6日目  ま た も 15km ウ ォ ー キ ン グ

 

 

サダンとパラワ
  トラジャ滞在4日目。一番行きたい、見たいところは1日目、2日目で体験し、3日目はトレッキングをしたが、4日目もたくさん歩くかもしれないと予感はしていた。この日は街の北の郊外を回る予定だ。ペテペテをうまく利用できれば、あまり歩かなくてすむかもしれないが、3日目の状況から、ランテパオ郊外のペテペテは便数が少ないことがわかったので、期待はしていない。

 朝食は、インンドネシアスタイルの中で、ブブール・アヤム(鶏粥)を選んだ。粥の上に卵焼きがたくさんのっていて、粥も鶏肉も見えないが、このホテル独自の盛り付けなのだろう。普通は粥にはつけないと思うのだが、これもホテル独自なのだろう。
  紅茶とフルーツ。紅茶はポットで出てくるし、フルーツも量が多めだ。

 朝食後は、前日と同じく、ランテパオ中心部まで行ってボルへのペテペテに乗車するため、1kmほど歩く。

 下左  乗場にはペテペテが停車中。近くにいた人がドライバーだろうと尋ねたら、これでよいとのことで乗車。

 下右  ペテペテの車内。屋根が低いので、車内では腰をかがめて動く。客が集まるまで30分ほど待った。
 
 15分ほどでボルに到着。ここから北へ10kmほどのサダンにまず向う。まず、ペテペテ乗場を見つけるために、聞きまくる。知らない人が多いうえ、人によって違う方角を示したりと、探すのに苦労した。やっと、ここだというのを見つけたら、ペテペテが出発したあとらしく、車は止まっていない。

 ペテペテはボルの市場のそばから出る。車も止まっていないので、しばらく市場を見て回ることにした。

 下左  トマトやみかんに似たものを売っていたが、日本のものよりかなり小さい。

 下右  魚売り場。水槽に入れた鮮魚を売っている。ランテパオは高原の街なので。近くの川でとれた魚だろうか。
 
   竹筒に肉などを入れて蒸し焼きする伝統料理パピオンも作っていた。レストランでは食べたのだが、市場ではどんなものか気になった。でもまだ蒸し終わる気配はなく、店をあとにした。

 下左  さきほどの場所に戻ると車が止まっていたので、聞けばサダンに向うという。乗合タクシー型のペテペテだ。

 下右  乗車して待ったが、ほかの客を待つこと30分以上。
 
 
  30分ほどでサダンの終点に到着。30000ルピア(約250円)。サダンへやってきたのは、ここが機織りで有名な村だからだ。

 しかし、周辺を見渡してみても機織りをやっている気配はみられない。

 ペテペテを下車してすぐのところにあった家にはびっくり。普通の家の屋上にトンコナンが建ててある。

 することがないので、車がやってきた道を歩いて引き返す。
 
 サダンの村のキリスト教会。教会とトンコナンが並んで建っていて絵になっている。山奥の教会は、トンコナンがなければヨーロッパの田舎かと思ってしまう感じだ。
 
 車が通ったところの近くにトンコナンが並ぶ集落があったので行ってみた。機織りの音がかすかに聞こえ、ここが機織りの村だとわかった。ガイドブックではサダンが機織りがさかんと書かれているのだが、サダンといってもたくさんの集落があり、その1つの集落で機織りをやっているだけなのだ。

 下左  いくつかのトンコナンの1階部分が機織りの作業場になっていた。

 下右  この集落のトンコナンは特に年代物のトンコナンが多かった。
 
 
 サダンはちょっとがっかりさせられた。次に向うのはパラワ。サダンから3kmほど南。

 車道を歩いていると、小学生が行進をしていた。前年はバリ島に同じ時期に行ったのだが、あちらこちらで小学生や中学生が行進していた。独立記念日の行進の練習をしているのだ。島は違ってもインドネシア全土で同じように行進しているようだ。
 
 パラワはランテパオに向う車道から1kmほど横道に入ったところにある。車道に面して、歓迎用のアーチがあるので横道はすぐにわかった。

 トンコナンが並ぶ集落に着いた。ここはタナトラジャの中でもトンコナンの美しさが有数の集落だと言われる。確かにきれいにトンコナンが並んでいる。

 すでに正午を回わり、お腹もすいてきたので、トンコナンの1階が利用されていないところで昼食。
 
 
 上左  トンコナンのうち、住居になっているトンコナン。2階に上がる階段がついているのが特徴だ。

 上右  トンコナンのうち、米などを保管する倉庫として利用されるアラン。2階に上がる階段がないのが特徴。ここの1階部分の床に腰かけて昼食にした。食べ残しているサラックとサラックから作った菓子だ。ランテパオに向う途中に買って、なかなか食べつくせなかったが、ようやく全部食べた。

 左  住居のトンコナンの場合は、玄関に水牛の角がたくさんつるされている。葬儀で生贄になった数だけの水牛の角がつるされているらしい。さりげなく金持ちであるかそうでないのかがよくわかる。
パンリとボリ
 車道に戻り、さらに南下してパンリに向った。ペテペテがいつくるのかもわからず、歩くしかなかった。途中、田んぼの向うにカラフルな墓があった。緑の田の中でよく目立つ。
 
