2005  光 州 ・ 全 州     

 

1日目  夜行バス売り切れで白バス乗車

 

 

  関西空港からアシアナ航空の夜便で仁川空港へ。機内は半分くらいの乗客で、見ている新聞から大半が韓国人だとわかる。仁川到着が20時20分、それからソウルに行くとかなり遅い時間になるので、日本人観光客には適していない時間帯だ。

  ベルト使用の表示が消えるとすぐに機内食。関空発の日系では廃止されてしまった機内食。廃止前もなくてもよいような食事だったが、、韓国系の場合は、やや簡単な機内食が出る。乗った便では、コッペパンのサンドイッチ。十分にお腹が膨れる。

    

  またたく間に仁川空港到着。今回は、高速バスターミナルまで行き、そこから夜行バスで光州にむかう予定だ。そのため仁川空港から江南の高速ターミナルに直行するリムジンバスに乗車した。乗客は自分ひとり。

  今回の旅は、チュソク(中夕)の前日に韓国入りし、滞在中の3日間がまるまるチュソクの期間という旅になった。実は、旅の計画を考えたとき、チュソクと重なっているとは考えてもみなかった。旅の少し前になって、チュソク期の旅とやっと知った。チュソク期は、交通渋滞や店舗の休業などのため、韓国旅行は避けたほうよいといろいろなところに書いてある。今回は、あえてチュソク期の韓国の様子を見ることも、旅の目的とした。

  ところで、チュソクだが、旧暦のお盆のことである。韓国の休日のうち、ソルナル(旧正月)とチュソクは3日続けての休日なのだ。ただし、旧暦なので、太陽暦で何月何日と固定しているわけでなく、何月何日かは毎年変化する。ソルナルとチュソクには、ソウルに出てきている地方出身者が一斉に帰省し、交通ラッシュが引き起こされるらしいが、実際はどうだろう。

参考 韓国の休日 
1/1 元日
2月ごろ ソルナル(旧暦の大晦日)
2月ごろ ソルナル(旧暦の1月1日)
2月ごろ ソルナル(旧暦の1月2日)
3/1 三一節(三一独立運動記念日)
4/5 植樹の日
5/5 子供の日
5月ごろ 釈迦誕生日(旧暦の4月8日)
6/6 顕忠日(戦没者追悼日)
7/17 制憲節(憲法記念日)
8/15 光復節(独立記念日)
9月ごろ チュソク(旧暦の8月14日)
9月ごろ チュソク(旧暦の8月15日)
9月ごろ チュソク(旧暦の8月16日)
10/3 開天節(建国記念日)
12/25 クリスマス

  やがて、高速バスターミナル着。ここで、まず目的地である光州行きの切符売場がわからずにウロウロ。夜とは思えないくらい客が多い。このターミナルはすでに慶州行きなどで利用済み。だから安心しきって着いたのだが、光州行きの切符売場が不明。実は、全羅道方面などは、道路をはさんで、別のビルにターミナルがあったのだ。ようやくそのことがわかり、別のビルへ行くと、新しいターミナルがあった。

  

  そして、切符売場を見て絶句。延々と伸びる切符を買う人の行列なのだ。光州行きの窓口を見ると、3分ごとにバスが発車しているようだ。普段は光州行きの深夜バスは30分ごとに2時まで出ているようだが、この日は3分ごとに出ている。それで、安心して、もう少し列が短くなってから買おうと思ったのがミスだった。

  1時間ほど、ターミナル周辺を歩いて戻ってきたら、あれだけ長かった行列が消えてしまっている。そして、窓口には何やら張り紙が、、手書きの張り紙の意味、ハングルはわからなかったが、状況から理解できた。終バスまで切符が売り切れだということだ。ためしに窓口で、コヮンジュハンジャン、と言ってみるが、何やら言われて買えない。売り切れだと言っているのだろう。もっとも、行列に並んでいても、ものすごい列だったので、途中で売り切れたのかもしれない。

    切符を買えなかった人が、バス乗場に入っていく。そして、次々に発車していくバスの発車直前に空席がないか尋ねている。たまに空席のあるバスがあり、運転手にお金を払って乗車している。切符を持っていても、指定された時間に現れない人が、たまにあるようで、その人の席を求めて、たくさんの人が待っているようだ。しばらく自分も、争奪戦に参加してみたが、空席のあるバスなどほとんどない。3分ごとに次々と出て行くバスがあるというのに、自分は乗れない、、さぁ、どうしようか。

  この日はあきらめて、翌朝の一番のバスにしようかとか、今回は全羅道方面をあきらめてソウルで泊まろうかとか考えていた。そのときに、コヮンジュ、コヮンジュと叫んでいる男がいた。別の行き先も叫んでいる。その男に集まる人がちらほら、ひょっとして光州に行けるかもしれないと思い、その 男のほうに行った。すると、しばらくここで待て、というような感じで待たされる。30分ばかりで、その数が30人ぐらいになったところで、一斉に移動。

  バスターミナルの建物を出、少し歩いたところまで連れてこられた。そこには、何台かのバスが止まっていた。一緒に歩いてきた人は、バスのフロントガラスに貼ってある紙を見てバスを選んで乗っている。コ ヮンジュ行きのバスはすぐに見つかった。ただし、手書きのハングルだけだから、ハングルが読めないとバスはわかりにくい。

  正規のバスではなく、自分の乗ったのはどこかの大学のスクールバスだった。ほかのバスも、営業用のバスじゃないバスだった。日本でいう白バスだ。白バスとは、自家用のバスを営業用に使うことで、日本では禁止だが、韓国ではどうなのだろうか。たぶん、禁止なのだろうが、、

  客の入りは半分くらいで、満員になるまで30分ほどまた待たされる。満員になったところで、運賃を集めにきた。2万ウォン。正規のバスの場合、光州まで、普通バスで15000ウォン強、優等バス(3列の座席)で25000ウォン弱。乗車したバスは、普通バス以下の感じのバスだったので、2万ウォンはかなり高いが、やむを得ない。運賃を集め終わると発車。発車は1時ごろだった。

  高速道路はかなりの渋滞でのろのろ運転。高速道路にはバス専用レーンがあるのだが、深夜は関係ないのか、まったく機能していない。途中、サービスエリアでトイレ休憩があり、やがて夜が明け、その後も、光州に到着するまで渋滞は続いていた。結局、光州に到着したのは8時30分。ソウル・光州間は本来3時間55分が所要時間なのだが、そのほぼ倍の7時間30分かかった。

 

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