6日目  ウ ブ ド で 美 術 館 め ぐ り

  

遅い朝食はバビグリン
 バビグリンとは豚の丸焼きだ。バリ島の儀式や行事のさいのもてなし料理としてバビグリンは供せられる。いわばハレの料理なのだが、毎日、誰にでも食べさせてくれる店がある。

 王宮の北のほうにあるイブオカ3だ。バビグリンの有名店だ。王宮の向いに1号店もあるようだが、行き過ぎてしまい、やってきたのは3だ。夕食時には売り切れているという情報もあって、ホテルの朝食を食べずに、開店一番に訪問することにした。でも開店時間がよくわからず、10時半にホテルを出て店に向った。11時ごろに到着。すでに店は開いていたが、ほかの客はいなかった。
 かなり大きな店内だ。注文してからも、かなり時間がかかったので、丸焼きにした豚を解体していたのかもしれない。
 
 窓はなく、オープンなのだが、外側に面した席に座った。渓谷沿いだが、見晴らしはよくない。しばらくして、雨がきつくなりだした。店にやってくるときから小雨が降っていたのだが、傘をさすほどでもなかった。でも料理を待つうちに、次第に雨脚が強まっていった。
 
 豚の顔をした水道の蛇口。
 
 バビグリン・スペシャルを注文した。スープとご飯がついて75000ルピア。税サ入れて82500ルピア。飲物はコカコーラにした。 
 
 豚肉のいろいろな部分を盛り合せてある。肉の部分は、スパイスがたくさんついているが辛くはない。茶色いのが皮の部分でカリカリしている。黒いのはソーセージ。あと、香辛料のきいた野菜のみじん切り。
 
  スープも辛くはなかった。雨がやむのを期待して、1時間ほどかけてゆっくり食事をしたのだが、傘なしで歩けるくらいの小雨になってきたので、席をたった。またやってきたい店だが、今度は1号店、2号店にも行ってみたい。
美術館めぐりと昼食のサテ
 12時ごろにイブオカを出た。雨も上がっていた。この日は、ウブドにある美術館4館を見て回ろうと思う。

 最初にやってきたのは、王宮の西側にあるプリ・リキサン美術館。駐車場の奥に入口があり、右手の建物に入場券売場がある。85000ルピア。
 
 中はゆったりとしていて、4つの展示館がある。落ち着いた雰囲気の中で絵画を見ることができる。
 
 
 絵画はバリの絵画で、多くがバリの風俗や自然を描いていて興味深い。これは、ケチャで最後に裸足の男が火を踏んでているところだ。前日にケチャを見たばかりなので、面白かった。
 
 こちらは、農地の雰囲気がバリ島らしい感じだ。この手の絵画は多数あった。
 
 プリ・リキサン美術館を出て、ジャラン・ラヤ・ウブドをブランコ美術館へ向かった。下り坂になっていて、歩道を歩いていた。

 その時だ。大きな音がしたので、振り向いた。バイクが倒れてドライバーが横たわっている。同乗していた人は無事だったようですぐに立ち上がった。倒れたのはオジェック(バイクタクシー)だったようだ。ドライバーは大丈夫なのだろうか。客は右端の白人女性で何ともなかった。バイクの後ろを走っていた車は急停車し、二重事故にはならなかったのが不幸中の幸いだ。

 自分の場合、どんな国であろうと、バイクタクシーには乗らないようにしている。事故が心配だからだ。ネットの旅行記を見ていると時々、転倒事故や他の車との衝突事故、あるいはマフラーに足が触れてのやけどとか事故やけががおこっていることがわかる。どうしても、乗らざるを得ない時以外は、基本、バイクタクシーには乗らないのだが、今回の事故をすぐ近くで目撃して、バイクタクシーには乗らないっていう方針をさらに確固たるものにした。
 
 
 
  上左  チャンプアン橋を渡るとブランコ美術館。道路に面した門からかなり坂を上がる。ここが入口かと思えばまだ中へ。

 上右  ここが入口。内部は撮影禁止。ブランコというスペイン人の画家でバリに住んだので、ここに美術館があるが、作品はバリとは関係ないものがほとんど。撮影禁止で内部の写真はなし。

 左  屋上からの眺め。方向によっては一面ジャングルだ。ここでしばらく休憩。

 
 続いて、方角を北に変えてネカ美術館に向った。18年前にも来ているが、そのときは、ほとんど建物がない中を延々と歩いたのだが、現在では、かなり建物が建った中を歩いていった。30分ほどで到着。バリ風の建築だ。

 下左  竹琴をさわれるコーナーがあったので、ちょっと鳴らしてみた。なかなか面白い。

 下右  絵画はバリ絵画が中心だが、西洋風の画風の作品なども多く楽しめた。

 
 