 1時間ほど歩いてパンリの集落に到着。ここには石造りのタウタウがあるとのことだが、結構大きな集落なので、どこにあるかよくわからない。

 下左  ガイドブックに石造りのタウタウの写真がのっていたので、写真を住人に見せて歩いた。最後には、現地まで連れて行ってもらえた。ひょっとして、ガイド料をとられるのではと、あらぬ心配もしたが、まったく不要だった。写真は現地で撮影したもので、ガイドブックに掲載されていた写真もほぼ同じもの。現地の人たちはよく知っているタウタウなのだろう。
 
 上左  連れていってもらえた墓。トンコナン型をしていて、外見では住居と変わらないので、墓なのかどうかわからない。自力で見つけだすのは難しかったと思う。

 左  トンコナン型の墓の前に置かれた石造りのタウタウ。ガイドブックでは、石造りのタウタウがいくつもあるような書き方がしてあったのだが、実際にはこの1体があるだけだった。探せばもっとあったのかもしれないが。

 下左  建物の横には墓があり、タウタウと同人物のものだろうか。1840、1960とあるが、顔だけの写真を見ると1917という数字が見え、亡くなったのは1917年かな。人物名もネットでは不明。この地では有名人なのだろうが。

 下右  パンリのあとはボリに向う。4kmほどを1時間少々かけて歩いた。途中には、ちょっとした峠があり、上り下りもあった。その付近の写真で、大規模ではないが棚田が広がっていた。そのほかの道中もほぼ田んぼばかり。
 

 
 
 
 ボリではストーンサークルのミニチュア版のようなのが見ものなのだが、ボリもそこそこ広い範囲があるので、果たして見つけられるか心配であった。実際には、歩いていたら、突然、目の前に現れたという感じでまったく探す苦労はなかった。

 石の柱が円状に並んでいる。ここで葬儀が行われたとのことだ。

 下左  そばには岩窟墓もあった。広場で行われた葬儀のあと葬られたのだろうか。

 下右  ボリの集落。トンコナンが車道に沿って並ぶ。
 
 
  ボリからはランテパオに戻るだけだ。8kmほどあり、2時間少々歩いた。

 途中、ボリにあったのと同じように、石柱が円状に並べられているところがあった。ランテパオをめざしてただただ歩いていたら、集落からは離れている場所で、森の中に突然現れてびっくりした。ここでも葬儀が行われたのだろう。最近も利用されたのだろうか、トンコナン型の飾りが置かれている。ガイドブックには書いておらず、説明板も設置されていないので、詳しいことは不明。
 
 ランテパオにも戻る途中で出会った子供たち。以前から気づいていたが、インドネシアでは、子供でもバイクに乗ってよいようだ。

 ランテパオに戻ると17時を回って、すでにうす暗くなっていた。前日に引き続き、この日もサダン、パラワ、パンリ、ボリ、ランテパオと15kmほど歩いたことになる。自分ながら、たくさん歩いたのに満足するやら、感心するやら。比較的高価なサンダルを利用していて、30km歩いたくらいではサンダルはまったく異常がなかった。

 前日とこの日は、徒歩中心で回ったので、見学個所は少なかったが、観光地化されていない村をのんびり歩いて、きれいな空気を吸えたのがよかった。
ランテパオ最後の一泊の夕食
  ランテパオに戻った後、少し街の中をブラブラすると、間もなく暗くなってきた。今夜の夕食はカフェ・アラスでとることにした。ここはトリップアドバイザーで、ランタパオのレストランでは人気ナンバーワンだ。

 山小屋風の造りになっていて、カジュアルな感じだ。入店したときはすいていたが、しだいに外国人旅行者のたまり場のようになってきた。ランテパオで外国人向けレストランは数えるほどしかないので、ここに客が集まるのだろう。
 
 
 上左  料理がくるまでの間、ビンタンを飲んで待つ。55000ルピア(約460円)で、ランテパオでビールは一番高かった。

 上右  店内。雰囲気はランテパオで入店したレストランの中では一番よかった。そのかわり値段も一番高かった。

 左  チキンサテ。焼き鳥にピーナツソースがドバッとかけられている。55000ルピア(約460円)で値段の割に串の本数が少ないのが残念だった。
 
 ご飯は、赤米を頼んだのだが、赤米はこの日はやっていないとのことで、黒米にした。黒米といっても、紫色をしているのはランテパオ初日に食べてわかっている。

 下左  カフェアラスでもう一品注文してもよかったのだが、屋台食も経験しておきたかったので、屋台を探した。麺類の屋台があったので、そこにした。屋台の後ろにテーブルがあって、現地人でにぎわっていた。

 下右  ミーゴレン・スペシャルを注文。調理中の様子。
 
 
 出来上がったミーゴレン。えびせん、ゆで卵、ピーナツ、大根の漬物のようなものなどがのせられているのでスペシャルなのだろうか。

 スパイシー?と聞かれて、スパイシーと頼んだ。青唐辛子がかなり入っていてとても辛い。予想以上に辛かったので、マイルドにしておけばよかった。20000ルピア(約170円)と安い。スペシャルでないミーゴレンだともっと安い。

 ホテルに戻って、ランテパオ最後の夜をすごした。