日目   ソ ウ ル 散 歩

 

 

南大門市場でカルグクス

 

 ホテルの朝食がイマイチだったので、3日目の朝食は外食にすることにした。でも、ソウルは案外と早朝に外食をするのが難しいのだ。

 中華圏や東南アジアに比べて早朝から開いている食堂や屋台が少ないのだ。しかし、全然ないわけじゃない。

 今回のホテルは南大門市場に近いので南大門市場に行くことにした。ここでは昼食、夕食を食べたが朝食は初めてだ。

 食後にいったんホテルに戻るのは面倒なので、そのまま今日の目的地に向かうことができるよう、鍵をホテルに預け外出。

 ホテルは南大門市場の南東の方角にあるので、10分ほど歩いて、市場の南東の端から市場に入ったが、開いている食堂がない。市場の中心部も通って、南西の端まで行って、やっと開いている店を見つけた。

 中に入ると、一軒の店だと思っていたところが、屋台村のようになっていて、アーケードのある狭い路地の両側に数軒の店が並ぶ、うなぎの寝床のようなところだった。このことは、外から見ただけではわからない。

 

 一番奥まで行って、入口まで戻り、結局、入口から入ってすぐの左手の店にした。

 日本人とみて、ウドン、ウドンと言っているが、メニューにはカルグクスとある。そして、ビビンパプをサービスでつけるという。また、電気ストーブのすぐ前に座るようにすすめてくれた。

 まず出されたのが。ビビンパプのミニ。ご飯と具を混ぜ合わせただけって感じでイマイチ。

 ビビンパブを食べ終わったころにカルグクスができてきた。あっさりとしたダシではあるが、日本のうどんのように昆布やカツオブシなどダシよりは濃い感じだ。スープは白く濁っていて、鶏や魚介類からダシをとっている感じだった。カルグクスは美味しかった。

 食べ終わるころには体が温まり、電気ストーブの前では暑すぎる状態になっていた。4500ウォン。

岩山登頂とケミマウル

 上左  この日はソウル市内をぶらぶらするつもりだが、最初に向かったのは地下鉄3号線の弘済(ホンジェ)。ここからマウルバスに乗る。マウルバスは地下鉄駅が起点のものが多く、比較的短い距離を運行するバスで、小型のバスである場合が多い。運賃は一般のバスより安い上、地下鉄との乗継の場合はさらに安くなる。(あとで、一般の路線バスと同じ車体だがマウルバスというのも見たが。)この旅行の時点ではグリーンで塗られ、ほかのバスと見分けられた。ここの停留所の場合、一般の路線バスの乗場は道路の真ん中の安全地帯にあったが、マウルバスは歩道わきにあった。

 上右・左  7系統のマウルバスに乗車。

 10分ほど待って乗車したマウルバスの内部。Tmoneyが使えるので、運賃を尋ねる必要もないのだが、いくらかかったのかわりづらいのは難といえば、難である。

 マウルバスは10数人しか乗れない。満席に近い状態で出発したが、まだケミマウルに上がる坂道の手前でほとんどが下車した。

 やがてケミマウルに入ると、坂道をどんどん上がっていった。壁にペイントされた家々が並ぶが、後で歩いて下りながら見ることにする。

 上左  ケミマウルの終点に着いたマウルバス。

 上右  ここからは仁旺山に上がる登山路がある。当初はケミマウルだけ行くつもりだったが、ネットで調べていると、マウルバス終点から仁旺山に行けるという記述を見つけ、ミニ登山に挑戦してみることにした。

 最初は何でもない道だったが、すぐに急な坂道になった。

 左  やがて足場の悪い道が連続した。

 

 20分ほど上がって、下界がよく見渡せるところにでた。中心に見えるエリアが上り始めた弘済洞。

 仁旺山へは、景福宮方面から上がるレポートはいくつか見つけたのだが、ケミマウルからのレポートは見つけられなかった。自分としてはケミマウルも行ってみたいので、ケミマウルから上がった。実は、このコースを決めたのは、ここ行った当日の朝のことだ。ですから、登山用の服装や靴はもっておらず、ちょっと不安ではあったが、行ってみることにしたのだ。
 

 さらに10分ほどで、とうとう木が生えていない岩山の尾根に出た。すすむべきコースは鎖ではさまれたルートなのだが、歩いてみると、両側が傾斜な坂になっているので、かなり怖い。雪が固まってアイスバーンになっているところもあって、すべらないように慎重に歩いた。

 この岩の尾根を上りきったところが仁旺山と思っていたのだが、この岩山は単なるピークで仁旺山はさらに先に見える頂上のようだった。

 さらに歩いて戻るとなると往復で1時間近くかかるかもしれないと思い、鎖の間の道を上がりきったところの岩山のピークでミニ登山は引き返すことにした。

 下りは慎重にすべらないように、上りよりも時間をかけて歩いた。何せ、砂岩の部分が多い上に、靴が登山用じゃないので。しかもところどころ雪が固まってアイスバーンのようになっているところもあったりしたから。結局、45分かけてマウルバスの終点まで下りた。

 

