11  カ サ ブ ラ ン カ

 

 

 いよいよ、旅の終盤。マラケシュからカサブランカに向かい、カサブランカで1日をすごすという日がやってきた。

 6時に朝食と頼んでおいたのだが、6時にレストランに行くと真っ暗。レセプションで頼んで、やっと準備にとりかかった有様。

 大急ぎで食べたが、パンとコーヒーだけの簡単な食事も急ぐときは都合がいい。

 なんとか、歩いても7時の列車に間に合いそうだ。

 切符を買い、車内に入ると、もう満席に近い状態。なんとか、開放型の車両の端の席に空席を見つけ着席した。

 7時に発車したが、まだ暗くて、まるで夜行列車のようだ。それに、車両の端なので、ドアを行き来する人が、ドアを閉めない場合は、ドアを閉めるドアマンになってしまった。

 でも、そのうちに眠りについてしまい、気がつけば、もうカサブランカ近郊までやってきていた。

 カサブランカ・ヴォワジャー駅に到着。市内の中心部から少し離れている駅であるが、長距離列車はこの駅を発着する。

 

 

 駅名標は、新しいものになっていた。ほかの旅行記で、以前は、もっと味のあるものだたことがわかるので、ちょっと残念だ。
 
 ヴォワジャー駅にたむろしているタクシーの評判は悪いので、乗るように勧めるドライバーを無視して大通りに出てから、タクシーを拾った。

 ところが、そのドライバーに吹っかけられてしまった。しかも、交渉にもならない。駅からの場合は、協定料金のような感じになっているのだろうか。

 さて、ホテル近くまで行って、予約していたオテル・アストリッドが見つからない。ドライバーがあちこちで聞いてようやくわかった。

 部屋で1時間ほど休憩したのち、外出。

 カサブランカの中心の繁華街まで徒歩5分ほどという、街の中心に位置していて便利だ。 

 
 カサブランカで最大の繁華街といわれる、プランス・ムーレイ・アブダラー通り。

 300mほどの通りは、歩行者天国になっている。

 昼前なので、まだたいした人通りがなかったが、夜に歩いたときには、お祭りのような人出であった。

 ただ、屋台を出すことは禁止されているようで、いたって整然としていた。

 

 続いて、ムハンマド5世通り。ムハンマド5世は、モロッコ独立後、最初の国王。

 フランス領の当時の建物だろうか。ヨーロッパ風の白い建物が並んでいる。

 この通りを歩き、中央市場まで行ったが、犠牲祭の直だったためか閑散としていた。

 さらに、めざしていたレストランも、犠牲祭休みのために入れなかった。

 やむを得ず、マクドナルドに入店。フィッシュサンドのセットを注文。日本では、フィレオフィッシュという名で販売されているものを、もう少し横長の大きなものにしたような感じ。

 国連広場。半円球を中心にした広場。園向こうに見えるのは、メディナの時計塔。

 この広場からタクシーに乗車。きちんとメーターが使われた。

 

 向かったのは、ハッサン2世モスク。

 1993年に完成した新しいモスクで、メッカのモスクについで世界で2番目の大きさのモスクだという。ミナレットは200mの高さ。

 14時からの拝観ツアーにあわせるためにタクシーを使ったのだが、十分に間に合った。

 見学料は120DH(約1550円)とかなり高かった。

  

 モスクの内部。床は、大理石であるが、模様が彫り込まれている。柱や天井には細かい彫刻が施されている。

 25000人が同時にお祈りをすることができる。右の画像の一番奥が、正面だが、200mくらい向こうだ。横幅は100mくらい。

 ガイドに連れられて回る。英語グループに入ったが、ほかにフランス語、スペイン語、イタリア語があって、どれも同じくらいの人数であった。

  

 

 地下にはアプルーションあって、参拝者が手や足を清めるようになっている。今は水がでていないが、水が出るようになっている。

 同じく、地下にはプールもある。身体全体を清めるためだろう。40分ほどで見学終了。
 

 モスクの横は海岸。岩場の海岸で、荒々しい感じだ。

 モスクから海岸沿いにメディナに歩いていった。

 いたるところに羊の皮が干してあった。犠牲祭で解体された羊の肉が人々の胃袋に収まった残りのようだ。モロッコ全体では、いったい何匹の羊が胃袋の中に消えたのだろうか。

 

 カサブランカ港。見えたのは貨物船の埠頭。漁港がみたかったのだが、どこだかわからずじまいだった。

 メディナ内。街路は複雑ではない。

 城壁に囲まれていて、市場のエリアがある。観光客がほとんどいない市場だ。

 

 メディナを抜けでたあと、カサブランカ・ポール駅に向かった。翌日は、ポール駅から乗車したいから、列車時刻を調べておくのだ。

 駅までは、南国ムードのある遊歩道があった。

 あとは食事だけだが、その前に、ジューススタンドでオレンジジュースを一杯。
 

 ホテル近くのレストランで夕食。

 オムレツ。

 魚のタジン。この日の魚は、ペーシュだった。
 

 食事していたレストラン2階からの街並み。

 モロッコ最後の夕食はきわめてゆっくりとった。

 このあと、近くのネットカフェに立ち寄ってから、ホテルに戻った。

  

 

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