 ネカ美術館を出るともう14時半を回っていた。美術館の前にヌーリスワルンというローカル食堂がある。

 ここは18年前にも入ったことがある店だ。もし店がまだ残っていたら、ここで昼食にしようと、朝から思っていた。まさかと思ったっが、昔のただずまいのままの店があった。
 
 店頭でBBQやサテを焼いていることは覚えていなかったが、見るととてもおいしそうだ。サテ・アヤム(チキンサテ)でもいただくことにしようかと決めた。

 下左  店内。なぜか、Tシャツなども販売している。店のオリジナル商品ではなかった。

 下右  ビンタン生を出していたので、ビンタン生を注文。うまいの一言。
 
 
 サテ・アヤムが焼きあがってきた。あつあつで美味しくいただける。50000ルピア。ご飯3000ルピアもいただいた。食べ終わると15時の遅い昼食となった。
 
   上左  昼食後は30分かけて近くにブランコ美術館のあるチャンプアン橋まで戻ってきた。

 チャンプアン橋を渡って、ジャラン・ラヤ・ウブドに入り、すぐに北側へ向かう坂道を下っていく。少し歩くと、グヌン・ルバ寺院が橋の向こうに見える。

 上右  寺の前の橋からは上の方に、いま渡ったばかりのチャンプアン橋が見える。かなり深い渓谷だ。

 左  さてグヌン・ルパ寺院だが、以前は入場できたようだが、今は門がかたく閉じられていて、門の外から中をうかがうことしかできないので、すぐに引き返した。ここに入場するためニ、サロンも持ち歩いていたが無駄だった。

 ルシ・マルカンディアというヒンドゥー教の僧侶が8世紀にバリに来訪し、この地に建てたのがこの寺だ。このころ、この付近はウバッド(Ubad 薬草の意)が生い茂っていて、これがウブドの語源になったと伝えられている。だから、ここはウブド発祥の地ともいえるのだ。
 
   ここから、王宮の前なども通って、ウブドの中心部をさらに40分ほど歩いた。歩く途中で雨が降り出し、次第に雨脚が強まっていった。

 16時半ごろに、ウブドの南のはずれにあるアルマにたどりついた。ネカ美術館は北のはずれにあるのだが、ネカからは4kmほど歩いたことになる。

 
 
 ここは、バリ絵画とバリにかかわった外国人画家の作品の両方を展示している。広大な敷地の中には屋外展示もあるようだが、雨のために外の見学はやめた。

 下左  入場料60000ルピアでカフェでの飲物を飲むことができる。一通り回ったあとはカフェで休憩。

 下右  せっかくだからバリコーヒーの方がいいかなと思いつつ、暑いのでアイスコーヒーをいただいた。 雨が小降りになるまでカフェで休憩。18時前ごろまで滞在。
 
 
 
 
ダンスと夕食
 ホテルに戻って、30分ほど休憩ののちまた出発。夜のダンス鑑賞と夕食のためだ。雨はまだ降り続いている。

 モンキーフォレスト通りは暗くなっているというのに、まだ渋滞が続いていた。そんなとき、歩いている横でクラクラバスがゆっくり動いていた。クラクラバスを見たのははじめてだ。

 クラクラバスは2014年から運行されだした新しいシャトルバスで、クタのDFSが起点。バリ島南部のエリアが中心だが、ウブド線もあって1日に数本、ウブドにもやってきている。当初は利用も考えたが、クタの拠点がDFSで利用しにくいので、利用は断念した。ウブドでの乗場がどこなのか、よくわからなかったので、目にする機会があるとは思わなかった。運賃、所要時間ともペラマ社のシャトル並みなので、次回のバリ島旅行では使ってみたい。
 
 向ったのは王宮。パンチャアルタによるレゴンダンスを見るためだ。王宮の中庭で演じられるので、雨だとどうなるのかと思っていたら、道路をはさんで隣の集会所で上演されるようだったので、そちらに移動。10万ルピアとダンス公演の中では一番高額だ。

 ウブドの中でも一番便利なところに位置しているためか、着いたころには人でいっぱい。最後列に空席を見つけて着席。王宮のオープンステージに比べて、背景がかなりしょぼいのが残念だ。
 
 
 上左  レゴンでは何度見ても、指と目の動きに注目させられる。あの神経が行き届いた動作はどうすればできるのか不思議だ。

 上右  ジャウックという舞踊劇。鬼神が森の中で1人で踊っているのを演じている。怖そうななかにユーモアが感じられる。

 左  公演後、出演者が勢ぞろい。最後列にいたので、すぐに会場から出て、夕食の場所探し。
 
 食事はこの時間帯、どこも人が多く、空いている席のあるレストランを探して歩く結局、王宮近くのココビストロでとることになった。

 下左  店内。

 下右  生があったので、生ビルを求めた。たぶんビンタン。
 
 
 チャプチャイを注文。いろいろな国で食べることができるチャプスイと同じ料理かと思って注文した。
 
 当然、豚肉も入っているのかと思いきや、肉類は何も入っていなかった。八宝菜に似ているが、肉が入っていない料理といえばよいか。チャプスイとは少し違う、インドネシア独特のものといえるだろう。

 肉が入っていないので、味が単調。やはり肉が入っているほうがよい。ちょっと、ハズレな料理であった。

 
 
 ご飯がついていて、バナナの葉の上にのせられている。

 ホテルに戻り、歩き疲れた一日を終えた。