 マウルバスの終点にて。ここから坂を下るのだが、坂道の両側にペイントされた家々があるのがケミマウル。ケミマウルは蟻の村の意味。

 下左・下右  ケミマウルは数少なくなったタルトンネだが、壁の絵によって、タルトンネらしくなくなっている。

 自分が歩いているときにも、写真を撮っている人や散歩にやってきた人は結構多かった。 地元ではかなり観光地として認識されてきているのだろう。

 ケミマウルはソウルでは数少なくなったタルトンネなのだが、中央の通りの幅が広く、住宅の間隔も開いていて、タルトンネらしくない。加えてペイントが老朽化した住宅を新しく見せる効果もある。

 とはいえ、屋根が足の下にあるようなところもたくさんある。屋根がひとつの庭みたいな感じだ。

 ケミマウルの麓まで歩いたあと、再びマウルバスに乗って弘済駅に向かった。

 

孔徳市場とヨンヤンパプ

 孔徳(コンドク)市場は、海鮮料理やチョッパル(豚足の煮込み)、チジミ、天ぷらなど食べ物の店がたくさんあるらしく、行ってみた。

 3号線と5号線を乗り継いで孔徳駅に着き、地上に出てみると高層ビルが見えるばかりで、どこが市場かわからず。ひとつの角から広がるエリアに狙いを定めて歩き出すと、すぐに市場が見つかった。

 だが、日曜日の午後とあって閑散としている。

 やがて、屋根の下に店が集まっている公設市場のようなところがあったので、細い通路に入ってみた。

 だがどの通路を歩いても、ほとんどの店はシャッターが下りていた。

 下左  市場の入口近くにあった「李曾(イソ)」という店へ。

 下右  店内は靴を脱いであがる仕組みで、すいていた。

 注文したのは、栄養飯(ヨンヤンパプ)。

 店頭の写真で見て、釜飯でご飯の上にはいろいろな具がのっているにのがうまそうに思ったのだ。具としては、栗、ぎんなん、蓮根、ごぼうのようなものなどが写真から見て取れる。韓国のことだから、これにおかずが数種類ついてくるとは思っていた。

 そして店内の値段表を見ると9000ウォンであったので、妥当だと思い注文したのだ。

 少しして、おかずが運ばれてきた。はじめ数種類と思っていたのだが、どんどん運ばれてきて、ついに写真のような有様になった。スープを入れて17種類だった。

 釜飯も運ばれてきたのだが、なぜか、栗の入った赤飯であるが、店頭の写真のようにいろいろな具が入っているわけではなかった。

 店頭の写真と違うことなど、おかずの多さで帳消しで、おつりもある。これでホントに9000ウォンなのか。注文し間違えたのじゃないかと心配したが、間違えじゃなかった。

 
 釜飯のふたをとって写真をとろうとしたとき、すかさず店員に釜飯を別の皿に移し変えられ、釜の中にはお茶が注がれた。

 このお茶だが、食事の終わりになってもまだ熱いままだった。石焼の釜の保温効果は相当なものだ。また、こうすることによって、釜についたご飯つぶもきれいにとることができた。

 さて、おかずだが、全種類とも少しは食べたのだが、完食はできず、かなり残した。これで9000ウォンは安いものだ。

駱山(ナクサン)の城壁と李花洞(イファドン)

 上左  5号線と1号線を乗り継いで東大門にやってきた。

 上右  東大門より少し北へ行ったところから、城壁沿いの散策路が整備されている。

 左  散策路は坂道になっていて、次第に高くなる。ソウルのど真ん中にこんな散策路があのかって感じだ。

 20分ほど歩くと城壁沿いの散策路のなかで一番高いところに出る。すぐそばに駱山(ナクサン)公園がある。

 この一番高いところへは東大門からマウルバスがでている。マウルバスに乗るのが簡単にいけて早い。でも城壁や散策路を体験したかったので歩いた。

 城壁沿いの散策路はこの先も続いていて、カトリック大学のところで一般の道路と合流している。今回はこの先はすすまず、西側に下りてみることにした。

 一番高いところの駱山(ナクサン)公園からは東西とも景色がすばらしい。これは東側。

 このあとは、西側に下りてみることにした。駱山公園のちょうど西側は大学路(テハンノ)で、ソウル大学(日本統治時代の京城帝国大学)などがあるのだが、今回はそれよりは南側の梨花(イファ)洞へ下りることにした。

 

 上左  電力計の箱をアクアラングのマスク、電線を酸素を送るホースにして、絵を描いているのが面白い。

 上中  花の絵柄の階段。以前はこの階段を上がり、城壁に向かった。李花洞の壁画村を代表する場所である。

 上右  壁画村から下界に下りるときには狭い路地を通るが氷が溶けないで固まっている箇所がところどころにあった。

 左  壁画村を下りたあたりにある、住宅の側面いっぱいを使った壁画。

 李花洞から南へ行くと東大門や広蔵市場にいたる。遅い昼食のためまだお腹は膨れていたのだが、マイブームである広蔵市場には行きたくてのぞいてみることにした。
 何も食べないつもりであったが誘惑には勝てず、ピンデトックを食べてからホテルに戻った。

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