨大な数の客。以前、北京駅の待合室をのぞいてびっくりしたことがあったが、そのことを思い出した。待合室を取り囲むようにして、出発ゲートがたくさん並んでいる。

  出発時刻となりバスに乗り込む。切符を手にした乗客が、入口の係員に何やら言っている。満席のため、次のバスに回された客が、このバスに乗せてくれと頼んでいるようだ。だが、冷酷にも却下。座席の数しか載せないようだ。次のバスは9時45分、ホテルを出るのが少し遅かったら、自分も次のバスになっただろう。危ない、危ない。

  30分ほど上海へ向かう高速道路を走るが、その後は一般道路。1時間あまりで、桐郷のバスターミナルに到着し、3分の1ほどの乗客が下車。付近は、ビルの建設ラッシュ。まだ入居していないマンションや商業ビルの連続だ。最近まで農村だったところが、開発の波に乗ったという感じ。

  さらに20分ほどで、烏鎮のバスターミナルに到着。9時50分。バスが着くと、ドアのところに10人以上の人だかり。人力車の呼び込みか、ホテルの客引きだろう。人だかりからあわてて逃げ出したため、バスの画像を記録できずじまい。帰りには撮影しなくちゃ。

  さて、まずは帰りの切符を確保しておく。適当なのは14時30分のバス。その前のバスだと滞在時間が短すぎるし、あとのバスだと長くて退屈しそう。4時間30分あれば、ちょうど観光にいいだろう。

  このバスターミナル、古色蒼然としていて、とても観光地の玄関口とは思えない。実は、大部分の客は観光バスでやってきて、観光バス専用の乗降場に到着するようだ。観光バス専用の乗降場は、烏鎮見学している途中に見つけた。乗降場から直接に、烏鎮の観光エリアに入場できるようになっていた。

  さて、自分の場合は、歩いて観光エリアに向かうわけだが、どう行けばよいか、着いた時点では全くわからなかった。何もわからないまま200mほど歩いて、交差する道路の右手を見れば、古鎮の入口らしき門が見えたので、あそこに違いないと思い、右手へ進んだ。300mほどで門に到着。門の内側はとてもにぎわっていて、門の外と別世界のようだ。

  門の右手に入場券売場がある。料金は60元(約850円)。 以前、訪問した周荘と同じで、景区(観光エリア)全体の入場券と景区内のみどころの入場券を兼ねており、景区の入口と各みどころの入口で入挟される仕組みになっている。ただ、周荘の場合は、各みどころでの切り口がさまざまであったが、烏鎮ではどのみどころも丸いパンチ穴があけられる点が違っている。

  景区に入ると、運河の一方の側に道路があり、もう一方の側が民家の裏手になっている。道路に沿って歩いていく。

  運河にはところどころ橋が架かっている。写真を撮るには、橋の上からが撮りやすい。周荘に行ったときは、すごい人出で橋から落ちんばかりだったが、今回は、観光客が極端に多いとかいうわけでなく、ストレスなく歩ける。

  民家の裏手には引き戸がついていて、運河に浮かぶ船に乗れる構造になっている。現在、船は観光用でしかないが、昔は船が交通手段として利用されていたことがわかる。いつごろまで、船が現役だったのだろうか?

  この付近にも景区の入口があった。そこは、観光バスでやってきた場合の入口になっている。自分が到着した、定期バスのターミナルに比べ、たいへんきれいだ。大部分の観光客はこの出入口を利用するのだろう。

  運河に沿った道路の一部の区間は、屋根がつけられ、とても長いベンチが置かれていた。ここでしばし休憩。

  烏鎮の景区の中の運河は東西に一本あるだけなので、遊覧船は同じところを往復するだけのようだ。周荘の場合は、景区が面的は広がりを持っていたので、船の運航経路ももう少し複雑だった。なお、景区内の運河は一本あるだけだが、烏鎮の街全体では、複雑な運河網があるようだ。

  

  土産物店の集まるエリアがあった。そこで、飴を伸ばして売っていたので、試食。1個1元(約14円)。

  何個かを箱詰めして、土産物として販売しており、ここの名物なのか、買っている人が多い。  

  飴を買った店にて。

  昔ながらの漢方薬局。現役ではない。

  蚕を飼育していた民家。壁にはいまどき珍しい毛沢東の肖像画。

  蚕をこのように身近に見るのは初めてだった。

  左手の民家は道路に表口があり、運河に裏口がある。このような民家が続く。

  酒坊。奥では酒づくりの設備などを展示。現在も現役で酒の製造、販売をしている。

  染物の工房。布を干していた。

  現代中国の作家。茅盾の故居。景区の入口からすぐのところにある。

  茅盾の生涯やここで生活していた当時の部屋の様子を展示している。

  修真観。道教の寺院のようだ。

  古い建物を利用した現役の伝統茶館。

  4時間ほどかけて古鎮を見学。バスターミナルに戻り、杭州行きバスに乗車。

 

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