都羅山と第3トンネル (2003年)                

 旅館で目覚めると、ふとんの下が暖かい。もう、オンドルを使っているようだ。気持ちいいのでもっと休んでいたいが出発。ここであとの日も泊まることにして、値引き交渉。結局、残り3泊分、80000W(8000円)ということになる。

 都羅山(トラサン)へ行く列車は、ソウル発10時10分、11時10分、12時10分の3本。でも、臨津江(イムジン カン)で、手続きが必要なため、ソウル発9時10分 (これは臨津江行き)、10時10分、11時10分の列車に乗車して臨津江まで乗車し、いったん下車して1時間後の列車で都羅山へ向かうことになる。

 このうち、都羅山からバスツアーで第3トンネル、都羅展望台へ向かう場合は、9時10分か11時10分の列車を利用しなければならない。10時10分の列車の場合は、都羅山駅を見学して、そのまま引き返すことになる。
(見学の形式はしばしば変わっている。自分が 訪問したのは2003年10月)



 8時前にソウル駅に着いて、すぐに9時10分の都羅山行きの切符を購入。都羅山までの切符は枚数が決まっているらしく、切符にも9:10と手書きで記入される。値段は1400W(レートはちょうど10分の1にすると日本円になっていた。したがって500円)。これは安い!!
 


 切符を購入してあと、構内の食堂で朝食。ソルロンタン(牛の内臓を煮だしたスープ。麺がはいっている。これ自体は辛くなく、唐辛子やおかずでついてくるキムチを入れて味付けする。)を食する。5000Wで朝から腹いっぱい。

 韓国の駅では、列車出発の少し前にならないと改札口が開かない。この列車も9時ごろに改札開始と、かなりあわただしい出発。 乗客は座席の半分強が埋まる程度。
 


 列車は、ソウルから北へ向かう。高層住宅群がかなり北まで立ち並ぶ。大谷(テコク)付近では地下鉄3号線と交差。地下鉄に比べて、国鉄の本数は格段に少なく、通勤手段としては使いにくい。

 軍事境界線付近の展望台で有名なオドゥサンへバスで行く場合、乗換え駅である金村(キムチョン)もかなりの規模の市街地である。 金村から大勢の中学生が乗車。遠足のようだが、まさか軍事境界線方面へ行くのだろうか。

 汶山(ムンサン)がかつての終点。ここから臨津江までは2001年9月30日に開業。10時33分臨津江に到着。この駅では正規の改札口からではなく、ホームから直接に外へ出る場所が設けられていて、そこから出る。中学生の集団はそこから出た後。駅から歩いて、駅から少し離れたところにある施設へ向かうようだ。

 自分もホームから出て外へ。目の前に、第3トンネルなどへのツアーバスの受付があり、申し込む。7800W。パスポートを出し、番号と名前が控えられる。切符と入域証を兼ねたような札を首にかけることになっている。

 手続きがあっという間に終わったので、都羅山行きの出発まで1時間あるので周辺を見て回る。駅舎は予想外に大きい。

 中学生の集団が向かった方向へ歩いていくと、テーマパークのような施設群が現れた。北側を望む臨津閣(臨津閣とは韓国風の建築を連想させる名であるが、普通の建物である)のほか、いくつかの慰霊碑、ミニ鉄道、多くはないが遊戯施設がある。ひととおり歩いて一周すると結構広い。

 ここには、さきほどの中学生だけでなく、バスを利用してやってきた小学生や幼稚園児などの集団も目立った。手軽な遠足の場所になっているみたいだ。簡単な食事もできるので、立食でホットドックを食する。 施設の北の端にある自由の橋からは、臨津江と鉄橋が見える。(写真の右下に、かつての鉄橋の橋脚も見える。自由の橋は、かつては眺めることしかできなかったが、今は橋を渡れる。ただし、渡った先には鉄条網があるのだが。)

 臨津江駅に戻ると、ほかの客はすでにホームに入っていたようだ。ホームに入るときには、X線での荷物検査とボディチェックがある。しばらく待って、列車到着。ホームは降車用の部分と乗車用の部分が分けられていて、客をいったん全員降ろし、ホームから客がでてしまってから、列車が少し移動して、乗車用の部分までやってくる。

 11時43分臨津江を出発。ここからは2002年4月25日開業である。すぐに臨津江の鉄橋を渡り、民間人出入統制線内に入る。

 11時48分都羅山に到着。臨津江より大きな、たくさんの列車が着発する駅として使える造りになっている。なにしろ、ホームが5つある。でも実際に使っているのは駅舎に接した1つのホームだけ。そりゃ、1日に3往復半の列車しか走っていないのだから、それで十分。統一鉄道が実現したのちの、拠点駅にするつもりで先行投資しているのだろうか。駅舎もとても大きくてびっくり。

 すぐにツアーバスに乗車。この日は大型バス1台だけで、ちょうど満員の状態。平日は1台しか出ないのだろう。切符の販売制限をしているのはこのためであろう。40人ほどの客は、はっきりとはわからなかったが自分以外はみな韓国人のようである。

 バスはまず第3トンネルへ。荷物は持って入れないので無料のロッカーに入れ、ヘルメットをかぶる。しばらく待ったあと、遊園地の列車のようなのに乗ってトンネルに入る。列車に乗る部分は第3トンネルまでのアクセス用のトンネルで、降りたところからが本物のトンネル。北側へ500mほど歩けるようになっている。案内用の看板には日本語の説明もあった。

 トンネル内は写真撮影禁止。ときどき、ヘルメットがトンネルの天井にぶつかる音がする。と思っていたら、自分も何度か頭をぶつけた。ヘルメットが必要なわけだ。少し背をかがめて歩かねばならないのがつらいが、訓練された兵士なら問題がないような高さである。

 行くことができるのは、軍事境界線まで300mの地点まで。この間に壁が3つあって、1つ目のそばが歩いていけるところの終点である。同じところを引き返して、列車乗場まで戻る。しばらく待って、列車で地上へ。 地上へ出たあとは、トンネル入口そばの展示館を見学。

 このあと、バスで都羅展望台へ。数キロ離れたところに以前行った板門店の建物群が見える。ここも展望台からの写真撮影は禁止。

 このとき14時ごろだったので、14時14分発の列車に乗れるかと思ったのだが、そうは簡単にはいかない。バスは食堂兼土産物屋に立ち寄り昼食タイム。自分はすでに食べたので、その辺りをブラブラ。特に何もないようなところだ。

 14時35分に食堂を出発して、14時45分ごろ都羅山駅に到着。しばらく時間つぶしをしてから、15時14分発の列車でソウルに戻る。

 居眠りしていたら、ガラガラだった列車は満員。16時45分ソウル着。明洞に向かい、ブラブラ。この日は夕食にヘジャンクク(牛骨のスープの中に牛の血をかためたものが入っている)を食べる。5000W。

 

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