扶餘と公州 (2003年)

 ソウルから日帰りで扶餘(プヨ)と公州(コンジュ)の両方を訪問するのは、かなりきつい。どちらも百済の都で、さほど離れていないのでまとめて行った。

 仁寺洞の旅館を出たのが6時20分。鐘路3街(チョンノサムガ)から地下鉄3号線で南部ターミナル(ナンプトミナル)まで直通でいけるから便利だ。土曜日の早朝ということで、かなりすいている。ところが、寝ぼけていたのか失敗してしまった。下車駅のひとつ手前の2号線乗換え駅である教大(キョデ)でたくさんの客が降りたものだから、ここだと思って降りてしまったのだ。ここで時間のロスをしてしまい、次の電車で南部ターミナルまで行った。

 地下から地上に出る階段を出て、10m歩けばバスターミナルの入口。なぜ、地下鉄の構内から直接、バスターミナルにいけるようにしないのだろうか。構内に入り、バスの時間をなんとかさがしあてたところ、何と、7時10分にバスがある。そのとき、ちょうど7時10分。ということで、バスを逃してしまった。次の扶餘行きの直行バスは7時50分。この間に、途中で止まるバスもあったが、遅くなりそうなので、7時50分のバスで行くことにした。運賃は、10000W(1000円)。

 まだまだ時間があるので、その間に朝食。ターミナル内で、うどんとキンパプを注文。何店か同じような店があるのだが、どこも満席で、立ち食いしている客もちらほら。自分も立ち食いにした。半分くらい食べたところで、席があいて座った。うどんは関西風の味付け。うどんとキンパプをあわせて5000W(500円)。

 扶餘行きのバスは、3分の2くらいの客。まもなく高速道路にはいり、天安(チョナン)まで行って、一般道路に戻る。このバスは市外バスであって、高速バスではないのだが、走行距離の4分の3くらいは高速道路を走る。予想より早い2時間の所要時間。9時50分、扶餘のバスターミナルに到着。

 公州行きのバスの時刻と運賃を確認して、バスターミナルの外にでる。どちらの方向が南か確かめ、まずは 定林寺址(ジョンニムサジ)へ。徒歩10分ほど。塔が1つ、石仏が1つ残っているだけだ。石仏のほうは建物が作られて、その中に納まっている。

 次に、扶餘博物館。百済時代を中心として、地元の出土品を展示しているが、かなりかけ足見学。400W(40円)と安いのはいい。

 南に少し離れてたところにある宮南池(クンナムジ)。かつてあったという庭園はなく、近年つくられた池と建物があるだけだ。

 来た方向を引き返し、いったん定林寺址の横まで戻って、さらに逆方向へ向って、扶蘇山(プソサン)に上る。扶餘の町の北端にある山で、ここに王宮があった。山の上のほうには、当時の建物跡がある。山内の各所にある建物は近年つくられたものらしいが、扶餘の町を眺められるところや、百済滅亡のときに宮廷に伝える女性たちが身を投げたと伝えられる落花岩を見渡せる百花亭は印象が残っている。山の中は整備されているが、起伏がかなりあってハイキングコースともなっているようだた。この山中だけで3kmくらいは歩いた。

 上ってきた側と反対側へ扶蘇山を降りると船乗場があって、白馬江(ペンマガン)の川下りをしながら、落花岩を川から見上げることができる。川下りは10分くらいで終わる短いもの。

 船を下りてようやく昼食。クドレドルサンパプという店で、ドルサンパプを食べる。有名な店で、韓国人客で満員。なんとか1テーブルあいていたところに座ってまっていたら、やってきました。とても食べきれないくらいの分量の料理が。ドルサンパプは、さまざまなおかずの出てくる韓定食の一種で、おかずを野菜や野草で巻いて食べるようになっている。ここの店の特徴は、釜飯がついていることで、赤飯のような釜飯でご飯が出てきた。あまりにも、おかずの量が多かったので、注文したのとは別の料理を出されてしまったのかと思ったが、そんなことはなかった。10000W(1000円)とはとても思えない分量で、歩くのがつらくなるほど食べたけど、それでも食べ切れなかった。

 昼食に時間をかけたので、公州に向かう時間がかなり遅くなってしまった。バスターミナルへ戻り、14時35分のバスで公州に向かった。運賃は2800W(280円)。

 15時30分ごろに公州のバスターミナル到着。だが、そこは町の中心から離れている。まずは公山城(コンサンソン)。小さな山で、その中に百済時代の王宮がおかれた。当時をしのぶものは、池の跡くらい。ここもかなり広くて、ハイキングコースのようである。2km以上歩いたと思う。

 続いて、宋山里古墳群へ。町の西方にある古墳公園である。ここは広大な敷地のなかに、7つの古墳と、博物館がある。古墳のなかで、埋葬者がわかっているのが、武寧王の墓で、博物館はこの墓から出土した副葬品や、墓の中を再現した部屋などが展示されている。この中でも1kmは歩いた。

 すでに17時30分近くになっているのだが、この日は韓国の開天節という休日であったので、公州博物館が普段より1時間遅い19時までやっているということがガイドブックでわかり、またも歩いて博物館に向かった。が、着いてみると、人影がなく、なんと訪問した日の5日前から9ケ月ほど休館になってしまったのだ。

 結局、遠回りしてバスターミナルに戻るというな感じになり、公州では施設内も含めて8kmくらい歩いた。扶餘でも8kmくらい歩いているから、この日はハイキングデーになった。公州からソウルに戻るバスも、直行と遅いのがあるようだが、直行のバスは1時間おきに発車していることを、扶餘から着いたときに確認していた。次の直行バスは18時15分。時計を見ながらバスターミナルへ急ぐ。なんとか1分前に切符を買い、バスに飛び乗った。運賃は5900W(590円)。この運賃、ソウルから扶餘の直行が10000Wで、公州でいったん降りると、2800Wと5900W、合計8700Wと不思議な料金設定になっている。

 19時55分ごろ、ソウルの南部バスターミナルに到着。20時30分すぎに、地下鉄で旅館近くに戻る。この日の夕食はパス。ドルサンパプがまだ腹に残っていた。かわりに伝統茶館で、お茶。5つの味が楽しめるという五味子茶の夏向けバージョンをいただく。冷たい五味子茶のなかに果物が浮かべてあるというもの。6000W(600円)。

 この日は、熟睡できたことは言うまでもない。

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