13 カ ン フ ラ ン
この日は、ルルドをベースにして、近くに足を伸ばしてみた。 最初に、ルルドの近郊のベトラムの洞窟に行った。鍾乳洞なのだが、いろいろな乗り物が楽しめる。 まず、ルルドのバス停から鍾乳洞へ。 ケーブルカーで丘の上に行って、歩いて洞窟を降りていく。
そして、地底を思わせる洞窟内ハイキング。 そのあと、何と、船に乗るのだ。船を下りたあとは、ミニ列車で洞窟を出る。ミニ列車っても、かなりスリルがあり楽しめる。 中は、突然、冬になったかのような寒さで、セーターなどが必要。自分もこの洞窟のためだけのための衣類を持っていったが、その苦労が報われた。
昼前にルルドに戻り、すぐにSNCFでポーへ。 駅前にケーブルカーがある。このケーブルカー、無料なのだ。丘の上に市街地が広がっているため、公共機関の役割を果たしているのだ。 丘の上に上がると、ピレネーの山々をきれいに見渡せるはずだったのだが、あいにく天気が良くなく、眺めは楽しめなかった。
右の画像は、丘を上って少し歩いたところにあるシャトー。 ここでアンリ4世が生まれたという。この王は、ブルボン朝最初の王で、ナントの勅令を出している。 このあと、市街地を一周して駅に戻った。
ポーからは30分ほどローカル線の旅。 この付近のローカル電車は、左のような車両がほとんどであった。
列車の終着駅、オロロン。ここは、まったくの田舎町。 ここからは、1日に数便、運転されているスペイン領のカンフラン行きのバスに乗った。 右がそのバス。乗車したのは、数人で、自分以外は、短距離客で、すぐに自分の専用バスになった。
実は、この区間、かつては鉄道が走っていて、フランスとスペインを結ぶ国際列車も走っていたのだ。 そのなごりである鉄橋。バスからうまく撮影できた。 やがて、バスはピレネー山中に入っていく。
バスはどんどん高度を上げていく。 ふもとの方は、なだらかな丘陵状で、牧場などが広がっていたが、次第に荒々しい風景に変わっていった。
ピレネー山脈の分水嶺付近。このあたりは、ヘアピンカーブが連続していた。 フランス旅行で一番、きれいな風景だと思ったのは、このあたりの山岳の眺めだ。
国境のスペイン側の検問所。バスには、係員が乗り込んできて、パスポートの提示を求められた。もっとも、帰りにフランス側に戻るときにはフリーパスだった。 このあと、バスは山を快適に下っていった。ぐんぐん高度が下り、やがて田舎町の中へ。
1時間のバス旅も終了し、カンフランに到着。 ここでバスはわずか30分で折り返すので、その間にお大急ぎで街の端まで歩いてみた。 どうやら、避暑地になっているようで、ホテルが結構あった。 商店に入ったが、通貨はペセタ。国境を越えたことを実感した。
カンフランの駅。かつて国境の大駅だったようで、かなりの規模だ。 だが、今は、1日に2往復のサラゴサ行きのローカル列車が発着するだけ。 駅舎の中には、もとは出入国手続きや税関だった部屋もあったが、朽ち果てていた。 あわただしい滞在を終え、うつらうつらしながらルルドに戻った。
|